小説「海と陸の彼方へ」

 

第六章ルイス中華の皇帝を目指す

 

第10話雲南省奪還計画⑥「秦5尺道経由で昭通へ向かう」

 

前書き

ルイスはクロエと周恩来を連れて大理へ移動し、劉秋一家の土地で畜産牧場・農場経営を進めることになります。現地では劉秋一家から暖かい歓迎を受け、その一家と農場経営に関する見積もりを共有し、事業計画を練ります。畜産牧場の計画と農場経営にはルイス及び劉秋一家が深く関わることになり、彼らの計画と見積もりはルイスによって承認されます。 劉秋はルイスに対し深い敬意を示し、料理を学ぶことを楽しみにしています。ルイスは劉秋を正式な妻に迎え、大理の屋敷で家族と親しい人々を招き、バーベキューと結婚式を催し、お祝いをします。 その後、ルイス一家は洱海へ家族旅行を行い、新しい家族としての絆を深めています。旅行では自然の美しさを楽しみ、家族は互いに支え合う愛と希望に満ちた関係を確かめあいます。帰宅後、ルイス一家は新たな誓いを立て、未来に向かって歩み続けることを決意します。

 

本文

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登場人物「1935年1月1日時点」  
アンヘル・ディアンジェロ16歳:ハーバーテックソリューションズ(HTS)の会長兼CEO。ル・クリスタル・ホテル所有「200万ドルで居抜き購入」。アンヘル航空㈱会長兼CEO「資本金10億ドル」。ヴィヴィ警備会社「資本金1千万ドル」オーナー。軍事産業への共同投資60億ドル「配当金:1,929万ドル/ 週」。現預金50億ドル「シャドウ・ネクサスから略奪」と債権「総額不明」所有。
マリア・エバ・ドゥアルテ16歳。アンヘルの妻。AMレジャー総合開発㈱「資本金1億ドル」社長兼COO。悪魔のように可愛い女。 
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アンヘルの家族 
イタリア系の不法移民で、彼らの家族名は「ディアンジェロ」です。以下はディアンジェロ家の家族構成です: 
・父親ヘクター・ハミルトン(28歳)「10歳の若返り」:アンヘルから10億ドルの資金を貰い、テキサスで石油と天然ガスを発掘した。 
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ヘクターの資金7億4,060万ドル。石油精製会社の資本金を5千万ドルとして計上した。別途にエドゥワルドから50億ドルの資金を預かる。
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・母親ローサ・ディアンジェロ(35歳):ローサ・ディアンジェロは家庭を守りながら、地域の共同体でボランティア活動を行っています。彼女は子供たちが教育を受けることを強く望んでいます。 ヘクターの浮気が発覚し、ヘクターと離婚した。
・兄ルイス・ディアンジェロ(18歳):表向きはニューヨーク市警警部兼総合建設会社NYHCの社員。 実はマフィアのアンダーボス。
・ルイスの双子の姉マリア・ディアンジェロ(18歳):マリア・ディアンジェロは地元の専門校に通っています。 ヘクターに誘われ、行動を共にすることになる。
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ルイスの資金は小切手150億ドル。金塊50トン。銀錠50億両「内訳は一般会計20億両、特別会計30億両である」。今までに一般会計は20億両の予算のうち506万5千両支出した。特別会計は30億両の予算を組み、今までに8,498,109両支出した。

前話で、城2つの建設費用と泸水(ルーシュェイ)炭田跡掘削費用に総額30万両をかけた。支出合計は8,798,109両となった。
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ルイスの元捕虜兵。現在は忠実な部下と妻たち。
1.周恩来(ジョウ・エンライ)(37歳)。ルイスの参謀。江蘇省出身。
・穏やかで知的な性格をしており、どんな状況でも冷静さを失わない。
・話し方には礼儀があり、分析的で思慮深い。
・組織的な思考を持ち、リーダーシップを取れる。
・他者に対しては理解深く、共感を示すことができる。
2.ナディア・アミール・アル・サン(42歳)。ルイスの第一夫人「政治担当」。上海出身。
・自立心が強く、決断力がある女性。
・社会的な問題に対して意識が高く、積極的に意見を表明する。
・優雅で洗練された振る舞いを持ち、周囲に対しても敬意を払う。
3.サリマ・ファイサル・アル・ハウ(25歳)。ルイスの第二夫人「会計担当」。江西省出身。
・勇敢で情熱的な性格。自分の信念に強く固執する。
・感情が豊かで、時に感情的になりやすい。
・直感に頼ることが多く、行動的で果敢な面がある。
4王光美(ワン・グアンメイ)(14歳)。ルイスの第三夫人「軍隊担当」。山東省出身。
・年の割には成熟しており、好奇心が強い。
・柔軟な思考を持ち、新しい環境にも早く適応する。
・人懐っこく、周りの人々との交流を楽しむが、時には頑固な一面も。
5.テンパ・ティンリー(24歳)。パイロット。チャン・ユン(42歳)の長男。チャン・ユン(42歳)は摩梭(モソ)族:落水下村出身。
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ルイス18歳:巴蜀・雲南王と言っても、元清朝の王女:王華(ワン・ファ)が認めただけである。この物語の主人公。
ルイスの妻:エリザベス・ハーレイ。ジョン・ハーレイ(40歳)「ブリタニア号の船長」の元妻。
年齢: 38歳
背景: イギリスの中流家庭出身。元夫の仕事を支えるために、度々海を渡る。
性格: 温和で思慮深く、家族を深く愛する。元夫と同様に最初はルイスに不信感を抱いていたが、彼の真摯な態度に心を動かされ、夫と別れてルイスと結婚する。
義理の息子:ウィリアム・ハーレイ
年齢: 16歳
背景: 船長の息子として海上生活に慣れ親しんでいる。航海術に興味を持ち、父から学んでいる。
性格: 好奇心旺盛で活発。ルイスの冒険的な精神に魅了され、彼を尊敬するようになる。
義理の娘:エマ・ハーレイ
年齢: 14歳
背景: 船長の娘として幼少期から多くの国を訪れている。異文化に対する興味が強い。
性格: 社交的で好奇心が強く、新しい環境にすぐに適応する。ルイスの持つ異文化への敬意と好奇心に共感を覚える。
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ルイスには他にも妻「側室」がいる。王華(ワン・ファ)(45歳)、李芳蓉(リー・ファンロン)(37歳)、劉芸芸(リウ・ユェンユェン)(38歳)、陳明花(チェン・ミンファ)(38歳)、クロエ・デュモン(23歳)、劉秋(リュウ・チウ)(39歳)の6名である。

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ニューヨーク市の行政地図 

アメリカ合衆国東部 
昭文社「コンパクト世界地図帳」P52 


フロリダ州の地図と出典「南部にマイアミ、更に南部にホームステッドがある」 

北米「ダラスを中心として」
帝国書院「地歴高等地図」P67,68


マフィアの組織図「パブリックドメイン」


紅軍の長征

中国地図
出典 建築資料研究社「住まいの民族建築学」浅川滋男著 P8

 

1935年8月1日木曜日午後6時:大理・旧李春華邸
ルイスはクロエと周恩来(ジョウ・エンライ)を連れて建設中の大理城に向かい、そこでクロエと別れた。その後、旧李春華邸の飛行場で降り、劉秋(リュウ・チウ)「39歳」一家の歓迎を受けた。

劉秋(リュウ・チウ):お殿様。お帰りなさいませ。子供たちがお殿様に農場経営計画をお話したいと首を長くしてお待ちしております。

李偉(リー・ウェイ)「長男20歳」、李婷(リー・ティン)「長女18歳」、李芸(リー・ユン)「次女16歳」の3人もニコニコ顔で現れ、ルイスと周恩来(ジョウ・エンライ)に挨拶した。

李偉(リー・ウェイ)は周恩来(ジョウ・エンライ)に畜産牧場経営の見積もり表と2,510両を渡し、計画の実行を委任した。

周恩来(ジョウ・エンライ):ロシアの武器商人に発注しますので、2週間ほど掛かります。大理に物を運ぶのは陸路「秦5尺道」を使うか「ミャンマーから怒江を遡り、怒龍で荷下ろしして博南道を東に向かい、保山、大理へと向かうかの何れかになります。

李偉(リー・ウェイ):瀾滄江「メコン川上流」を遡るのは駄目なの?

周恩来(ジョウ・エンライ):それだとマラッカ海峡を越えることになりますから、業者の立場ではいっそのこと上海まで行き、長江経由で重慶まで行く方が需要が多いことになりますね。

李偉(リー・ウェイ):そうか。怒江を遡るのはそれなりに合理性があるんだね。

劉秋(リュウ・チウ):お殿様。私達も農場の見積もり表を作成しました。御覧下さい。

1️⃣従業員数の見積もり
・米農場: 50人
・小麦農場: 40人
・とうもろこし農場: 35人

2️⃣人件費の見積もり
・当時の一般的な労働者の月給を1両と仮定
・年間人件費 = 従業員数 × 月給 × 12ヶ月

3️⃣諸費用の見積もり
・肥料、種子、飼料、維持管理費などを含む

諸費用の内訳「500両/年」
1.肥料
・用途:作物の生育促進
・推定費用:150両
・補足:当時は化学肥料よりも天然肥料「糞肥など」が主流であった。

2.種子
・用途:作物の播種用
・推定費用:100両
・補足:種子の種類や品質によって価格は異なるが、稲、小麦、とうもろこしなどの主要な作物の種子を含む。

3.飼料
・用途:家畜の養育
・推定費用:100両
・補足:畜産牧場における牛、羊、豚などの家畜の飼料費用。

4.維持管理費
・用途:農場の日常運営、修理、保守
・推定費用:150両
・補足:農場の設備や建物の維持、農機具の修理、灌漑システムの維持などを含む。

結論:各農場の諸費用を一律で500両/年と見積もる

5️⃣農機具購入費の見積もり
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農機具購入費:2000両の内訳
1.トラクター
・用途:耕作、播種、収穫など
・購入費:500両「1台あたり」

2.刈り取り機「コンバインハーベスター」
・用途:穀物の刈り取りと脱穀
・購入費:400両「1台あたり」

3.耕運機「ロータリー」
・用途:土壌の耕起
・購入費:200両「1台あたり」

4.播種機
・用途:種まき用
・購入費:150両「1台あたり」

5.肥料散布器
・用途:肥料の均等な散布
・購入費:100両「1台あたり」

6.灌漑設備
・用途:水田や乾燥地の灌漑
・購入費:300両「システム全体」

7.脱穀機
・用途:稲や小麦の脱穀
・購入費:200両「1台あたり」

8.草刈り機
・用途:牧草地の草刈り
・購入費:100両「1台あたり」

9.牛用の農具一式
・用途:牛を使用した耕作や輸送
・購入費:50両「セットあたり」

合計:2000両
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・アメリカからの農機具購入費をそれぞれ「米農場、小麦農場、とうもろこし農場」2,000両合計6,000両と見積もる。


ルイス:この見積もり表は大変良く出来ている。畜産牧場のことも考えてくれて有り難いぞ。米農場が3,100両、小麦農場が2,980両、とうもろこし農場が2,920両で合計が9,000両だな。

ルイスは9,000両を周恩来(ジョウ・エンライ)に渡し、手配を頼んだ。

ルイスは真面目に農場経営、畜産牧場経営に取り組む劉秋(リュウ・チウ)母子に感動し、劉秋(リュウ・チウ)「39歳」をこの屋敷の女主人に任命し、劉秋(リュウ・チウ)をルイスの正式な妻「側室だが」に迎えることを決めた。

劉秋(リュウ・チウ):お殿様。有難うございます。私達親子もやっと元の身分に戻ることが出来ました。これからも誠心誠意お殿様にお仕えいたします。

ルイス:頼んだぞ。特に料理を覚えてくれ。お前が料理上手にならば鬼に金棒だ。そうだ。今日はお前にテキサス料理を教えてやろう。肉料理が好きな子供たちにもバーベキュー料理をやるぞ。その後、結婚式を執り行なえば良い。

劉秋(リュウ・チウ):今からひとっ走り村人や私の兄弟・姉妹たちを呼んできましょう。両親も呼んで良いですか。

ルイス:勿論だ。俺が居なくても屋敷が廻るように、執事や料理人、侍女、下男、下女も雇えば良い。

ルイスの提案に応えて、劉秋は村人や自身の兄弟姉妹、両親を招待し、大規模なバーベキューの準備を始めた。彼女は喜びと興奮でいっぱいである。ルイスの屋敷は、その日、親族や友人で賑わい、子供たちの笑顔と笑い声で溢れた。ルイスが焼くジューシーなステーキや香ばしいグリル野菜は、参加者たちに大好評である。家族全員が一緒に美味しい食事を楽しむ様子は、新たな始まりの喜びと希望に満ち溢れている。

その後、ルイスと劉秋の結婚式が執り行われた。式は伝統的かつ荘厳な雰囲気で、二人の深い絆が感じられる瞬間である。劉秋は、素晴らしい着物を身に纏い、ルイスの隣に立つ。ルイスもまた、その日のために特別な衣装を選んだ。彼女の美しさに見とれながら彼女の隣に立つ。二人の誓いの言葉は心からのもので、参列者たちもその真剣さに心打たれる。

☆結婚式の後
ルイスと劉秋一家が居間に集まり、暖かい茶を飲みながら会話をしている。ルイスは畜産牧場と農場の経営について、劉秋(リュウ・チウ)「側室」と彼女の子供たち、李偉(リー・ウェイ)、李婷(リー・ティン)、李芸(リー・ユン)と対話を交わした。彼らは経営の詳細に興味を持ち、ルイスは熱心に応答する。

李偉「興味津々で」:ルイスさん、畜産牧場での一日はどのようなものですか?どんな作業があるのですか?

ルイス「笑顔で」:李偉、朝早くから動物たちの世話が始まるんだ。餌やり、搾乳、羊の毛の手入れなど、毎日が忙しいよ。動物たちは私たちの大切な仲間だからね。

李婷「好奇心旺盛に」:農場ではどんな作物を育てていますか?

ルイス:小麦や米、とうもろこしを中心に栽培しているよ。季節によって畑仕事が変わるから、年間を通して様々な作業があるんだ。

李芸「真剣に」:「それは大変そうですね。でも、自然と共に生きるのは素敵です。

ルイス「優しく」:ええ、自然は私たちの大切な友だ。天候によって仕事が左右されることも多いけれど、それがまた魅力的なんだ。

劉秋「やや心配そうに」:旦那様、畜産牧場や農場の経営で大変なことはありますか?

ルイス「考え込むように」:確かに、天候の変化や市場の変動によって、時には困難に直面することもある。しかし、計画を立て、家族や従業員と協力して乗り越えていくんだ。

李偉「感心して」:それは大変だけど、充実しているんですね。

ルイス「熱く」:そうだね。畜産牧場や農場での生活は、自然と共にあることの素晴らしさを教えてくれる。そして、皆が一丸となって働くことの大切さもね。

結婚式の後、ルイスと劉秋は初夜を迎えた。初夜は、二人の新しい人生の始まりを象徴する瞬間である。ルイスは劉秋に対し、深い愛情と敬意を抱いており、彼女もまた、ルイスを深く愛している。その夜、二人はお互いに対する愛と信頼を確かめ合い、新しい生活の門出を祝福する。彼らの関係は、相互の理解と尊重に基づいており、これからの生活においても、互いを支え合う強固な絆で結ばれている。

この結婚は、ルイスと劉秋にとって、新たな旅の始まりを意味する。二人は共に多くの挑戦に直面しながらも、愛と信頼を深め、共に成長していくことだろう。

新婚のルイスと劉秋、そして劉秋の子供たち、李偉、李婷、李芸は、結婚を祝して雲南大理の洱海への小旅行を計画した。彼らは、3輪のオートバイクを用意し、ルイスと李偉がそれぞれのバイクのハンドルを握る。朝早く、穏やかな秋の空の下、彼らは出発の準備を整えた。

初日 - 出発と探索
8月2日金曜日。朝日が昇り、微風が吹く中、二台のオートバイクがゆっくりと家を出発した。ルイスと劉秋は前のバイクに乗り、子供たちは李偉が運転するバイクに跨った。彼らは曲がりくねった道を進み、時折、清々しい風景に立ち止まりながら洱海へと向かった。道中、劉秋はルイスの肩に寄りかかり、二人はこれから始まる新しい生活について話し合った。

洱海に到着すると、彼らは湖岸を散策し、湖面に浮かぶ漁船や遠くの山々を眺めながら、平和な自然の美しさに心を奪われた。地元の食堂で昼食をとり、その後は湖周辺を探索した。夕方には湖畔の小さな宿にチェックインし、夕食を楽しんだ。

8月3日土曜日。2日目 - 湖畔の生活と交流
翌朝、ルイス一家は湖畔でゆったりとした一日を過ごした。子供たちは地元の漁師と交流し、漁の手伝いをしたり、新鮮な魚を釣ったりした。ルイスと劉秋は湖畔を散歩し、これからの畜産牧場の計画や、子供たちの将来について話し合った。夜には宿の屋上で星空を眺めながら、家族の絆を深めた。

8月4日日曜日。3日目 - 帰路と新たな誓い
旅の最終日、ルイス一家は早朝に宿を出発し、帰路についた。帰り道、彼らは洱海から持ち帰った思い出を語り合いながら、家族としての新たな誓いを立てた。ルイスは、劉秋と子供たちに対する愛情を新たにし、これからも彼らを支え、一緒に多くの冒険を経験することを約束した。

彼らの小旅行は、家族としての新しい章の始まりを象徴するものだった。洱海の静けさと美しさは、彼らの心に深く刻まれ、帰路のバイクのエンジンの音が遠くに消えていく中で、彼らの未来への希望はより確かなものとなった。

ルイスは帰宅後直ちに昭通に向けて出発した。飛行機で直行するかそれともオートバイクで秦5尺道を通っていくかかなり迷ったが、テンパ・ティンリー(24歳)を先に飛行機で昭通に向かわせた。"こちらの情勢を王光美(ワン・グアンメイ)(14歳)に知らせ、貴州省攻撃はルイスが到着するまで見合わせ、昭通を捜索せよ"と命令した。劉秋から聞いた話によると、昭通は昔銀が採れることで有名だったそうである。

注……これについては筆者がネットで確認しました。以下の通りです。

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昭通(チャオトン)
中国、雲南(うんなん)省北東部の地級市。1市轄区、10県を管轄する(2016年時点)。人口586万5400(2013)。烏蒙(うもう)山塊の西側にあり、古くから四川(しせん)盆地への交通の要地として開け、漢代に朱提(しゅてい)県が置かれた。市の南西にある朱提山は良質の銀を多量に産出したことから、のちに良質の銀を朱提銀と称した。付近で産出する葉タバコの集散地で、また褐炭(かったん)が豊富に埋蔵されている。陸路が四川省、貴州(きしゅう)省に通じ、昆明(こんめい)との間に定期航空路がある。市内には後漢(ごかん)時代に建立された孟孝琚碑(もうこうきょひ)、東晋(とうしん)時代に建てられた霍承嗣墓(かくしょうしぼ)壁画など史跡が多い。

出典:日本大百科全書(ニッポニカ)
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朱堤「読音:shū shí」は、もともと山名であり、後に県名、郡名としても用いられ、最終的には銀の名前として知られるようになりました。この用語は、文献によれば西漢時代から使用されており、唐の初期まで約800年間にわたって使用され続けました。朱堤銀は中国の経済および貨幣史において重要な役割を果たしています。朱堤という語は、明清時代の筆記小説にも頻繁に登場し、地域的には現在の雲南省昭通市やその周辺地域を指す言葉としても使用されていました​​。

歴史的には、漢武帝の時代に朱堤は縣(県)として設置され、後に郡となりましたが、南朝梁時代には廃止されています。唐の武德年間に再び安上縣「安上県」として設置され、その後朱堤縣「朱堤県」に改称されました。この地域は南詔に属していた時期もあり、治所は現在の四川省宜賓縣「宜賓県」安邊鎮「安辺鎮」の南西部に移されましたが、唐末には再び廃止されています​​。

朱堤は雲南省昭通市境内に位置し、白銀を豊富に産出することで有名でした。そのため、朱提銀は銀の代名詞としても用いられ、古代中国の経済において重要な位置を占めていました。『漢書・地理志上』には「朱提、山出銀(朱提は銀を産出する山)」と記されており、この表現は朱提が銀の主要な産地であったことを示しています​​。
出典「朱堤_百度百科」
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ルイスは秦5尺道を大理、湘雲、楚雄、昆明の順にオートバイクで進むことにした。

1935年8月5日の月曜日、午後3時に雲南省普淜鎮「湘雲県」にルイスが到着した。彼はオートバイから降り立ち、疲れた様子で宿を探し始めた。町は賑やかでありながらも、その時代特有ののどかさを残していた。彼が通りをゆっくりと歩く中、地元の人々が行き交い、馬車が路地を進む様子が見られた。太陽はまだ高く、日差しは温かかった。何軒かの宿屋をのぞいた後、ルイスはようやく望む宿を見つけ、その日の宿泊先とした。

普淜鎮の宿屋女将、李芳さんはルイスに感謝を表し、その地域が大理白族自治州東部に位置し、周辺の州や県と交わる交通の要所であると説明しました。この地域は東南から西北に傾斜し、南は紅河流域、北は金沙江流域に面しています。気候は北亜熱帯高原季風気候で、明瞭な乾期と湿期があり、日照が豊富で雨季には雨が集中します。また、水系は天峰山を境に南北に分かれていて、旱魃、雹、低温、霜、雷、泥石流などの自然災害に注意が必要です。女将は名前が李芳、36歳で、ルイスの役に立ちたいと願っています。

ルイス:ご丁寧に説明していただいて有難うございます。李芳さんとおっしゃるのですね。私はルイス(18歳)です。宜しくお願いします。

李芳:ルイスさん、普淜鎮へようこそ。こちらは小さな町ですが、昔ながらの風情を大切にしております。町は山に囲まれ、清らかな水と新鮮な空気に恵まれています。伝統的な木造建築や瓦屋根の家々が並び、石畳の道を歩けば、地元の農産物や手工芸品を売る露天商を見ることができます。ここではまだ人々や馬車がのんびりとしたペースで暮らしており、近代的な喧騒からは少し離れた、穏やかな時間が流れています。どうぞゆっくりとお過ごしください。

 

後書き

ルイスは帰宅後直ちに昭通に向けて出発した。飛行機で直行するかそれともオートバイクで秦5尺道を通っていくかかなり迷ったが、テンパ・ティンリー(24歳)を先に飛行機で昭通に向かわせた。"こちらの情勢を王光美(ワン・グアンメイ)(14歳)に知らせ、貴州省攻撃はルイスが到着するまで見合わせ、昭通を捜索せよ"と命令した。劉秋から聞いた話によると、昭通は昔銀が採れることで有名だったそうである。ルイスは秦5尺道を大理、湘雲、楚雄、昆明の順にオートバイクで進むことにした。1935年8月5日の月曜日、午後3時に雲南省普淜鎮「湘雲県」にルイスが到着した。彼はオートバイから降り立ち、疲れた様子で宿を探し始めた。町は賑やかでありながらも、その時代特有ののどかさを残していた。彼が通りをゆっくりと歩く中、地元の人々が行き交い、馬車が路地を進む様子が見られた。太陽はまだ高く、日差しは温かかった。何軒かの宿屋をのぞいた後、ルイスはようやく望む宿を見つけ、その日の宿泊先とした。

今回はここまでにいたしましょう。次回をお楽しみに。