県は遺族に謝罪へ

3年前、長崎市で高校2年の男子生徒が自殺したことをめぐって、学校が遺族に「突然死にしないか」と提案し、長崎県も遺族に対し、「突然死ということはあるかもしれない」という見解を示していたことが分かりました。県は、当時の発言は誤解を与えるものだったとして、遺族に謝罪することにしています。

平成29年4月、長崎市の高校2年の男子生徒が自殺したことをめぐって、遺族は、学校側から報道対策を理由に「突然死にしないか」とか「転校したことにもできる」と提案されたと主張していました。

また、長崎県の担当者からも、「突然死までは許せる」という見解が示されたとしていました。

こうした遺族の主張に対して学校側や県ははっきりとした対応をしてきませんでしたが、18日、県が会見を開き、学校側が遺族に「突然死」や「転校」と発言をしたことを把握していたと明らかにしました。

そのうえで、「転校」という表現は事実に反していて「不適切だ」と指導した一方、「突然死」という表現については特に指導しなかったということです。

さらに、遺族と学校、それに県を交えた話し合いの場で、当時の県の担当者が、「『突然死』ということはあるかもしれない」という趣旨の発言をしていたことも明らかにしました。

県は、「突然死」という表現を許容するかのような発言をするべきではなく、「適切でなく誤解を与えた」として遺族に謝罪することにしています。

生徒の遺族「当時の県の対応 疑問視」

男子生徒の遺族は、当時の県の対応について、「学校側の不誠実な対応を助長したもので、疑問視している」としたうえで、「現在の県の担当者からはよい対応をしてもらっている。引き続き、法律やガイドラインに沿って公正な対応をしてほしい」と話していました。