2年連続300人超

教育

昨年度1年間に自殺した小中学生と高校生は317人で最も多かった前の年度から減ったものの、2年連続で300人を超えたことが文部科学省の調査で分かりました。専門家は「深刻な事態で原因を丁寧に調査する必要がある」と指摘しています。

文部科学省が、全国の小中学校や高校から報告をうけた、昨年度自殺した児童生徒の人数は317人で、現在の調査方法になった昭和63年度以降、最も多かった前の年度からは15人減ったものの、それに次ぐ多さで2年連続で300人を超えました。

内訳をみると
▽小学生が4人
▽中学生が91人
▽高校生が222人でした。

また、
▽男子が206人
▽女子が111人でした。

自殺の要因を複数回答で聞いたところ
▽「家庭の不和」が33人
▽「進路の問題」が32人
▽「父母などの叱責」が31人
▽「いじめ」が10人などとなっていますが
▽最も多かったのは「不明」の188人で、全体の6割近くに上りました。

いじめによる自殺を受け自治体の第三者委員も務めた千葉大学教育学部の藤川大祐教授は「青少年の自殺が減らないのは深刻な問題だ。原因がよくわからないという回答が多くを占めているが、子どもが自殺したことをそのままにせず、きちんと調査し、再発防止につなげていくという当たり前の取り組みの徹底が必要になっている」と話しています。