直前1か月間「残業124時間」

 

 

 東証1部上場の工作機械大手「DMG森精機」(名古屋市)社員で2018年12月に奈良市の社員寮で自殺した男性(当時24歳)について、奈良労働基準監督署が労災と認定していたことがわかった。遺族らが12日、記者会見で明らかにした。認定は4月16日付。

 一方、上司からは「残業が60時間を超えると査定に響く」と言われるなど、パワハラともいえる事情も複数あったといい、自室のAIスピーカーには「疲れたよ、死にたいよ」との声が録音されていたという。

 名古屋市に住む父親(61)は「会社は働き方改革をアピールしていたが、現実の労働実態は非常に過酷。二度と起きないよう、真摯しんしに取り組んでほしい」と話した。同社は「認定を重く受け止める。今後もより一層の労働災害の防止と社員の健康管理に努める」としている。