私は福島県生まれだが 実家は農家だったので農地や野山の状態が気になる。
今の ここ千葉県のわが家の周りは田んぼが多いが、田んぼの三割は休耕田で草ぼうぼうだ。
田んぼを埋め立てて宅地化も進んでいる。
何とも心が痛む。
一時は大規模農業経営の構想が話題になったが どうなったのだろう?
少なくとも近所ではその様子が見えない。
食料安保が叫ばれる昨今、いざという時のためにせめて米だけでも国内で自給ができるように田んぼは残して欲しいものだ。
もうひとつ心が痛むものがある。
それは山々の木々が竹やぶに侵食されつつあることだ。
とにかく竹の繁殖力はものすごい。
近所の山を見渡しても以前は小さな竹やぶだったものが、いまや山を覆い尽くしそうだ。
旅行をしたら車窓から山々を見て欲し欲しい。
竹やぶが山の三分の一近くも覆っている風景を見かけるのではないか?
私が小さい頃の実家の裏山も竹やぶだったが、タケノコを採り、竹は籠やザル,竹ぼうき,竹竿などの竹細工に利用していた。
だから 竹やぶの余分な繁殖は避けられた。
しかし、もう竹細工では竹の繁殖は抑えられない時代だ。
何か簡単で大量の竹を利用する方法がないだろうか?
わたしは、竹の繊維による製紙化が最も望ましい気がする。
あの繁殖力を見ると木材パルプよりも有望なのではないか?
すでに竹を原料とした紙を見たことがあるが、国の助成による製紙技術の向上と製紙工場への補助、さらには竹の栽培にまで繋がればと思う。
もうひとつ目立つ風景で 心が痛むというか何か悔しい思いをするのは、野原のセイタカアワダチ草の繁殖だ。
外来種であるセイタカアワダチ草は、根から毒を出して他の野草をやっつけてしまうという。
おかげで古来の日本の野草が セイタカアワダチ草に駆逐されつつある。
これも 旅行をして車窓から眺めると 全国が似たような風景で愕然としてしまう。
とは言っても 地方によって多少の差があるようには思う。
ここ千葉県は セイタカアワダチ草の繁殖が最も早かった地方と思うが、そのせいか待望の(?)天敵が登場してくれた。
ご存知とは思うが、それは日本古来のススキだ。
ちょっと注意して道端の草むらを見て欲しい。
セイタカアワダチ草とススキが同居していないだろうか?
別に仲が良い訳ではない。
両者が熾烈な戦いを行っている最中だ。
徐々にススキが勝利を収めつつあるように思うが、それを見て何か溜飲が下がる思いをするのは私だけか?
もっとも、ある人が「外国の荒野に比べて、セイタカアワダチ草であれ何であれ緑の野原が保たれているのは良いことだ」と言っていたが、なるほどとも思った。
そして、竹やぶであっても 外国でよく見かける はげ山よりは よほど良いのかも知れない・・・