小説「海と陸の彼方へ」

 

第七章西欧列強との戦い

 

第5話ミャンマー抗英軍との共闘③

 

前書き

1935年、アジアの地は大国の影響下で揺れ動いていた。中国の混乱は、ルイスと彼の仲間たちに新たな挑戦をもたらし、彼らはミャンマーでの抗英運動に深く関与していく。本エピソードでは、ルイスとティン・ミン・オーの共闘、そして彼らがイギリス艦隊に挑む様子を描いています。彼らの行動は、抗英運動の運命を大きく変える第一歩となるのです。

 

本文

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登場人物「1935年1月1日時点」  
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ルイス18歳:イタリア系のアメリカ移民。長征途中の中国共産党紅軍の首領毛沢東を捕縛した功績を認められ、中国国民党総統の蒋介石より、巴蜀・雲南の軍政長官を委嘱される。旅の途中で四川省南充の石油王から巴蜀・雲南王に推戴される。と言っても、元清朝の王女:王華ワン・ファが認めただけである。この物語の主人公。中国制覇の大望を抱く。
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ルイスの資金
小遣い170,559両。金塊50トン。銀錠200億両「内訳は一般会計20億両、特別会計80億両。余剰金100億両」。今までに一般会計は20億両の予算のうち506万5千両支出した。特別会計は30億両の予算を組み、今までに15億340万両支出した。前話においてラーショーの砦用の武器【軽戦車10台「2,500両」、戦車砲10個「1,000両」、砲丸100発「1,000両」、軽機関銃1,000丁「25,000両」弾倉「30発入り」1,000個「5,000両」と大砲100台「15,000両」、砲丸1,000発「15,000両」、砦建設費と維持費「20万両」合計264,500両出費し、特別会計から26万両支出した。4,500両はルイスの小遣いから出した。よって特別会計の支出額は15億366万両である。

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ルイスの妻:エリザベス・ハーレイ。ジョン・ハーレイ(40歳)「ブリタニア号の船長」の元妻。 年齢: 38歳 

背景: イギリスの中流家庭出身。元夫の仕事を支えるために、度々海を渡る。 

性格: 温和で思慮深く、家族を深く愛する。元夫と同様に最初はルイスに不信感を抱いていたが、彼の真摯な態度に心を動かされ、夫と別れてルイスと結婚する。 

義理の息子:ウィリアム・ハーレイ。軽戦車隊「8台」隊長。「趙麗チャオ・リー」26歳の夫。 

年齢: 16歳 

背景: 船長の息子として海上生活に慣れ親しんでいる。航海術に興味を持ち、父から学んでいる。 性格: 好奇心旺盛で活発。ルイスの冒険的な精神に魅了され、彼を尊敬するようになる。 

義理の娘:エマ・ハーレイ 

年齢: 14歳 

背景: 船長の娘として幼少期から多くの国を訪れている。異文化に対する興味が強い。 性格: 社交的で好奇心が強く、新しい環境にすぐに適応する。ルイスの持つ異文化への敬意と好奇心に共感を覚える。 

趙麗チャオ・リー」26歳:ウィリアム・ハーレイの妻。建設大臣。元昆明軍閥の一員。彼女は軍閥の中で情報の収集と分析を担当し、一味が行動を起こす前に必要な情報を提供していた。 

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ルイスには他にも妻「側室」がいる。王華ワン・ファ(45歳)、李芳蓉リー・ファンロン(37歳)、劉芸芸リウ・ユェンユェン(38歳)、陳明花チェン・ミンファ(38歳)、クロエ・デュモン(23歳)、劉秋リュウ・チウ(39歳)、劉穎リウ・イン(33歳)の7名である。別途にイスラム妻が3名「ナディア、サリマ、王光美」いる。 

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ルイスの部下。 

1.周恩来ジョウ・エンライ(37歳)。ルイスの参謀。江蘇省出身。 ・穏やかで知的な性格をしており、どんな状況でも冷静さを失わない。 

・話し方には礼儀があり、分析的で思慮深い。 

・組織的な思考を持ち、リーダーシップを取れる。 

・他者に対しては理解深く、共感を示すことができる。

 2.ナディア・アミール・アル・サン(42歳)。ルイスの第一夫人「政治担当」。上海出身。 

・自立心が強く、決断力がある女性。 

・社会的な問題に対して意識が高く、積極的に意見を表明する。 

・優雅で洗練された振る舞いを持ち、周囲に対しても敬意を払う。 

3.サリマ・ファイサル・アル・ハウ(25歳)。ルイスの第二夫人「会計担当」。江西省出身。 

・勇敢で情熱的な性格。自分の信念に強く固執する。 

・感情が豊かで、時に感情的になりやすい。 

・直感に頼ることが多く、行動的で果敢な面がある。 

4.王光美ワン・グアンメイ(14歳)。ルイスの第三夫人「軍隊担当」。山東省出身。 

・年の割には成熟しており、好奇心が強い。 

・柔軟な思考を持ち、新しい環境にも早く適応する。 

・人懐っこく、周りの人々との交流を楽しむが、時には頑固な一面も。 

5.テンパ・ティンリー(24歳)。航空長官「改良DC-2 :1,000機」パイロット。チャン・ユン(42歳)の長男。チャン・ユン(42歳)は摩梭モソ族:落水下村出身。 

6.陳浩然チェン・ハオラン(33歳)。諜報長官。年間経費10万両。部下100名。

7.李麗リー・リー40歳。側女兼農林大臣。年間経費1億両。怒族族長の元妻。果科村の手工芸品作家。

8. マウン・ティン・ナイン(16歳)。ミャンマー・ラーショー出身。科学技術庁長官兼兵器作成庁長官。専門は機械工学と電子工学。武器製作は余技。非常に知的で技術的な才能があり、新しいことに挑戦するのが好き。
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マウン・ティン・ナインの家族
1.父親:ソー・ティン・アウン(36歳)
・職業:小さな工房を経営する職人。
・性格:静かで思慮深く、家族を支えるために一生懸命働く。
・背景:幼い頃から木工や機械いじりが得意で、地元で評判の職人になる。

2.母親:アウン・サン・ミャー(34歳)
・職業:家事をしながら、地元の市場で手作りの布製品を販売。
・性格:明るく温かい心の持ち主で、家族思い。
・背景:地域の伝統的な織物を学び、その技術を活かして家計を支える。

3.妹:ティン・ティン・アウン(14歳)
・性格:好奇心旺盛で活発、学校での成績が良い。
・趣味:絵を描くことと読書。
・背景:兄のマウン・ティン・ナインを尊敬し、彼の発明に興味を持つ。

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 紅軍の長征  

中国地図 出典 建築資料研究社「住まいの民族建築学」浅川滋男著 P8     出典:朝日出版社「西南シルクロード紀行」宍戸茂著。挿絵。

出典:朝日出版社「西南シルクロード紀行」宍戸茂著。挿絵。

 

☆1935年9月15日日曜日の午前6時。ラーショー郊外、マウンの実家 マウン・ティン・ナインと常隆慶チャン・ロンチン31歳が別々の飛行機に乗って帰ってきた。王光美ワン・グアンメイの指示で巴蜀と雲南の都市には飛行場をすでに建設し、飛行機も何台か配置しているそうである。

 

 

マウン・ティン・ナインは朝食後、母親のアウン・サン・ミャー(34歳)とラーショーで雇用した幹部社員たちを連れて、攀枝花パンジーファまで飛び立った。

 

☆ルイスと常隆慶チャン・ロンチンとの会話 

 

ルイス:攀枝花パンジーファで石炭と鉄鉱山を発見したそうだな。製鉄所まで建設したと聞いている。

 

 常隆慶チャン・ロンチン攀枝花パンジーファを流れる金沙江流域で発見いたしました。宝鼎炭鉱と攀枝花磁鉄鉱山を連続して発見したのです。製鉄所に限らず、鉄鋼を利用して造船所や自動車工場なども建設したいのです。 

 

ルイス:了解した。お前を鉱山省大臣に任命し、経費を1億両やろう。年俸と賞与を併せて2,000両も支給する。ぜひとも造船所を建設してくれ。 

 

常隆慶チャン・ロンチン:了解しました。お任せ下さい。ルイス様。ひとつお願いがあるのですが。 

 

ルイス:何でも言うことを聞いてやろう。

 

 常隆慶チャン・ロンチン:戦術家・陳冬チェン・ドンの嫁であった「蔡亜男ツァイ・ヤーナン(30歳)」を娶りたいのです。 

 

ルイス:蔡亜男ツァイ・ヤーナンがOKなら、俺には異存はない。 

 

常隆慶チャン・ロンチン:どうも有難うございます。実は此処に連れてきているのです。

 

 蔡亜男ツァイ・ヤーナン:お殿様。お久しぶりでございます。 

 

ルイス:おお。蔡亜男ツァイ・ヤーナンか。懐かしいな。息災にしておったか? 

 

蔡亜男ツァイ・ヤーナン:私は至って元気でございます。殿も相変わらずお忙しそうでございますな。 

 

ルイス:イギリス海軍が攻めてきたのでな。その対策に追われている。 

 

蔡亜男ツァイ・ヤーナン:イギリス海軍はサルウィン川「怒江」を遡ってくるのでございますね。 

 

ルイス:その予定だっただろうが、実は俺がビルギュン島でイギリス艦隊15隻を攻撃して戦闘不能にしてやった。だからあと数ヶ月は攻めて来られまい。

 

 蔡亜男ツァイ・ヤーナンはイギリス艦隊15隻をルイスが飛行機1機で撃沈したと聞き、驚きとルイスに対する憧れの念を以前よりさらに強く抱くようになった。

 

ルイスも彼女が人妻になると聞き、"この間まで俺の側女そばめだったのに、惜しいことをしたもんだ"と急に彼女を常隆慶チャン・ロンチンに渡すのが惜しくなってしまった。 

 

何はともあれ、ビルギュン島へ行き、抗英運動のリーダー「ティン・ミン・オー(24歳)」とギリス艦隊の提督ジョン・エドワード・ハリントン(42歳)及び「彝麗華イー・リーホァ彝美玲イー・メイリン彝明進イー・ミンジン」の3人を連れて戻らねばならない。

 

ルイスは彼らふたりを連れ、ビルギュン島へ向かった。

 

1935年9月15日の日曜日、午後6時。ルイス、常隆慶チャン・ロンチン蔡亜男ツァイ・ヤーナンの3人は、イワン・アレクセーエフの邸宅に到着した。屋敷は夕暮れの光に包まれ、静けさが漂っていた。

 

彼らを迎えるのは、抗英運動のリーダー「ティン・ミン・オー」、24歳の若き情熱を胸に秘めた革命家であり、ギリス艦隊の提督ジョン・エドワード・ハリントン、42歳の熟練された海の男だった。彼らと共にいたのは、「彝麗華イー・リーホァ彝美玲イー・メイリン彝明進イー・ミンジン」の3人。彼らは皆、ルイスの帰還を待ちわびていた。

 

夕食の準備が整い、邸宅の食堂は暖かい光で満たされていた。テーブルの上には、イワンの厳選された料理が並び、各々の料理からは芳醇な香りが漂っている。壁に飾られた絵画や煌びやかなシャンデリアが、部屋の豪華さを一層引き立てていた。

 

ティン・ミン・オーの革命的な熱意、ハリントン提督の冷静なカリスマ、そして彝族の3人の静かな威厳が、空間に独特の雰囲気を醸し出していた。ルイスとその仲間たちが部屋に入ると、一同の視線が彼らに集中した。食卓を囲む彼らの表情には、期待と緊張が交錯している。

 

この夕食は単なる食事以上のものだった。それは運命を変える可能性を秘めた、戦略的な会合である。抗英運動の未来、そして彼ら一人一人の運命が、この夜にかかっていた​​。

 

夕食を終えてホッと一息ついたルイスのところに「彝麗華イー・リーホァ(40歳)」と「彝美玲イー・メイリン(22歳)」の彝族の母子が抱きついてきた。

 

ルイスも彝族の母子に会うのは久しぶりな気がして、思わずふたりを強く抱きしめ、代わる代わる口吸いをしてやった。母子はルイスを巡って牽制し合う仲になっていたが、ルイスの顔を見ると喧嘩もしていられなくなっていたようだ。

 

この3人の姿を見て穏やかでないのは「蔡亜男ツァイ・ヤーナン(30歳)」であった。彼女は3人のところへ行き、邪魔をした。

 

蔡亜男ツァイ・ヤーナン:あんたたちは一体誰なの?ルイス様に馴れ馴れしい態度を取ったらこの私が承知しないよ。

 

 

彝麗華イー・リーホァ彝美玲イー・メイリン:あんたこそ誰なの?出しゃばると後悔するよ。 

 

蔡亜男ツァイ・ヤーナン:私には文句を言う権利があるのよ。 

 

彝麗華イー・リーホァ:権利ってどんな権利があるのよ。 

 

蔡亜男ツァイ・ヤーナン:私は昆明でルイス様公認の側女そばめだったのよ。

 

 彝麗華イー・リーホァ彝美玲イー・メイリン側女そばめだって。只の妾じゃないの。

 

 蔡亜男ツァイ・ヤーナン:私は妻に準ずる扱いを受けていたのよ。ルイス様に聞いてご覧よ。 

 

彝麗華イー・リーホァ彝美玲イー・メイリン:ルイス様。この女の言うことは本当ですか? 

 

ルイス:そういう時期もあったことは事実だが、今は俺とは無関係だ。何故なら蔡亜男ツァイ・ヤーナン常隆慶チャン・ロンチンと結婚するからだ。 

 

それを聞いて、彝麗華イー・リーホァ彝美玲イー・メイリンのふたりは我が意を得たりとばかりにうなずき、蔡亜男ツァイ・ヤーナンを力ずくでその場から追い出してしまった。 

 

☆ルイスと抗英運動のリーダー「ティン・ミン・オー(24歳)」 

 

ルイスはティン・ミン・オーを呼んだ。 

 

ティン・ミン・オー:ルイスさん。何か御用ですか? 

 

ルイス:ラーショーに抗英運動の砦を作るつもりだ。もうすでに発注してある。 

 

ラーショーの砦用の武器見積もり表

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ラーショーの砦用の武器【軽戦車10台「2,500両」、戦車砲10個「1,000両」、砲丸100発「1,000両」、軽機関銃1,000丁「25,000両」弾倉「30発入り」1,000個「5,000両」と大砲100台「15,000両」、砲丸1,000発「15,000両」、砦建設費と維持費「20万両」合計264,500両出費している。
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ティン・ミン・オーは、感謝の情を込めて言った。"ルイスさん、あなたのおかげで、私たちの抗英運動は大きな勢いを得ることができます。" その言葉に、ルイスの目には決意の光が輝いていた。

ルイスはティン・ミン・オーに深刻な表情で言った。“私たちの行動が、抗英運動に新たな力を与えることを信じている。この戦いは、ただの戦術以上のものだ。ミャンマーの人々にとって希望の光となり、彼らの運命を変える一歩だからだ"

ティン・ミン・オーはルイスの言葉に力強く頷き、その決意を共有した。

ルイス:この武器をイワンがここから運んでくれるとは思うが、我が陣営も艦隊を持つ必要がある。飛行機では沢山の積荷を積めないからな。イワンと交渉してみよう。

ティン・ミン・オー:ちょっと待って下さい。ルイスさんが沈めた船がありますよね。

ルイス:海中に沈んだ船は使えないだろう。やはり購入しよう。

ティン・ミン・オー:イワンに聞いたのですが、蜂雷爆弾「Hōrai Bomb」は広範囲に渡り被害をもたらしますが、一発程度では撃沈しないそうですよ。

ルイス:そうなのか?復活する可能性があるわけか?これはまずいぞ。蜂雷爆弾をもう一度落としに行くか?

ティン・ミン・オー:そうじゃなくてですね。艦隊毎奪いに行きましょう。

ルイス:そんな事ができるのか?

ティン・ミン・オー:イギリス艦隊の提督ジョン・エドワード・ハリントン(42歳)が彝美玲(イー・メイリン)さんに口を滑らせたのですが、"月に一度大宴会を旗艦で開くそうです。その時は乗組員全員が旗艦に集まる"そうですよ

ルイス:何時集まるか分かれば旗艦以外の船を簡単に奪えるって算段だな。良し。彝美玲(イー・メイリン)を呼んで聞いてみよう。

彝美玲(イー・メイリン)の話では今夜の11時「9月15日の日曜日」だそうだ。

ティン・ミン・オー:私がビルギュン島に居る仲間を集めます。

ルイス:良し。船を奪いに行くぞ。

ティン・ミン・オーは、ルイスの決意に感銘を受け、自身の使命感を新たに感じていた。一方ルイスは、ミャンマーの抑圧された人々を救うために、自分がどんな犠牲を払っても構わないと心に決めていた

イギリス艦隊の奪取は、彼にとってただの戦術以上のものだった。それは、抑圧された人々に希望の光を与え、彼らの未来を変えるための一歩だった。

☆9月15日の日曜日。午後11時
ルイスとティン・ミン・オーは重要な作戦を練るために静かにモーラミャインの港に向かった。彼らの心は、抗英運動における次の一手とその影響を考えることに集中していた。夜の闇が港を包み込む中、彼らは碇泊している旗艦を目指し、その影に静かに忍び寄った。護衛の水兵たちは激しい抵抗を見せたが、月に一度の宴会で酔っ払っている武装兵はほとんど抵抗できなかった。ルイスは旗艦の提督に拳銃を突きつけ、降伏を迫った。提督はその場で縛られ、放置された。ルイスは500名のミャンマー人奴隷を解放し、彼らを連れて帰った。

夜の静寂の中、解放された人々の歓喜の声が港に響き渡った。ルイスとティン・ミン・オーは、その一部始終を見守りながら、新たな抗英運動の章を開く準備をしていた。彼らの行動は、ミャンマーの未来を大きく変える第一歩となることを、彼らは確信していた。

ティン・ミン・オーは、解放されたミャンマー人奴隷500名と共に、奪った15隻の船に乗船し、ビルギュン島へと帰還した。彼らの周りは、新たに得た自由への期待と活気で満ちていた。船は、夜の海を静かに切り裂きながら進んだ。ビルギュン島の港に到着すると、ティン・ミン・オーと彼の仲間たちは、待機していた武器と弾薬を迅速に船に積み込んだ。彼らは、ラーショーの砦へと向かう準備が整うと、サルウィン川を遡る長い旅へと出発した。

ルイスは、港の桟橋で彼らを見送った。彼の表情は、深い感慨と未来への決意に満ちていた。彼らの船が徐々に視界から消える中、ルイスは中国への次なる旅へと心を向けた。ビルギュン島の港には、静かながらも切ない別れの空気が漂っていた。彼は、ティン・ミン・オーとその勇敢な仲間たちが、ラーショーの砦で新たな歴史を刻むことを心から願っていた。

ルイスの目は遠くを見つめていた。彼の胸には、旅の重圧と、新たな挑戦への期待が共存していた。彼は、静かに港を後にし、中国へと向かう新たな道を歩み始めた。その背中には、過去の戦いと今後の冒険への重みが感じられた。彼の一歩一歩には、新たな展開への決意が込められていた。

今回はここまでにいたしましょう。次回をお楽しみに。

 

後書き

第5話では、ルイスと彼の仲間たちがモーラミャインの港に碇泊しているイギリス艦隊の旗艦を奪取し、ミャンマー人の奴隷たちを解放する大胆な作戦を展開しました。このエピソードは、勇気と狡猾さが融合した緊迫したシーンで幕を開け、抗英運動の新たな段階へと移行していきます。ティン・ミン・オーが率いる解放されたミャンマー人たちは、武器と弾薬を積んでラーショーの砦へと向かう一方、ルイスは中国へと向かうためにビルギュン島を後にします。彼らの旅は、それぞれ異なる道を歩み始めましたが、共通の目的のために結ばれた絆は変わりません。このエピソードは、主人公たちが直面する困難と、彼らの不屈の精神を描いています。ルイスとティン・ミン・オーの強い意志と行動力は、彼らの抗英運動への情熱を明確に示しています。また、解放されたミャンマー人たちの喜びと希望が、彼らの行動の意義を強調しています。本エピソードは、物語の大きな転換点として、今後の展開に大きな影響を与えるでしょう。