小説「海と陸の彼方へ」

 

第二章エドゥアルドの復讐

 

第7話エドゥアルドがカポレジーム「幹部・若頭補佐」となる

 

前書き

クラウディアとエドゥアルドは家族にお悔やみを述べ、クラウディアが今後のことを伝えた。「アンジェロの縄張りと財産はエドゥアルドが受け継ぐ。お前たちも全員エドゥアルドの部下となる」クラウディアは更にアンジェロの妻ビアンカに聞いた。「アンジェロの亡き後はビアンカは自由の身分となる。組織を離れるも良し、残るも良し。残る場合はコステロ・ファミリーから慰労金1千万ドルと住宅が与えられる。年金100万ドルも支給される」そこまで聞いてエドゥアルドはたまらず声を発した。「ビアンカさんと子どもたちの生活の面倒は私が見ます。不自由はさせません。ビアンカさん。私のために残って下さい」ビアンカ:エドゥアルド。嬉しいことを言ってくれるね。ありがとうよ。お前の気持ちは伝わった。クラウディアさん。私はエドゥアルドの役に立ちたいからここに残るよ。コカインの密売の仕事を任せておくれ。

 

本文

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登場人物「1935年1月1日時点」
ルドラ・バッシャール24歳。企業からの収益金250万米ドル。1,340万米ドルの普通預金「アドリアナと交換したもの」。金塊127トン「運用利息月利3,810万米ドル、日歩127万米ドル」。ブエノス・アイレス司法府裁判検事。ルドラ映画産業㈱会長兼オーナー「資本金6千万アルゼンチン・ペソ」。ルドラ金融㈱会長兼CEO。ボリビア化学薬品㈱会長兼オーナー「資本金1千万米ドル」。ボリビア薬品チェーン㈱会長兼オーナー「資本金1千万米ドル」。
インタイ・アルマンドは16歳。ラ・パスの一流大学の医学部修士卒博士号取得「飛び級」。現在は同大学で助手を務めながら工学を専攻しており、医師免許も持っています。ボリビア薬局チェーン㈱社長兼COO。普通預金250万米ドル。純度99.9%の粉末コカインを1トン所有。
エドゥアルド・ガルシア24歳。元コロンビア:ウィラ地区にコーヒー農園を所有する地主だったがイカサマ賭博に引っかかり、農園と1千万米ドル及び妻のローザ・ガルシア22歳を奪われる。
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ニューヨーク市の行政地図

アメリカ合衆国東部
昭文社「コンパクト世界地図帳」P52


フロリダ州の地図と出典「南部にマイアミ、更に南部にホームステッドがある」

カリブ海域
岩波現代文庫「コロンブスからカストロまで(Ⅰ)」E.ウィリアムズ著。巻頭の図。

コロンビア共和国
明石書店「コロンビアを知るための60章」二村久則編著。P14

コロンビアのアンデス山脈
明石書店「コロンビアを知るための60章」二村久則編著。P19

コロンビアの河川
明石書店「コロンビアを知るための60章」二村久則編著。P24

マフィアの組織図「パブリックドメイン」

 

2月17日月曜日午後3時:ブロンクス・リバーデイル・フィールドストン地区コステロ邸
エドゥアルドはクラウディアとの寝物語で今後のコステロ・ファミリーの基本方針を切り替えた。今までの非合法ビジネス(賭博、麻薬取引、武器密売など)から徐々に合法ビジネスに切り替えるつもりになった。アンジェロの持つ広大な土地・種々の建物、莫大な財産「現金5億ドル、預貯金10億ドル」が手に入ったのが大きい。

エドゥアルドはクラウディアとともにアンジェロ邸に出向いた。

☆午後4時:サウス・ブロンクス・アンジェロ事務所
警察はアンジェロの遺体を解剖するためニューヨーク市警へ運びました。明日中に返還されるということなので遺族は遺体なしの葬式を行っていました。アンジェロ一家の構成は次の通りです。

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下位幹部(カポレジーム)
名前: アンジェロ・"エンジェル"・マルティネス「死亡」
年齢: 47歳
特徴: 賭博と麻薬取引を担当
アンジェロの部下と家族
1.ビアンカ・マルティネス
関係: アンジェロの妻
年齢: 34歳
特徴: 社交的で、アンジェロのビジネスパートナーとしても活動

2.カルロ・ディアズ
関係: アンジェロの右腕として働く部下
年齢: 40歳
特徴: 経験豊富で、アンジェロの信頼が厚い

3.ローザ・ガルシア
関係: アンジェロの部下であり、カルロの妻
年齢: 29歳
特徴: 賢く、組織の財務を管理

4.リカルド
関係: アンジェロの部下
年齢: 35歳
特徴: 賭博の専門家で、アンジェロの賭博事業をサポート

5.マリア
関係: アンジェロの部下であり、事務所の秘書
年齢: 25歳
特徴: 事務的なタスクを効率的にこなす

6.トニー
関係: アンジェロの部下
年齢: 32歳
特徴: 麻薬取引のルートを管理し、新しい取引先を探す役割

7.アンジェロの子供たち
関係: アンジェロとビアンカの子供
年齢: 10歳と8歳
特徴: まだ幼く、事務所で遊んでいることが多い

この構成はアンジェロの事務所の日常的な動きを表しており、家族と部下が密接に関わりながらビジネスを行っています。
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クラウディアとエドゥアルドは家族にお悔やみを述べ、クラウディアが今後のことを伝えた。

「アンジェロの縄張りと財産はエドゥアルドが受け継ぐ。お前たちも全員エドゥアルドの部下となる」

クラウディアがコステロ・ファミリーのNO.2即ちアンダーボスに就任したことは全員が知っており、逆らう者は誰ひとりとしていなかった。

クラウディアは更にアンジェロの妻ビアンカに聞いた。

「アンジェロの亡き後はビアンカは自由の身分となる。組織を離れるも良し、残るも良し。残る場合はコステロ・ファミリーから慰労金1千万ドルと住宅が与えられる。年金100万ドルも支給される」

そこまで聞いてエドゥアルドはたまらず声を発した。

「ビアンカさんと子どもたちの生活の面倒は私が見ます。不自由はさせません。ビアンカさん。私のために残って下さい」

クラウディア:エドゥアルド。それは間違っている。お前はボリビアに妻がいる。ビアンカを娶るとアメリカ合衆国の規定では重婚になり、許されない。諦めろ。

ビアンカ:エドゥアルド。嬉しいことを言ってくれるね。ありがとうよ。お前の気持ちは伝わった。

ビアンカ:クラウディアさん。私はエドゥアルドの役に立ちたいからここに残るよ。コカインの密売の仕事を任せておくれ。

クラウディア:ビアンカがそれで良いなら反対はしない。エドゥアルドの失踪した妻のけりが付けばお前とエドゥアルドを結婚させてやるのにな。しばらく我慢せよ。

エドゥアルドがおずおずと口を挟んだ。

エドゥアルド:プライベートなことをお伺いして申し訳ないのですが、ボスは奥様を3人お持ちですが、これは合法なのですか?

クラウディア:お前は知らないかも知れないな。私達はモルモン教の一夫多妻制を守っている一派の人間なのだよ。

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教祖: イサイア・モリデン
生年月日: 1880年2月12日
出身地: コロラド州デンバー
背景:
イサイア・モリデンは若き日に神秘的な体験をし、神から特別な使命を受けたと信じるようになりました。彼はその使命を果たすべく、1930年代初頭に自身の教団を創立しました。彼はユタ州とコロラド州の境界近くの小さな町を拠点とし、そこで一夫多妻制を守るコミュニティを築き上げました。

教義:
一夫多妻制: 教団は一夫多妻制を家庭の基本原則として採用しています。これは家庭の団結と子孫繁栄を促進するものとされています。
共同体主義: 教団はコミュニティの一員としての責任と団結を重視しています。全ての資源と財産はコミュニティ全体で共有されます。
自然との調和: 教団は自然との調和を重視し、持続可能な生活を奨励しています。彼らは自然農法を採用し、自然環境を保護しています。
神秘主義: 教団は神秘的な体験と直感を重視しており、個人的な神秘体験を通じて神との直接的な関係を築くことを奨励しています。
教団の特徴:
神聖な儀式: 教団は月に一度の神聖な儀式を行っており、これには祈り、瞑想、そして共同体としての絆を深める活動が含まれます。
教育: 教団は子供たちに特別な教育を提供しており、彼らがコミュニティの価値観を理解し、それに従って生きることができるよう教育しています。
リーダーシップ: イサイア・モリデンは教団の精神的リーダーとして、コミュニティの指導と教育を行っています。
人物像:
イサイア・モリデンは温和で理解深い人物として知られており、彼の説教は共感と愛に満ちたものとされています。彼はコミュニティの一員としての責任と、神との関係を深めることの重要性を強調しています。
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エドゥアルド:その教団に入信すれば私はビアンカを娶ることが出来ますか?

クラウディア:もちろん出来るが、その場合でもビアンカは第1夫人にはなれないぞ。失踪したローザが第1夫人だからな。

ビアンカ:ローザが失踪したことをコロンビアの政府が認めれば私が第1夫人になれるのですね。

クラウディア:もしくはローザが死亡したことが確定すればな。

ビアンカ:分かりました。私は第2夫人となります。

クラウディア:コロラド州デンバーにいる教祖: イサイア・モリデンの許可を求めねばならない。そのうち私が連れて行ってやろう。

ビアンカはそれで納得し、明日の葬式が終わればクラウディア、エドゥアルド、ビアンカの3人でイサイア・モリデンのもとに飛行機で向かうことになった。

☆帰りの車の中で
クラウディア:エドゥアルドよ。ビアンカは満足そうであったが、お前もそれで良いのか?お前が求めているのはビアンカではあるまい。

エドゥアルド:正直な気持ちを申し上げると私はクラウディア様を求めております。しかし、諸般の事情が許さないことも分かっており、ビアンカさんがお気の毒な気持ちも一方にあり、ビアンカさんが私を望むのであれば結婚しようと考えた次第です。

クラウディア:そうであったか。実は私も同じ気持ちなのだ。コステロとはもうずっと夫婦としての生活をしていない。第2夫人、第3夫人たちも同様な環境であろう。コステロはすでに生ける屍(しかばね)と化している。私にこのことを任せないか?なんとか考えてやるぞ。その代わり、ことが上手く行った暁には私を第1夫人、ビアンカを第2夫人、イザベラ・ロマーノ(32歳)を第3夫人、ジュリア・コステロ(33歳)を第4夫人、エミリア・コステロ(27歳)を第5夫人として欲しい。

エドゥアルド:望むところです。あとはローザの捜索ですね。一度ルドラさんにお願いしてみます。

クラウディア:是非そうしてくれ。案外コロンビアの有力者に金を掴ませれば上手く行くかも知れぬな。一度メデジン市警の本部長に金を掴ませてみろ。

エドゥアルドはクラウディアの言うことが最もだと思い、早速アパートEGに帰ってからすべての準備を行った。

☆午後6時:アパートEGの最上階作業場
エドゥアルドは全員が仰天するような人事を発表した。その場にはコカイン密売員のリーダーであるルイスもいた。

エドゥアルド:今日限りでここの作業場は閉鎖する。コカイン密売の仕事はすべてこのルイスに委ね、掛かる人件費、材料代は俺が持ち、利益の3割をルイスに渡す。7割は資本家の俺が取る。ルイスは責任を持ってこの業務を行え。

エドゥアルド:なおパートの皆さんは今度始める10種類のチェーン店舗の社長になって貰う。

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1.ホームセンター: 日常の修繕やDIY用品を提供することで、住民にとって非常に便利な存在となる。社長はリリアナ・ガルシア(38歳)。

2.スーパーマーケット: 日常の食品や生活用品を提供することで、住民の生活を支える重要な役割を果たす。社長はマリア・パーカー(32歳)。

3.ドラッグストア/薬局: 医薬品や化粧品などを提供することで、住民の健康と美容をサポートします。社長はアナ・キム(35歳)。

4.クリーニング店: 衣類のクリーニングサービスを提供することで、住民の日常生活を支援する。社長はエレナ・ジョンソン(30歳)。

5.カフェ/レストラン: 住民がリラックスや食事を楽しめる空間を提供する。社長はヴィクトリア・スミス(29歳)。

6.フィットネスセンター/ジム: 健康志向の住民にとって、身近にフィットネスセンターがあることは大きなメリットとなる。社長はナディア・アブデル(33歳)。

7.子供向けの遊び場や教室: 家族連れの住民にとって、子供が安全に遊べる場所や学びの場があることは魅力的である。社長はインス・フェルナンデス(28歳)。

8.美容室/バーバー: 住民が身だしなみを整える場として利用できる。社長はレイチェル・グリーンバーグ(40歳)。

9.ペットショップ/動物病院: ペットを飼っている住民にとって便利なサービスを提供する。社長はミナ・トラン(26歳)。

10.書店/図書館: 教育やレジャーのための読書材料を提供することで、知的な活動をサポートする。社長はソフィア・パテル(35歳)。
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必要な経費及び人件費はすべて俺が持ち、利益の3割を各社長が取り、残りを俺に渡せ。最初のうちは赤字だろうから利益が出るまでは各社長に毎月5,000ドルの固定給を支払う。

ここまで聞いてすべてのパート主婦が拍手して喜び、エドゥアルドに抱きつき熱烈なキスを浴びせかけてきた。レイチェルが品を作りながらエドゥアルドに言う。

「何もしないでお金を頂くなんて出来ないわ。今夜あなたのベッドの中にお邪魔してもいいかしら」

エドゥアルド:何時いらっしゃってもお相手はいたしますが、今日はこれからコロンビアに飛ぶのでまた次の機会にして下さい。

エドゥアルドは車に乗り込み、アンジェロ「エドゥアルドが貰い受けた」の飛行場へと急いだ。今午後6時半だから14時間後の翌朝午前8時にはコロンビアのメデジンに到着するだろう。

1935年2月18日火曜日、午前8時。エドゥアルドは久しぶりにコロンビアのメデジン空港に降り立ちました。空港の賑やかなホールを抜け、彼は朝食のバイキングエリアへと足を運びました。空港の明るい照明と人々の賑わいが彼の心を温かくし、遠くからは新鮮なコーヒーの香りが漂ってきました。

彼がバイキングエリアに入ると、目の前には豪華な朝食バイキングが広がっていました。長いテーブルにはさまざまな料理が並び、それぞれの料理の前には小さなプレートにその名前が書かれていました。

メニューは以下の通りでした:

1.フレッシュフルーツ: 季節のフルーツが豊富に揃っており、パパイヤ、マンゴー、バナナ、そして地元産のピタヤが彩り鮮やかに並んでいました。

2.パンとペストリー: 新鮮なバゲット、クロワッサン、そして地元の特産品であるアレパがふんだんに用意されていました。

3.卵料理: オムレツ、スクランブルエッグ、そして目玉焼きが提供されており、ゲストは好きな具材を選んで自分の好みに合わせて調理してもらうことができました。

4.ホットディッシュ: トラディショナルなコロンビアン料理も提供されており、エンパナダやタマレスが温かく保たれていました。
シリアルとヨーグルト: さまざまなシリアルと新鮮なヨーグルトが用意されており、ドライフルーツやナッツでトッピングをすることができました。

5.飲み物: 新鮮なジュースやコロンビア産のコーヒー、そしてさまざまな種類の紅茶が提供されていました。

エドゥアルドは目の前の豊富な選択肢に目を輝かせました。彼はまずフレッシュフルーツを取り、その後パンと卵料理をプレートに盛りました。彼はテーブルに座り、窓の外に広がるメデジンの美しい景色を眺めながら、心地よい朝食の時間を過ごしました。

エドゥアルドが地元の新聞を広げると第一面にショッキングなニュースが描かれていました。

「メデジンの大牧場主カルロス・カルデロン48歳殺害事件の目撃者現わる」という見出しで始まる記事でした。その記事によると目撃者は事件の直後姿を消したカルロスさんの愛人ローザ・ガルシアさん28歳です。

彼女によると

「ガルシアさんと牧場内の休憩所で落ち合いコーヒーを飲む約束をしていたが所要のため5分ほど遅れた。銃声がし慌てて休憩所に行くとカルロスさんが拳銃で撃たれ血まみれで倒れていた」

「長身のボリビア人らしき男がその場に拳銃をぶら下げて立ちすくんでいた。私は怖くなりその場を逃れて今までメデジンのスラム街に隠れていた」

警官が「今その男を見たら見分けは付きますか?」と聞くと、「はっきり覚えていますので見分けは付くし、何なら似顔絵も書きますよ」と言い、男の似顔絵を描いた。

その似顔絵も新聞に掲載されており、インタイそのものであった。ここまで似ていたらインタイも逃れることは難しいだろう。

エドゥアルドはローザを見つけて永遠に黙らせようと一旦は考えた。インタイには恩義があったからだ。しかし、インタイに以前もらった薬品の中に錯乱薬があったことを思い出した。幸いなことにカバンの中に薬品のたぐいはすべて保管してあった。良し、これを使ってやろう。裁判官も正気の人間の証言しか取り上げないはずだ。

エドゥアルドはタクシーでスラム街へ行き、ローザ・ガルシアを探してくれたら1万ドルやると広告を出した。有力な情報だけでも5,000ドル出すとも付け加え、辺りで浮浪者を10名ほど一人20ドルで雇い、大広場でそのまま待ち続けた。

男が現れ、「居場所は知っている。教えたらいくらくれる?」というので「現場に連れていけば2万ドルやる」と答えた。男の案内でメデジンの丘の上を進んでいくとみすぼらしい牛小屋を指さした。浮浪者10名で小屋を取り囲み、逃げられないようにした。

ガラッと木の扉を開けるとローザが一人でベッドに腰掛けていた。周りにはマリファナ「大麻」の吸い殻が一杯落ちていた。酒瓶もゴロゴロ転がっており、同棲している男との生活が思いやられた。ローザは誰が目の前にいるか分かったようだ。エドゥアルドは何も言わず、彼女の胸に拳銃を突きつけた。

ローザ:エドゥアルド。許してちょうだい。私にはどうにも出来なかったの。命だけは助けてちょうだい。お願いよ。

エドゥアルドは拳銃を撃たず、離婚届に署名させた。そのあと、錯乱状態に陥る薬を注射してその場を立ち去った。キチガイの証言を信じるバカもいないだろう。

彼女の居場所を教えてくれた男に2万ドル支払い、名前と電話番号を聞いた。電話は持っていないというので住んでいるドヤの名前を聞いておいた。これでインタイに恩返しをすることが出来た。最後に残ったのはカルロスの妹夫婦への復讐である。

☆エドゥアルドのウィラ地区行き
エドゥアルドは心の奥底で煮えくり返る怒りを抑えつつ、冷静な計画を立てていました。彼はウィラ地区のコーヒー農園を奪ったカルロスの妹夫婦、エミリアとホセに近づく方法を練っていました。彼は顔を整形していたので、その美貌を武器にエミリアに近づくことを決意しました。

まず、彼はエミリアとホセが頻繁に訪れるという地元のカフェをリサーチしました。そのカフェは地元のコーヒー農家が集まる場所であり、彼らは新しい品種のコーヒー豆や栽培方法について熱心に議論していました。

エドゥアルドはそのカフェに通い始め、コーヒーに関する知識を深めることに努めました。彼はコーヒーの栽培方法や豆の品質に関する本を読み漁り、地元の農家と交流を深めていきました。

ある日、エミリアがカフェに訪れた時、エドゥアルドは彼女のテーブルに近づきました。彼は自身が新しいコーヒー農園を立ち上げることを考えている若者だと自己紹介し、エミリアにアドバイスを求めました。

エミリアは初めは警戒していましたが、エドゥアルドの知識と熱意に感銘を受け、徐々に心を開いていきました。彼女はエドゥアルドにコーヒー農園の運営に関する貴重なアドバイスを提供しました。

エドゥアルドはエミリアとの関係を深めるため、彼女の好きな花や音楽、趣味に関する話題で会話を広げました。彼はエミリアが花のアレンジメントが好きだと知り、彼女に美しい花束をプレゼントしました。

エミリアはエドゥアルドの優しさと気配りに感動し、彼との関係が深まっていきました。エドゥアルドはエミリアとホセの信頼を勝ち得るために、彼らの農園で働くことを申し出ました。彼は農園での仕事を通じて、二人の弱点を見つけ出すことを目指していました。

彼は日々、彼らの農園で働きながら、エミリアとホセの日常生活や農園の運営に関する情報を収集していきました。そして、彼はその情報を利用して、彼らに対する復讐の計画を練り始めました。

エドゥアルドは冷静かつ計算高く、彼らに近づきながらも、彼の真の目的を見せないよう心掛けていました。彼は復讐の火花が散るその日を静かに待ち続けていました。

今回はここまでにいたしましょう。次回をお楽しみに。

 

後書き

ガラッと木の扉を開けるとローザが一人でベッドに腰掛けていた。ローザは誰が目の前にいるか分かったようだ。エドゥアルドは何も言わず、彼女の胸に拳銃を突きつけた。ローザ:エドゥアルド。許してちょうだい。私にはどうにも出来なかったの。命だけは助けてちょうだい。お願いよ。エドゥアルドは拳銃を撃たず、彼女に離婚届に署名させた。そのあと、錯乱状態に陥る薬を注射してその場を立ち去った。キチガイの証言を信じるバカもいないだろう。彼女の居場所を教えてくれた男に2万ドル支払い、名前と電話番号を聞いた。電話は持っていないというので住んでいるドヤの名前を聞いておいた。これでインタイに恩返しをすることが出来た。最後に残ったのはカルロスの妹夫婦への復讐である。
注‥‥一夫多妻制を信じる教団がいることは歴史的事実ですが、教団名や教祖名などはフィクションですのでご理解下さい。