20年以上も前ですが、私は夏になると荒川に潜って魚の観察をしていました。釣りも趣味でした。当時の荒川には写真のようにたくさんの魚がいました。今は最も多かったオイカワが減り、コクチバスが増え、大型の鯉は増えていますが、沢山いたニゴイはほとんど見られなくなりました。荒川中流域の釣りは、昔はいなかったブラックバスの釣りが多くなっています。今は、河川敷の道は柵で止められ、河川敷は木や草が茂って入れなくなりました。そんな河川敷で遊ぶ子供は少なく、川と人が隔てられ「川の生態系を守る」という古い看板が、藪の中に虚しく立っています。三面護岸になった支流には、大きな鯉が泳いでいますが、ドジョウなどはめったに見られなくなりました。荒川水系の生態系は変わってしまいました。新しい農薬のことが噂されていますが、本当の理由は私にはわかりません。一時期、川鵜の大群がいましたが、今は魚がいないのでそれも見られなくなりました。

私たちが子供の頃の荒川水系には、沢山の魚がいて、私たちは魚釣りなどの川遊びをしました。夏の岸辺には、ギャルの水着姿もありました。荒川は、昔の子供たちのワンダーランドでした。

今日は、体調が良いので荒川の懐かしい釣り場などを巡りました。木や草が生い茂り、人が川辺に降りる道の多くが藪になり、歩けなくなってしまいました。

大きな緋鯉を２匹と野鯉を沢山見ましたが、オイカワなどの魚は見られませんでした。少ない釣り人はブラックバス狙いで、川と人は益々離れてゆくようです。川はただの水路になり、水切りのできる場所も減っています。川という皆が共有できる身近な自然は、教育的資源としても貴重なものですが、近年は利用されることもほとんどないようです。

偶然出会ったバス釣りの若者と、昔の荒川についてしばしのお喋り「１万年後の荒川はどうなるんだろうね」という私に、若者は「その頃は人類は全滅するか、宇宙に住むのでしょうね」と言いました。

63. 川の変化