小説「海と陸の彼方へ」

 

第六章ルイス中華の皇帝を目指す

 

第2話貴州省攻略の企(くわだ)て①

 

前書き

泸水(ルーシュェイ)のルイス城に新しい日が始まり、キッチンでは朝食の準備に忙しい雰囲気が漂っていました。メイドと使用人たちは執事長の陳昭(チェン・ジャオ)の指示のもと、活気に満ちたキッチンで働き、朝食会の準備を進めていました。一方、食堂では侍女頭の周芳(ジョウ・ファン)が食卓の最終準備に取り組んでいました。彼女のチームは丁寧にテーブルをセットし、朝食を楽しむ準備を整えていました。やがて、ルイス、劉月華(リウ・ユエファ)をはじめとする城の住人たちが食堂に入ってきました。周芳は温かな挨拶で彼らを迎え、朝食が始まりました。メニューは豊かで多彩な料理が並び、各々の皿からは新鮮な香りが漂っていました。テーブルは賑やかな会話と食器の音で満たされ、新しい一日のスタートを楽しむ場となりました。キッチンでは、シェフの吳偉(ウー・ウェイ)がリーダーシップを取り、補佐シェフの劉輝(リウ・ホイ)が独自の技術で彼を支えていました。朝食の後、ルイスは重要な会議のために部屋を後にしました。これは泸水のルイス城における新しい一日の平和な始まりであり、城内には希望と活気が満ち溢れていました。

 

本文

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登場人物「1935年1月1日時点」  
アンヘル・ディアンジェロ16歳:ハーバーテックソリューションズ(HTS)の会長兼CEO。ル・クリスタル・ホテル所有「200万ドルで居抜き購入」。アンヘル航空㈱会長兼CEO「資本金10億ドル」。ヴィヴィ警備会社「資本金1千万ドル」オーナー。軍事産業への共同投資60億ドル「配当金:1,929万ドル/ 週」。現預金50億ドル「シャドウ・ネクサスから略奪」と債権「総額不明」所有。
マリア・エバ・ドゥアルテ16歳。アンヘルの妻。AMレジャー総合開発㈱「資本金1億ドル」社長兼COO。悪魔のように可愛い女。 
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アンヘルの家族 
イタリア系の不法移民で、彼らの家族名は「ディアンジェロ」です。以下はディアンジェロ家の家族構成です: 
・父親ヘクター・ハミルトン(28歳)「10歳の若返り」:アンヘルから10億ドルの資金を貰い、テキサスで石油と天然ガスを発掘した。 
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ヘクターの資金7億4,060万ドル。前々回の最後で石油精製会社の資本金を5千万ドルとして計上した。別途にエドゥワルドから50億ドルの資金を預かる。
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・母親ローサ・ディアンジェロ(35歳):ローサ・ディアンジェロは家庭を守りながら、地域の共同体でボランティア活動を行っています。彼女は子供たちが教育を受けることを強く望んでいます。 ヘクターの浮気が発覚し、ヘクターと離婚した。
・兄ルイス・ディアンジェロ(18歳):表向きはニューヨーク市警警部兼総合建設会社NYHCの社員。 実はマフィアのアンダーボス。
・ルイスの双子の姉マリア・ディアンジェロ(18歳):マリア・ディアンジェロは地元の専門校に通っています。 ヘクターに誘われ、行動を共にすることになる。
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ルイスの資金は小切手50億ドル。金塊50トン。銀錠50億両「内訳は一般会計20億両、特別会計30億両である」。今までに一般会計は20億両の予算のうち506万5千両支出した。特別会計は30億両の予算を組み、今までに83,339,375両支出した。
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ルイスの元捕虜兵。現在は忠実な部下と妻たち。
1.周恩来(ジョウ・エンライ)(37歳)。ルイスの参謀。江蘇省出身。
・穏やかで知的な性格をしており、どんな状況でも冷静さを失わない。
・話し方には礼儀があり、分析的で思慮深い。
・組織的な思考を持ち、リーダーシップを取れる。
・他者に対しては理解深く、共感を示すことができる。
2.ナディア・アミール・アル・サン(42歳)。ルイスの第一夫人「政治担当」。上海出身。
・自立心が強く、決断力がある女性。
・社会的な問題に対して意識が高く、積極的に意見を表明する。
・優雅で洗練された振る舞いを持ち、周囲に対しても敬意を払う。
3.サリマ・ファイサル・アル・ハウ(25歳)。ルイスの第二夫人「会計担当」。江西省出身。
・勇敢で情熱的な性格。自分の信念に強く固執する。
・感情が豊かで、時に感情的になりやすい。
・直感に頼ることが多く、行動的で果敢な面がある。
4王光美(ワン・グアンメイ)(14歳)。ルイスの第三夫人「軍隊担当」。山東省出身。
・年の割には成熟しており、好奇心が強い。
・柔軟な思考を持ち、新しい環境にも早く適応する。
・人懐っこく、周りの人々との交流を楽しむが、時には頑固な一面も。
5.テンパ・ティンリー(24歳)。パイロット。チャン・ユン(42歳)の長男。チャン・ユン(42歳)は摩梭(モソ)族:落水下村出身。
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イギリス人捕虜
船長:ジョン・ハーレイ
年齢: 40歳
背景: イギリス出身の熟練した船長。厳格だが公正で、乗組員からの信頼が厚い。商船航海に長年従事しており、東アジアの海域に精通している。
性格: 最初はルイスの行動に反発していたが、その公正な行動原理と人間性に次第に感銘を受け、ルイスに忠誠を誓うようになる。
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ルイス18歳:巴蜀・雲南王と言っても、元清朝の王女:王華(ワン・ファ)が認めただけである。この物語の主人公。
ルイスの妻:エリザベス・ハーレイ。元ジョン・ハーレイ(40歳)「ブリタニア号の船長」の妻。
年齢: 38歳
背景: イギリスの中流家庭出身。元夫の仕事を支えるために、度々海を渡る。
性格: 温和で思慮深く、家族を深く愛する。元夫と同様に最初はルイスに不信感を抱いていたが、彼の真摯な態度に心を動かされ、夫と別れてルイスと結婚する。
義理の息子:ウィリアム・ハーレイ
年齢: 16歳
背景: 船長の息子として海上生活に慣れ親しんでいる。航海術に興味を持ち、父から学んでいる。
性格: 好奇心旺盛で活発。ルイスの冒険的な精神に魅了され、彼を尊敬するようになる。
義理の娘:エマ・ハーレイ
年齢: 14歳
背景: 船長の娘として幼少期から多くの国を訪れている。異文化に対する興味が強い。
性格: 社交的で好奇心が強く、新しい環境にすぐに適応する。ルイスの持つ異文化への敬意と好奇心に共感を覚える。
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ルイスには他にも妻「側室」がいる。王華(ワン・ファ)(45歳)、李芳蓉(リー・ファンロン)(37歳)、劉芸芸(リウ・ユェンユェン)(38歳)の3名である。

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ニューヨーク市の行政地図 

アメリカ合衆国東部 
昭文社「コンパクト世界地図帳」P52 


フロリダ州の地図と出典「南部にマイアミ、更に南部にホームステッドがある」 

北米「ダラスを中心として」
帝国書院「地歴高等地図」P67,68


マフィアの組織図「パブリックドメイン」


紅軍の長征

中国地図
出典 建築資料研究社「住まいの民族建築学」浅川滋男著 P8

 

6月26日水曜日、午前6時。泸水(ルーシュェイ)のルイス城
夜が明け、泸水のルイス城の一室には、穏やかな朝の光がそっと差し込んでいた。ルイスはゆっくりと目を開け、隣には昨夜初めて共に夜を過ごした側女、王美麗(ワン・メイリー)の姿があった。彼女はまだ深い眠りについており、その美しい顔には穏やかな表情が浮かんでいる。

やがて、王美麗も目を覚ます。彼女の目が開くと、最初に目に飛び込んできたのはルイスの温かい瞳だった。昨夜の緊張と感動が再び彼女の心を捉え、一瞬の恥じらいとともに、彼女はルイスの胸からそっと身を起こした。その動きは繊細で、まるで朝露に触れる蝶のように優しく、そして慎重だった。

ルイスは彼女の動きを見守りながら、彼女の美しさと純粋さに心を打たれていた。彼は優しく微笑み、王美麗の頬に軽くキスをすると、彼女の恥ずかしそうな反応にさらに微笑みを深めた。

王美麗は、ルイスのこの優しいジェスチャーに心を弾ませ、同時に新たな日の始まりに対する期待を感じていた。彼女の目には、昨夜の出来事への感謝と、これからの日々への希望が映っていた。彼女は、ルイスとの初めての夜を経て、新たな自分への自覚と勇気を得ていた。

ルイスは彼女に向かって”良い朝だね、美麗”と言い、彼女の手を優しく握る。王美麗は、それに応えて微笑みながら、恥ずかしそうに頷いた。彼女は、昨夜の密やかなひとときが彼女の人生に新たな章を開いたことを感じていた。

二人はしばらくの間、言葉を交わさずにお互いの存在を感じていた。部屋には静寂が満ちており、外から聞こえてくる鳥のさえずりが、新しい一日の始まりを告げていた。この穏やかな朝のひと時は、彼らにとって新しい一日への穏やかな導入となった。

朝の光が窓からこぼれ、泸水のルイス城は新しい日の始まりを告げていた。城内はまだ静寂に包まれているが、キッチンでは早くも活気が溢れている。

執事長の陳昭(チェン・ジャオ)が指示を出し、メイドと使用人たちは朝食の準備に追われていた。キッチンからは、油でジュウジュウと音を立てる鍋やシェフたちの会話が聞こえてきて、その音は城の朝の賑やかさを告げる。

一方、食堂ではまだ静かな雰囲気が漂っている。テーブルは繊細な模様で飾られ、エレガンスを纏いつつも、家族や客人たちに気取らずに食事を楽しんでもらえるよう配慮されている。

やがて、キッチンからの活気が食堂にも伝わり始める。シェフの吳偉(ウー・ウェイ)とそのチームが、最後の準備に入ると、彼らの作り出す料理の香りが食堂に広がり、空間を温かく満たしていく。この香りは、まだ眠りについている城の他の部分にも届き、城内の人々を優しく目覚めさせる。

食堂へと向かう廊下では、侍女頭の周芳(ジョウ・ファン)とそのチームが、食堂のテーブルに最後の手を加えている。彼女たちは、各席にきちんと食器を並べ、水晶グラスに最後の磨きをかけ、朝食会に相応しい雰囲気を作り上げていた。

そして、城の主人である若きルイスと女主人であり側室の劉月華(リウ・ユエファ)、その他の貴婦人や紳士たちが食堂に入ってくると、彼らを出迎えるのは周芳とそのチームの侍女たちの穏やかな挨拶である。彼らの到着によって、静かだった食堂は一瞬にして賑やかさを増す。劉月華は48歳にも関わらず、その美貌は30歳前後と見間違えるほど保たれている。

城にはその二人の他に、劉月華の子供達である黄剛(ホアン・ガン)25歳、黄蓮(ホアン・リエン)23歳、黄志強(ホアン・ジーチャン)20歳、黄小芸(ホアン・シャオユン)18歳の姿も見られる。また、若きウィリアム・ハーレイ、熟練した交渉家である周恩来(ジョウ・エンライ)、勇敢なテンパ・ティンリー、そして側女の李小芳(リー・シャオファン)と王美麗(ワン・メイリー)も朝食の席に着く準備を整えている。 

食堂のテーブルには細かな模様が施されており、エレガンスを纏いながらも、家族や客人たちに気取らずに食事を楽しんでもらえるよう配慮されている。朝食会はまるで社交の場のようだ。

利害の一致する者もそうでない者も、この一時的な休息で意見を交わし、日々の城の動きに影響を与えていく。 陳昭は細かいところにも目を光らせ、ルイス城の完璧な統理を示していた。彼の効率と組織の才能は、城の円滑な運営に不可欠なものとなっている。この朝の集いは、1日の和やかなスタートとなり、彼らにとってさまざまな展望と希望をもたらすものだった。

キッチンでは料理人たちの献身的な働きが朝食の準備を支えている。主シェフの吳偉(ウー・ウェイ)は厨房をしっかりと掌握し、芸術的な料理を作るための最後の手を加えている。彼の動きは確実で、それぞれの皿に彼の情熱が込められている。

彼の補佐シェフ、劉輝(リウ・ホイ)は、吳偉の指示に確実に従いながらも、独自の技術を活かしてキッチンの作業を進めている。

 朝食会場には、侍女頭の周芳(ジョウ・ファン)が華やかな笑顔で統整を保ちながら、侍女たちを率いている。張蓉(チャン・ロン)、李美(リー・メイ)、黄麗(ホアン・リ)という彼女のチームは、丁寧にテーブルをセットし、各席にきちんと食器を並べ、朝の光の中で燦然と輝く水晶グラスに最後の磨きをかけている。

 ルイス、劉月華、そしてその他の貴婦人や紳士たちが食堂に入ってくると、彼らを出迎えるのは周芳とそのチームの侍女たちの穏やかな挨拶である。 

”おはようございます、主人、奥様。皆さま、朝食の準備ができました。どうぞお召し上がりください”周芳は滑らかに頭を下げると、従業員たちに眼差しを送り、各ゲストにサービスを開始するよう合図を送る。

 侍女たちは一斉に動き出し、食堂の空気は一瞬にして賑やかさを増す。吳偉はキッチンの入り口から顔を出し、ルイスに向かって一礼し、”お楽しみくださいませ、主君”と謙虚に声をかける。

補佐シェフの劉輝もまた、厨房の扉のそばでこっそりと一礼し、彼の努力が込められた料理の数々を主人たちが楽しまれるのを見守る。

朝食の献立は、各民族の味覚を尊重しつつも贅沢を極めている。以下がそのメニューである。

・炒めた鮮やかな青梗菜とガーリック
・新鮮な紫蘇の葉を使用した豆腐と野菜のスープ
・蒸した地元産の高級米、その湯気がキッチンを満たし、飢えをそそる
・桂花糖漬けで甘く軽やかに仕上げられた豚肉の蒸し物
・煮卵や塩漬けした野菜
・軽く炒めた香ばしい五穀雑穀混合物
・新鮮な果物の盛り合わせ、旬のリンゴ、梨、ライチが色とりどりに並ぶ

 食堂はゆったりとした会話と食器の軽やかな音で満たされ、一日の始まりを迎えた泸水のルイス城は、和やかで滑らかなリズムで新たな一日を歩き始めていた。

☆午前7時半:幹部会議
ルイス、劉月華(リウ・ユエファ)、周恩来(ジョウ・エンライ)の3者が集まり、貴州省攻略の手順を考えた。

ルイス:貴州省の省都:貴陽を攻めるには何処を根拠地にすれば良いか。意見を述べよ。

劉月華(リウ・ユエファ)が詳しい意見を述べた。以下に記そう。

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1.昭通市 - 昭通市は雲南省の北東部に位置し、貴州省にも比較的近い。地理的に貴州省の入口となる位置にあるため、この地域を拠点とすることで、貴州省へのアクセスが容易になります。

2.曲靖市 - 曲靖市は雲南省の東部に位置し、昭通市よりも貴州省に近い。曲靖市は大きな都市であり、交通の便が良く、資源が豊富であるため、軍事的な拠点としての機能を持つ可能性が高いです。

3.安寧市 - 安寧市は昆明市の近郊にあり、貴州省には少し遠いですが、大きな都市である昆明市に近く、資源や補給面での利点があります。

これらの都市のうち、貴州省に最も近いのは曲靖市です。曲靖市を拠点とすることで、貴州省へのアクセスが容易になり、軍事的な作戦を展開しやすくなるでしょう。
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周恩来(ジョウ・エンライ)はこの3つの都市のうち、昭通を選んだ。理由は宜賓から近いからです。

ルイス:宜賓から昭通へ行くにはどうやって行くのか?

周恩来(ジョウ・エンライ):昔ながらの秦5尺道を通って行きます。

ルイス:あの幅5尺「1.5m」の道を通っていくのか?

周恩来(ジョウ・エンライ):今は秦の時代とは違い、道は拡幅されています。

ルイス:でも自動車や軽戦車は無理だな。

周恩来(ジョウ・エンライ):その通りですが、馬に乗り、馬車を用いれば物資も運ぶことが出来ます。

ルイス:何千年も昔の人が通った西南シルクロードだ。不可能ではあるまい。良し、宜賓の王光美(ワン・グアンメイ)(14歳)将軍に連絡し、軍隊4万名を昭通に集結させるよう伝えろ。

周恩来(ジョウ・エンライ):了解しました。それから軽戦車隊の隊長ウィリアム・ハーレイさんには何をさせますか?

ルイス:そうだな。劉月華(リウ・ユエファ)よ。泸水(ルーシュェイ)と昭通の位置関係はどうなっているのだ。軽戦車で昭通まで行くことは出来るのか?

劉月華(リウ・ユエファ)が詳しい説明をしてくれた。以下に記そう。

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泸水(ルーシュェイ)と昭通市はともに中国雲南省に位置していますが、地理的な位置関係にはいくつかの特徴があります。

・泸水(ルーシュェイ):泸水は雲南省の北西部に位置しており、怒江の主要な流域の一部です。この地域は山岳地帯が多く、特に怒江峡谷で知られています。泸水は主に雲南省の少数民族地域として知られ、多様な民族文化が存在しています。

・昭通:昭通は雲南省の北東部に位置し、貴州省との境界に近い場所にあります。昭通は雲南省の重要な交通の要衝で、地理的には高原と山岳地帯に囲まれています。この地域もまた、多様な少数民族の文化が混在している特徴を持ちます。

泸水と昭通市は雲南省内では異なる地域に位置しており、両地域間の直接的な交通路は限られています。山岳地帯や未発達な道路網により、両地域間の移動は困難です。馬や徒歩などが主な移動手段です。
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ルイス:そうか。それなら、怒江流域で平坦な地域を移動させねばならん。

劉月華(リウ・ユエファ):先ずは六庫(リウク)を攻略させると良いでしょう。

ルイス:六庫(リウク)とはどういう地域だ。

劉月華(リウ・ユエファ):怒江傈僳族自治州の州府であり、怒江流域の主要都市の一つです。六府は怒江沿いに位置しており、市街地は比較的平坦で開発が進んでいます。

ルイス:傈僳族とはリス族と読めばよいのか?

劉月華(リウ・ユエファ):そうです。文字通り少数民族:傈僳(リス)族が多く住む土地です。主に農業が盛んです。

ルイス:アヘン精製で暮らしを少しでも良くしようと思っている貧しい人々が多いというか。彼らの食う道を閉ざすことになるが、アヘン中毒で苦しむ人々を救うためだ。やむを得まい。彼らを救う道も考えてやらねばなるまい。良し。ウィリアム・ハーレイを呼べ。

ルイス:ウィリアムよ。命令を与える。怒江:傈僳(リス)族自治州の州府:六庫(リウク)全域を調べ、アヘン精製所を一掃せよ。

ウィリアム:了解しました。この私にお任せ下さい。

ルイス:ウィリアム。今日は俺と一緒に行こう。アヘン精製所を撲滅した後に考えがある。

ルイスは六庫(リウク)の場所をウィリアムに教え、アヘン精製所の発見とアヘンの没収や精製に必要な器具の破壊に付いてはウィリアムに任せ、リス族の者たちへの生活の補償を受け持った。

☆リス族との対話
リス族の村は、深い森の中にひっそりと佇んでいた。アヘン精製所が閉鎖された後の静けさは、山々に断ち切られた歌のように思えた。だが、ルイスは村の人々が切り開いた新しい未来に向けての旋律を奏で始めていた。

 彼は、アヘンから解放されることで村人が直面するであろう困窮を予見していた。だからこそ、彼は長い間計画を練っていたのだ。ルイスは、アヘン畑がかつて占めていた土地に多様な作物を植える農業プロジェクトを提案した。

雲南の豊かな土壌は茶や果物、薬用植物の栽培にも適しており、そういった作物はアヘンよりも市場価値がある上、地域に持続可能な経済を提供する。米やトウモロコシ、肉用の家畜と並行して、村は自給自足への一歩を踏み出した。 

さらに、ルイスの指揮の下、専門的な職業訓練センターが設立された。縫製、木工、製陶などの伝統技術を学ぶことで、村人は彼らの手で作り上げた品々を遠方の市場へと運ぶことができた。

教育施設では、リス族の子どもたちに算数や文学に加え、彼ら自身の言語と文化の保存に焦点を当てたカリキュラムが提供された。これにより未来の世代もリス族としてのアイデンティティを守り続けることができるようになったのである。 

文化的な再生もまた、ルイスが育て上げようとした村の新しい魂であった。春祭りの日、村全体が集い、色鮮やかな伝統衣装を身にまとったリス族の男女が火を囲んで舞い始めた。

彼らの身のこなしには、祖先たちが太古から伝えてきた物語が宿っている。打楽器と竹製のフルートの音色が、雲海を越えて山々の間を旅した。子どもたちは笑いながらリズムに合わせて跳ねる。

これは単なる祝祭ではない。彼らの生きる喜びの表現であり、厳しい過去に決別を告げ、希望に満ちた未来への序章に他ならなかった。 このように、ルイスはリス族の村をただアヘンから解放するのではなく、文化的アイデンティティを保ちながら経済的自立を果たす道へと導いた。救済策は、過去に縛られず、新たな未来を創造する原動力となったのである。

☆翌日の出来事
リス族との対話や彼らの生活保障のこともあり、その日の夜はリス族の族長の家で泊めてもらい、お城に帰ってきたのは翌日の午後3時になっていた。ルイスは城の域内を見物する気になった。域内には森林あり、山あり、牧場や農場もあり見物には事欠かなかったのである。

馬に乗って見物していると、建設現場のような建物が遠くに見える。ルイスは興味を持ち、その建物に近づいた。馬を降りて建物に入っていくと、何やら作業をしている人物がいた。

そこは建設現場の室内で、未完成の壁や開いた窓枠が見える。 電動ドリルなどの工具が床に置かれており、作業中であることを示唆している。

その人物はデニムのオーバーオールを着用しており、片方のストラップが肩にかかっている。 

遠目にはオーバーオールの下には黒いシャツかタンクトップを着ているように見えた。 近寄ると首には金色のチェーンネックレスを身につけている。 手には黒い作業用グローブをしており、腰にはツールベルトを巻いている。 

更に近寄ると、オーバーオールの下には何も身に着けておらず、大きな両乳房がタプタプと揺れていた。ルイスは男とばかり思っていたが、女性であった。

ルイスは彼女の肩をポンポンと軽く叩いた。彼女は振り向き、驚きの声を上げた。

"殿様。驚かせないで下さいな。昨晩は帰ってきませんでしたね。やっと私の番が来たと楽しみに待っておりましたのに。酷いじゃないですか"と彼女はおいおいと泣き出した。

彼女は側女の一人で、李小芳(リー・シャオファン)(25歳)その人であった。ルイスも"忘れていたわけではない。アヘン精製所を一掃するために六庫(リウク)まで行っていたのだ。その日はリス族の族長の家で泊まらせていただいた"と彼女に弁明した。

しかし、この時にはルイスは李小芳(リー・シャオファン)のバカでかい両乳房にすっかり魅了されており、彼女を慰めるかのようにその場で彼女を抱いたが、その実はルイスのほうが大乗り気であったのだ。ともあれルイスのお勤めは取り敢えず果たすことが出来た。

エリザベスから"側室や側女は平等にお相手しなさい。一人だけに集中してはいけませんよ"と釘を刺されていたのである。ここまでは平等に扱っていたが、ルイスはその約束を守らず、時々、李小芳(リー・シャオファン)をこの建設小屋に呼び出し、ふたりで楽しんでいた。

今回はここまでにいたしましょう。次回をお楽しみに。

 

後書き

リス族との対話や彼らの生活保障のこともあり、その日の夜はリス族の族長の家で泊めてもらい、お城に帰ってきたのは翌日の午後3時になっていた。ルイスは城の域内を見物する気になった。域内には森林あり、山あり、牧場や農場もあり見物には事欠かなかったのである。馬に乗って見物していると、建設現場のような建物が遠くに見える。ルイスは興味を持ち、その建物に近づいた。馬を降りて建物に入っていくと、何やら作業をしている人物がいた。そこは建設現場の室内で、未完成の壁や開いた窓枠が見える。 電動ドリルなどの工具が床に置かれており、作業中であることを示唆している。その人物はデニムのオーバーオールを着用しており、片方のストラップが肩にかかっている。 遠目にはオーバーオールの下には黒いシャツかタンクトップを着ているように見えた。 近寄ると首には金色のチェーンネックレスを身につけている。 手には黒い作業用グローブをしており、腰にはツールベルトを巻いている。 更に近寄ると、オーバーオールの下には何も身に着けておらず、大きな両乳房がタプタプと揺れていた。ルイスは男とばかり思っていたが、女性であった。ルイスは彼女の肩をポンポンと軽く叩いた。彼女は振り向き、驚きの声を上げた。