第三者委が報告書
2019年3月27日 5時12分 NHK

去年、福岡県久留米市にある県立高校の男子生徒が、ほかの生徒からいじめを受けていたことをうかがわせるメモを残して自殺し、県の第三者委員会はいじめがあったと認定したうえで、自殺はいじめが原因だったとする報告書をまとめたことがわかりました。

去年6月、福岡県久留米市の県立高校に通っていた2年生の男子生徒(当時16)が自殺しました。

関係者によりますと、男子生徒は所属していた野球部の部員から日頃から嫌がらせを受けていて、集団で服を脱がされたりスマートフォンなどを隠されたりしたほか、自殺の直前には通信アプリのLINEを使った部内のグループから自分だけ外されたということです。

また、男子生徒は自分のスマートフォンに自殺した当日の日付でメモを残していて「毎日いろいろ言われてもう限界やった。生きているだけで苦痛だったよ」などと記しています。

男子生徒の自殺を受け県の教育委員会は、専門家などによる第三者委員会を設置し、野球部の部員や教員から聞き取りを行うなどして報告書にまとめ、26日までに保護者に伝えました。

関係者によりますと、報告書では「男子生徒は、以前からいじめといえる行動を受けていた」といじめがあったと認定しています。

そのうえで「LINEのグループから外されたことなどのいじめも加わって自殺に至ったという因果関係が認められる」として自殺はいじめが原因だったと結論づけています。

男子生徒が残したメモ
男子生徒は、自殺した当日の日付で自分のスマートフォンに遺書のようなメモを残していました。

メモは「みんな今までありがとうgood-bye」という文章で始まり、野球部員の数人の生徒の名前とともに「毎日色々言われてもう限界やった」と記しています。

そのうえで「迷惑かけてごめんね。俺がこの世界のいるだけで邪魔だったね生きているだけで苦痛だったよ」と結んでいます。
父親「本当に許せない」
男子生徒の父親は、今回の報告書について「読んでいけば『息子の気持ちになれるのかな』と読みました。いじめは最初は冗談半分だったかもしれないが、それが2人3人になり、のしかかって服を脱がされたりやられ放題で、それが日常的にやられていることが書いてある。やられる側は我慢するしかない、刃向かうことができない環境になってしまっていたのかと思いました。そういう時に相談に乗ってやれなかった自分に後悔しかありません」と話していました。

そのうえで「生徒たちには反省してもらいたいというのが建て前で、本音を言うと本当に許せないです。それしかないです」と振り絞るように話していました。