私が学生に成って間もない頃 学生アパート
で 知り合った平井と2人で 夜の学校の芝生
に行った。奄美大島が地元の平井は 良く毒蛇
のハブの話を聞かせたり 芝生なので 平井
の言う侭 良く相撲を取ったが 平井に 勝った
記憶は一度も無い 平井の方が体格が良いし体力
も有ります。
其の平井と夜の 土のトラックに移動して、一周
300mを5周する 1500mを一緒に走った
ら 体格も体力もDNAも栄養も勝る平井に勝て
たんです。平井は こんな筈無いと思ったのか
もう一丁って 言うから再度走ったら 一度目より
差を着けて私が 勝てたんです。平井は納得して
居ませんでした。
其の後、直ぐに 平井は因業婆の大家に腹を据え
かね 数百m離れた下宿に転居したので、専攻も
違うし 住居も別に成り、毎晩とは行かなくて
も お互いに時間が空くと学校のトラックに行っ
て 1500m走に挑んで来た。平日の昼間は
学生が居るから駄目なんです。夜か休日の昼間に
限られます。何度も走って居る内に トラブル
でも起きなければ、私は 絶対負けないだろう
と思えたのですよ。誰でも当たり前の事なので
すが、何時だって平井が先行するんです。其の
方が都合が良いのです。私は着いて行けばいい
んです。誰だって同様に4周走って 5周目に
入ると疲れがピークに成ります。私は自分も疲
れて居るけのだから、平井も絶対に疲れて居ると
思いました。ます。其処で差を詰めて行き、平井
を抜かれまいと必死に走らせて置いて、後 半
周のカーブで一気に抜き去ります。平井は抜かれ
た所で精根尽き果ててしまいます。肝心なのは
ゴールする迄 スピードを落とさない事でした。
最後のカーブで抜かれた時に「アッ、もう駄目だ
!」「矢張り無理だ!」と平井は思うから、私が
僅かな間に遠く成ってしまうのです。 私は
“自分が疲れて居る時は、相手も疲れて居る筈”
と当たり前の事を信じただけだけれど、其の内
平井は“見て居るからいい”と私と走らなく成
ったので、私が1人で走って、平井にタイムを見
る様に頼んでゴールした侭、続けて平井と共に走
りました。流石にきつかったけれど、5周目から
差を詰め最後のカーブで抜いてゴール出来ました
2本目の私に何故平井は抜かれ去ったのでしょう?
皆様 お立ち寄り頂きまして有難う御座いました
あなたに平安が有りますように