#25で“イイダトーイ”(オモチャ屋)の話を書いたが、そこで思い出した事がある。
俺が一人、ガンプラ(BB戦士)にハマっている時だ。(小5の頃か?)
俺は買いもしないのに、このオモチャ屋に入り浸っていた。(迷惑)
“無所属”の俺は、そんな風に一人でブラブラしている時があった。
このオモチャ屋の店先に『じゃんけんマシン』が置いてあった。
これだ。
知っている人もいるだろう。ゲーセンとなあっただろ?
1回10円。
硬貨を入れたら、「じゃんけ~ん♪」と声がして、✊✌️✋のボタンを押して、勝つとルーレットが周り、配当(×3など)が決まるシステム。
小遣いの少なかった俺は、たまに10円玉を数枚入れたが、高配当(×10)などが当たることはなかった。もたいなかったなあ、
ある日、俺が店先でこのゲームをやろうとしたら、俺の前に“おっさん”(あだ名)という同級生が現れた。
おっさんは、あだ名の通り、老け顔をした同級生で、ずんぐりむっくりして男だった。
俺とは遊んだりはなかったが、もちろん顔見知りだった。
おっさんはビニール袋を持っていて、そこには10円玉が山ほど入っていた。
俺「“おっさん”、これ何?」
お「これ、やるんだよ?」
俺「じゃんけんのヤツ?」
お「おー、そうそう」
俺「こんなに10円玉を!?」
お「親から1000円分、もらって来たんだ」
俺「はあ?」
おっさんはこのじゃんけんマシンに1000円分の10円玉をぶち込む、というのだ。
(おっさん、頭イカれてんのか?)と心の中で思った。
すると、おっさんは本当にその10円玉をマシンに入れ、猛烈な勢いでプレイし出した。
マシンから「じゃん…」と言い出すとすぐに✊✌️✋のボタンを見ずにぶっ叩いた。
ハズレてもお構い無し…。
すぐに次の10円玉を入れた。
当たると、すぐに引き出してまたつぎ込む。
それを繰り返すのだ。
本当に頭がおかしくなったとしか思えなかった。
おっさんと親しくなかった俺は、彼の意図が分からず困った。
半分以上つぎ込んだ時だろうか?
じゃんけんに勝ち、ルーレットが周り、何と1番配当の高い『×50』が当たった。
「お、おっさん、大当たりだ!」と俺は騒いだが、おっさんは平然とその配当分(500円分)をまた、マシンにつぎ込み出した。
「お、おっさん!?」と俺は止めたが、おっさんは「別に良いよ(?)」と言うだけだった。
放課後のオモチャ屋の軒先で、俺は1人大騒ぎしていた。
おっさんは平然とじゃんけんマシンのボタンを叩いていく。
やがて、おっさんは稼いだ10円玉を全てマシンにつぎ込み、失った。
1時間くらいだったと思う。
「ん~。こんなもんか?」とおっさんは呟き、1人、帰っていった。
残された俺は、“ポカーン”である。
おっさんは何をしたかったのか?
つまり、おっさんはじゃんけんマシンを“楽しんだ”のではなく、“確認した”のである。
「いくらか突っ込んだら、大当たり(×50)が出るか?」という“確率”を、見極めたのである。要するに、このじゃんけんマシンは500円以上つぎ込まないと、高配当が“引けない”という事が分かったのだ。
後から分かる事だが、この同級生おっさんの家は経理事務所などをして、そこそこの金持ち💴💴💴であり、こういう事ができたのだ。
もっと言えば、おっさんはマシンの仕組みに薄々気付いていて、それを1000円分の10円玉で確認したのだ。
後々のパチンコやパチスロ機の解析のような事をしたのだ。
あれから30年以上が経ち、今思うと、おっさんは金があり、それを使い、確認行動をしたに過ぎない。
金持ち💴とはこういう“遊び”をするのか、と思っている。
俺がイイダトーイの軒先で数十円で(…当たるかな?)などと思いがら、じゃんけんマシンをしていたが、金持ちのおっさんはそれを軽々と越えていく。
そういうものなのだ。
(羨ましい)とか(スゲー)とは思わない。
俺と考え方が違う。
俺はパチスロなどのギャンブルはやらないから、分からないが、あーした遊びを理解したい、と思う奴もいるのだ。
おっさんとは中学生を最後に別々の高校になったので、合っていない。
今頃、どうしているのか?
パチスロとかやっているのかな?