1, 主食を固定する


ご飯やパンなどのいわゆる「主食」は、三大栄養素のうち「糖質」がメインの食材です。


先ほど、「摂取カロリーを2,000kcalとするなら…」というところで、ご飯なら1食200gが目安とお伝えしましたが、主食が毎食異なると糖質量の計算がややこしく、面倒になります。


面倒なことは続きません。できる限りシンプルに進めるために、主食を固定することをオススメします。


同じ量の糖質であれば、何を主食としてチョイスしていても基本的に同じと考えましょう。一般的に健康的とされている玄米でもカロリーオーバーしていれば太りますし、毎食うどんでもカロリーが足りていなければ痩せます。


主食として食べたいもの、用意しやすいもの、食べると腹持ちが良く元気になるものを選択しましょう。



2, 食物繊維を増やす


主食のことを「炭水化物」と呼ぶこともあるかと思いますが、栄養学的にいうと「炭水化物 = 糖質 + 食物繊維」です。


糖質は1g4kcalですが、食物繊維は人間の消化酵素では分解できないためカロリーは0です。では栄養学的は意味のないものかというと、全くそんなことはなく、むしろ6大栄養素の1つになるほど重要な栄養素です。


摂取した食物繊維の役割は多岐に渡りますが、ダイエットに関することで箇条書きにすると、


・暈が増すため満腹感を満たしてくれる

・血糖値の上昇が緩やかになる

・整腸作用によりメンタルが安定する


となります。


食物繊維は厚生労働省によると男女ともに5gほど不足する傾向にあります。普段あまり食物繊維を意識していない方は、+5gを目安に摂取してみてはいかがでしょうか。

※目標は17〜22g、実際は13〜15g


タンパク源として納豆を選択すると、1パックで4gの食物繊維が摂取可能です。ボディビルダーはよくブロッコリーを食べますが、こちらも100g中に5gの食物繊維が含まれています。


基本的に野菜は食物繊維が豊富です。ベジファーストはあまりダイエットには役立つことはないと考えていますが、野菜の総量を増やして損はありません。ダイエット中は野菜をたくさん食べましょう。



3, タンパク質を増やす


三大栄養素のうち、糖質や脂質が不足するという方はあまり多くないと思いますが、タンパク質を十分量摂取できている方は少ないはずです。それがダイエット中でカロリーを抑えている方なら尚更です。


タンパク質が不足すると筋肉量を維持することが難しくなり、基礎代謝が低下してしまい痩せにくくなります。


また、タンパク質は筋肉の材料になるだけではなく免疫機能やホルモンの材料となるなど、身体のありとあらゆる細胞を正常に保つために必須の栄養素ですので、意識して多く摂取するようにしましょう。


食事の基本の項目では全体の摂取カロリーのうち1/4をタンパク質から摂取するようにしましょうとお伝えしました。もう少し分かりやすい計算としては、体重1kgあたり1.5g程度のタンパク質摂取を目標にしてもOKです。多くの方にとって、75〜120gほどになります。


この数字を満たすためには、ほぼ毎食肉や魚などタンパク質食材を摂取する必要があります。ダイエット中は、なるべく低脂質のものを選ぶようにしましょう。そうしないと、脂質の摂取量がオーバー=カロリーオーバーになりがちです。


代表的なものとしては、鶏の胸肉(皮無し)、牛豚の赤身、マグロや鰹などです。プロテインパウダーやプロテインドリンクと選択肢に加えることができると割と楽に摂取目標をクリアできます。


「人はタンパク質を十分量摂取できるまで食事が止まらない」という研究結果も出ていて、タンパク質が十分量摂取できると食欲が安定しカロリーオーバーしにくくなるというデータもあります。


繰り返しになりますが、ダイエット中は低脂質高タンパクな食材を意識して摂取することを心がけてください。



4, 「超」加工食品を減らす


「超」加工食品という言葉を初めて目にする方も多いかと思います。これは、2009年ブラジル・サンパウロ大学の研究グループが提唱した「NOVA分類」という食品の分類方法の中で、「レベル4 → 複数の食材を工業的に配合して製造された、加工の程度が非常に高い食品」に分類されるものを指します。ソーセージ・菓子パン・ポテトチップスなどのスナック・清涼飲料などが代表的なものです。


これらの超加工食品は脂質やナトリウムを多く含む一方で、タンパク質や食物繊維、ビタミン・ミネラル類の含有量が少ないため、多く食べることで食事全体の質が低下する可能性があります。


2019年には、アメリカの国立衛生研究所(NIH)の研究者たちが、超加工食品を摂取することで総カロリー摂取量が多くなる(ついつい食べ過ぎてしまう)という論文を発表しました。


カロリーや脂質の量といった数字を意識して計算して管理して…ということが苦手だったり、挑戦してみたものの長続きしない、という方は超加工食品を減らすことで、自然と食欲がコントロールされ適切な摂取カロリーになる可能性があります。


なぜ超加工食品を摂取することで総摂取カロリーが多くなるかははっきりとは分かっていませんが、基本的に味付けが濃くなっていることと、いくつかの添加物が関わっていると考えられています。


コンビニやスーパーで手軽に購入できてそのまま摂取できるものは、その多くが超加工食品です。外食するにしても素材の形が分かるもの(焼き魚など)を選ぶようにしましょう。自炊がベストです。



7つのテクニック後編へ続く