小説「海と陸の彼方へ」

 

第二章エドゥアルドの復讐

 

第14話 ニューヨーク市長と知り合う

 

前書き

第3夫人のジュリア・コステロ(33歳)が娘のアリア・コステロ(13歳)を連れてエドゥアルドの居室を訪れました。ジュリア:貴方。私と娘のアリアがジェニファー・ハリソン(37歳)さんから明日の10時にブランチの招待を受けたの。行っても良いかしら?エドゥアルド:ジェニファー・ハリソン(37歳)さんというとニューヨーク市長の奥さんだな。もちろん良いよ。僕も一緒に行こう。ジュリア:貴方の妻と言っても良いのかしら。エドゥアルド:もちろんだ。ジェニファーさんに紹介してくれ。3人で相談して市長の家で開かれるブランチに招かれたエドゥアルドとジュリア及びアリアにふさわしい服装を見繕いました。季節的にもニューヨークは冬のさなかですのでそのことにも留意しました。エドゥアルドとジュリア、そしてアリアがニューヨーク市長の奥さん、ジェニファー・ハリソンからブランチに招かれるという高級な場にふさわしい服装が必要です。

 

本文

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登場人物「1935年1月1日時点」
ルドラ・バッシャール24歳。企業からの収益金250万米ドル。1,340万米ドルの普通預金「アドリアナと交換したもの」。金塊127トン「運用利息月利3,810万米ドル、日歩127万米ドル」。ブエノス・アイレス司法府裁判検事。ルドラ映画産業㈱会長兼オーナー「資本金6千万アルゼンチン・ペソ」。ルドラ金融㈱会長兼CEO。ボリビア化学薬品㈱会長兼オーナー「資本金1千万米ドル」。ボリビア薬品チェーン㈱会長兼オーナー「資本金1千万米ドル」。
インタイ・アルマンドは16歳。ラ・パスの一流大学の医学部修士卒博士号取得「飛び級」。現在は同大学で助手を務めながら工学を専攻しており、医師免許も持っています。ボリビア薬局チェーン㈱社長兼COO。普通預金250万米ドル。純度99.9%の粉末コカインを1トン所有。
エドゥアルド・ガルシア24歳。元コロンビア:ウィラ地区にコーヒー農園を所有する地主だったがイカサマ賭博に引っかかり、農園と1千万米ドル及び妻のローザ・ガルシア22歳を奪われる。
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ニューヨーク市の行政地図

アメリカ合衆国東部
昭文社「コンパクト世界地図帳」P52


フロリダ州の地図と出典「南部にマイアミ、更に南部にホームステッドがある」

カリブ海域
岩波現代文庫「コロンブスからカストロまで(Ⅰ)」E.ウィリアムズ著。巻頭の図。

コロンビア共和国
明石書店「コロンビアを知るための60章」二村久則編著。P14

コロンビアのアンデス山脈
明石書店「コロンビアを知るための60章」二村久則編著。P19

コロンビアの河川
明石書店「コロンビアを知るための60章」二村久則編著。P24

マフィアの組織図「パブリックドメイン」

 

1935年2月23日土曜日午後9時:ブロンクス・リバーデイル・フィールドストン地区コステロ邸
第3夫人のジュリア・コステロ(33歳)が娘のアリア・コステロ(13歳)を連れてエドゥアルドの居室を訪れました。

ジュリア:貴方。私と娘のアリアがジェニファー・ハリソン(37歳)さんから明日の10時にブランチの招待を受けたの。行っても良いかしら?

エドゥアルド:ジェニファー・ハリソン(37歳)さんというとニューヨーク市長の奥さんだな。もちろん良いよ。僕も一緒に行こう。

ジュリア:貴方の妻と言っても良いのかしら。

エドゥアルド:もちろんだ。ジェニファーさんに紹介してくれ。

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第3夫人: ジュリア・コステロ(33歳)

 モデル体型の美人で、彼女自身もかつてはモデルとして活動していました。現在はファッションブランドを立ち上げ、成功を収めています。

 アリア・コステロ(13歳)
 若干13歳にして既にモデルとしての道を歩み始めており、母親のブランドでモデルを務めることもあります。”
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3人で相談して市長の家で開かれるブランチに招かれたエドゥアルドとジュリア及びアリアにふさわしい服装を見繕いました。季節的にもニューヨークは冬のさなかですのでそのことにも留意しました。

1935年のブロンクス・リバーデイル・フィールドストン地区で、エドゥアルドとジュリア、そしてアリアがニューヨーク市長の奥さん、ジェニファー・ハリソンからブランチに招かれるという高級な場にふさわしい服装が必要です。季節は冬ですが、内部は暖かいでしょう。

エドゥアルド
・スーツ: ダークグレーの上質なウールスーツ。
・シャツ: 白色のシャツ。
・ネクタイ: ネクタイ: シルク製、グレー系の色で、ダークグレーのスーツとより自然に調和。
・靴: ダークブラウンのレザードレスシューズ。
・コート: 黒のウールオーバーコート。
・帽子: ダークグレーのフェドラ。

ジュリア・コステロ(第3夫人)
・ドレス: ベルベットのロングドレス。暖色系で統一。 色は深い赤。
・アクセサリー: ダイヤモンドのネックレスとイヤリング。
・シューズ: シューズ: ハイヒール、色は深い赤でドレスと完全に一致。
・コート: ミンクのロングコート。色はダークブラウンで、ドレスに合わせる。
・バッグ: シンプルなクラッチバッグ、色は深い赤。

アリア・コステロ(13歳)
・ドレス: キャッシュミアのミディ丈ドレス。色はマゼンダ。
・アクセサリー: シンプルなゴールドのネックレスとイヤリング。
・シューズ: フラットシューズ、色はゴールドで、アクセサリーと一致。
・コート: ウールのキッズサイズのオーバーコート。色はグレーで、よりニュートラルな印象。
・バッグ: 小さなショルダーバッグまたはクラッチバッグ。色はゴールド。

服装は非常に調和が取れており、エレガントな印象を与えるでしょう。各家族のメンバーがそれぞれのスタイルと個性を保ちながらも、全体として一体感が出ています。

エドゥアルド
グレー系のネクタイがダークグレーのスーツと自然にマッチしています。全体的に落ち着いた色調で、非常に品があります。

ジュリア・コステロ(第3夫人)
深い赤のドレスとハイヒール、そしてクラッチバッグが完全に一致している点は素晴らしいです。ダークブラウンのミンクコートも、深い赤とよく合います。

アリア・コステロ(13歳)
マゼンダのドレスにゴールドのアクセサリーとシューズが加わり、若々しくも高級感があります。グレーのコートは、全体のカラーパレットを落ち着かせる役割も果たしています。

このような服装であれば、市長の家で開かれるブランチに非常にふさわしいと言えるでしょう。さらに、各アイテムの色がよく調和しているので、一家全体で非常に印象的な登場となることでしょう。

その日はエドゥアルドは第3夫人のジュリア・コステロと一夜をともにしました。コステロとはここ数年ほど夜をともにすることもなかったそうで、ジュリアの乱れ様は凄まじいものでした。翌朝の食事は牛乳や卵、チーズなどの簡単なもので済ませ、市長の住んでいるマンハッタンの官舎へと急ぎました。

1935年2月24日、日曜日、午前10時:マンハッタン、アッパーイーストサイド、ダニエル・ハリソン市長の私邸
エドゥアルドは第3夫人のジュリア・コステロ33歳と義娘のアリア・コステロ13歳を伴い、ニューヨーク市長ハリソン邸を訪れました。周りには政財界人や有名人「野球選手、俳優など」でごった返しています。流石に民主党の次期大統領候補と世間で騒がれているだけのことはあります。

妻の ジェニファー・ハリソン(37歳)さんは元有名女優であり、モデルでもありました。ジュリアはジェニファーの後輩モデルにあたり、公私共に交友が深かったのです。特に前夫のコステロがマフィアのドンであったことから、コステロ自身もジェニファーを若い新進女優の頃から目をかけていたという経緯いきさつもあります。

ジュリアは夫のエドゥアルドを市長夫妻に紹介してくれました。コステロ・ファミリーのアンダーボスということは隠して新進気鋭の大企業家というだけに留めました。

ジュリアがエドゥアルドをハリソン夫妻に紹介すると、エドゥアルドはダニエル・ハリソン市長に向かって一礼し、さりげなく一千万ドルの小切手を渡した。市長はその額面に驚いた表情を隠せなかった。

"これは私からの謝意です、市長閣下" エドゥアルドは微笑みながら言った。

その後、ダニエル市長は妻のジェニファーにエドゥアルドを紹介した。ジェニファーはエドゥアルドの印象的な身体と顔立ちに驚きを隠せなかったが、特に彼の頬にある刀傷に心を打たれた。その刀傷は何とも言えないオーラと凄みを感じさせた。

エドゥアルドは、その野生的なオーラとは裏腹に、ジェニファーと子どもたちに温かい笑顔を見せた。そして、用意してきたプレゼントを渡した。

ジェニファー・ハリソンへのギフトは、500万ドルの小切手と10カラットのダイヤモンドのネックレス及びエレガントなディナーの夜にと題して

・ドレス: ネイビーブルーのベルベット製マキシドレス
・インナー: ブラックのレース製ストラップレスブラとハイウエストショーツ
・シューズ: シルバーのストラップヒール
・アクセサリー: プラチナのティアドロップイヤリングとブレスレット
・バッグ: ブラックのクラッチバッグ

エマ(10歳)に贈るギフトは

・教育的なSTEM「科学、技術、工学、数学」キット
・人気のある児童書のセット
・アートサプライ「色鉛筆、スケッチブックなど」

ノア(7歳)に贈るギフトは

・レゴの建設キット
・スポーツ用品「サッカーボール、バットなど」
・人気のあるアニメーションキャラクターのフィギュア

バイキング形式のブランチメニュー
・スモークサーモンとクリームチーズのベーグル
・ベルギーワッフルとフレッシュフルーツ
・アサイーボウルとグラノーラ
・ローストビーフとオランデーズソース
・ヴィーガンオプション:キノアとローストベジタブル
・チーズとチャーキュトリー盤
・シャンパン、オレンジジュース、カクテルのアソートメント
・デザート:マカロン、チョコレートフォンデュ、フレッシュフルーツ

ブランチのテーブルは豪華な食事と飲み物でいっぱいで、ゲストは自由に選び、楽しむことができました。

☆市長夫妻との会話
エドゥアルドはダニエル・ハリソン市長42歳に呼ばれ二言、三言話をしました。彼はエドゥアルドの寄越した政治資金の額に驚き、今後も応援してもらえるのかどうか確かめたかったようです。

ハリソン市長:エドゥアルド君はいくつだったかな?

エドゥアルド:私は24歳になります。若輩者ですがよろしくお引き回し下さい。

ハリソン市長:そうか。君は企業を経営しているそうだが、どういった業種なのか教えてもらえないかね。

エドゥアルド:私はホームセンターや薬局チェーン、スーパーなど10種類の店舗をそれぞれ10軒所有しており、その他にも警備会社を所有しています。コロンビアでは多くの土地を所有しており、コーヒー農園をふたつ、牛馬の畜産牧場や山林なども所有しています。今考えているのは建設会社と不動産会社の買収です。

ハリソン市長:そうか。すると資金は潤沢に持っているのだな?

エドゥアルド:私はそれ以外にも「現金20億ドル。普通預金100億ドル」を所有しております。大企業の資産に比べると潤沢とは言えませんが個人としては多いと言えるでしょう。

ハリソン市長:それだけ持っていれば十分だよ。私は民主党から大統領選挙に将来出馬するつもりだ。応援してくれたら助かる。

エドゥアルド:ハリソン市長。ウィン、ウィンの関係で行きましょう。選挙資金は必要なだけ御用達いたします。

ハリソン市長:君の希望は何だね。ズバリ言って見給え。

エドゥアルド:色々ありますのでね。先ずは建設会社を買収してからもう一度お話いたしましょう。

そこに奥さんのジェニファー・ハリソンさんが子どもたちと一緒に現れ、市長にエドゥアルドからもらった品々を見せた。彼女は500万ドルの小切手についてはハリソンに言わなかったのでエドゥアルドも口裏を合わせておいた。

ハリソン市長はエドゥアルドに丁重にプレゼントの礼を告げてから、他の客に挨拶すると言ってその場を去った。


☆ジェニファー・ハリソン37歳
性格
ジェニファー・ハリソンは、その明るく社交的な性格で多くの人々を引きつける女性です。彼女は元有名女優であり、モデルでもあるため、メディアや公の場に慣れています。しかし、その華やかな背景とは裏腹に、彼女は非常に地味で親しみやすい人物です。自分自身と他人を受け入れる能力があり、そのポジティブなエネルギーは周囲にも広がっています。

体型と自己認識
ジェニファーはプラスサイズの豊満体型ですが、その体型に非常に自信と誇りを持っています。無理なダイエットや体型に対する社会的なプレッシャーに流されることなく、自分自身を健康的で美しいと感じています。

人間関係
特に、ジュリア・コステロとはモデリングの世界で知り合い、公私ともに深い関係を築いています。ジェニファーが新進女優だった頃から、ジュリアの前夫であるコステロが彼女を気に入っていたという経緯もあり、その関係は年月を経ても変わらず、互いに深い信頼と尊敬を持っています。

趣味と興味
彼女はまた、芸術と文化に深い興味を持っており、よくオペラやバレエ、美術館を訪れます。さらに、慈善活動にも積極的で、特に教育と子供の福祉に関するプロジェクトをサポートしています。

このような性格と背景を持つジェニファー・ハリソンは、多くの人々から愛され、尊敬されています。そして、それが彼女がダニエル・ハリソン市長の隣で輝き続ける理由の一つでもあります。

ジェニファー・ハリソン:エドゥアルドさん。貴方は私が慈善活動に力を入れていることを良くご存知なのね。ジュリアから聞いたの?

エドゥアルド:いえ。ジュリアは人の噂をするようなタイプではありませんし、私もジュリアの私生活にはタッチしないんですよ。小切手のことを仰っているのなら誤解です。ご主人には1千万ドル差し上げました。単なるお近づきの印です。他意はありません。

ジェニファー・ハリソン:そうなの。貴方はお金持ちなのね。お若くてハンサムでお金持ちだなんて女の人が放ってはおかないわね。ジュリアとはどこで知り合ったの?

エドゥアルド:私の経営しているスーパーのお客様なのです。私はアパートEGの最上階に住んでいるのですが、そのスーパーはアパートの一階にあり、ジュリアはお付きの若い者を連れて時々お買い物にいらっしゃったんです。目立つ女性ですから私の方から声を掛けました。

ジェニファー・ハリソン:成る程。良いタイミングでコステロさんが心臓発作になったってわけね。コステロさんがお亡くなりになったばかりだから籍はまだ入れていないわよね。

エドゥアルド:そうですね。今すぐに籍を入れるとか結婚式とかは出来ません。

ジェニファー・ハリソン:まあ。そんなに焦る必要もないわよ。貴方も彼女もまだ若いんだから。

エドゥアルド:そうですけど、ジュリアの方は早く籍を入れたいようでして。

ジェニファー・ハリソン:女はどうしても安定を望むからね。無理もないわ。

ジェニファー・ハリソン:そうそう。話は変わるんだけど、貴方は教育に興味は無いの?

エドゥアルド:教育や児童福祉には興味を持っていますけど。

ジェニファー・ハリソン:そうだと思ったわ。私は今ね。ブルックリンの臨海地区に学校「小、中、高」を作ろうと思っているの。

エドゥアルド:そうですか。私が資金を出しましょう。一億ドル出資しますのでエドゥアルド・ジェニファー学園を設立します。ジェニファーさんが副理事長兼学園長、私が理事長でいかがでしょう?

ジェニファーはおお喜びして賛同し、エドゥアルドに豊満な身体で抱きつき、熱烈なキスを浴びせかけてきた。エドゥアルドは積極的の応じたが、視野の片隅に市長の姿を捉えたので柔らかくジェニファーの身体から離れた。

迂闊な行いをして市長の機嫌を損ねると碌なことにはならない。ジャニファーもダニエルの姿を見つけ、エドゥアルドにメモを素早く渡してその場を立ち去った。

エドゥアルドはジュリアとアリアを旧コステロ邸まで車で送り、ブロンクスのアパートEGに立ち寄った。10種類の店舗のうちいくつかは営業を始めたとソフィア・パーカーから電話で聞いたからである。カルロの部下たちはすでに警備会社を立ち上げており、一つの店に二人の警備員を配置させていた。

☆昼12時:アパートEG一階:.カフェ/レストラン
エドゥアルドが顔を見せると、社長のヴィクトリア・スミス(29歳)が満面に笑みをたたえて駆け寄ってきた。

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新しいパート主婦
ヴィクトリア・スミス(29歳)
家庭構成:夫と1人の子供
背景:ヴィクトリアは子供の将来のためにこの仕事を選びました。彼女は家庭の経済的安定を求めています。
夫:ジェイソン・スミス(31歳)
職業:フリーランスのグラフィックデザイナー
背景:ジェイソンは自宅で仕事をしており、家庭を支える一方で子育てにも積極的に参加しています。彼らは白人アメリカ人の家庭です。
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ヴィクトリア・スミスは積極的にレストランの経営に関わっているようでご主人のジェイソンさんも儲からないフリーランスの仕事を辞めてカフェのマスターをしていると聞いていた。

レストランの方は専門の料理人とウェイトレスを雇い、ヴィクトリア・スミスが店長を務めている。これなら安心だと思っていたが、急に電話がなり、30人前のランチを届けてくれと出前の注文が入った。

エドゥアルドは開業したばかりの店に30人前のランチの注文が入るのも訝しく思い、ウェイトレスから受話器を替わってもらった。若い男の声で住所と電話番号は確かにこの近くの会社だった。

本当の可能性もあるが、エドゥアルドは念のために料理を作らせず言われた住所に警備の一人を調査に向かわせ、もうひとりにこの周辺を捜査させた。受話器を切り、若い男が教えた電話番号に掛けると、全く嘘の電話番号であった。

警備のふたりが戻ってきた。やはり偽りの住所でそんな名前の会社など存在しなかった。ウェイトレスに「出前を受けたら必ず電話番号を聞いて、一旦受話器を切り、その電話番号に掛け直せ」と指示した。

敵対組織のマフィアの仕業だと思うが、これである程度被害は防げるだろう。

今回はここまでにいたしましょう。次回をお楽しみに。

 

後書き

レストランの方は専門の料理人とウェイトレスを雇い、ヴィクトリア・スミスが店長を務めている。これなら安心だと思っていたが、急に電話がなり、30人前のランチを届けてくれと出前の注文が入った。エドゥアルドは開業したばかりの店に30人前のランチの注文が入るのも訝しく思い、ウェイトレスから受話器を替わってもらった。若い男の声で住所と電話番号は確かにこの近くの会社だった。本当の可能性もあるが、エドゥアルドは念のために料理を作らせず言われた住所に警備の一人を調査に向かわせ、もうひとりにこの周辺を捜査させた。受話器を切り、若い男が教えた電話番号に掛けると、全く嘘の電話番号であった。警備のふたりが戻ってきた。やはり偽りの住所でそんな名前の会社など存在しなかった。ウェイトレスに「出前を受けたら必ず電話番号を聞いて、一旦受話器を切り、その電話番号に掛け直せ」と指示した。敵対組織のマフィアの仕業だと思うが、これである程度被害は防げるだろう。