小説「海と陸の彼方へ」

 

第三章新主人公アンヘルアメリカ合衆国大統領を目指す

 

第6話ヴァレンティーノ・ファミリー元ボスの死亡

 

前書き

教会の扉が静かに開き、ヴィンセント・"ヴィニー"・ヴァレンティーノの棺桶が家族によって運び込まれた。棺桶は美しいマホガニー製で、その上には白いリリーが優雅に飾られていた。教会内は静謐な雰囲気で、ステンドグラスから差し込む光が神聖な空間を作り出していた。マリア・Vは黒い喪服に身を包み、涙を拭きながら前列に座った。彼女の隣にはアンヘルが座り、手を握って励ましの言葉をかけた。後ろにはソフィア、レオ、マルコ、ジョヴァンニ、ローザなど、家族が続いた。牧師が壇上に立ち、ヴィニーの人生とその善行について語り始めた。その言葉には愛と尊敬が込められていた。礼拝が終わると、家族が一人ずつ前に出てきて、ヴィニーに最後の別れを告げた。

 

本文

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登場人物「1935年1月1日時点」  
アンヘル・ディアンジェロ16歳:ハーバーテックソリューションズ(HTS)の会長兼CEO。ル・クリスタル・ホテル所有「200万ドルで居抜き購入」。アンヘル航空㈱会長兼CEO「資本金10億ドル」。ヴィヴィ警備会社「資本金1千万ドル」オーナー。軍事産業への共同投資60億ドル「配当金:1,929万ドル/ 週」。現預金50億ドル「シャドウ・ネクサスから略奪」と債権「総額不明」所有。
マリア・エバ・ドゥアルテ16歳。アンヘルの妻。AMレジャー総合開発㈱「資本金1億ドル」社長兼COO。悪魔のように可愛い女。 
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アンヘルの家族 
イタリア系の不法移民で、彼らの家族名は「ディアンジェロ」です。以下はディアンジェロ家の家族構成です: 
・父親ヘクター・ディアンジェロ(38歳):ヘクター・ディアンジェロは日雇い労働者として働き、家族を支えています。彼は家族に良い未来を提供することを夢見ており、そのために日々努力しています。 
・母親ローサ・ディアンジェロ(35歳):ローサ・ディアンジェロは家庭を守りながら、地域の共同体でボランティア活動を行っています。彼女は子供たちが教育を受けることを強く望んでいます。 
・兄ルイス・ディアンジェロ(18歳):ニューヨーク市警警部兼総合建設会社NYHCの社員。 
・ルイスの双子の姉マリア・ディアンジェロ(18歳):マリア・ディアンジェロは地元の専門校に通っています。 
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マリア・エバ・ドゥアルテ「マリア・D」16歳の家族 
・エルヴィラ・ドゥアルテ13歳。マリアの妹。 
・カタリナ・イルデフォンソ20歳。ルドラ金融㈱営業部長。 
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マリア・ヴァレンティーノ「マリア・V」54歳。アンヘルの恋人兼投資パートナー。ヴァレンティーノ・ファミリーの死亡したボス:ヴィンセント・"ヴィニー"・ヴァレンティーノ(56歳)の元妻。莫大な資産「推定500億ドル」を持つ。軍事産業への共同投資60億ドル「配当金:1,929万ドル/ 週」。
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ジョン・マッケンジー(35歳)。エドゥアルドの競争相手「有力な建設会社グローバルテック・コンストラクション・インクGCIのCEO」。
妻: サラ・マッケンジー(33歳), ファッションデザイナー
子供: ルーカス(8歳), ソフィア(5歳)
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サラ・マッケンジー(33歳)の実家
父:ロバート・ハミルトン(58歳):アメリカ合衆国の上院議員
母:キャサリン・ハミルトン(55歳):社会活動家
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ニューヨーク市長
名前: ダニエル・ハリソン
年齢: 42歳
家族構成:
妻: ジェニファー・ハリソン(37歳)
子供: エマ(10歳)、ノア(7歳)
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ニューヨーク市港湾局長
住所:ブルックリン臨海区
 マイケル・スミス(38歳)
妻: クレア・スミス(36歳), 弁護士
子供: ノア(7歳), ミア(4歳)
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ジャーナリスト
住所:ブルックリン・ベイ・リッジ地区「イタリア系」
エミリー・デイビス(32歳)
夫: ベン・デイビス(34歳), ITエンジニア
子供: エリー(3歳)
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エリナ・"ブラックウィドウ"・ロドリゲス40歳。アンヘルの愛人。元ニューヨーク・マフィア「シャドウ・ネクサス」の副ボス。アルゼンチン人。
マリア・"レッドローズ"・デ・ラ・クルス35歳。ニューヨーク・マフィア「シャドウ・ネクサス」の人事担当。アルゼンチン人。

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ニューヨーク市の行政地図

アメリカ合衆国東部
昭文社「コンパクト世界地図帳」P52


フロリダ州の地図と出典「南部にマイアミ、更に南部にホームステッドがある」

マフィアの組織図「パブリックドメイン」

 

残念ながらヴィンセント・"ヴィニー"・ヴァレンティーノ(56歳)は4月24日の朝4時に死亡した。医者の診断では脳卒中ということだった。残された妻のマリア・Vも呆然としており、アンヘルがすべてやらねばなりません。

アンヘルは自分のすべきことを個条書きにしてみた。

1.医者の診断書を取得: ヴィンセントの死因が脳卒中であることを証明する医者の診断書を取得する。

2.死亡届を出す: 診断書を持って最寄りの役所に死亡届を出す。必要な書類や手続きについても確認する。

3.警察に連絡: 遺体の解剖を依頼する場合は、警察に連絡を取る。ただし、医者の診断が明確であれば、この手続きは省略できる場合もある。

4.葬儀社に連絡: 葬儀の手配を始めるために葬儀社に連絡を取る。日程、場所、参列者などの詳細を決定する。

5.遺産の整理: ヴィンセントが残した遺産「財産、負債など」の整理を始める。必要であれば、弁護士に相談する。

6.マリア・Vのサポート: 妻であるマリア・Vが呆然としている場合、心のケアも重要。必要であれば、心の健康の専門家に相談する。

7.通知先リストの作成: ヴィンセントの友人、親戚、ビジネス関係者などに訃報を伝えるためのリストを作成し、連絡を取る。

8.葬儀の後の手続き: 葬儀が終わった後も、多くの手続きが必要。例えば、銀行口座の解約、名義変更、税金の申告など。

9.感謝の意を示す: 葬儀に参列した人々に対して、お礼の言葉やカードを送る。

4月24日水曜日午前7時:マリア・V邸
ヴィニー死亡の事実を受け止められず泣き続けるマリア・Vを元気づけながらもやるべきことをこなした。医者から死亡診断書を受け取り、秘書のブラックウィドウ40歳に託し、ニューヨーク市役所に死亡届を出すよう指示した。

朝食については一階のレストランから必要な人数分の出前を頼み、マリア・Vにも食べさせながらアンヘルはヴィニー関連の家族や知人に連絡した。

長女:ソフィア・ヴァレンティーノ(30歳)や長男:レオ・ヴァレンティーノ(32歳)、次男:マルコ・ヴァレンティーノ(27歳)、三男:ジョヴァンニ・ヴァレンティーノ(22歳)、妹:ローザ・ヴァレンティーノ(50歳)などはすぐに駆けつけてくれるそうである。マリア・Vと彼らとも相談し、葬儀は今日の午後1時に行うことに決めた。

☆午前9時半:市役所に居る秘書のブラックウィドウから連絡があり、医者の脳卒中という診断がはっきりしているので、遺体解剖の必要なしと警察が判断したそうである。そこまで決まれば葬儀社に連絡することが出来る。

アンヘルは直ちに葬儀社に電話し、葬儀の手配を行った。土葬に適した手配すなわち棺桶の選定、墓地の手配、葬儀の儀式内容などが含まれる。

葬儀に参列する人たちの人選についてマリア・Vの意見を聞いたところ、「ヴィニーは引退している身でもあったのでここは家族だけのしめやかなものにしたい」という。身内以外はアンヘルだけが参列することになった。

遺産の整理と様々な手続き「銀行口座の解約、名義変更、税金の申告など」についてはマリア・Vが執り行い、通知先リストの作成・配布については娘のソフィアが引く受けてくれた。

4月24日水曜日午後1時:ニューヨーク市内の教会
教会の扉が静かに開き、ヴィンセント・"ヴィニー"・ヴァレンティーノの棺桶が家族によって運び込まれた。棺桶は美しいマホガニー製で、その上には白いリリーが優雅に飾られていた。教会内は静謐な雰囲気で、ステンドグラスから差し込む光が神聖な空間を作り出していた。

マリア・Vは黒い喪服に身を包み、涙を拭きながら前列に座った。彼女の隣にはアンヘルが座り、手を握って励ましの言葉をかけた。後ろにはソフィア、レオ、マルコ、ジョヴァンニ、ローザなど、家族が続いた。

牧師が壇上に立ち、ヴィニーの人生とその善行について語り始めた。その言葉には愛と尊敬が込められていた。礼拝が終わると、家族が一人ずつ前に出てきて、ヴィニーに最後の別れを告げた。

4月24日水曜日午後3時:墓地
教会の儀式が終わり、参列者は墓地に移動した。墓地は静かで平和な場所で、新緑が芽吹き始めていた。ヴィニーの棺桶はすでに掘られた墓穴に優しく下ろされ、家族が一人ずつ土をかけ始めた。

マリア・Vは深呼吸をして、一掬ぎの土を棺桶にかけた。その後、子供たち、そしてアンヘルが続いた。最後に牧師が短い祈りを捧げ、ヴィニーの魂が天国で安らかであるようにと願った。

4月24日水曜日午後4時:マリア・V邸
葬儀が無事に終わり、家族はマリア・V邸に戻った。アンヘルはマリア・Vに手を握り、「これからも何でもお手伝いします」と言った。マリア・Vは微笑みながら「ありがとう、アンヘル。ヴィニーもきっと喜んでいるわ」と答えた。

ソフィアが作成した通知先リストに基づき、感謝の言葉と共に訃報を伝える手紙を送る作業を始めた。それは新たな始まりでもあり、家族が一丸となって乗り越えていくべき試練の始まりでもあった。

こうして、ヴィニーの人生に幕を閉じ、新たな章が家族に訪れるのであった。

☆午後5時:遺産整理と分配について
ヴィニーの弁護士:亡きヴィニーさんの遺言を読み上げます。

1.私の財産は現預金500億ドル、スカイライン・エリュシウム・レジデンシズ内の邸宅およびヴィニーゴルフ場である。

2.現預金のうち半分250億ドルとスカイライン・エリュシウム・レジデンシズ内の邸宅を妻のマリア・Vに与える。

3.現預金の残り250億ドルを240億ドルと10億ドルに分け、240億ドルを4等分し、それぞれ60億ドルずつを長女:ソフィア・ヴァレンティーノ(30歳)や長男:レオ・ヴァレンティーノ(32歳)、次男:マルコ・ヴァレンティーノ(27歳)、三男:ジョヴァンニ・ヴァレンティーノ(22歳)の4人に与える。妹:ローザ・ヴァレンティーノ(50歳)には残りの10億ドルを与える。

4.ゴルフ場はマリア・Vに良くしてくれたアンヘル君に与える。

その場にいた者はアンヘル以外全員妥当な遺産分配だとうなずいたが、アンヘルは異議を唱えた。

アンヘル:私はそのような立派なゴルフ場をいただくような貢献をしておりません。謹んでお返しします。

マリア・V:アンヘル。黙って受け取りなさい。今後も私の家族を守ってくれというヴィニーなりの気遣いなのよ。そうして受け取ったからには週に一度はゴルフ場に行き、皆と交際しなさい。賭けゴルフなどはしてはいけません。

アンヘルは夜のベッドの中以外ではマリア・Vに頭が上がらず、平伏して彼女の言うことを聞くことになった。

☆大富豪になった子供たちとヴィニーの妹ローザ・ヴァレンティーノ(50歳)
ヴィニーの家族は元々裕福だったので子供たちの殆どはそのまま現預金のままにしておいた。ローザだけは異なり、ヴィニーがヴァレンティーノ・ファミリーのボスになってからも自分はただの教師であり、夫のアルベルト・ロッソ(52歳)もサラリーマンであった。

ローザ:アンヘルちゃん。私、貴方に相談があるの。

アンヘル:どんなことでも引き受けますよ。ローザさんは僕の愛しい人ですからね。

ローザ:どうも有難う。いえね。私10億ドルも貰って使い道が分からないのよ。どうしたら良いかしら?

アンヘル:ローザさんらしくないですね。あれだけ航空業界に詳しいのに。たった10億ドルの使い道が分からないとは。

アンヘル:僕も思わぬところから50億ドル手に入りましてね。使い道を考えていたところなんですよ。どうですか。ダラスで石油を掘りませんか?

ローザ:出たら大儲けね。でも出るかどうか分からないでしょう?

アンヘル:土地さえ購入しておけば使い道はそのうち思いつきますよ。

アンヘル:僕たちの頭文字を取ってA.R石油開発㈱「資本金60億ドル」を作って共同経営者になりましょう。

ローザ:ビジネスパートナーっていうのは中々良い響きよね。良いわ。そうしましょう。石油発掘って夢があるわ。ダラスに本社ビルを購入して社員を雇いましょう。貴方も忙しいでしょうからそれは私が受け持つわ。

4月24日水曜日午後7時:スカイライン・エリュシウム・レジデンシズ一階レストラン
一日が終わり、家族はスカイライン・エリュシウム・レジデンシズの一階にある高級レストランで夕食を共にすることになった。テーブルは白いリネンで覆われ、シャンデリアが優雅な光を放っている。各々の椅子に座った家族は、当初は口数が少なかった。ヴィニーの葬儀とその後の遺産分配が終わり、一段落ついたとはいえ、その重みはまだ各人の心に残っていた。

しかし、食事が進むにつれて、特に新たに大富豪となった子供たちとローザの表情は明るくなっていった。ソフィア、レオ、マルコ、ジョヴァンニ、そしてローザは、それぞれの未来について楽しげに話し合い始めた。ローザは特に興奮しており、「ダラスで石油を掘るなんて、まるで映画のようね!」と笑っていた。

その中で、マリア・Vはアンヘルに目を向けた。「アンヘル、明日の午前10時にゴルフ場で会いましょう。ヴィニーが遺してくれたゴルフ場で、新たなスタートを切るのはどうかしら」

アンヘルはマリア・Vの言葉に微笑みを返した。「もちろんです、マリア・V。それがヴィニーさんの望みであれば、喜んで」

マリア・Vは明日のゴルフ場デートの時、改めてアメリカ合衆国の上院議員ロバート・ハミルトン(58歳)と彼の妻キャサリン・ハミルトン(55歳)をアンヘルに引き合わせるつもりだった。

夕食が終わる頃には、家族の表情は一日の疲れを忘れ、新たな未来に希望を見出していた。それぞれが持つ新たな富と責任に対する期待と不安が、テーブルを囲む家族の間に静かながらも確かな絆を生んでいた。

そして、皆はその夜、何が起ころうと家族であるという確信と、新たな人生の第一歩を踏み出す準備ができたという安堵感で眠りについた。

4月25日木曜日午前6時:スカイライン・エリュシウム・レジデンシズ:アンヘル邸
昨夜はレッドローズ35歳がアンヘルのベッドの中に潜り込み、アンヘルの心身の疲労を癒やしてくれた。朝食の準備はブラックウィドウ40歳とレッドローズ35歳が行ったが、まあ酷い料理であった。アンヘルは黙ってみていることが出来なくなり、途中で替わって作り始めた。その手際の良さに元マフィアの女たちは只々呆れるばかりであった。

食後、アンヘルは二人に額面100万ドルの小切手を一枚ずつ渡し、階下の12SLDKの居室を購入するよう指示した。

ブラックウィドウ、レッドローズ:ここに住んではいけませんか?アンヘル様のお世話をしたいのです。

アンヘル:本当にお世話をしてくれるならお願いしたいが、逆に僕のほうがお世話をすることになるんじゃないのかい?

ふたりは何も言えなくなり、小切手を持って不動産屋に走った。上手く購入できれば良いが。このレジデンスは人気が高いから案外空いていないときもある。

アンヘルは二人が出ていったあと、ヴィニーに貰ったゴルフ場の登記を確認した。土地建物はかなり広く立派なものだが、如何せん場所が遠すぎる。ロングアイランド島のハンプトンズといえば車で2時間ないしは3時間ほど掛かる。

アンヘルは大慌てで支度して、マリア・Vを迎えに行った。

マリア・V:そんなに慌てなくても良いわ。ゆっくり行きましょう。ロバート・ハミルトン(58歳)にはお昼をご一緒しましょうと言ってあるからそれまでに到着すれば良いのよ。

アンヘルは心のなかで罵った。"それなら最初からそう言えば良いじゃないか。10時と言うから慌てたんだよ"

マリア・V:アンヘルちゃん。何か言った?

アンヘル:いえ、何でもありません。でもマリアさん、早く支度して下さい。間に合わなくなりますよ。

マリア・V:そんなに急かさないの。女は化粧に時間が掛かるのよ。

なんだかんだと時間が掛かり、ハンプトンズに到着した時には11時を少し回っていた。

マリア・Vが上院議員夫婦を見つけた。アンヘルが遠目で確認すると、アメリカ合衆国の上院議員ロバート・ハミルトン(58歳)と彼の妻キャサリン・ハミルトン(55歳)がクラブハウスの入り口で待っていた。

アンヘルの目が捉えたのはキャサリン・ハミルトン(55歳)だけだった。ロバート・ハミルトン(58歳)もいたのだがほとんど目立たぬ男だったという印象しかない。

キャサリン・ハミルトン(55歳)はどうみても30代前半にしか見えず若々しくしかも美しかった。彼女はバーバリーのポロシャツ、ティファニー&コのゴルフスカート、ラコステのスポーツブラ、エコーのゴルフシューズ、グッチのゴルフキャップを着用。アクセサリーにはカルティエの「ラブ」ブレスレット、シャネルのパールイヤリング、ルイ・ヴィトンのカスタムゴルフバッグ、オメガの「コンステレーション」腕時計を身につけている。

アンヘルはキャサリン・ハミルトンが娘のサラ・マッケンジー(33歳)よりも遥かに魅力的に見えた。ブランチの時には彼女を一顧だにしなかったくせに。

今回はここまでにいたしましょう。次回をお楽しみに。

 

後書き

アンヘルは二人が出ていったあと、ヴィニーに貰ったゴルフ場の登記を確認した。土地建物はかなり広く立派なものだが、如何せん場所が遠すぎる。ロングアイランド島のハンプトンズといえば車で2時間ないしは3時間ほど掛かる。アンヘルは大慌てで支度して、マリア・Vを迎えに行った。マリア・V:そんなに慌てなくても良いわ。ゆっくり行きましょう。ロバート・ハミルトン(58歳)にはお昼をご一緒しましょうと言ってあるからそれまでに到着すれば良いのよ。アンヘルは心のなかで罵った。"それなら最初からそう言えば良いじゃないか。10時と言うから慌てたんだよ"マリア・V:アンヘルちゃん。何か言った?アンヘル:いえ、何でもありません。でもマリアさん、早く支度して下さい。間に合わなくなりますよ。