「留学生や体罰の問題」

2019年1月29日03時00分 朝日
 高校バスケットボール界の頂点を決める大会ともいわれる昨年末のウインターカップを、岐阜女子高(岐南町)が3年ぶりに制した。約40年前にバスケ部を作り、指導を続ける安江満夫監督(65)に、スポーツ界で近年強調されている留学生や体罰の問題、あるべき指導者の姿などについて聞いた。

 ――日本の学生スポーツ界で、留学生の姿がよく見られます。言葉も文化も違い、日本の生活になじめますか

 岐阜女子は全寮制で、現在、セネガルとナイジェリアの留学生がいます。始まりは2000年、単身で中国の留学生を誘いに行きました。18年間で、計3カ国13人になります。家の事情で帰った1人を除いて、みんな最後までプレーして、卒業しました。

 大切なことは、ストレスを解消することです。ある中国人留学生は、中国語が話せる先生に1時間以上、その日あったことをしゃべっていました。彼女たちは母国語で話す機会が無かったからです。今でも大切なことは通訳を交えて伝えたり、他の留学生を介して教えたりします。

 離れた留学生の親には、メールやその子の写真を送っています。今はパソコンで翻訳ができる。大事なことは責任感。ほとんどの留学生の親に会い、私が日本で「お預かりします」と伝えています。「日本からわざわざ来てくれた」、と思いが通じたら信頼してもらえる。また1年に1回程度、約2週間は母国に帰しています。