二次小説 美男ですね ドラマな二人 23 | チョコの花より美男ですね

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ドラマな二人 23

撮影現場に妙な空気が流れる。

「なかなか良いかもしれない!」
そんな中、突然監督が大声を張り上げた。

びくりと肩を震わすミナムと、真っ赤な顔のまま怪訝そうに眉をひそめるテギョン。

スタッフはこれから大きく何かが変わるかもしれないという不安からか、ざわつき始める。

「大胆なテギョン君!なかなかにセクシーだよ!良い!!そこで、後からミナム君のシャワーシーンでも入れ込んだから、尚更視聴者の想像をかきたてると思うのだが、どうだろうか?」
監督はにまにましながらミナムを見つめる。

今までの台本にはそのような際どいシーンはなかったので安心しきっていたミナムは、溢れそうになっていた涙も引っ込み、みるみる顔は青ざめ、かたかたと体を震わせ始めた。

どうしよう…。
シャワーシーンなんて…。完全に女だとばれてしまう!!
このままでは、とんでもないことになってしまう…。
とにかく何か言わないと…。何か…。でも何を言えばいいの?

「なっ!」
テギョンは、あまりの驚きに声をもらしてしまう。

考えろ考えろ考えろ…。
とにかくシャワーシーンはだめだ!絶対にだめだ!!
男とか女とかそんなことは関係ない!とにかくだめなものはだめなんだ!
歌声だけでも譲ってやったというのに、シャワーシーンだと!この変態おやじが!!

段々と怒りが増してきたテギョンは、全身を震わせながら怒鳴りちらそうとした、まさにその時、シヌの冷静でひどく落ち着いた声が耳に飛び込んできた。

「監督、急にそんなシーンをねじ込むのは感心しませんね。辻褄が合いませんよ。そこだけ浮いてしまう。」
「そうだろうか…。しかし…」
監督が反論しようとしたのさえも遮って、更に続けるシヌ。
「いや、おかしい。そもそもそんなサービスショットを少しでも入れていまったら、次から次へどんどん過激な方向へ行くことになってしまいませんか?それでは、この原作の雰囲気がぶち壊しだ。」
「…。」
まだ納得していない様子の監督に、深いため息をつくと、
「それなら…、ミナムなんかの裸よりも、俺やテギョン、ジェルミにパク・チソンさんの裸の方が視聴者は喜んでくれると思いますが…。あんな華奢で筋肉もないようなミナムの体を見て、誰が興奮するというのですか?無意味ですよ。」
一気に説得にかかった。
「そ、そうだな…。それは良い!君たちに脱いでもらえるのなら、それはもう万々歳だよ!!しかし…、事務所の許可は取れるのか?」
「そんなこと…、作品がより良くなるのなら、お安い御用です。社長には私から伝えておきます。」
「ありがとう!ありがとう!シヌさん!君はなんて素敵なんだ!!」
社長はシヌに駆け寄り手をぎゅっと握ると、満面の笑みを浮かべて大喜びしている。

その表情を見て、ほっと安堵の息を吐いたシヌは、青くなって震えているミナムに、軽くウィンクをした。
ミナムはシヌに深く頭を下げると、安心からその場に崩れ落ちそうになるのを必死で耐えていた。

「そうそう!俺ならいくらでも脱ぐよ!女性ファンは喜んでくれるかなぁ!」
ジェルミもミナムに、にっこり微笑みながら元気な声を出す。
「はい…。僕も、脱いだことなどはありませんが、監督が望んで下さるのであれば、いつでも脱ぎます。」
爽やかにチソンも監督に向かって言う。

その一部始終をテギョンは敗北感でいっぱいになりながらじっと見つめていた。

俺だって…、別に脱ぐことくらい何てことはない。いや、脱ぐのなんてまっぴらごめんだが、ミナムのシャワーシーンを回避できるのであれば、そんなこと大した問題ではない。
しかし…。

何度も何度もシヌに頭を下げ続けるミナムが視界の端に映る度に、もういい加減、自分の気持ちから目を逸らし続けることができなくなりつつあることに、嫌でも気づかされてしまう。

俺は…、俺は今、シヌが妬ましいんだ。
困っているミナムを助けるのは、いつも自分でありたい。他の誰かが助けるのは嫌なんだ…。

テギョンはもう逃れることができない自分の気持ちに混乱と苛立ちを覚え、俯き唇を強く噛みしめた。



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テギョンがとうとう!私は嬉しいです!!