ある宗教の悟りを説いた声がスピーカーから聴こえる

ドライブスルーな宗教勧誘?70キロで走り去る宗教に

説得力というか信仰心を感じないのは僕だけか?


高校生の頃自転車で下校中、とある国の男性に声を

かけられた。とある宗教家さんらしい。その日は雨降り。

傘もささずに僕と外国人。正直無視しても良かったが

ガタイもデカク、未だに外国人に緊張してしまう僕に

は無視できる相手ではなかった・・・・。


「何ですか?」


「ワタシトトモダチニナリマセンカ?」


「・・・・は?」


「ト・モ・ダ・チ」


友達の意味はわかるよ。なぜ、いきなり友達なのかの

意味がわからないんですけど・・・。


「コンドイツアエマスカ?」


話が勝手にすすんでるし・・・。今度会って何するんだよ。


「ワタシノカゾクハ4ニンガゾクデス」


・・・・だから、話がどんどんどんどん進んでるよ。

なぜ、初対面の僕に家族の話を・・・。


なんだか、埒もあかず雨も降ってるんで「忙しいので」と言って

ペダルに力を込めた瞬間に外国人さんが最後の切り札を出した。


これなら僕と友達になれると彼が踏んだ切り札。


「ワタシハ ケント・デリカット トトモダチデス」


切り札=ケント・デリカット


弱い、弱すぎる。デリカットには全く非は無いけれど弱い。

「え~そうなんだぁ。僕も知り合いたいな。まずは今度いつ会う?」

って、なるかーい!二人喫茶でお茶する「今度」は永遠に来ない。


僕は一瞬踏みとどめたペダルに更に力を込めて雨降る町を走った。。。

ふと立ち止まり振り返ると外国人さんはその場に佇んで雨に打たれていた。

その姿がなんだか切なくて可哀想なことしたのかなと思ったが、


でも、ケント・デリカットが友達なら充分だ。


そう自分に言い聞かせ。更にペダルを漕いで二人の距離は遠ざかった・・・・。