小説「海と陸の彼方へ」

 

第六章ルイス中華の皇帝を目指す

 

第4話貴州省攻略③「近場の大理を目指す」

 

本文

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登場人物「1935年1月1日時点」  
アンヘル・ディアンジェロ16歳:ハーバーテックソリューションズ(HTS)の会長兼CEO。ル・クリスタル・ホテル所有「200万ドルで居抜き購入」。アンヘル航空㈱会長兼CEO「資本金10億ドル」。ヴィヴィ警備会社「資本金1千万ドル」オーナー。軍事産業への共同投資60億ドル「配当金:1,929万ドル/ 週」。現預金50億ドル「シャドウ・ネクサスから略奪」と債権「総額不明」所有。
マリア・エバ・ドゥアルテ16歳。アンヘルの妻。AMレジャー総合開発㈱「資本金1億ドル」社長兼COO。悪魔のように可愛い女。 
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アンヘルの家族 
イタリア系の不法移民で、彼らの家族名は「ディアンジェロ」です。以下はディアンジェロ家の家族構成です: 
・父親ヘクター・ハミルトン(28歳)「10歳の若返り」:アンヘルから10億ドルの資金を貰い、テキサスで石油と天然ガスを発掘した。 
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ヘクターの資金7億4,060万ドル。前々回の最後で石油精製会社の資本金を5千万ドルとして計上した。別途にエドゥワルドから50億ドルの資金を預かる。
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・母親ローサ・ディアンジェロ(35歳):ローサ・ディアンジェロは家庭を守りながら、地域の共同体でボランティア活動を行っています。彼女は子供たちが教育を受けることを強く望んでいます。 ヘクターの浮気が発覚し、ヘクターと離婚した。
・兄ルイス・ディアンジェロ(18歳):表向きはニューヨーク市警警部兼総合建設会社NYHCの社員。 実はマフィアのアンダーボス。
・ルイスの双子の姉マリア・ディアンジェロ(18歳):マリア・ディアンジェロは地元の専門校に通っています。 ヘクターに誘われ、行動を共にすることになる。
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ルイスの資金は小切手50億ドル。金塊50トン。銀錠50億両「内訳は一般会計20億両、特別会計30億両である」。第21章第②話までに一般会計は20億両の予算のうち506万5千両支出した。特別会計は30億両の予算を組み、今までに83,339,375両支出した。

第六章第3話の支出
これで特別会計の支出合計は、8,340,699両となった。
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ルイスの元捕虜兵。現在は忠実な部下と妻たち。
1.周恩来(ジョウ・エンライ)(37歳)。ルイスの参謀。江蘇省出身。
・穏やかで知的な性格をしており、どんな状況でも冷静さを失わない。
・話し方には礼儀があり、分析的で思慮深い。
・組織的な思考を持ち、リーダーシップを取れる。
・他者に対しては理解深く、共感を示すことができる。
2.ナディア・アミール・アル・サン(42歳)。ルイスの第一夫人「政治担当」。上海出身。
・自立心が強く、決断力がある女性。
・社会的な問題に対して意識が高く、積極的に意見を表明する。
・優雅で洗練された振る舞いを持ち、周囲に対しても敬意を払う。
3.サリマ・ファイサル・アル・ハウ(25歳)。ルイスの第二夫人「会計担当」。江西省出身。
・勇敢で情熱的な性格。自分の信念に強く固執する。
・感情が豊かで、時に感情的になりやすい。
・直感に頼ることが多く、行動的で果敢な面がある。
4王光美(ワン・グアンメイ)(14歳)。ルイスの第三夫人「軍隊担当」。山東省出身。
・年の割には成熟しており、好奇心が強い。
・柔軟な思考を持ち、新しい環境にも早く適応する。
・人懐っこく、周りの人々との交流を楽しむが、時には頑固な一面も。
5.テンパ・ティンリー(24歳)。パイロット。チャン・ユン(42歳)の長男。チャン・ユン(42歳)は摩梭(モソ)族:落水下村出身。
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ルイス18歳:巴蜀・雲南王と言っても、元清朝の王女:王華(ワン・ファ)が認めただけである。この物語の主人公。
ルイスの妻:エリザベス・ハーレイ。ジョン・ハーレイ(40歳)「ブリタニア号の船長」の元妻。
年齢: 38歳
背景: イギリスの中流家庭出身。元夫の仕事を支えるために、度々海を渡る。
性格: 温和で思慮深く、家族を深く愛する。元夫と同様に最初はルイスに不信感を抱いていたが、彼の真摯な態度に心を動かされ、夫と別れてルイスと結婚する。
義理の息子:ウィリアム・ハーレイ
年齢: 16歳
背景: 船長の息子として海上生活に慣れ親しんでいる。航海術に興味を持ち、父から学んでいる。
性格: 好奇心旺盛で活発。ルイスの冒険的な精神に魅了され、彼を尊敬するようになる。
義理の娘:エマ・ハーレイ
年齢: 14歳
背景: 船長の娘として幼少期から多くの国を訪れている。異文化に対する興味が強い。
性格: 社交的で好奇心が強く、新しい環境にすぐに適応する。ルイスの持つ異文化への敬意と好奇心に共感を覚える。
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ルイスには他にも妻「側室」がいる。王華(ワン・ファ)(45歳)、李芳蓉(リー・ファンロン)(37歳)、劉芸芸(リウ・ユェンユェン)(38歳)、劉月華(リウ・ユエファ)(48歳)、陳明花(チェン・ミンファ)(38歳)の6名である。

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ニューヨーク市の行政地図 

アメリカ合衆国東部 
昭文社「コンパクト世界地図帳」P52 


フロリダ州の地図と出典「南部にマイアミ、更に南部にホームステッドがある」 

北米「ダラスを中心として」
帝国書院「地歴高等地図」P67,68


マフィアの組織図「パブリックドメイン」


紅軍の長征

中国地図
出典 建築資料研究社「住まいの民族建築学」浅川滋男著 P8

 

6月29日土曜日、午後5時。泸水(ルーシュェイ)のルイス城で、ルイスは陳明花(チェン・ミンファ)を自室に呼び、彼女を側室とすることを告げました。夕食後には簡単な結婚式が執り行われる予定です。

陳明花はルイスに対する永遠の愛と忠誠を誓いました。ルイスは彼女に今後の計画について説明し、陳明花は興味深く耳を傾けました。

陳明花:大理への道のりは、どのように進むのですか?

ルイス:瀾滄江を渡って大理に向かうには、道路が険しい。しかしながら、別のルートを考えなければならないかもしれない。

陳明花:泸水市は雲南省の北部に位置していますが、大理市は雲南省の中西部にあります。瀾滄江を渡るルートは山岳地帯が多く、難路です。

彼女は続けて言いました。"以前、父が南シルクロードを使って大理まで交易に赴いていたと聞きました。大理からは保山、騰衝を経てミャンマーへ抜けるルート、博南道があります"

ルイスはその話に興味を持ち、戦略を練り始めました。

ルイス:博南道を使えば、よりスムーズに大理に進軍できるかもしれない。しかし、そのためには瀾滄江を渡る必要がある。

陳明花:瀾滄江には幾つかの渡し場がありますが、橋はありません。ルイス様が橋を建設することは可能ですか?

ルイス:橋を建設するのは良い考えだ。それによって、我々だけでなく、地元住民にも恩恵をもたらすことができる。

陳明花:それに、大理にはペー族が多く住んでいます。ペー族は自らの文化と伝統を大切にしており、彼らとの交流も考慮に入れるべきです。彼らの協力が得られれば、我々の進軍に大いに役立つでしょう。

ルイスは陳明花の提案に賛同し、大理への道筋をさらに緻密に計画することにしました。

6月29日土曜日、午後6時。泸水(ルーシュェイ)のルイス城では、料理人たちが夕食の準備に忙しく動いていました。キッチンからは、シェフたちの調理の音が聞こえ、香ばしい料理の匂いが城内に広がっていきます。料理人たちは熟練の手さばきで、様々な種類の料理を丁寧に仕上げていきます。

城の食堂では、執事長の陳昭(チェン・ジャオ)が夕食後の結婚式の準備を指示していました。メイドたちは、食堂のテーブルに美しい食器を並べ、結婚式に相応しい華やかな装飾を施していました。食堂は結婚式のために特別に飾り付けられ、花の飾りとキャンドルで照らされた空間は、温かくロマンチックな雰囲気を醸し出していました。

夕食時、陳明花(チェン・ミンファ)はルイスの新たな側室としての立場に不安を感じつつも、他の女性たちとの関係を慎重に築くことを試みました。劉月華(リウ・ユエファ)は表面上は歓迎の態度を示しつつも、その瞳には隠された嫉妬が見て取れました。李小芳(リー・シャオファン)と王美麗(ワン・メイリー)も、新たなライバルの出現に警戒感を隠せない様子でした。

食事中、会話はぎこちなく、空気は緊張に包まれていました。陳明花は、他の女性たちに対する配慮から、ルイスに近づこうとはしませんでしたが、それがかえって彼女たちの不信感を煽る結果となりました。

結婚式の場では、陳明花は自分の決意を固くし、ルイスとの誓いの言葉を堂々と述べました。彼女の真摯な態度と美しさは、他の女性たちの心に複雑な感情を呼び起こしました。劉月華は陳明花の存在が自分の地位に影響を及ぼすことを恐れ、李小芳と王美麗は新たな側室の出現が自分たちのルイスに対する影響力を脅かすと感じました。

式の後、陳明花は他の女性たちに誠実に友好の手を差し伸べましたが、その提案は冷たくあしらわれ、彼女は自分が直面している複雑な人間関係の中での立ち位置を痛感しました。彼女は、ルイスの側室としての役割を果たすためには、これらの障害を乗り越える必要があると理解し、自分の地位を確立するための長い戦いに備えました。

陳明花の心中には、夫人としての喜びと、他の女性たちとの心理戦に対する不安が交錯していました。夕食の席と結婚式の場での彼女の行動は、ルイス城での新しい人生の始まりを象徴していた。彼女は、子供たちと自分のために、ルイス城での立場を確固たるものにすることを決意し、そのためにはどのような努力も惜しまないと心に決めていました。

夕食と結婚式の夜は、陳明花にとって新たな挑戦の始まりでした。彼女はルイスとの結婚を通じて、自分と子供たちの未来を確かなものにする道を歩み始めたのです。陳明花は、ルイス城での生活を通して自分自身を成長させ、ルイスとその家族のために最善を尽くすことにしました。

城内の他の女性たちとの関係は彼女にとって大きな挑戦であり、彼女はこれからの日々でその関係を築き上げていくことになるでしょう。しかし、陳明花は強い意志と愛情を持って、この新しい挑戦に立ち向かう準備ができていました。

ルイス城での新しい生活が始まった陳明花は、この夜の出来事を忘れず、自分の人生と家族の未来を築いていくために前進し続けることを誓ったのでした。

☆午後8時。ルイスは式の最中、陳明花の顔色が優れないのを敏感に感じ取り、その理由にも察しが付いていた。劉月華(リウ・ユエファ)「側室」の態度があからさまに敵対的だし、ふたりの側女(そばめ)「李小芳(リー・シャオファン)、王美麗(ワン・メイリー)」たちも冷ややかだ。まあ、側女(そばめ)のふたりの方は陳明花より立場が下だし、陳明花が負けるということはない。問題は、劉月華(リウ・ユエファ)の方だな。ルイスは思い立って、陳明花(チェン・ミンファ)の居室を訪れた。

陳明花(チェン・ミンファ):ルイス様。今宵は劉月華(リウ・ユエファ)様のところへ行くお約束でございましょう?私のところへ来るなどと恐ろしいことをなされますな。

ルイス:心配するな。劉月華(リウ・ユエファ)のところへは後から参るつもりだ。お前に贈るものがあってな。持ってきたのだよ。

ルイスは彼女に、寝間着を一揃い渡した。"さあ。これを着てみよ。私の前に立つのだ"

陳明花(チェン・ミンファ)は言われるがままに衣装を着て、おずおずとルイスの前に立った。

彼女は落ち着いたベージュのチュニックとチャコールグレーのレギンスにアイボリーのアクセントを加えた、成熟した女性にふさわしい洗練された快適な服装でルイスの前に立っている。彼女はこの装いで上品にドレスアップし、リラックスしたポーズをとっている。このポーズは、成熟したおしゃれな女性に理想的なスタイルと快適さを伝えている。

ルイスは満足して、彼女を姿見「鏡台」の前に立たせ、自分の姿をしげしげと眺めさせた。彼女はこんなにも美しい自分の姿を間近で見たのは久しぶりだった。すぐ真横には好ましい若く逞しいルイスがいる。

ルイスは彼女を横抱きにしてベッドに横たわらせ、一息に貫いた。多少荒っぽいやり方とも思えたが、陳明花(チェン・ミンファ)にとってはルイスの行為の全てが好ましかった。彼女は恍惚としてルイスを体内に受け止め、やがてふたりはともに快楽の頂点を極めた。

陳明花(チェン・ミンファ)はルイスの強烈なセックスを味合わされ、そのまま翌朝までぐっすりと眠りについた。ルイスが11時頃抜け出して、劉月華(リウ・ユエファ)を訪れたことなど思いもよらなかったことだろう。

若いルイスにとって一晩で複数の女性を相手にすることなど何ほどのことでもなかった。

6月30日日曜日、午前9時。泸水(ルーシュェイ)のルイス城から、ルイスと彼の部下数名、そして陳明花(チェン・ミンファ)一家は、城内にある飛行場へと向かった。この飛行場は、かつての炭田王、黄文遠(ホアン・ウェンユエン)によって建設されたもので、彼の豊かな遺産の一部として残されていた。

ルイスの記憶には、アメリカから南京への飛行機の旅が新鮮に残っている。そのとき、蒋介石はルイスが乗っていた改良DC-2に大きな興味を示し、自身の工場で試作機の製作を命じた。しかし、高額な製作費用のために一機のみで製作が中止され、それを黄文遠が大金を支払って購入したという逸話があった。

ルイス自身も、20万ドルをかけて1,000機の飛行機を製作し、その総額は約2億ドルに上った。しかし、国民党政府にはそこまでの資金を投じる余裕はなく、アヘン精製の利益でも、数百万ドルを超えることは稀であった。

ルイスたちはテンパ・ティンリー(24歳)の運転で大理の郊外にある草原に着陸した。この地は、大理近郊の丘陵地帯に位置しており、遠くには蒼山連峰が望まれる。彼らは瀾滄江を渡る際、その雄大な流れに圧倒された。蒼山の壮大な景観は、泸水から大理への道中に見える美しい景色の一部であり、彼らはその自然の美しさに心を奪われた。

☆午前11時。大理ペー族自治州大理郊外
ルイスたちは、飛行機から降りて大理の丘陵地帯を歩き始めた。周りには緑豊かな木々が生い茂り、遠くには蒼山連峰が静かに聳え立っていた。彼らはこの新たな地の豊かな自然に感動し、深い呼吸でその空気を吸い込んだ。

周恩来は、この地の戦略的重要性を理解し、ペー族との関係構築の必要性を認識していた。彼の分析力と計画性は、大理地域での活動において重要な役割を果たすことになる。

テンパ・ティンリーは、父親の故郷に近いこの地に降り立ったことに感慨深く、パイロットとしての技術と、自身のルーツへの誇りを持って一行を導いた。

陳明花と彼女の子供たちは、ペー族の文化に興味を示し、新たな環境に適応しようとしていた。特に楊傑、楊林梅、楊虎、楊小蘭は、自然豊かなこの地での新しい生活に期待を膨らませていた。

ルイスは、大理とその周辺地域が自分の野望を実現するための重要な鍵であると確信しており、一行に新たな展望を提供した。

こうして、泸水から大理への旅は、ルイスと彼の一行にとって重要な一歩となり、新たな挑戦と可能性を秘めた未来が始まったのであった。

大理の草原に突如現れた西洋人たちを目撃したペー族の村人は、すぐさま族長に報告した。"不審な西洋人が見知らぬ乗り物で降り立ってきた。10名足らずの集団である"との情報に、族長は即座に行動を起こすことにした。

ペー族の族長は32歳で、彼の名はヤン・シュエ。妻のリン・ヤオ(30歳)と2人の子供、息子のヤン・ツー(10歳)、娘のヤン・メイ(8歳)と共に、伝統的なペー族の村を治めていた。族長は智慧と勇気を兼ね備えたリーダーであり、部族の安泰と繁栄を何よりも重視していた。

族長は使者を派遣し、ルイスたちに問いかけさせた。"お前たちは何者だ。何処から来て目的は何だ?"という問いに、ルイスは堂々と応えた。"俺は巴蜀の国王であり、雲南の軍政長官である。速やかに雲南の軍政を引き渡せ"。

族長ヤン・シュエは、ルイスとの会合を設定し、直接話し合いの場を持つことにした。会合では、族長がペー族の安泰と経済支援をルイスに求めた。ルイスは、部族に対する経済支援として、以下の内容を提案した。

・農業プロジェクトの支援:現代の農業技術と資材の提供による農業生産性の向上。
・教育と職業訓練:ペー族の若者たちの教育機会の拡大と職業訓練プログラムの提供。
・地域インフラの開発:道路、橋、水道などの基本的なインフラの整備と改善。
・医療施設の提供:村に医療施設を建設し、医療サービスの向上を図る。

これらの支援を受け入れることで、ヤン・シュエ族長はペー族の未来をルイスに託すことを決意した。彼は、ルイスが提案した条件に同意し、雲南省の軍政をルイスに引き渡すことを約束した。

会合の場では、ルイスとヤン・シュエ族長との間に深い信頼と理解が芽生え始めた。ペー族の安泰を保証するルイスの約束は、族長にとって大きな安心材料となった。また、ルイスはペー族との同盟を通じて、雲南省の安定と発展に向けた新たな一歩を踏み出した。

6月30日日曜日、昼食後。大理ペー族自治州、ヤン・シュエ族長の村にて。

ルイスとその一行は、ヤン・シュエ族長の家族と共に、ペー族の村で昼食を楽しんだ。食事は地元の食材をふんだんに使った伝統的なペー族の料理であり、彼らは村の料理人たちの手による繊細で美味しい食事に心から感謝した。

食事の後、ルイスはヤン・シュエ族長に先程試算した支援計画の見積もり表を提示した。合計4,900両もの大金を支援として提供することに、ヤン・シュエ族長は深い感謝を示し、ルイスに謝意を表明した。
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支援計画の見積もり表

ルイスはさらに、博南道の2ヶ所に現存する木製の橋を撤去し、代わりに堅牢な石の橋を建設する計画を族長に明かした。この提案を聞いたヤン・シュエ族長は大いに喜び、その計画が実現すれば、馬や馬車で楽々と河を渡ることができ、ミャンマーへの交易路が格段に容易になることを理解し、村人たちにもその喜びを伝えた。

ヤン・シュエ族長は、石橋の建設時には村人たちが協力することを約束し、村全体がこの新しいプロジェクトに関わる機会を得ることを誇りに思った。彼らは、橋の建設にあたっては村人が一丸となって協力し、力を合わせて作業を進めることになる。

☆族長の妻リン・ヤオとルイス

ルイスと一行はヤン・シュエ族長の家族と共に、ペー族の村で昼食を楽しんだ後、族長の妻、リン・ヤオとの間で交流が深まった。リン・ヤオは、彼らにペー族の文化と歴史について語り始めた。

リン・ヤオ:私たちペー族は、古くからこの大理地域に住んでいます。私たちの文化は自然と密接に関連しており、山々や川、森林を大切にしています。私たちの祖先はこの地で農業や狩猟を行い、生計を立ててきました。

ルイスは興味深く耳を傾け、ペー族の生活様式についてもっと知りたいと思った。

リン・ヤオ:私たちの社会では、家族と地域コミュニティが重要です。私たちは伝統的な歌や踊り、物語を通じて、世代を超えた絆を育んでいます。また、私たちの織物や手工芸品は、私たちのアイデンティティの一部です。

ルイスは、彼女の説明からペー族の豊かな文化的背景を感じ取り、その保護と継承の重要性に気付いた。

リン・ヤオ:私たちは、自然を大切にし、それを生活の一部として受け入れています。たとえば、私たちは昔から自然の薬草を使って伝統医療を行ってきました。これらの知識は、世代から世代へと受け継がれてきたものです。

ルイスは、リン・ヤオの話から、ペー族の伝統と知識が、彼らの未来にとっても重要な役割を果たすことを理解した。

リン・ヤオ:私たちはまた、農業においても独自の技術を持っています。私たちの農地では、伝統的な方法で多種多様な作物を栽培しています。この地域は、その肥沃な土壌と豊かな自然環境に恵まれていますから、農業は私たちにとって非常に重要な産業です。

ルイスは、リン・ヤオの話を通じてペー族の生活と彼らの土地に対する深い愛着を感じ、彼らの伝統と文化を尊重することの重要性を再認識した。

この日の昼食は、ルイスとペー族との間の文化的な理解と共感を深める貴重な機会となった。ルイスは、ペー族の風習と伝統を尊重しながら、彼らの未来に貢献するための支援を提供することを約束した。

こうして、ルイスとペー族との間には新たな友情と理解が生まれ、雲南省の未来に向けた重要なステップが踏み出された。

この日、ルイスとペー族の間の関係は一層深まり、ルイスの支援によってペー族の未来が大きく前進することが約束された。新しい石橋の建設は、ルイスとペー族との信頼関係の象徴となり、互いの連携と協力によって成し遂げられる重要なプロジェクトとなるのであった。

ルイスとペー族の村は、新たな友情と協力関係を築き、雲南省の未来への一歩を踏み出した。

今回はここまでにいたしましょう。次回をお楽しみに。

 

後書き

6月30日日曜日、ルイス、陳明花一家、そして部下たちは泸水のルイス城から飛行場へ向かい、大理の郊外の草原に着陸しました。この地では、迫力のある瀾滄江の流れや、蒼山連峰の景色が彼らを迎えました。 今回彼らが使用した飛行機は、かつて黄文遠が購入した試作機だったことが明かされます。 大理に着いたルイスたちは、地元ペー族と接触。ルイスはペー族の族長との会合で、農業支援、教育と職業訓練、インフラ整備、医療施設建設など、経済支援提案を行い、ペー族から雲南省の軍政の引き渡しの約束を得ました。ルイスはまた、交易路の改善のために木製の橋を石橋に建て替える計画も提案しました。 ヤン・シュエ族長の妻リン・ヤオからは、ペー族の文化と歴史について学び、ルイスはペー族の土地と生活への深い愛着と彼らの伝統と文化を尊重することの大切さを理解しました。一行はペー族の村で伝統料理を楽しみ、ルイスとペー族との新しい友情が芽生えた日となりました。この交流は、ルイスとペー族の将来に対する協力の礎を築くことになります。