先日、肩こりがひどく腕が上がらないという20代の女性がお越しになられた。

発症は3ヶ月前。
マッサージなどでごまかしていたが、最近は腕を外転すると130度ぐらいで制限がかかり、ビリビリするような違和感と若干の痛みを感じるようになってきたとのこと。
〔外転=肘を伸ばしたまま腕を横からあげる動作で、通常180度程度の可動域(上腕が耳に触れる程度)が正常とされる〕
〔外転=肘を伸ばしたまま腕を横からあげる動作で、通常180度程度の可動域(上腕が耳に触れる程度)が正常とされる〕
あるスポーツの社会人チームに所属しているのだが、競技特性として、両手が上がらないことにはどうしようもないので何とかならないかと当オフィスを訪ねてきてくれた。
重度の肩関節周囲炎(四十肩・五十肩)のように外転初期から肩が持ち上がるような異常な動きに至っていないこのようなケースの場合は、比較的簡単に結果が出せることが多い。
実際にアクティベータによるアジャストと鎖骨に対するモビリゼーションだけで可動域は回復した。
しかし、本当の問題解決はここからである。
3ヶ月もの間 『 動かなかった 』 訳であるから、この記憶が脳や身体に刻み込まれている可能性があるのだ。
これは 『 慢性症状 』 に対応する場合の肝の部分でもある。
同列には語れないかもしれないが、以下の記事に目を通していただきたい。
「失った脚が痛む」、四肢失った人々の苦痛を「鏡」が救う カンボジア
【2月29日 AFP】カンボジアの元兵士ポウ・ソペック(Pov Sopheak)さん(50)には左脚がない。1990年に地雷の爆発で失ったのだ。だが、ポウさんはしばしば、今はない「左脚」が激しく痛んで眠れない夜があるという。実はポウさんのように、空想上の痛みに悩まされる四肢切断患者は少なくない。
現在は警備員として働くポウさんは、20年間も架空の痛みに苦しみ続けてきた。そんなときは、太鼓をたたいたり歌ったりして気を紛らわせるか、切断部分をマッサージしたり、痛み止めを飲むなどしてきたが、ほとんど効果がなかった。
だが、鏡を用いて脳をだまし、無いはずの脚が「動いている」と錯覚させるという革新的な治療方法に出会って、ポウさんは痛みを軽減出来るようになった。
■ 鏡で脳を錯覚させる
同国中部コンポンチュナン(Kampong Chhnang)州で四肢切断者のリハビリを支援する英非営利団体カンボジア・トラスト(Cambodia Trust)が開いた初の「鏡療法」研修には、20人以上の理学療法士が参加した。療法士らが注目する中、等身大の鏡を抱えて椅子に座ったポウさんは、緊張した面持ちで鏡に映った自分の右脚をのぞき込んだ。
カナダ人指導員のスティーブン・サムナー(Stephen Sumner)氏(51)による指導を受けながら、ポウさんの緊張はみるみるとけていく。 指示に従い、ポウさんは右足の指を動かしながら、まるで切断した左脚であるかのように鏡に映し出された右脚の動きを注視する。
ポウさんは「これまでに味わったことのない感覚。いい意味で不思議な感じだ」とAFPに感想を述べた。「鏡に映った脚を見ると幸せを感じるし、気持ちが穏やかになる」
サムナー氏によると、鏡を用いて本物の脚と鏡に映った脚を見つめることで、脳は完全に健康な2本の脚を見ていると判断。ストレスを感じることなく義足にも運動命令を出せるのだ。「もがいている脳は、ストレス状態から解放されたくて錯覚したがっている」とサムナー氏は指摘する。そのサムナー氏自身も、事故で8年前に左脚を切断している。
カナダの非営利団体エンド・ザ・ペイン・プロジェクト(End The Pain Project)の後援をうけ、サムナー氏は貧困に苦しむカンボジアの医師や肢切断者を対象とした研修を実施。脚のリハビリには全身用、腕のリハビリには上半身用の鏡を配布している。
■ 四肢失ったイラク帰還兵の治療にも
こうした架空の痛みに苦しむ人々は四肢切断者の80%に上ると見られるが、有効な治療薬はない。こうしたなかで鏡療法の理論は1995年、カリフォルニア大学(University of California)サンディエゴ(San Diego)校の神経科学者ビラヤヌル・S・ラマチャンドラン(Vilayanur S. Ramachandran)によって確立された。義手のリハビリにも効果があるという。
北米や欧州で鏡療法が台頭してきたのは、ここ数年のことだ。ラマチャンドラン氏の同僚で鏡療法に詳しい神経科学者のエリック・アルトシューラー(Eric Altschuler)氏がAFPに語ったところによると、イラクやアフガニスタンに駐留していた兵士が四肢を失って帰還した後、同療法の使用頻度が急増したという。
鏡療法について、サムナー氏は即効性があるものではないことを強調。少なくとも4週間以上、訓練を続ける必要があると説明している。(c)AFP/Michelle Fitzpatrick
現在は警備員として働くポウさんは、20年間も架空の痛みに苦しみ続けてきた。そんなときは、太鼓をたたいたり歌ったりして気を紛らわせるか、切断部分をマッサージしたり、痛み止めを飲むなどしてきたが、ほとんど効果がなかった。
だが、鏡を用いて脳をだまし、無いはずの脚が「動いている」と錯覚させるという革新的な治療方法に出会って、ポウさんは痛みを軽減出来るようになった。
■ 鏡で脳を錯覚させる
同国中部コンポンチュナン(Kampong Chhnang)州で四肢切断者のリハビリを支援する英非営利団体カンボジア・トラスト(Cambodia Trust)が開いた初の「鏡療法」研修には、20人以上の理学療法士が参加した。療法士らが注目する中、等身大の鏡を抱えて椅子に座ったポウさんは、緊張した面持ちで鏡に映った自分の右脚をのぞき込んだ。
カナダ人指導員のスティーブン・サムナー(Stephen Sumner)氏(51)による指導を受けながら、ポウさんの緊張はみるみるとけていく。 指示に従い、ポウさんは右足の指を動かしながら、まるで切断した左脚であるかのように鏡に映し出された右脚の動きを注視する。
ポウさんは「これまでに味わったことのない感覚。いい意味で不思議な感じだ」とAFPに感想を述べた。「鏡に映った脚を見ると幸せを感じるし、気持ちが穏やかになる」
サムナー氏によると、鏡を用いて本物の脚と鏡に映った脚を見つめることで、脳は完全に健康な2本の脚を見ていると判断。ストレスを感じることなく義足にも運動命令を出せるのだ。「もがいている脳は、ストレス状態から解放されたくて錯覚したがっている」とサムナー氏は指摘する。そのサムナー氏自身も、事故で8年前に左脚を切断している。
カナダの非営利団体エンド・ザ・ペイン・プロジェクト(End The Pain Project)の後援をうけ、サムナー氏は貧困に苦しむカンボジアの医師や肢切断者を対象とした研修を実施。脚のリハビリには全身用、腕のリハビリには上半身用の鏡を配布している。
■ 四肢失ったイラク帰還兵の治療にも
こうした架空の痛みに苦しむ人々は四肢切断者の80%に上ると見られるが、有効な治療薬はない。こうしたなかで鏡療法の理論は1995年、カリフォルニア大学(University of California)サンディエゴ(San Diego)校の神経科学者ビラヤヌル・S・ラマチャンドラン(Vilayanur S. Ramachandran)によって確立された。義手のリハビリにも効果があるという。
北米や欧州で鏡療法が台頭してきたのは、ここ数年のことだ。ラマチャンドラン氏の同僚で鏡療法に詳しい神経科学者のエリック・アルトシューラー(Eric Altschuler)氏がAFPに語ったところによると、イラクやアフガニスタンに駐留していた兵士が四肢を失って帰還した後、同療法の使用頻度が急増したという。
鏡療法について、サムナー氏は即効性があるものではないことを強調。少なくとも4週間以上、訓練を続ける必要があると説明している。(c)AFP/Michelle Fitzpatrick
幻視痛と呼ばれる症状に対する療法の紹介だ。
脳に錯覚を起こさせると、症状が緩和するという非常に興味深いものであるが、慢性症状も同様のことが言えると私は考えている。
動きにくい → 動かないかも → これ以上動かしたくない → 動かない → 動かすと痛い ・・・
というような悪化の連鎖。
脳や身体のセンサーが記憶しているこれらの悪い連鎖を断ち切って、新しい記憶に書き換えてあげるのが、私たちカイロプラクターの役目なのだと思う。
あれ?動く → ここまで動かしても大丈夫! → もう少し動かしてみよう → 動く → 痛くない ・・・
別にメンタルの部分を扱う必要はない。
アジャスト(施術)に安心感を付与することができれば、結果は見る見る出てくる。
出てこなければ、もっともっと勉強して施術の精度を上げる努力をすればいい。(私はいまだにここをウロウロしているが…)
利用者(患者)さんの思い込みが激しいから治らないとか、素直さが足りないから治らないなどというとんでもない勘違いをしないように!!
結局前出の彼女は、左の肩甲挙筋に若干の違和感を残したものの、可動域は両腕共に180度まで回復。
無理なく動くことにご本人も驚き、何度も何度も両腕を外転させながら 「 何のための3ヶ月だったんでしょうね? 」 とつぶやいていた。
彼女には、しっかり記憶を書き換え定着させるため、数回のご来院をお勧めしている。
最高の健康と最高のパフォーマンスをあなたに!!
大分中央カイロプラクティックセンターで Get Adjusted !!