上司の名記すメモ 熊本・菊池

西日本新聞 社会面 綾部 庸介

 熊本県内2市2町でつくる菊池広域連合消防本部(同県菊陽町)に勤務していた救急救命士の男性係長=当時(47)=が4月下旬、50代男性上司からのパワハラを訴えるメモを残して自殺していたことが2日、同消防本部への取材で分かった。月内にも事実関係を調査する第三者委員会を設置する方針。

 消防本部によると、係長は宿直明けの4月13日、「眠く、きつい」と職場で体調不良を訴え入院。同19日に病室で自殺を図り、同28日に亡くなった。病室には「パワハラ、おどし いつもそういう事ばっかり」などと記されたメモがあり、上司1人の氏名が挙げられていた。

 2人は1991年ごろに同じ職場で勤務。これまでに数回同じ部署になった。当時は別の部署だったという。

 消防本部は全職員約200人に聞き取り調査。この上司について「係長に長時間説教していた」などの話があり、第三者委の設置を決めた。上司は5月中旬から体調不良を理由に休職している。

 中山智生消防長は「職員が亡くなったことは非常に残念。第三者委から改善点が示されれば真摯(しんし)に取り組む」とコメントした。 (綾部庸介)