陸上競技は紀元前776年
の第1回古代オリンピック
に遡る歴史のある競技である。この時にはスタジアムの長さ分の走種目、スタディオン走
のみが行われた。
古代には、他にもヨーロッパ中でいくつかの競技大会が開かれていた。
- パンヘレニック競技会
- ローマ競技会 -- ギリシア起源ではなくエトルリア
で始まったもので、走競技と投擲競技の比重を低くし、ギリシア起源の戦車レース
・レスリング
や、エトルリア起源の剣闘を重く見ていた点が特徴。
他にもケルト人
やチュートン人
、ローマ帝国を倒したゴート人
といった民族も陸上競技の大会を開き、人気を集めていたようである。しかし、これらの民族では陸上競技は軍事鍛錬と関連したものであるのが一般的で、それほど大きく組織立ったものとはならなかった。中世
には、貴族の子息たちが乗馬、馬上槍、剣術などの鍛錬に加え、ランニング、跳躍、レスリングなどの鍛錬を行っていたようである。競争相手のライバルや友人らとの間で競技会を開催することも公式、非公式を問わず、広く行われていた。
時代の枠を越えて、ヨーロッパ全土で多くの陸上競技スポーツが親しまれていた様子が確認されている。しかし、イギリスでは13世紀から16世紀にかけてスポーツを楽しむことに国家的な制限を課していた。これはアーチェリー
の鍛錬に支障が出ないようにするためであった[要出典
]。この制約が17世紀になって除かれた後、スポーツが再び盛んになった。陸上競技組織の活動は19世紀になって行われるようになった。これには学校においてスポーツ体育が実施されるようになった影響もある。正規の学校における陸上競技が取り入れられた初出としてサンドハースト王立陸軍士官学校
において1812年
、1825年
に行われたとの説もあるが、これを補強する証拠は今のところない。記録に残っている最古の会合はシュロップシャー州
シュルーズベリー
で1940年
に王立シュルーズベリー校が開催したもので、当時1838年
~1841年
まで生徒として在籍していたCTロビンソンが60年後に複数の手紙に当時の詳細について書き残している。
陸上競技は、ルネサンス
以降に近代スポーツとして発展し、1896年
に開催された第1回アテネオリンピック
をきっかけとして、世界各国へと普及した。日本
には明治初期に、海軍兵学寮のイギリス人教師によって伝えられた。日本が初めてオリンピックに参加したのは、1912年
の第5回ストックホルムオリンピック
大会であり、中・短距離走の三島弥彦
と長距離走の金栗四三
が参加した。
陸上種目の多くはその起源を古代にまで遡るものが多く、古代ギリシアで既にその競技種目としての形式が確立されていた。1896年
の第1回近代オリンピック大会でも陸上競技は実施され、常に実施競技としてありつづけるとともに、オリンピックの花形種目としての地位を占めてきた。女性のオリンピックにおける競技参加は1928年
まで許可されなかった。
国際競技統括団体IAAF
は1912年
に創設され、1983年
からは、オリンピックとは別の大会として、IAAF世界陸上競技選手権大会
を開催するようになった。他に世界室内陸上競技選手権大会
やヨーロッパ陸上競技選手権大会
なども開催されている。特にオリンピックを始め、主要な陸上競技大会の期間中は高い注目を集めるものの、スポーツ全般から見ると多くの国で一般からの関心の度合いはやや低くなりがちである。ヨーロッパで毎年夏にサーキット大会が開催され、この種の連続する競技大会としては最高峰に位置しており、IAAFゴールデンリーグ
も行われる。
全米アマチュア競技連盟
が米国における統括団体であったが、1970年代にプロフェッショナルスポーツ
としての促進が進むと、その管轄を外れた。新たな統括団体として、TAC (The Athletics Congress) と呼ばれる団体が結成され、後に全米陸上競技連盟
(USA Track and Field; USATF; USA T&F) と改名した。さらにより緩やかな組織として、ロードレースの普及促進を図る団体として全米ロードランナークラブ
(RRCA)がある。両団体とも、以前は偽アマチュアリズム
とされた、レース出場を通じて金銭を得る行為を禁止していない。