皆様 こんばんわ
私が東京に居た時、町内に慶応幼稚舎に通う
相思相愛の幼稚園児 進とかずえちゃん♥進と言う幼稚園児が居ました。
進は幼稚園に何時もお漏らし用のズボンとパンツの入ったリュックを背負って行きます。
でも優しい子で、杖を突いて何処へでも一緒に行くお婆ちゃんの世話は親以上に気が利きます。
スーパーに出て来て、お婆ちゃんがお漏らしをすると「小母ちゃ~ん、お婆ちゃんが大変だ!」
と顔見知りの小母ちゃんを探しますし、稀に電車に乗る時は階段を上るにも下るにも
お婆ちゃんを待たせて置いて、駅の小父ちゃんを連れて来ます。
其の進には幼稚園に好きな女の子が居ます。勿論私は会った事は無いけれど、話を聞くと
神様が容認して呉れるなら私が生涯の伴侶にと惚れ込む素晴らしい女の子でした。
バレンタインデーが見えて来た頃、幼稚園の教室のお掃除の時でした。
進は立った侭お漏らしをして、ズボンからおしっこが床に流れだし水溜りが出来ました。
其れを誰よりも早く見たかずえちゃんは、持って居た雑巾バケツの水を
進の全身にぶっ掛けました。
脚とか下半身に掛けたのではお漏らしの常習の進では疑られたり
ばれたりする恐れが有ったのだと思う。
恥ずかしいが国家試験に相応の自信の有った頃の私でも、
かずえちゃんの様には頭も機転も全く利かなかった自信は有ります。
幼稚園児のかずえちゃんは其れを一瞬の間に決断し実行したのだから感嘆は表現出来ない。
かずえちゃんは先生に酷く怒られ、先生から何故そんな事をしたのか執拗に問われたが
何故進君にバケツの水を浴びせたのかは絶対に言わなかった。
よって廊下に立たされ、給食も与えられず、親も呼び付けられた。
当然、両親からも先生以上に執拗に訳を聞かれ
(親は娘が余程の訳なくそんな事をしない事も、
1番なのは幼稚園の成績だけで無い事を誰よりも解って居る)
両親からも罰を受けたと容易に想像出来る。
其れ以後、進はかずえちゃんから口も利いて貰えなくなり、
バレンタインデーの心配所では無く、毎日泣いて居たそうです。
大好きなかずえちゃんが口も利いてくれないのですから。
私は、進がお掃除の時にお漏らしをしてからの経緯を考えたら、
かずえちゃんは間違いなく今でも進が大好きなのだと確信が有りました。
そうで無ければ先生にも両親にも進を庇って自分が悪者に成り続けて居る訳が無いと思い、
進の婆ちゃんに 強く、かずえちゃんに謝りに行く様に進言しました。
必ずかずえちゃんは許してくれるし、其れを待って居る筈だと確信が有りました。
バレンタインデーのチョコレートも必ず貰えると。
其れ迄にも進を良く知る人を介して何度言っても腰を上げなかったけれど、
やっと進の婆ちゃんが倅(進の父)に頼み、倅が進を連れて慶応幼稚舎の先生と
かずえちゃんに謝りに行った。
倅と進が事実を全て話し謝ると、かずえちゃんは先生の見て居る前で
「進君、大好きよ!」
「進君が謝りに来るのを待って居たの!」
と嬉しそうに、誰に憚る事も無く言って呉れたそうです。
進君が必ず謝りに来ると信じていたとも。
私は、子供だって幼児だって大好きな子が居て何の違和感も無いし自然だと思います。
しかも 私は人として遠くかずえちゃんに及びません。
0.数秒の一瞬に、掃除の為に持って居たバケツの水を進に浴びせて水浸しにして、
ズボンの下から流れ出して居たお漏らしを、自分がずぶ濡れにして解らなくするなんて
機転は恥ずかしいが到底利きません。
責められ、廊下に立たされ、給食を食べられず、親を呼びつけられ、
先生の追及にも両親の追及にも、何日も進が謝りに来る迄全て自分が悪者に成って、
進を庇い続けるなんて私にも出来ません。命より大切な人以外は。
しかもかずえちゃんは慶応幼稚舎で一番の才女で、進は本当のビリなのに!です。
勿論、バレンタインデーには、お母さんに教えて貰いながら作ったかずえちゃん手作りの
チョコレートを貰いました。
私は一昔以上加賀の山代温泉郊外(温泉街外れ)に住み着いて居たので
進とかずえちゃんの其の後は全く解りません
皆様 お立ち寄り頂きまして有難う御座いました
貴女に平安が有りますように