エンディングだ!



…だが、今の俺にそれほどの感慨は無い。対戦前にレベルアップさせていたから、勝って当然という気がする。それを置いても"あの"感動が沸いてこないのだ。実のところ、このゲームのプレイ中、ずっと感じていた感覚だった。


このゲームが俺の人生で有数のゲームだった、という話は少し前に書いた。
ドラゴンクエストというネームバリュー。
章分けされた物語と、それが繋がる第5章の冒険。
デスピサロとロザリーの哀しい物語…。
感慨深くなるポイントはあるのに、俺は少しも感動しなかった。
あれよと言う間に、1章、2章とプレイし、気が付けば6章に来て、エンディングを迎えてしまったと言う感じ。
何故か?
ゲームのスペックは下がっている筈がない。FC版からかなり向上している。
あの頃、RPGて言えば、"レベル上げ"が付き物だったが、PS版では第1章の始めと、3章の大会前、そして6章のエビルプリースト戦間でしかしていない。サクサクと進んだ気がした。
使える魔法も増え、さらに6章というボーナスステージまである。
"深み"でいうなら、確実に旧作を越えている筈だ。
だか、それでも印象はFC版の方が良い。
俺がFC版のドラゴンクエストⅣをやったのは、25年前。発売から一年以上が経ち、周囲では"スーパーファミコン"が広まりだした頃だ。貧乏な我が家のゲーム機は未だにファミコンであり、バリバリの現役。8ビットの世界にどっぷりハマっていた。
発売当初、確か改装される前のエ●ーソンで8,000円買い取りの8,480円販売という考えられない売り方をしていた。俺が買ったときは3,980円の大特価だったな。
俺は夢中になった。
中学生になった年だったが、学校から帰宅後や休みの日、やりまくった。
楽しかった。
ちなみに前作の"ドラゴンクエストⅢ"もやはり販売から一年経った後、弟の友人に強引に借りてプレイしていた。
だが、こちらは砂漠の辺りで挫折。その後、GB版を社会人一年目にクリアしている。(何やってんだ、俺…)
しかし、今度のプレイではあの感動が全く手に入らないのだ。
なんか、『きっと先に進めば…』と思っているうちにクリアしてしまった気がする。
そして、決めた。