後に一番時間のかかる工程「コバ磨き」をします。

縫い終わっているので、道具として使うことは出来ますが、手触りの良さやヘリの強度アップにこだわって磨いていきます。

 

①フチ捻を引く

縫い線とヘリの間に2.5mmほどのすき間があります。

そこへ1.5mmのラインでフチ捻を引きます。

熱した工具を用いるので、革が焼き締められます。

と同時に、輪郭がしっかり見えることによる飾りの効果があります。

いわゆる額縁の役割ですね。

私が使っているフチ捻はコレ(曲線がラク)

 

 

 

②ヘリ落としをする

ヘリ落としという工具でフチ捻とヘリにできたすき間1.5mmの箇所の革がとがっているエッジを削り落とします。

今回は0.4~0.6mm。

特にヤスリがけしてコバを平らにした場合、エッジが立ってとがってしまい、そのまま触ると大変手触りが悪いです。

私が使っているヘリ落としはコレ(※どちらもフラット型)

 

 

 


 

 

フチ捻とヘリ落としが完成した状態。

③コバ磨きの準備

磨くときに手に持って磨くということもありますが、今回のような小さいサイズで平らなものなら、平らな台に置いて磨いた方が磨きやすいです。

 

 

④トコプロ(水性コバ剤)磨き

トコプロをコバからはみ出ないように塗ります。

磨く辺を台から5mm以上出して、帆布や不要になったTシャツの切れ端などで前後に磨きます。

すると、若干の摩擦熱が起き、手に持って磨くよりずっと磨きの仕上がりのグレードが上がります。

水分や油分があまり含んでいない革だとあまり効果が出にくいのですが、何度か木のスリッカーでこすった後に、改めて台の上に置いて布でこすると、ツヤが出ます。

帆布はコチラ

 

 

こんなふうに磨いてます。



 

⑤ヤスリがけ

今回使用したヌメ革は結構質が良かったようで、1回の磨きでかなり滑らかになりました(革は磨いてみないと質が分からない)。

とはいえ、凹凸がないわけではないので、紙やすりで削り、再度トコプロで磨きました。

納得がいくまでトコプロ磨きとヤスリがけを繰り返すと、のちのコーティングの際に楽になります。

紙やすりはコチラ。

 

 

 

 

 

 

 

⑥目止め

トコプロ磨きが終わったら、樹脂系コーティング剤の乗りが良くなるように目止めを塗ります。

目止めは塗るというより乗せるという感じでやや多めに塗ります。

コーティング剤【顔料樹脂系コバ剤「サーマルコートorバスコ」や「フェニーチェ」】の下地として役に立ち、はがれにくくします。

目止めはコチラ

 

 

 

⑦顔料樹脂系コバ剤を塗る

今回は青系の色使いだったので、青の顔料樹脂系コバ剤を塗りました。

1回で終わりではなく、3回重ね塗りします。

塗って乾いたところを見ると、時々気泡が残ってしまうことがあります。

その場合は、乾燥時間を少し伸ばし(30分⇒1時間)、番手の大きい紙やすり(400~1500番)を用いて少しずつ削ります。

顔料樹脂系コバ剤(バスコ、フェニーチェ)はこちら

 

 

 


 

 

若干気泡が残ったところが見えますね。

これを紙やすりで削って、再度コバ剤を塗って乾かし、様子を見てヤスリがけということを繰り返します。

気がいる作業です。

カードケースのコバがある辺は四角形なので4辺。

長さを合わせても55cmに満たない長さですが、この乾燥時間の回数を考えると、優に3~4時間は過ぎてしまいます。

 

この工程を全くやらずに完成とする「切りっぱなし」の製法もあることにはありますが、小物ではなるべくしない方が無難だと私は思います。

 

手に触れる回数が多く、粗が目立ちやすく、使う頻度が高めで、耐用年数が長い方がいい。

という特徴があるものだからです。

 

角が立ったヘリがあるだけで、使い心地が半減してしまうと感じるんですよねえ。

贅沢なのかなあ。

 

レザークラフトを始める前に持っていた財布を見てみたら、

偶然にも「切りっぱなし」のものが一つもなかった(【コバ磨き】【ヘリ返し】でコバ処理されている)から

それが普通と感じているのかもしれませんね。

 

これがかばんや靴に対してだと、感じ方がまた変わるんですけどね。

 

経験の度合いが使いやすさを左右するということかな?

 

では、この度も読んでいただきありがとうございました。

完成版はまた次回に。

ゲラゲラ

 

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次にご注文される方は、最速で5月第2週目までに発送できます。

 

基本的には、早くて1週間、遅くとも1ヶ月で完成します。

 

下記ネットショップで販売、オーダー受付をしています。

 

クリーマ

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ミンネ

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