結論、人によりますが、飲んだ方がプラスになることが多いです。


 近年のフィットネス業界では、プロテインの重要性が広く認識されるようになってきました。筋力アップやボディメイクを目指す人々にとって、プロテインは欠かせない栄養補助食品となっています。しかし一方で、プロテインの適切な摂取タイミングや量については、様々な説があり混乱を招いている面もあります。プロテインを上手に活用するためには、正しい知識を身に付けることが何より大切です。


プロテイン摂取の目的


 プロテインの主な目的は、筋肉の修復と成長を助けることにあります。筋力トレーニングでは、筋線維にダメージ(micro tear)が発生します。そのダメージを受けた部分を修復する過程で、新しい筋線維が生成されるのです。この時、良質のたんぱく質を給付することで、ダメージを受けた筋線維をより速やかに修復し、さらなる筋肉の成長を促せます。特にベンチプレスやスクワットなどの大重量の基礎種目では、筋線維へのダメージが大きくなるため、その後のプロテイン摂取が非常に重要になってきます。


摂取タイミング


 筋肉合成が最も活発に行われるのは、トレーニング後の数時間です。この重要な時間帯にプロテインを摂取することで、より効率的に筋肉のリカバリーと成長を図れるのです。具体的には、トレーニング終了後30分から1時間以内が理想的なタイミングと言われています。この時間帯にプロテインを摂取すれば、回復系の生理機能が最大限に高まっている状態で、たんぱく質を効率良く利用することができます。


 ただし、このタイミング以外では筋肉が合成されていないかというと、そんなことはありません。24時間、筋肉は分解され、合成されています。そのため、定期的な食事からタンパク質を摂取する必要がありますが、十分な量を補給できない、あるいは食事の間隔が空いてしまう場合などは、トレーニングの有無に関係なくプロテイン摂取を検討しましょう。


適切な摂取量


 プロテインの1回あたりの適切な摂取量は、一般的に20~40gと言われています。これはたんぱく質の吸収効率を最大化する量です。40g以上を一度に摂取しても、吸収効率は変わらず、かえって体に無駄な負担がかかってしまいます。また、個人の体重によっても適切な摂取量は変わってきます。体重60kg未満の人であれば20~30g、60~90kgであれば30~40g、90kg以上の人は40g以上と目安にすると良いでしょう。


ホエイとカゼイン


 プロテインの種類によっても、最適な摂取タイミングが異なります。ホエイプロテインは吸収が早いため、トレーニング直後の摂取に適しています。一方、カゼインプロテインは吸収が緩やかなため、就寝前の摂取がおすすめです。朝食後や空腹時の摂取では、ホエイとカゼインを組み合わせると良いとされています。このように、目的に応じてプロテインの種類を使い分けることも重要なポイントです。  


まとめ


 プロテインの効果を最大限に発揮させるには、個人の状況に合わせて上手に活用することが欠かせません。無理のない範囲で、継続して摂取することが何よりも大切です。プロテインは手軽に良質のたんぱく質を補給できる優れた栄養補助食品ですが、あくまでも補助的な存在です。基本的な食事から十分なたんぱく質を摂れないようであれば、プロテインで不足分を補うことになります。目標とする理想的な体作りに向けて、プロテインを上手に取り入れながら、バランスの良い食生活と併せて継続的なトレーニングに努めていく必要があります。


最後になりましたが、プロテインの摂取は個人差が大きいことを忘れてはいけません。同じ体重であっても、体質や遺伝的な要因で最適な摂取量は変わってきます。自分に合ったプロテインの摂り方を見つけるためには、しっかりと記録を付けながら試行錯誤を重ねることが不可欠です。理にかなった一般的なアドバイスは参考にしつつ、最終的には自分の経験と感覚を信じ、無理のない範囲で調整していくことが大切なのです。周期的な筋力アップとリカバリーを繰り返しながら、着実に理想の体へと近づいていきましょう。​​​​​​​​​​​​​​​​