小説「海と陸の彼方へ」

 

第三章新主人公アンヘルアメリカ合衆国大統領を目指す

 

第4話アンヘルの不満と苛立ち

 

前書き

次回は一週間後の4月25日木曜日午後7時:スカイライン・エリュシウム・レジデンシズの一階レストラン/カフェと決まった。アンヘルは具体的なスケジュールが決まらないことに不満を抱いています。航空事業参入への許認可の手続き、具体的な空港の建設、飛行機の購入、修理工場の建設、必要な土地の購入、必要な建物「倉庫、工場、宿舎、食堂、風呂など」です。必要な人員なども決めなくてはなりません。次回には前に進むことが出来るでしょうか?

 

本文

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登場人物「1935年1月1日時点」  
アンヘル・ディアンジェロ16歳:ハーバーテックソリューションズ(HTS)の会長兼CEO。ル・クリスタル・ホテル所有「200万ドルで居抜き購入」。アンヘル航空㈱会長兼CEO「資本金10億ドル」。ヴィヴィ警備会社「資本金1千万ドル」オーナー。軍事産業への共同投資60億ドル「配当金:1,929万ドル/ 週」。
マリア・エバ・ドゥアルテ16歳。アンヘルの妻。AMレジャー総合開発㈱「資本金1億ドル」社長兼COO。悪魔のように可愛い女。 
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アンヘルの家族 
イタリア系の不法移民で、彼らの家族名は「ディアンジェロ」です。以下はディアンジェロ家の家族構成です: 
・父親ヘクター・ディアンジェロ(38歳):ヘクター・ディアンジェロは日雇い労働者として働き、家族を支えています。彼は家族に良い未来を提供することを夢見ており、そのために日々努力しています。 
・母親ローサ・ディアンジェロ(35歳):ローサ・ディアンジェロは家庭を守りながら、地域の共同体でボランティア活動を行っています。彼女は子供たちが教育を受けることを強く望んでいます。 
・兄ルイス・ディアンジェロ(18歳):ニューヨーク市警警部兼総合建設会社NYHCの社員。 
・ルイスの双子の姉マリア・ディアンジェロ(18歳):マリア・ディアンジェロは地元の専門校に通っています。 
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マリア・エバ・ドゥアルテ「マリア・D」16歳の家族 
・エルヴィラ・ドゥアルテ13歳。マリアの妹。 
・カタリナ・イルデフォンソ20歳。ルドラ金融㈱営業部長。 
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マリア・ヴァレンティーノ「マリア・V」54歳。アンヘルの恋人兼投資パートナー。ヴァレンティーノ・ファミリーの引退したボス:ヴィンセント・"ヴィニー"・ヴァレンティーノ(56歳)の妻。莫大な資産「推定500億ドル」を持つ。軍事産業への共同投資60億ドル「配当金:1,929万ドル/ 週」。
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ジョン・マッケンジー(35歳)。エドゥアルドの競争相手「有力な建設会社グローバルテック・コンストラクション・インクGCIのCEO」。
妻: サラ・マッケンジー(33歳), ファッションデザイナー
子供: ルーカス(8歳), ソフィア(5歳)
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サラ・マッケンジー(33歳)の実家
父:ロバート・ハミルトン(58歳):アメリカ合衆国の上院議員
母:キャサリン・ハミルトン(55歳):社会活動家
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ニューヨーク市長
名前: ダニエル・ハリソン
年齢: 42歳
家族構成:
妻: ジェニファー・ハリソン(37歳)
子供: エマ(10歳)、ノア(7歳)
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ニューヨーク市港湾局長
住所:ブルックリン臨海区
 マイケル・スミス(38歳)
妻: クレア・スミス(36歳), 弁護士
子供: ノア(7歳), ミア(4歳)
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ジャーナリスト
住所:ブルックリン・ベイ・リッジ地区「イタリア系」
エミリー・デイビス(32歳)
夫: ベン・デイビス(34歳), ITエンジニア
子供: エリー(3歳)

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ニューヨーク市の行政地図

アメリカ合衆国東部
昭文社「コンパクト世界地図帳」P52


フロリダ州の地図と出典「南部にマイアミ、更に南部にホームステッドがある」

マフィアの組織図「パブリックドメイン」

 

4月18日木曜日午後8時:スカイライン・エリュシウム・レジデンシズ:アンヘルの邸宅
サラが自宅に帰って行ったのでアンヘルは寂しい思いをしていた。妻のマリア・Dもマイアミのカジノ建設が一段落するまではマイアミのホテルで頑張ると言っていたのでおそらくここへ返ってくるのは来月の半ば頃になるだろう。

寂しくなったアンヘルはお隣のマリア・Vさんが有名なピアニストだったことをサラから聞いていたので、マリア・Vさんに一度演奏してもらおうと思い、お隣まで押しかける気持ちになった。

アンヘルはマリア・Vさんがピアノを演奏する時にふさわしい衣装を購入していたので、一式持って行くことにした。それはエレガントで洗練されたものであり、マリア・Vさんがピアニストであることを考慮し、舞台で着用することも考慮した豪華なアイテムを選んだものであった。

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選択した服装
1・オスカー・デ・ラ・レンタのシルク・サテンのイブニングドレス: クラシックなデザインで、エレガントな雰囲気を演出。
2.シャネルのツイードスーツ: シックで上品な選択。
3.アルマーニのテーラードパンツとシルクブラウス: カジュアルながらも洗練されたスタイル。
4.ヴァレンティノのフローラルプリントのマキシドレス: 春らしさを感じさせるデザイン。
5.ジバンシィのレースのブラウスとスカートのセット: 華やかで女性らしい。

アンダーウェア
1.ラ・ペルラのシルクとレースのブラとパンティーセット: 高級感があり、快適。
2.エージェント・プロヴォケイターのエレガントなコルセット: スタイリッシュでセクシー。
3.シャンテルのシームレスなアンダーウェア: 見た目にも美しく、快適性も考慮。

アクセサリー
1.カルティエのダイヤモンドネックレス: 豪華で高級感があります。
2.ティファニー&コーのプラチナとサファイアのイヤリング: 華やかさをプラス。
3.エルメスのシルクスカーフ: 多用途で、エレガントな雰囲気を演出。
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アンヘルが隣の家のドアをノックすると若い女性がドアを開けてくれた。アンヘルは丁重に挨拶し、"僕は隣に住んでいるアンヘル16歳と申します。マリア・ヴァレンティーノさん54歳とは日頃から懇意にさて頂いております。以前マリア・Vさんがピアニストをされていたということを知人から聞いたものですから、演奏時に着用していただきたいと思い、一式持って参りました。気に入っていただけたら幸いです"と言い、自宅に帰りかけた。

ソフィア・ヴァレンティーノ:アンヘルさんっておっしゃったわね。私は長女でソフィアと言うの。30歳でまだ独身なの。弁護士をしているのよ。父は今兄のところに遊びに行っているの。しばらく帰らないと思うわ。母も叔母もいるのよ。中に入ってワインでも飲みましょう。あら、未成年にはまずいかな。

アンヘルはカチンと来たが言い返さず、素直に「僕はジューズを頂きます」と答えた。ソフィアは若くハンサムで大人しそうなアンヘルをいっぺんで気に入り、アンヘルの片手を取ってリビングに招き入れた。ソファーにはマリア・ヴァレンティーノ(54歳)と彼女の義理の妹ローザ・ヴァレンティーノ(50歳)が座っていた。

アンヘルは自己紹介し、マリア・Vから長女と義理の妹ローザの紹介を受けた。ローザは教師をしているそうである。

マリア・Vはアンヘルが持ってきたピアノ演奏会用の衣装を大変喜び、着用してピアノの演奏をアンヘルの前で披露してくれた。

そのあと、珍しくアンヘルが浮かぬ顔をしていることに彼女は敏感に気付き、アンヘルの不満「航空事業の具体的なスケジュールが決まらない」を聞き出した。

マリア・Vは素早く反応し、ロバート・ハミルトンとハリソン市長のところに電話して、アンヘル航空に認可をすぐ出すように指示した。アンヘルに認可に必要な書類を出させ、それを娘のソフィアに渡して検討させた。ソフィアの話では合衆国政府とニューヨーク市役所に提出すれば認可は即座に下りるそうである。

こうなるとマリア・V一家の独壇場である。順番にアンヘルに航空事業の計画を聞き出す。

ローザ:アンヘルちゃん。空港は幾つ建設するの?最初から全ての空港を造るのは無謀よ。私が思うにカジノ事業のことを考えると先ずニューヨーク、マイアミ、ダラスの3空港は絶対に必要ね。

アンヘル:カナダのモントリオールにも作りたいのです。モントリオール市の新港建設プロジェクトを請け負っているものですから。

ローザ:それなら空港は4つね。建設費用はひと空港5,000万ドルとして2億ドルかな。諸施設や人件費も含めてね。この費用には、ランウェイ、ターミナルビル、制御塔、その他のインフラが含まれているわ。パイロットは20名雇えば十分ね。訓練費用や給料を含めてひとり15万ドル、合計300万ドル見ておきましょう。

ローザ:飛行機は最新鋭機DC-2を一台100万ドルで10台購入することにしましょう。合計1,000万ドル必要ね。新機だから、それくらい掛かっても不思議でもないわ。当初は10台くらいでスタートし、徐々に増やして行ったら良いのよ。

ローザ:その他の費用を大雑把に見積もってみましょう。

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1.航空機のメンテナンスと修理: 年間で一台あたりおよそ20万ドル。合計200万ドル。
2.燃料費: 年間で一台あたり約100万ドル(当時の燃料価格と飛行頻度に基づいて)。合計1,000万ドル。
3.空港施設の運営費: 各空港で年間約1000万ドル。合計4,000万ドル。
4.スタッフの給与と福利厚生: パイロット以外のスタッフ「整備士、地上スタッフ、客室乗務員など」にかかる費用。年間で約500万ドル。
5.広告・マーケティング: 初年度で約1000万ドル。
6.事務運営費: 年間で約500万ドル「オフィスのレンタル、事務用品、通信費など」。
7.保険: 年間で約1000万ドル。
8.許認可申請費用: 合計で約500万ドル。
9.予備費: 未予測の出費に備えて、年間で約1000万ドル。
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ローザ:以上の費用を合計すると、大体年間で約4億ドルもあれば十分ね。10億ドルの初期資金と、毎週の929万ドル(年間で約4.8億ドル)の追加資金があるから、このビジネスは非常に安定して運営できるわね。

このローザの卓越した知識にはアンヘルやマリア・V及びソフィアも驚き、口をポカンと開けてしまった。

アンヘル:ソフィアさん、ローザさん。有難うございます。今雇っている弁護士と航空コンサルタントは首にして貴女方お二人を雇用いたします。この仕事に対して年俸100万ドル、賞与年2回各200万ドルお支払いいたします。お引き受けいただけますか?

ソフィアもローザもあっさりと引き受けてくれた。アンヘルは雇っていた弁護士と航空コンサルタントを解雇して当初の約束の給与を支払った。

アンヘル:その他に土地の買付とか建設会社との交渉を実際にやってくれるひとが必要なのですが、どなたかご存知ありませんか?

マリア・V:私の次男:マルコ・ヴァレンティーノ(27歳)を使ってやって頂戴。ローザの夫アルベルト・ロッソ(52歳)も役に立つわ。

アンヘル:分かりました。マルコさんに土地の買付をやってもらいましょう。アルベルトさんには建設会社その他の交渉「必要な人材の雇用も含める」をやってもらいます。

アンヘル:指示はソフィアさんとローザさんから出して下さい。僕には事後報告で結構です。給与はおふたりと同じ条件でお願いいたします。

ソフィア、ローザ:ところでアンヘルちゃん。私達にはマリア・Vにあげたような素敵なプレゼントは無いの?あるでしょう?早く家から持っていらっしゃい。

アンヘルはそう言われて頭をくるくる回転した。教師用と弁護士用の衣装はあった筈だな。早速アンヘルは自宅に戻り、衣装を選んできた。

ローザにプレゼントしたのは、以下のものである。

その1
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カジュアル・エレガンス(Natural Younger Women Over 22)
1.ニットトップ: アクネ・スタジオズのカシミアニット
2.スカート: アレクサンダー・マックイーンのAラインスカート
3.カーディガン: マーク・ジェイコブスの薄手のカーディガン
4.フラットシューズ: フェラガモのバレエフラット
5.スカーフ: エルメスのシルクスカーフ
6.アンダーウェア: ヴィクトリアズ・シークレットのDream Angelsコレクション
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その2
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・赤い短いスカート: プレーンなデザインでカジュアルに。
・白いタンクトップ: シンプルながらもフレッシュな印象を。
・白いサンダル: ストラップがあるもので足元を華やかに。
・アンダーウェア: ヌードカラーのシームレスブラとショーツ。
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ソフィアにプレゼントしたのは、以下のものである。

その1
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コーポレート・エレガンス(Exclusive Lawyer)
1.スーツ: サンローランのテーラードスーツ
2.ブラウス: シャネルのシルクブラウス
3.ハンドバッグ: プラダのサフィアーノレザーバッグ
4.靴: ジミー・チュウのポインテッドトゥパンプス
5.アクセサリー: カルティエのラブブレスレットとダイヤモンドスタッドイヤリング
6.アンダーウェア: ラ・ペルラの高級ランジェリーセット
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その2
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グラマラス&セクシー
1.スカート: バルマンの緑色のレザーミニスカート。
2.トップス: ジバンシーのブラックレーストップ。
3.タイツ: ウルフオードの黒いシアータイツ。
4.ヒール: クリスチャン・ルブタンの赤底ハイヒール。
5.アンダーウェア: ラ・ペルラのレースのブラとショーツ。
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ローザ:一番目のものはすごく素敵だけど大学出たての若い新人教師が着る服のようで気が引けるわ。私はもう50歳なのよ。

アンヘル:どうぞ。お召しになって下さい。ローザさんは若々しいのでお似合いになると思いますよ。2番めのものは僕の希望なのですが、着ていただいてキッチンに立たれるお姿を想像し、ああ素敵だなと思ったものなのです。

ソフィアのものも大学出たての弁護士が着るものをチョイスしたのだがソフィアは喜んで着用し、その場に居る誰もが良く似合うと賛辞を浴びせた。

得意げなソフィアの顔を見て悔しくなったローザも負けじと新人教師が着る衣装を着用してみた。彼女はプラスサイズなのだが、この衣装は彼女の豊満な肉体の魅力を存分に表現しており、本人はいざしらずアンヘルにとっては目の保養になった。

ローザもアンヘルがこの衣装を気に入り、ローザに欲望を抱いたことを鋭く察知し、満足そうに微笑みアンヘルに近づき熱烈なキスを浴びせかけた。

アンヘルもローザを強く抱きすくめようとしたが、嫉妬したマリア・Dとソフィアに阻止され、アンヘルはほうほうの体で家まで逃げ帰った。アンヘルとすれば善意で行ったプレゼント攻勢がこのような結果になり、大いに不満であった。

☆その日の夜
トントンとドアをノックする音がして、アンヘルが開けると何とそこにいたのはローザだった。ローザは赤い短いスカートを穿き、白いタンクトップのシャツを着ていた。

サンダルは履いているようだが、ブラもショーツも着けてはいなかった。アンヘルはローザを素早く招き入れた。部屋に入れてしまえば誰の邪魔も入らない。

ローザはアンヘルをソファーに座らせ、パジャマを脱がせた。後ろからアンヘルにまたがったローザはそのまま腰をストンと下ろし、大柄な身体を器用に前後左右に動かし、アンヘルに喜びを与えるとともに自らの快楽を貪欲に貪り続けた。

そのままの状態でふたりは翌朝まで過ごしたが、朝5時頃、アンヘルが目覚めた時にはローザはすでにその場にはいなかった。

今回はここまでにいたしましょう。次回をお楽しみに。

 

後書き

ローザ:一番目のものはすごく素敵だけど大学出たての若い新人教師が着る服のようで気が引けるわ。私はもう50歳なのよ。アンヘル:どうぞ。お召しになって下さい。ローザさんは若々しいのでお似合いになると思いますよ。2番めのものは僕の希望なのですが、着ていただいてキッチンに立たれるお姿を想像し、ああ素敵だなと思ったものなのです。ソフィアのものも大学出たての弁護士が着るものをチョイスしたのだがソフィアは喜んで着用し、その場に居る誰もが良く似合うと賛辞を浴びせた。得意げなソフィアの顔を見て悔しくなったローザも負けじと新人教師が着る衣装を着用してみた。彼女はプラスサイズなのだが、この衣装は彼女の豊満な肉体の魅力を存分に表現しており、本人はいざしらずアンヘルにとっては目の保養になった。ローザもアンヘルがこの衣装を気に入り、ローザに欲望を抱いたことを鋭く察知し、満足そうに微笑みアンヘルに近づき熱烈なキスを浴びせかけた。