四月の魚は背中で泳ぐ | 昼寝をしないと 夜も落ち/\眠れない

昼寝をしないと 夜も落ち/\眠れない

おじょぉ の詭弁に満ちた日々

毎年一日だけ嘘をついてもよいという風習が一部地域を除いて世界を支配する。
正午までに限るとも言い伝えられているというのに、日本ではそのルールを無視しては真夜中まで舌の根の乾く暇も惜しんでいる輩が多い。

そして毎年、親にまんまと騙される春休みの朝。
たいてい父が楽しい場所へ連れて行ってくれるようなことを言い、
それをすっかり信じ込んでは、きゃっきゃと声をあげ飛び上がりながら大喜びし、
キラキラした無垢な眼をむけ計画の詳細を聞きたがるので、見兼ねた母が嘘ばっかり言っては駄目だと父をたしなめ、提案されたばかりの素敵な計画は、本日がエイプリルフールであることの説明をさらりとした後に撤回された。
この毎年行われる馬鹿げたお決まりのパターンはいつまで続いていたのか、今となっては記憶も定かではない。

大人は年度始めだと憂鬱になるが、子ども達は描いた魚の絵を切り取って、誰かの背中にこっそり貼るいたずらをするのだとフランス通の友人が言っていた。
通勤でごった返す人々の背中に貼っていって、スイミーのような魚群を街に放ちたい。
巨大な魚に食われぬように。