神戸市
06月02日 18時57分 NHK

学校でのトラブルで子どもを亡くした遺族らが意見を交わす集会が、2日、神戸市で開かれ、いじめを受けて自殺した子どもの遺族が、原因の調査がきちんと行われなかったと訴えました。


この集会は、学校内での事故やいじめによる自殺などで子どもを亡くした遺族らで作る団体、「全国学校事故・事件を語る会」が毎年、神戸市で開いていて、鹿児島から北海道まで全国から70人あまりが参加しました。

会では、参加者がつらい胸の内を明かし、このうち山口県の県立高校でいじめを受けて自殺した男子生徒の母親は原因の調査にあたった第三者委員会について遺族から2回しか聞き取りをせずに報告書をまとめたことや、報告書の中で、男子生徒が受けた「いじめ」にあたる行為を「いじり」と表現したことなどを紹介し、調査に対する不信感を訴えました。

これについて学校の問題に詳しい弁護士からは「こうした対応には問題がある」という指摘が上がっていました。

会の代表世話人で小学6年生だった息子が教師から厳しく指導されたあと自殺した兵庫県たつの市の内海千春さん(59)は「学校や教育委員会は問題をなかったことにしようとすることが多く、大勢の遺族が傷ついています。そういう遺族がいなくなるように活動を続けたい」と話しています。

この集会は、3日にも開かれ、「被害者や遺族が望む学校などの対応」をテーマにシンポジウムが行われます。