ブロードウェイ版では軽妙なセリフがふんだんなコメディタッチのミュージカルだったのだが、
その雰囲気を見事に払拭したのがハリウッド版イントゥ・ザ・ウッズである。
舞台と映画では、その手法も変われば演出も変わるのは当然。
私としては笑いが絶えなかったミュージカルコメディの方が好みだが、それは舞台という
観客と一体になるあの独特の雰囲気の中でこそかもしれない。
スクリーンでコミカルさを全面に押し出されてもあの楽しさは伝わらず、
陳腐なコメディ映画になっていたかもしれない。
せっかくCG技術を駆使した魔法の国で美男美女が入り乱れるのだから、
笑いは盛りだくさんいらないという事なのだろう。
ここで、映画を見ていない人には期待感を与え、見た人には何となく判るように書くとすれば、
物語は舞台版と同じく展開してゆき、あのように始まってあんなことがおき、世界的によく知られたおとぎ話に出てくる者々が、こうなってそうなって右往左往しつつ、あのようなことになるといった具合だ。
見どころは当たり前だが、歌である。
セリフをメロディーに乗せて感情豊かに歌い上げる名曲の数々である。
そして一人として頭脳明晰な人物が出て来ない、人々の中から生み出される人生哲学であるが、
映画館へ行かなくても楽しめるかもしれないので、しばし待たれてもよい。
予告編にも、ポスターにも出て来ないがビリー・マグヌッセン( Billy Magnussen ) という俳優が、かなり容姿端麗であったこと、胸板を見せつけられてしまうことを付け加えておく。
