今から30年も前
時はヘヴィメタル全盛の時代

メタル系ギタリスト達の必須プレイの一つに

派手なアーミング❗

と言うのがありまして


多くのギタリストが派手なアーミングを駆使するようになると
様々なメーカーから
オリジナルなユニットが次々と登場していました。

で、その殆どが
Fenderのシンクロナイズド・トレモロユニットをベースにしたものが多く



その構造を元にして
それまでのトレモロユニットの弱点であるチューニングの狂いやすい点を改良した
Floyedroseが代表的でしょうか


そんな中
独自の機構を持ってシーンに参入してきたのが

今回紹介するKahlerケーラートレモロユニットであります





構造的には
取り付け用ベースに
可動部分が載っている感じで

取り付けには
ボディに加工が必要にはなるのですが

シンクロナイズド・トレモロユニットの様に



裏側まで加工する必要がなく



加工も容易と言うのが売りでありました。


上の写真にある通りベースにあるシャフトに、ブリッジ部分がカムシャフト式に取り付けられていて
ベース裏側の二本のスプリングで釣り合いを持たせた
フローティング構造になっています。

それにより
非常に滑らかで柔らかいアーミングが取り柄で
また、弦交換もFloyedroseの様に弦のボールエンドを切らなくても良く
使い勝手の良さも売りでした。

またこの当時
チューニング安定には必須だったロック機構も
ナット部分をロックするだけで
チューニングを維持できる様になっていました。

他にも各弦独立して弦高を変えられたり
ナットをロックした後もチューニング修正が可能な、ファインチューニング機構も装備されています。

この独特な構造と、アーミングの滑らかさから
一時はFloyedroseと人気を二分する
人気のトレモロユニットとなりますが

何故か1990年代に入って
一旦姿を消してしまいます。
但し2000年を越えてから、再び登場することになりますが。


さて、このKahler 
アーミングの滑らかさがある一方で
ブリッジの固定スプリングが柔らかい為に
ブリッジミュートすると
ピッチがやや狂い気味になったり
ブリッジがボディに直接接していない事から
音が少し遠くなってしまう様に感じます。


実際にFloyedroseとKahlerの音の違いが
聴き比べ出来る映像があります。


こちらからリンク出来ます 
ギタリスト、リッチー・サンボラの使用ギター

曲の前半がFloyedrose搭載のGibsonエクスプローラー

曲の後半、ひとしきり客を煽った後、ジョン・ボン・ジョヴィがPA櫓から降りた辺りから
Kahler搭載のオリジナル・レスポール・タイプに持ち替えています。

明らかに音が変わっていて

音が遠くなったと言う感じが
判って頂けるでしょうか?

ちょっとピッチも緩い気がしますね。
(^_^;)

なので、愛用されてる方がいたらすみません

私には苦手なユニットでありました。

ではまた(@^^)/~~~