この時点で自分の癌についてわかっている事は、大腸がんの中でも、結腸がんで、おそらく具体的な場所はS状結腸だという事、腫瘍そのものはあまり大きくない事、治療として内視鏡では切除できないので外科手術が必要、という事でした。生検で腫瘍が「悪性」だということは確定しているのですが、それ以上のいわゆる癌の「ステージ」はこの時点では不明です。それはこれから病院で詳しい検査をしなければわからないのですが、少なくとも「外科手術が必要」という事なので「ステージ0」は無い。後は腫瘍の大きさが小さいことからすれば、ステージ2ということも無さそう。検査しなければわからないけれど、他に転移がある気もしないので、4が無いとすれば、比較的浅いステージ1か、浅くてもリンパへの転移のあるステージ3となるのでしょう。

 

もしステージ1だったら5年生存率は92.2%、ステージ3だったら5年生存率は76.8%。けっこうな違いです。ステージ2なら86.4%で、ステージ4なら16%。がんの特徴的なところだと思うのですが、大腸内でのがんの浸潤が低くても、もしリンパ節に転移が認められればステージ3になります。そうすると5年生存率はステージ2よりも低くなる。リンパ節へ転移があるという事は、既にがん細胞が体の中に広がっている可能性があるから、それだけリスクが高くなるという事なのでしょう。

 

とは言え、確定しなければ考えても仕方が無いので、とにかく市立病院へ行って診断を受けるまでは深く考えないようにしていました。

 

ガンの「ステージ」、どう理解する?

癌のニュースが流れると、ほぼ必ずセットで癌のステージも出てきます。自分が癌になる前は、なんとなく数字が大きい方が重いのだろう、くらいにしか理解していませんでしたが、癌について理解してみると、その区分けには癌の特徴が反映している事に気付きました。つまり癌の状態を把握するためには、癌の「広がり」を把握することが重要であって、広がりには「局所的」に拡大する「浸潤」と、離れた場所への「転移」があります。特に血流にのって癌細胞が移動して離れた臓器への遠隔転移することは、がんの最もやっかいな特徴と言えると思います。だから癌のステージは、病状の重さ、というよりも癌の広がりを示すもの、と理解した方が良いのだと思います。つまり、ステージ0~2までは転移が無く「浸潤」の深さを示し、3、4は「転移」の状況を示す。

 

大腸がんであれば、0は表面の粘膜までで、1は大腸壁内にとどまる状態で、2は大腸壁を越えて周囲の脂肪層まで達している状態。一方で3はがんの深さに関わらずリンパ節への転移が認められ、4は他臓器への転移を認めるもの。

 

僕は、これは、ゾンビに見立てるのが理解しやすいと思っていて、0は建物内にゾンビが1体だけいる状態。その1体だけ取り除けば、対策は終了。1と2は建物の中にゾンビが広まって2は外にまで達しているけれど、敷地の外には出ていない状態。この場合、建物と敷地ごと破壊して、対策終了。問題なのは、ゾンビが敷地の外に出てしまった場合。建物の中のゾンビの状態に関わらず、街をめぐるバスにゾンビが乗っているのが、ステージ3。こうなると、もしかすると既にゾンビが離れている場所にまで行っているかもしれないと考える。そうすると、ゾンビで溢れた建物を破壊するだけでなく、ゾンビの活動を弱める化学物質を街中にまかないといけない。癌で言えば抗がん剤治療。そしてステージ4が他の建物にもゾンビが活動の範囲を広めてしまっている状態。こうなると、片っ端から建物を壊すわけにいかないので、強力な化学物質を街中にまいてゾンビの活動を弱める対策を取らないといけない。化学物質をまくことでゾンビ化していない人たちにも影響があるように、抗がん剤は正常な細胞にも悪影響を及ぼすので、抗がん剤治療は辛い。

 

どうでしょう。ゾンビに例えると、理解しやすくなるのではないでしょうか。