きょうの潮流

 

 

https://www.jcp.or.jp/akahata/aik20/2020-07-24/2020072401_06_0.html

 

 

2020年7月24日(金) akahata

 

 きょうは「スポーツの日」。初耳という人、なぜ7月24日なのという声も。それもそのはずです。今年は「体育の日」から改称した初年度。しかも本来その日は10月です。今回は、予定されていた東京五輪の開会式に無理やりもってきた事情があります▼異例なスポーツの日ながら、そのあり方を考えさせられるリポートがありました。国際人権NGOのヒューマン・ライツ・ウオッチが発表した調査報告書です▼スポーツ指導者の子どもにたいする体罰や虐待、性暴力も含めた事実が生々しい。「鼻血が出ても監督は殴るのをやめなかった」「殴られ、引きずられ、熱いコーヒーをかけられるのを見た」「ミスを犯すと先輩や顧問から坊主にさせられた」▼全国約800人の回答をまとめたもので、「日本ではスポーツをする10代の自死が多く、なんとかしたいと思った」と作成責任者は訴えます。これらの事例は、スポーツ界の深刻な“現在地”を知る手がかりになります▼現状をどう改革すべきか。報告書は指摘します。スポーツにおける虐待、体罰を禁じる法律が必要なこと。個々の事例に対応する統一的で独立した行政機関の設立が不可欠と。いずれも事態を前に動かす急所を突いた提言です▼スポーツの日の趣旨は「スポーツを楽しみ、他者を尊重する精神を培う」「健康で活力ある社会を願う」。本来の姿にどう近づけるのか。子どもを守るため国や競技団体、おとながいかに力を尽くすか。きょうを改革のスタートの日に。