元同級生「覚えていない」 来年5月に結審 /滋賀
毎日新聞2017年12月15日 地方版
 

 2011年にいじめを受けた大津市立中学2年の男子生徒(当時13歳)が自殺した問題を巡り、遺族が当時の同級生3人と保護者6人に約3800万円の損害賠償を求めた訴訟で、大津地裁(西岡繁靖裁判長)で14日、家裁送致された後に不処分となった元同級生(当時14歳)と両親の当事者尋問があった。元同級生はこれまでの他の2人と同様に、いじめを明確に認めることはなかった。これで3回にわたった被告側の当事者尋問は終わり、来年の5月8日に結審することが決まった。

 元同級生は原告側と被告側双方の代理人から当時のことについて聞かれたが、ほぼ全ての質問に対し「覚えてない」と答えた。男子生徒が亡くなる約2週間前にハチの死骸を食べさせられそうになった状況の詳細についても「覚えていない」としたものの、行為の目的については「笑いを取れるエンターテインメントのようなもの」と述べた。男子生徒に「死ね」と発言したことについては事実と認めた上で「あいさつ程度のものだった」とした。

 男子生徒の父親は「6年間で謝罪の気持ちを持ったことはあるか」と質問したが、元同級生は「何に悩んでいたのか知りたい」、元同級生の父親は「答えは差し控える」、母親は「亡くなる前に何か動いていれば(よかった)と思ったことはあるが、それ以上はない」と答えた。

 閉廷後に取材に応じた原告側代理人の弁護士によると、男子生徒の父親は「元同級生が正面から答えるのを差し控えているという印象を持った」と話したという。【小西雄介】