小説「海と陸の彼方へ」

 

第四章新主人公ヘクター石油王国を設立する

 

第7話ヘクター石油を掘り当てる(中編その2)

 

前書き

ヘクターはカーペンター家の娘ソフィア19歳と彼女の同級女子大学生3名をテキサス西部の畜産牧場に招き、カウガール体験をさせ楽しませた。そこまでは良かったが、ソフィアはフィアンセのジェームズ・ハミルトン24歳が電話に中々出ないことを疑い、ヘクターに命令してニューヨークに居るジェームズ・ハミルトンの動向を探らせた。ヘクターが息子のルイスに頼んだところ、ジェームズが女と同伴でザ・ロケッツ(The Rockettes) のダンスを観劇していることが判明した。ソフィアは八つ当たりしてヘクターを困らせる。

 

本文

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登場人物「1935年1月1日時点」  
アンヘル・ディアンジェロ16歳:ハーバーテックソリューションズ(HTS)の会長兼CEO。ル・クリスタル・ホテル所有「200万ドルで居抜き購入」。アンヘル航空㈱会長兼CEO「資本金10億ドル」。ヴィヴィ警備会社「資本金1千万ドル」オーナー。軍事産業への共同投資60億ドル「配当金:1,929万ドル/ 週」。現預金50億ドル「シャドウ・ネクサスから略奪」と債権「総額不明」所有。
マリア・エバ・ドゥアルテ16歳。アンヘルの妻。AMレジャー総合開発㈱「資本金1億ドル」社長兼COO。悪魔のように可愛い女。 
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アンヘルの家族 
イタリア系の不法移民で、彼らの家族名は「ディアンジェロ」です。以下はディアンジェロ家の家族構成です: 
・父親ヘクター・ディアンジェロ(28歳)「10歳の若返り」:アンヘルから10億ドルの資金を貰い、テキサスで石油と天然ガスを発掘した。 
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ヘクターの資金7億4,060万ドル。前回の最後で石油精製会社の資本金を5千万ドルとして計上した。
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・母親ローサ・ディアンジェロ(35歳):ローサ・ディアンジェロは家庭を守りながら、地域の共同体でボランティア活動を行っています。彼女は子供たちが教育を受けることを強く望んでいます。 ヘクターの浮気が発覚し、ヘクターと離婚した。
・兄ルイス・ディアンジェロ(18歳):表向きはニューヨーク市警警部兼総合建設会社NYHCの社員。 実はマフィアのアンダーボス。
・ルイスの双子の姉マリア・ディアンジェロ(18歳):マリア・ディアンジェロは地元の専門校に通っています。 ヘクターに誘われ、行動を共にすることになる。
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マリア・エバ・ドゥアルテ「マリア・D」16歳の家族 
・エルヴィラ・ドゥアルテ13歳。マリアの妹。 
・カタリナ・イルデフォンソ20歳。ルドラ金融㈱営業部長。 
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マリア・ヴァレンティーノ「マリア・V」54歳。アンヘルの恋人兼投資パートナー。ヴァレンティーノ・ファミリーの死亡したボス:ヴィンセント・"ヴィニー"・ヴァレンティーノ(56歳)の元妻。莫大な資産「推定500億ドル」を持つ。軍事産業への共同投資60億ドル「配当金:1,929万ドル/ 週」。
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ジョン・マッケンジー(35歳)。エドゥアルドの競争相手「有力な建設会社グローバルテック・コンストラクション・インクGCIのCEO」。
妻: サラ・マッケンジー(33歳), ファッションデザイナー
子供: ルーカス(8歳), ソフィア(5歳)
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サラ・マッケンジー(33歳)の実家
父:ロバート・ハミルトン(58歳):アメリカ合衆国の上院議員
母:キャサリン・ハミルトン(55歳):社会活動家。アンヘルの愛人。
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ニューヨーク市長
名前: ダニエル・ハリソン
年齢: 42歳
家族構成:
妻: ジェニファー・ハリソン(37歳)
子供: エマ(10歳)、ノア(7歳)
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ニューヨーク市港湾局長
住所:ブルックリン臨海区
 マイケル・スミス(38歳)
妻: クレア・スミス(36歳), 弁護士
子供: ノア(7歳), ミア(4歳)
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ジャーナリスト
住所:ブルックリン・ベイ・リッジ地区「イタリア系」
エミリー・デイビス(32歳)
夫: ベン・デイビス(34歳), ITエンジニア
子供: エリー(3歳)
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エリナ・"ブラックウィドウ"・ロドリゲス40歳。アンヘルの愛人。元ニューヨーク・マフィア「シャドウ・ネクサス」の副ボス。アルゼンチン人。
マリア・"レッドローズ"・デ・ラ・クルス35歳。アンヘルの愛人。ニューヨーク・マフィア「シャドウ・ネクサス」の元人事担当。アルゼンチン人。

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ニューヨーク市の行政地図

アメリカ合衆国東部
昭文社「コンパクト世界地図帳」P52


フロリダ州の地図と出典「南部にマイアミ、更に南部にホームステッドがある」

マフィアの組織図「パブリックドメイン」

 

1935年5月8日水曜日午後9時:ヘクター牧場母屋
ヘクターとルイスの会話を一部始終盗み聞きしていたソフィアは烈火のごとく怒った。母屋のリビングでルイスと会話していたヘクターの受話器を奪い、がなり立てる。
ソフィア:ジェームズは何処に居るの?彼を今すぐ電話に出しなさい。

ルイス:お前は誰だ?何で親父と一緒にいるんだ?

ソフィア:私はテキサス州知事エドワード・カーペンター(66歳)の娘ソフィア・カーペンター(19歳)よ。あんたこそ誰なの?

ルイス:俺はルイス・ディアンジェロ(18歳)だ。ニューヨーク・マフィアのアンダーボスをしている。

ソフィア:何だって。馬鹿なことを言うもんじゃないわ。あんたみたいな若造がマフィアだって。

ルイス:信じなきゃそれで良い。いずれにしてもあんたのフィアンセは此処には居ないぜ。ジェームズ・ハミルトンて奴は今ニューヨークのラジオシティ・ミュージックホールに居る。ザ・ロケッツ(The Rockettes) のダンスを観劇している。当然女と一緒だ。

ソフィア:ぐぬぬ。今からそこに行ってやるから、ジェームズ・ハミルトンと女を捕まえて置きなさい。

ルイス:馬鹿なことを言うな。あんたの命令を聞く義理はない。

ルイスはガチャリと受話器を切った。困ったソフィアは矛先をヘクターに向けた。

ソフィア:ヘクター。あの生意気な男は誰なの?あなたとどういう関係があるの?

ヘクター:あいつは俺の長男でルイスと言うんだ。気に触ったら許してやってくれ。女性に対する物言いを知らないんだ。

ソフィア:ヘクター。あんたは20歳になったばかりに見えるわ。どうして18歳の長男を持てるのよ。馬鹿なことを言うと本当に怒るよ。

ヘクター:いや。これは本当のことだ。ソフィアのお父さんとお母さんには話をしたんだ。

ヘクターはソフィアに身の上を改めて打ち明けた。

ソフィアは疑わしそうにヘクターをまじまじと見て身体を触って確認した。上腕の筋肉や背中の筋肉、太ももとふくらはぎの筋肉の弾力や引き締まった腹筋を撫で回し触感でも確かめる。最後には下半身にまで手を伸ばし、股間の一物や尻の固い筋肉にまで両手を伸ばした。

ヘクターの凄まじい一物を握りしめた時は流石にたじろいだようだが。

ソフィア:ふん。確かに身体の方は20歳くらいのようだわ。実年齢が38歳だなんて信じられない。だってお母さんと2つしか違わないのよ。

ソフィア:百歩譲ってあんたの言うことが本当だとしましょう。ルイスがマフィアだというのは本当なの?

ヘクター:残念ながら本当だ。

ソフィア:ヘクター。ルイスに命令してジェームズと女を此処に連れてきなさい。

ヘクター:そこまでしなくても良いだろう。誰だってラインダンスの観劇くらいするさ。同僚の女性と一緒に行ったかも知れないし、上司に誘われたかも知れないだろう。その女性とデートしているとは限らない。少しは信じてやったら良いじゃないか。

ソフィアはジェームズをあくまでもかばうヘクターに怒り、ヘクターをポカポカと殴り始めた。

ソフィアの拳など蚊が止まったくらいにしか感じなかったが、ヘクターもソフィアが流石に可哀想に思えた。

そこに騒ぎを聞きつけたエリザベス、マーガレット、アンナが心配そうにやってきた。

☆外の女子学生の話
エリザベス:ジェームズはモテるからソフィアが心配するのも良く分かる。

アンナ:でも以前からちょくちょく浮気はしていたみたいよ。

マーガレット:私もジャームズと他の女がホテルから出てきたところを見たことがあるわ。

ヘクター:でも本命はソフィアだろう?

エリザベス:分からないわよ。今までジェームズは他の女とデートはしていない筈よ。

ヘクター:今までは彼に言い寄って来た女を片っ端から喰っていただけか?

アンナ:そうよ。一度寝たらそれっきりだと思うわ。

ヘクター:ソフィアはジェームズが他の女たちを食いまくっていることは知っているのかい?

マーガレット:さあ、どうかしら?案外知っているのかもね。本気じゃなければ良いと思っているかも知れないわ。

思案したヘクターはルイスに電話し、ジェームズとその女を今から綿花農場まで飛行機で連れて来いと命令した。5月10日金曜日の午後には来るだろう。

怒り続けて疲れたソフィアはソファーで居眠りをしている。ヘクターは離れの寝室までソフィアを抱いて連れて行き、ベッドに寝かせた。

☆翌5月9日木曜日午前7時:畜産牧場の母屋でのテキサス名物バーベキュー料理の光景
その朝、ヘクター牧場の母屋では、ヘクターがテキサス名物のバーベキュー料理を振る舞う準備に余念がなかった。母屋の広い庭では、大きなバーベキューグリルが熱を帯び、周囲は肉を焼くスモーキーな香りで満たされている。

ヘクターは熟練の手つきで、分厚いビーフブリスケット、スパイシーなソーセージ、ジューシーなチキンを炭火の上で焼き上げていた。これらの肉料理には、ハーブとスパイスが効いた特製マリネードが施され、炭火の熱で外はカリッと、中はふっくらと仕上がっている。

テーブルには、焼き上がった肉料理が木製の切り盤に並べられ、彩り豊かな付け合わせと共に提供された。トウモロコシの穂、焼き野菜、伝統的なテキサススタイルのビーンズが食欲をそそります。テーブルの中央に置かれた自家製バーベキューソースは、各肉料理の風味を一層引き立てていた。

ソフィアは、前夜の出来事を忘れるかのように、ヘクターの料理に舌鼓を打ち、楽しげに味わっている。バーベキューの肉は、その焼き加減の完璧さと深い味わいで、彼女の心をも癒していた。彼はただ料理をするだけでなく、ソフィアが食べやすいように細心の注意を払って肉を切り分け、彼女の目の前に丁寧に並べた。

ヘクターの手によって、柔らかく焼き上げられた肉は、一つ一つ丁寧にスライスされ、美しく盛り付けられていく。彼はソフィアの好みをよく知っており、彼女が最も楽しめるように、肉の最も美味しい部分を選んで提供した。

徐々にソフィアの機嫌も明るくなり、彼女はトウモロコシを食べやすいように切ってほしい、野菜を持ってきてほしいとヘクターに指示を出し始めた。ヘクターは彼女の要望に応えるために動き、ソフィアにとって最高の食事体験を作り出そうとしていた。

ソフィアがトウモロコシを口に運ぶたびに、彼女の表情は明るくなり、彼女が指示するごとにヘクターは迅速に対応し、彼女の要望に応えた。この朝の食事は、二人の間の緊張を和らげ、暖かい雰囲気を作り出すことに役立った。

食事の最中、ヘクターはソフィアのためにさりげなく彼女の好きな飲み物を注ぎ、彼女の好みに合わせて料理を調整した。彼の行動は、彼女の機嫌を取るための細やかな気配りであり、彼女の心を徐々に開かせていく。

ソフィアは食後の散歩をすると称して、ヘクターを母屋の外にある丘の小屋まで連れ出した。ヘクターはカウガール頭にエリザベス、マーガレット、アンナの3人にカウガールの練習を指導しろと言い残しておいた。

☆ソフィアの願い「丘の上の小屋」:5月9日木曜日午前8時
ソフィアはヘクターにジェームズとの長いステディ関係を話し始めた。カーペンター家とハミルトン家は祖先の代からの長い付き合いでソフィアとジェームズはソフィアが5歳、ジェームズが10歳のころに婚約した。もちろん親と親との取り決めだが、本人たち同士も兄弟のように仲良くしていたため将来ふたりが結婚することに何の疑問も抱いていなかったそうだ。

二人の間にすれ違いが生じたのはジェームズが大学を卒業して社会人になってからのことである。ある晩、ソフィアが彼の家に電話した時、彼の母親が出て「御免ね。ジェームズは仕事でまだ帰っていないのよ」と返答した。

何回かそういう事が重なり、ソフィアの中に疑問が生まれてきた。彼は仕事が忙しくなったとか一言も言わなかったし、彼と同期の人に聞いても"彼の仕事はそんなに忙しくはないはずだ。定時「朝9時に出勤し、午後5時に終わる」出勤だと思うよ"と言う。

今にして思えば一夜限りの女との関係を楽しんでいたようだ。ソフィアは今まで彼のそうしたアバンチュールに文句一つ言わなかった。"本気は許せないが、浮気なら仕方ない"と無理に思おうとしていたのだ。

"だけど、今回はどうも違うようだ。彼は本気だと思う"とソフィアはヘクターに泣きながら話した。

ヘクターはソフィアの涙を指と唇で拭ってやり、軽くハグして背中を撫でてやった。

"ヘクター。どう思う?ジェームズは本気だろうか?私は婚約破棄されたら生きていけない。もう私と結婚してくれるひとなど居ないわ"とソフィアはヘクターに訴える。

"ジェームズが本気か、浮気かは分からないが、本気だとしたらジェームズは間抜けな男だと思うよ"とヘクターはソフィアに答えた。

"どうしてジェームズが間抜けだと思うの?"とソフィアが聞く。

"他にソフィアを虎視眈々と狙っているやつが居るのも知らずに、馬鹿なやつだ"とヘクターは答えた。

"誰が私を狙っているの?"とソフィアが聞く。

"もちろん、ソフィアの目の前にいる俺だ。ヘクターだよ"と答える。

ソフィア:ヘクター。本気で言っているの。

ヘクター:もちろん本気だ。ジェームズと別れたらソフィアと結婚する。

ソフィアはヘクターを抱き締め、熱烈なキスを浴びせかけた。愛し合う二人を止めるものは誰も居ない。

思いの外二人の初夜は手間取った。ソフィアは正真正銘の処女であったし、ヘクターの一物は並外れた大きさだったからだ。2時間にも及ぶ丁寧な愛撫のお陰でソフィアは目出度く処女を失い、ヘクターはソフィアを手に入れた。

二人は7月14日日曜日に結婚式をあげることを決め、入籍は結婚式より前の明日5月10日にダラス市役所で行うことに決めた。ソフィアの両親の反対を見越して先手を打つつもりである。

畜産牧場母屋での出発の光景
午前11時、畜産牧場の母屋ではヘクターが忙しく動いていた。彼は綿花農園に電話をかけ、自分たち5人分の昼食の用意を頼んだ。その後、彼は過去の関係者に対して、ソフィアとの結婚に関する情報を伝え、過去の関係については沈黙を保つよう釘を刺した。

ヘクターは、4人の女学生を車に乗せるために呼んだ。彼ら一行の服装はそれぞれ特徴があり、彼らの個性を表していた。

5人の服装
ヘクター:
白いTシャツと黒いトレーニングパンツ、白いスニーカーを着用しており、トレーニングに特化したアクティブなスタイルである。

ソフィア:
ライトグリーンのボディスーツに黒いショルダーバッグ、ピンクのストラップ付きサンダルを合わせている。彼女の服装はアクティブでカジュアルな雰囲気を放っている。

マーガレット:
オリーブグリーンのクロップトップ長袖シャツとハイウエストのリップドジーンズを着用しており、タイリッシュなカジュアルウェアでまとめている。

アンナ:
ホワイトレースのロンパースにサンダルを合わせ、軽いジャケットを羽織っている。彼女の服装は清潔感があり、女性らしく春夏にぴったりのファッションである。

エリザベス:
オリーブグリーンのクロップトップ長袖シャツとハイウエストのリップドジーンズを着用しており、スタイリッシュなカジュアルウェアでまとめている。

一行は畜産牧場の母屋を背にして車に乗り込んだ。ヘクターの確固たる態度、ソフィアのアクティブな雰囲気、マーガレットとエリザベスのスタイリッシュなカジュアルウェア、そしてアンナの清楚な春夏ファッションが、彼らの個性を際立たせていた。一行はこれから綿花農園へと向かう準備を整え、新しい一日の冒険に期待を膨らませている。

☆5月9日木曜日午後1時:綿花農場
ヘクターたちは昼食を終えたあと、農婦頭のエマ・ハリス(24歳)に従って綿花農場以外の耕作地へ出かけた。此処はヘクターの所有する綿花農園を含む土地50万エーカーのうち9割を占める土地である。その中で石油発掘を行わないと決めた土地5万エーカーについて、ヘクターはエマに必要な重機を含む様々な大型農機具を買い与え、土作りを命じた。

午後の作業:5万エーカーの土地でのソルガム播種
午後、ヘクターたちは5万エーカーの選定された土地で作業を開始した。エマ・ハリスがリーダーとして、ヘクター、ソフィア、エリザベス、マーガレット、アンナの5人に作業の手順を指導した。

エマによる指導
エマは熟練の農婦頭として、作業の前に全員を集めて簡単なブリーフィングを行った。彼女は耕作の重要性、ソルガムの特性、そして播種の方法についてわかりやすく説明し、各人の役割を割り当てた。

作業を始める前のミーティングでソフィアからの指摘があった。

☆ソフィアの疑問
緑肥には色んな種類があるのにどうしてソルガムだけ蒔くの。ヘアリーベッチ、セスバニア、クロタラリア、ひまわり、ライ麦、えん麦、アルファルファや【米ぬか】と【油粕】を使ったボカシ肥料【嫌気性発酵】などは使わないの?

☆ヘクターの回答
緑肥の選択に関する回答
1.季節性と成長条件:
・緑肥を選択する際、現在の季節と緑肥が最もよく成長する条件が重要です。ソルガムは耐乾性が高く、夏の暑さに適しています。一方、ライ麦やえん麦は涼しい季節に適しており、秋に播種することが一般的です。

2.土壌改良の目的:
・ソルガムは土壌の構造を改善し、侵食を防ぐ効果があります。他の緑肥と比較して、ソルガムは畜産用の飼料としても利用できるため、二重の利点があります。

3.多様性と輪作の重要性:
・異なる種類の緑肥を使うことは土壌の健康を維持するために重要です。今はソルガムを蒔いていますが、秋には異なる種類の緑肥を蒔くことで、土壌に様々な栄養素を供給し、生態系のバランスを保ちます。

4.特定の目的に合わせた選択:
・ヘアリーベッチやセスバニア、クロタラリアは特定の目的に合わせて選ばれることがあります。例えば、窒素固定の強いヘアリーベッチは、窒素が必要な作物の前のシーズンに適しています。

5.ボカシ肥料の使用:
・米ぬかや油粕を使用したボカシ肥料は、土壌の微生物活動を促進し、土壌の有機質を増やす効果があります。これらは緑肥とは異なり、土壌改良剤として使用され、緑肥と併用することで土壌の健康をさらに促進します。

緑肥選択の決定理由
・現在、ソルガムを選択したのは、季節的な条件と畜産用飼料としての利用を考慮したためです。秋になれば、土壌の状態や次の作物のニーズに合わせて、異なる種類の緑肥を使用する予定です。

☆ソフィアの意見の取り入れ
ソフィアの提案に従い、ボカシ肥料を今の土地に適用することは、土壌の質を高め、後の緑肥の効果を最大限に引き出すために非常に有効な戦略だと思う。ヘクターとエマはこの提案を積極的に取り入れれば、農地の生産性と持続可能性を高めることが出来るだろう。ヘクターとエマはソフィアの提案を取り入れることにした。

☆ソフィアへの提案
ソフィアの優秀さを認め、ソフィアをこの緑肥飼料農園「5万エーカー」の経営者とし、経営を任せる。最初の3年は年俸制とし、年間10万ドルで辛抱してもらいたい。3年が過ぎれば年俸とは別に利益の3割を支払う。

ソフィアはヘクターとの7月14日日曜日の結婚後その提案を受け入れると返答した。

土地の耕作
ヘクターとエマは、耕運機を用いて土地を耕し始めた。二人は効率的に機械を操作し、土を均等に耕すことに集中した。ヘクターは機械の操作に自信を持ち、エマは細かい調整を行いながら進めた。

種まきの準備
一方、ソフィア、エリザベス、マーガレット、アンナは種まきの準備に取り掛かった。彼女たちは種まき機にソルガムの種を充填し、播種のための設定を行った。エマは彼女たちに種まき機の使い方を丁寧に教え、適切な種の量と密度について指導した。

播種作業
種まきの準備が整うと、一行は耕された土地にソルガムの種をまき始めた。エマは作業を監督し、適切な深さと間隔で種がまかれるよう指示した。ソフィアたちは真剣な表情で作業に取り組み、一生懸命に種を蒔いた。

共同作業の光景
この作業はチームワークの見本のようだった。ヘクターとエマが力を合わせて土を耕し、他の4人が種まきの準備と実施を担当した。それぞれが自分の役割を全うし、共通の目標に向かって協力し合っていた。

午後のこの時間、5万エーカーの土地は忙しいが協力的な作業の場となった。ヘクターの指導のもと、エマの専門知識、そしてソフィアたちの熱心な取り組みが、成功への道を切り開いていた。これらの努力が、将来的に畜産牧場のための豊富な飼料を確保する基礎となることは間違いない。

今回はここまでにいたしましょう。次回をお楽しみに。

 

後書き

ヘクターとソフィアは予期せぬ運命の悪戯により結ばれた。もちろん、ジェームズとの婚約を破棄し、新たにヘクターを結婚相手に選ぶなど反対する者も多いに違いない。実際、家族の中でソフィアの決断に賛成する者はひとりも居なかった。父親のエドワードだけがソフィアがそこまで言うなら仕方ないと言う姿勢を見せてくれたのが唯一の救いであった。母親のキャサリンはヘクターと肉体関係を持っていたこともあり、大反対であった。キャサリンはヘクターに"ソフィアを諦めろ。さもなければお前の秘密をバラすぞ"と脅す有様である。ヘクターが38歳であり、ルイス18歳、マリア18歳、アンヘル16歳の3人の子供を持っており、先妻とは別れたばかりだと言う事実はソフィアも知っており、アメリカ国籍ヘクター・ハミルトン24歳というのはソフィアの父親が100万ドルの賄賂をヘクターから受け取って作ったものだというのもソフィアには伝えていた。脅しには屈しないが、認めては貰いたかった。