“無所属時代”の終焉が見えてきた。
俺はこの後、小5の時にはサッカー部⚽の“てる”や“たつみち”(共に仮名)と仲良くなり、彼等のグループに加わり、俺の無所属時代は終わる。
その契機というか、変化となった出来事があった。
悲しい思い出
俺は『言い付け』をする人間が大嫌いだ。
かつての会社員時代、派遣で、そういう行為をする奴を見ると、心から軽蔑した。本当に小馬鹿にした。
恥ずかしくないのか?
そう思う。
それは俺の子供時代の苦い思い出があるからだ。
あれは小3の2学期。
俺が“無所属”になる前、オオカミ🐺軍団入りする少し前だ。
イツキ(仮名)、影千代(あだ名)ら数人と昼休みに遊んだ時、軽く小突かれた。
何かアニメか漫画のキャラクターの技(?)を俺に当ててきた。俺が「止めろよ」と言っても止めなかった。
この時、イツキも影千代も友達であり、からかわれたに過ぎない。
だから、俺はそれを担任の女の先生に“言い付け”た。
俺としては、イツキらを軽く注意してくれたら良かった。
だが、その先生は俺の話に激怒した💢💢💢
帰りの会(HR)でイツキらを立たせ、クラス全員の前で俺に謝罪させたのだ。
俺に頭を下げるイツキや影千代を見ながら、俺は先生に言い付けた事を激しく後悔した。
ここまでの事をして欲しかったわけではない。小突くのを止めてくれたら、それでOKであった。
もっと言えば、似たような事はよくあり、別に先生に言い付けなくても良かった。
その後、俺とイツキらの仲は少しぎこちなくなった。
また元通りになったが、俺には“傷”が残った😢
…これくらいで言い付けんなよ。
…自分の力でどうにかしろよ。
…情けない💦
…すぐに言い付けしやがる💢
そんな風に自分を責めた。自身が凄く卑怯者や腰抜けに思えた。
(#36 チョロ 大喧嘩編)で小馬鹿にしてきた“チョロ”(あだ名)にぶちキレて、学校中を追いかけ回したのは、こうした思い出があったからだと思う。
“俺が頭に来た💢のだから、俺が“ぶん殴る👊”!
と思ったのだ。
自分らの頭の上がらない存在(先生、大人)に頼り、それに“逆らえない”人間を“攻撃”させるのは、やはら恥ずかしい💦
やるなら、俺が“直”にやる…。
そんな考えを今もしている。
ミッチーの“急所”
小4になり、ある日、俺は“ミッチー”(あだ名)と口論になった。
彼は俺にとって憧れであり、その生き方(?)は目指したものだったが、たまに揉めた。
もちろん、イツキらの時のような“からかい”ほどの口論だ。
俺はミッチーに対して「この百貫デブ!」と言い放った。彼はとても太っていたからだ。
今から思うと、友達だからと言って、言って良いことと悪いことがあり、太った人間にそれを言うのは間違っている。
しかし、俺とミッチーの“親しさ”や、普段、ミッチーや周りからの俺に対する扱いや、ミッチー自身が俺に、俺が過去に“スカートめくり”をして先生に怒られた事や言われたくない事を言ったりした。
つまり、俺からしたら「百貫デブ!」は全くの“許容範囲”であり、ミッチーは俺に対して何か文句を言ってくる展開を期待した。
「うるせぇ、エロ!」「スカートめくり犯!」「◯◯した事、バラすぞ!」などである。
だが、ミッチーは違うリアクションを見せた。
なんと先生に“チクった”のである。
当時の担任は(#35の)草尾先生だった。
俺はこっぴどく怒られた。
そして、思った。
(あのミッチーが、言い付け?)
ミッチーは普段は先生などは“舐め腐って”いて、 ロクに相手していなかった。
それを“今回”だけは言い付けをした…。
そこまで俺からの「百貫デブ」が頭に来たのか。
ミッチーは体型を弄られるのが、NGだったのだ。
その傾向は確かにあった。
別の時、仲間内で「誰がどんな動物に似ているか?」という話になった。
俺は「ニワトリ🐔」だった。
昔からそう言われていたし、小馬鹿にもされていた。飼育係もしていたし、自身でも半ば認めていた。
だが、そう言われたら、一応怒った。
そして、ミッチーに「お前は豚🐷だろ!」と言った。お互い様だ。
しかし、ミッチーは激しくそれに怒り、「俺は亀🐢だ!」と言い出した。
「後ろ髪の襟足が亀の尻尾だ!」と誰もそう思わない部位を主張してブタ🐷と言われる事を否定した。
今から思うと、彼は体型を言われる事が本当に嫌だったのだろう。
ミッチーの“心の傷”だったのだ。
それが無所属で調子が良く、知り合いも多い、人当たりの良い彼の“急所”らしかった。
別れの予感
「コイツ(ミッチー)、先生に“言い付け”とかするんだ…」
俺はそれがショックだった。
“イツキらの件”で言い付けという行動に嫌悪感を持っていた俺はそれを憧れ😍のミッチーがしたことで、大いに失望した。
それまでは“同級生のお兄ちゃん”というような存在だったが、何だか“同級生の太った奴”に思えてきた。
俺の中でミッチーの見方が変わり出した契機だ。
そして、小4から始まった放課後のサッカー部で、俺は通っていたのに、ミッチーは全く顔を見せず、適当な嘘を付いて“幽霊部員”になった事も俺と彼の間に溝を生んだ。
(先生には言い付けんのに、サッカー部はサボるのかよ💢)
別に先生から「サッカー⚽しろ」と言われたわけでは無いが、あれくらいの事で草尾先生を頼り、俺を“叱責”させたミッチーが、都合悪くなるとサッカーから “逃げる”のが、頭に来ていた💢
“腰抜け”、“卑怯者”、“恥を知れ”
そんな事をミッチーに思い始めていた。
この頃の俺はミッチーのような無所属として、いろんなグループに顔を出していたし、ミッチーとも遊んでいた。
彼の“スタイル”はやはり憧れだった。
いきなり嫌いにはなれなかった。
嫌いではないが、“憧れ”という存在からは“遠く”なっていた。
俺も“言い付け(チクり)”をしない事はない。
自身ではどうにもならないことや、あまりにも露骨な“攻撃”をされたら、言い付ける事はある。
俺としたら、その“ライン”は随分と高いはずだ。
俺なりに対応したり、抵抗する。
それで無理なら、渋々だが言い付ける。
ミッチーのように、“俺ごとき”(自分で書くと悲しい💧)に悪口を言われ、文句も言えずに“先生に言い付ける”?
それが“あの”ミッチーか?
普段の彼からは想像できない“腰の引け方”に見えた。
つまり、ミッチーの“元値”である。
俺は、ミッチーと遊びながらも、ミッチーは『友達』“並み”になっていった。
だから俺は“無所属になれた”のかもしれない。もしかしたら、ミッチーの“子分”になっていたかもしれない。
だが、この百貫デブ事件は、俺のミッチーに対する見方を変えた。
ミッチーから離れようとは思わなかったが、以前よりかは“離れ”ていく事になる。
そして、俺は無所属を“終わる”事になり、ミッチーにさらに失望する…。