大腸のポリープが「悪性」だから外科手術を受けられる病院に行くように、と告げられたのが、金曜日。土曜と日曜は、外来の診察が無く週が明けてからでないと受診できないのですが、ちょうどその翌週の月曜日と火曜日に大事な仕事が入っていて休むことができず、水曜日に受診する事にしました。1日でも早い方が良いのかもしれないですが、とは言え、そんなすぐに悪化するものでもないだろうし、ちょうど水曜日の外来担当の医師が、外科部長の大腸がんが専門の医師だったので、水曜日の朝一で病院へ行く事にしました。
まさか自分が癌になるとは思ってもみませんでしたが、いざ癌だと告げられても案外冷静なもので、妻からは「なんでそんなに冷静でいられるの?」と責められる始末。そんなことを言われても、取り乱したところで何かが変わるわけでもないし、わかったことから、できる事を考えるしかないわけで、とりあえずわかっている範囲から自分の置かれている状態を理解して、この後、起こり得ることに備える事だけを考えていました。
幸いなことに、YouTubeなどで実際に癌の治療にあたっている医師の方が詳しく解説してくれているチャンネルなども多くあり、国立がん研究センターのサイトなどでも、きちんとしたデータに基づいた解説がなされているので、癌という病気についての知識を得て自分の置かれている状態を推察する事は、そう難しい事ではありませんでした。ただ、知れば知るほど、これまで全く癌という病気について理解していなかった事について、反省したのでした。
癌という病気はなぜ「怖い」のか?
一般的には「悪性腫瘍」のことを私たちは「癌」と呼んでいます。医学的な細かい分類はおいておいて、つまり「腫瘍」の中で「悪性」なものが「癌」。じゃぁ、「悪性」の定義は何か、と聞かれて答えられる人は、医療従事者か癌の経験者でなければ、ほとんどいないのではないでしょうか。なんとなく「悪性だから癌」で思考が停止しているように思うし、僕自身もそうでした。でも、この「悪性」の定義が、癌を理解する上では一番大切な事なのだと思います。
では、「悪性」とはどういうことか。それは一言で言ってしまえば「際限なく広がる」という事なのだと思います。悪性でない腫瘍は、大きくはなるけれども、局所にとどまり、他に広がることは無い。悪性腫瘍は周辺へも広がるし、離れた場所にも広がります。医学的には「浸潤」と「転移」という言われ方をしていると思います。しかも癌細胞は他の細胞と異なり、死なない。つまり癌は死なない上に、周りにどんどん仲間を増やして行き、離れた場所にも移動しそこでも仲間を増やし、正常な細胞の働きを阻害する。まさに「性悪」なわけです。
これって何かに似ていると思いませんか?死ななくて、周りにどんどん仲間を増やして行って、さらに遠く離れた場所にも移動して仲間を増やす。そう、「ゾンビ」です。
癌をゾンビに例えるなんて不謹慎かもしれないし、そもそも実在しないものに例えるのもおかしな話かもしれないですが、癌の恐ろしさを理解するにはゾンビに例えるのが一番理解しやすい気がします。

