二つ折り財布(小銭入れ無し)を試作します。

3回目にようやく寸法が合った型紙を作れたのでそれに合わせて革を切り出します。

①各パーツを荒裁ちします。
②電動革漉き機で各パーツにふさわしい厚さにベタ漉きします。
③表の革・内側のカードポケットの土台となる革を表裏貼り合わせて床面が見えなくします。
④それ以外のパーツの床面をトコノールやトコプロで処理します。
⑤本裁ちします。


組み立てに入る前に、薄くする必要があるところ(カードポケットの下、縫い代など)を部分漉きします。
斜め漉き、ゼロ漉き、段漉きのいずれかを加えます。


はじめの組み立ては、カードポケットです。
①カードポケットの入り口をフチ捻・コバ処理します。
②カードポケットパーツを上から1段ずつ縫い付けます。

はみ出たところを切り落とします。
型紙の段階から大きめに寸法を取っておくと、この切り落としでコバの段差がゼロになります。

内側の縦の辺を上下少しあけて縫います。
※次に切り落とすため。

カードポケット部分を財布の内側の土台となる革と合体します。
①財布の内側の土台となる革に2つのカードポケットを接着します。
②上下2mm切り落とします。

上辺だけ縫います。

表の革の下準備をします。
①表裏貼り合わせた表の革の上辺と折り曲がる部分を縫います。
②上辺と折り曲がる部分のコバ処理をします。
③縫い穴をあけます。

2つのカードポケットが付いた内側の土台となる革の仕上げです。
①こちらも折り曲がる部分を縫い、上辺と折り曲がる部分をコバ処理します。
②表の革にあけた縫い穴に合わせて逆目で縫い穴をあけます。

表の革と、カードポケットが付いた内側のパーツを合体すると…、













完成❗️

カードポケットが8枚分、フリーポケット2つ、札入れ1つの内装です。

札入れ部分は、スムーズな出し入れのために銀面だけにしたかったので、革を表裏貼り合わせました。
しかも、貼り合わせで厚みが出ないように0.8とか0.6mmまで薄く漉きました。
コバは、トコプロで平らにならしたあと、蜜蝋でツヤ出しとコーティングしました。

貼り合わせをしない場合には、中央底部に縫いは必要ないのですが、今回は貼り合わせをしたため縫いました。



やっぱり薄い仕上がりの財布作りには革漉き機が必須ですね。

これくらい薄く作るのが一つの目標だったので、電動革漉き機を導入して良かったです。

この作り方を他の作品に応用できれば、見栄えがかなり良くなりそうな予感がします。


まあ、それは徐々にそうしていきます。