『イミテーションの木』 by Mr.Children
導火線の火が シュって音を立てて砂浜を這う その細く強い光
一瞬、静寂がふっと夜を包んで 浮かび上がる あの娘の横顔
風に乗って響いてく音 火薬の匂い 打ち上げられた花火に夢を重ね見上げていた
⇒若い男女が花火をみる風景が浮かぶ。
主人公にとって花火はついでなのか、浮かび上がるのは彼女の横顔、そして夢。
深く沈めた記憶 向こう岸に捨てた憧れ 青臭い恋のうた
時間は残酷 もう魔法は解けてしまった 過去ばかりが綺麗に見える 現在(いま)がまた散らかっていく
⇒そんな若い頃の思い出も遠い昔。当時持っていたような情熱や夢は、今はもう無くなってしまった。
リニューアルしたビルの中 イミテーションの木が茂る その永遠の緑をボーっと見ていた
⇒イミテーションとは、作り物や人工物という意。自分と作り物の木を重ね合わせている主人公の姿。
ビルは現代社会の象徴。大人になり、社会に揉まれ、日々生きていく中でいつの間にか形成された自分の存在と重ね合わせる。
世界中に起こってる悲劇と比べたら 僕の抱えたモヤモヤなど 戯言だってよく知っている
⇒そんな自分は本物ではないんじゃないか?若い頃の情熱や夢はどこへいった?
こんな自分のままでいいのか?価値はあるんだろうか…?そんなモヤモヤだろうか。
イミテーションの木の下を 少年が飛び跳ねている それを見た誰かの顔がほころぶ 情熱も夢も持たない張りぼての命だとしても こんなふうに誰かをそっと癒せるなら
⇒情熱や夢も持たない作り物の木でも、誰かを癒すことができるんだ ということを目の当たりにする主人公。
導火線が今 シュって音を立てて胸に点る この確かな強い光
⇒何かを強く決意する主人公。冒頭にもある導火線という言葉。過去の記憶や情熱が再燃し始めたように。
無機質なそのビルの中 イミテーションの木は茂る なにかの役割を持ってそこにある イミテーションの イミテーションの 張りぼての命でも人を癒せるなら 本物じゃなくても君を癒せるなら
⇒無機質な社会で、本当の自分を押し殺して生きている自分でも、まるで意味がないなんてことはない。誰かを癒すことができるはずだ。
そんな確信を得た主人公の姿を映し、曲は終わる。
非常に良曲だと思う。聞けば聞くほど、好きになってしまうような。
ただ、この曲をどう受け取るかは、聞く人によって大分違うかとも思う。
本当の自分を押し殺したままでいいのか?
偽物でもいいのか?
結局、社会にいいように生かされているだけ…。という風な捉え方もしようによってはできる。
だけど、この曲はそんなことまでは描いていない。
現代社会に生きる人の持つ苦悩(モヤモヤ)を書き表しつつも、最後は前向きな表現で終わっている。
最後の曲調がそれをよく表していると思う。
少なくとも、最低限。それだけは間違いないことなんだ、ということを教えてくれ
ている。
そこから先のこと(偽物本物うんぬん)は、その人次第だということだと思う。
最近のランニングは、この曲の入ったアルバムを聞きながら。おすすめです。
さてさて2013年!
今年も、頑張ろう!!
僕は僕らしく、誰かを癒せるように。



