小説「海と陸の彼方へ」

 

第二章エドゥアルドの復讐

 

第2話……ソールジャー「構成員」に昇格

 

前書き

エドゥアルドは事務所詰めの下っ端からソールジャー「構成員」に昇格したことをルドラに報告しました。ルドラはまだマイアミ郊外にあるホームステッドの自宅に居ました。家政婦のマリア・Gさん38歳が取り次いでくれ、ルドラさんに替わりました。ルドラ:エドゥアルドか。仕事の初日はどうだった?エドゥアルド:午前中だけで1万ドル売り上げました。アンジェロさんの利益は6,000ドルになり、僕に1割の600ドルをくれました。もう事務所に詰めなくても良いそうです。家を借りろと言われました。ルドラ:もうソールジャー「正規の構成員」に昇格したのか。よくやった。お祝いに12階建てのアパートを一棟貸してやろう。俺もサウス・ブロンクスに別宅とそのアパート一棟を購入しておいた。アパートは50万ドルで購入し、102戸ある。最上階がお前の住む住居で4LDKだ。最上階にはまだ1戸あるがここは作業場として使えば良い。2階から11階までの住居100戸「各階10戸」はファミリー向けの3LDKになっている。居抜きで購入したから全戸詰まっている。賃料は1戸当たり月額100ドルだ。お前にはただで貸してやるから住人から家賃を毎月回収しろ。俺に毎月7,000ドル寄越せば良い。

 

本文

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登場人物「1935年1月1日時点」
ルドラ・バッシャール24歳。企業からの収益金250万米ドル。1,340万米ドルの普通預金「アドリアナと交換したもの」。金塊127トン「運用利息月利3,810万米ドル、日歩127万米ドル」。ブエノス・アイレス司法府裁判検事。ルドラ映画産業㈱会長兼オーナー「資本金6千万アルゼンチン・ペソ」。ルドラ金融㈱会長兼CEO。ボリビア化学薬品㈱会長兼オーナー「資本金1千万米ドル」。ボリビア薬品チェーン㈱会長兼オーナー「資本金1千万米ドル」。
インタイ・アルマンドは16歳。ラ・パスの一流大学の医学部修士卒博士号取得「飛び級」。現在は同大学で助手を務めながら工学を専攻しており、医師免許も持っています。ボリビア薬局チェーン㈱社長兼COO。普通預金250万米ドル。純度99.9%の粉末コカインを1トン所有。
エドゥアルド・ガルシア24歳。元コロンビア:ウィラ地区にコーヒー農園を所有する地主だったがイカサマ賭博に引っかかり、農園と1千万米ドル及び妻のローザ・ガルシア22歳を奪われる。
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ニューヨーク市の行政地図

アメリカ合衆国東部
昭文社「コンパクト世界地図帳」P52


フロリダ州の地図と出典「南部にマイアミ、更に南部にホームステッドがある」

カリブ海域
岩波現代文庫「コロンブスからカストロまで(Ⅰ)」E.ウィリアムズ著。巻頭の図。

コロンビア共和国
明石書店「コロンビアを知るための60章」二村久則編著。P14

コロンビアのアンデス山脈
明石書店「コロンビアを知るための60章」二村久則編著。P19

コロンビアの河川
明石書店「コロンビアを知るための60章」二村久則編著。P24

マフィアの組織図「パブリックドメイン」

 

2月15日金曜日午後1時:サウス・ブロンクス・アンジェロ事務所
エドゥアルドは事務所詰めの下っ端からソールジャー「構成員」に昇格したことをルドラに報告しました。ルドラはまだマイアミ郊外にあるホームステッドの自宅に居ました。家政婦のマリア・Gさん38歳が取り次いでくれ、ルドラさんに替わりました。

ルドラ:エドゥアルドか。仕事の初日はどうだった?

エドゥアルド:午前中だけで1万ドル売り上げました。アンジェロさんの利益は6,000ドルになり、僕に1割の600ドルをくれました。もう事務所に詰めなくても良いそうです。家を借りろと言われました。

ルドラ:もうソールジャー「正規の構成員」に昇格したのか。よくやった。お祝いに12階建てのアパートを一棟貸してやろう。俺もサウス・ブロンクスに別宅とそのアパート一棟を購入しておいた。

 

ルドラ:アパートは10万ドルで購入し、102戸ある。最上階がお前の住む住居で4LDKだ。最上階にはまだ1戸あるがここは作業場として使えば良い。2階から11階までの住居100戸「各階10戸」はファミリー向けの3LDKになっている。1階には空き店舗が10軒ある。居抜きで購入したから住居の方は全戸詰まっている。

 

ルドラ:賃料は1戸当たり月額100ドルだ。お前にはただで貸してやるから住人から家賃を毎月回収しろ。俺に毎月7,000ドル寄越せば良い。

エドゥアルド:全件回収すれば私に差額の3,000ドルが入るのですね。了解いたしました。お任せ下さい。

その電話をビアンカが聞いており、エドゥアルドに「月に一度遊びに行っても良いか」と聞きました。エドゥアルドは不意を突かれて思わず本音を漏らし、「お待ちしています。毎月第一土曜日の朝から来て下さい」と言うと、ビアンカはエドゥアルドを強く抱きしめ、熱い熱いキスを仕掛けてきました。

辺りに誰もいないことを確認した二人は短い時間ではありますが、抱き合って互いの愛を確認しました。ビアンカは自宅に戻り、エドゥアルドはルドラが用意してくれたアパートへ行きました。

2月15日金曜日午後3時:ブロンクスのモリス・ハイツ地区のアパートEG
エドゥアルドは新しいアパートEGでパートタイムの主婦を募集しました。彼はコカインの薄め作業を行う人々を探していました。彼は以下の5人の主婦を採用しました:

リリアナ(38歳)
家庭構成: 夫と2人の子供
背景: リリアナは家庭を支えるためにこの仕事を選びました。彼女は調理の経験があり、粉末の取り扱いに慣れています。

マリア(32歳)
家庭構成: 夫と3人の子供
背景: マリアは家庭の経済的な困難を解決するためにこの仕事を選びました。彼女は家族のために最善を尽くす決意をしています。

アナ(35歳)
家庭構成: 夫と1人の子供
背景: アナは子供の教育資金を稼ぐためにこの仕事を選びました。彼女は子供に良い教育を受けさせることを夢見ています。

エレナ(30歳)
家庭構成: 夫と2人の子供
背景: エレナは家庭の負債を減らすためにこの仕事を選びました。彼女は家族の将来の安定を求めています。

ソフィア(35歳)
家庭構成: 夫と4人の子供
背景: ソフィアは大家族を支えるためにこの仕事を選びました。彼女は家族が幸せに生活できるよう努めています。

エドゥアルドは彼女たちに仕事の詳細を説明し、彼女たちが安全に作業できる環境を提供しました。彼は彼女たちに1時間に10ドルの報酬を提供し、彼女たちが家庭を支える助けとなるよう心から願っていました。

☆仕事内容の説明と準備
エドゥアルドは彼女たちが仕事の内容を聞いて逃げ出すことのないように前金で今日の日当を支払いました。毎日午後1時から午後6時までの5時間の実働で場所は最上階のエドゥアルドの居室の隣りにある工場で行う。エドゥアルドは今日の日当を前金で各人50ドルずつ支払った。

リリアナ:エドゥアルドさん。私は午後6時までしか働けません。ですからこんなに沢山のお給料はもらえません。

エドゥアルド:今日は研修だから実働時間には関係なく5時間分支払う。午後6時までには終わるから心配するな。

エドゥアルドはコカイン耐性薬を彼女たちにコーヒーに混ぜて飲ませた。これで彼女たちはコカインに耐性を持ち、コカインを吸っても中毒には掛からなくなる。コカインには、覚せい剤と同様に神経を興奮させる作用があるため、気分が昂揚し、眠気や疲労感がなくなったり、身体が軽く感じられ、腕力、知力がつき、多幸感に包まれます。30分から1時間程度で収まる。

彼女たちにマスクと薄いゴム手袋を付けさせ、先ずエドゥアルドがお手本を示した。コカインの粉末4キログラム、コーンスターチ「トウモロコシから処理され作られたデンプン」1キログラム、タルカムパウダー「滑石の粉を主体とした散布薬。入浴後の汗止めなどに用いる」1キログラム、小麦粉1キログラム、薬局で購入した無水カフェイン1キログラムを餅捏ね機に放り込み、スイッチを入れる。5分ほど経過したら取り出して、20ミリグラムずつの一つつみに分ければ良い。全部で40万つつみ出来るはずだ。

6人で頑張ったが全部で3万つつみしか出来なかった。初回で時間も短いのによくやったと思う。上出来だ。エドゥアルドは彼女たちの頑張りを褒め、更に10ドルずつ余分に支払った。彼女たちはコカインの粉末をごく少量ながら吸ったこともあり、上気した顔をエドゥアルドに見せ、触れなば落ちんという風情を全員が見せた。

エドゥアルドは全員と関係を持つつもりだった。コカインを扱っていることを外部に漏らさないためである。全員自分の女にしてしまうのが一番良い。先ずは一番年かさのリリアナを落とそう。

エドゥアルドは途中でリリアナの手を握り、小用をするふりをしたリリアナを追いかけ、12階から11階に降りる階段の上で何度も熱いキスを交わした。これも辛い仕事の合間のちょっとしたお楽しみである。

☆午後6時:リリアナを除き、夕食の準備のため自分の部屋に戻った。
エドゥアルド:あれ。リリアナさん。午後6時までしか仕事できなかったんじゃやないの?もう良いから自分の家にお帰り。

リリアナ:実は亭主が出張でダラスまで行っていて来週一杯まで帰ってこないんです。だからその間だけでもエドゥアルドさんと夕食を一緒にしようと思ったのです。

エドゥアルド:リリアナさん。嬉しいことを言ってくれるね。それじゃあ、子どもたちもここへ連れておいでよ。僕が料理を作ってあげるから。その後は子どもたちとここで一緒にくつろげば良いからね。

リリアナ:エドゥアルドさんは私を今晩抱くつもりなのね。

エドゥアルド:僕はもちろんそのつもりさ。君が嫌じゃなければね。

リリアナ:私は嫌じゃないわよ。エドゥアルドさんは精悍な顔つきをしているし、危険な匂いがしてそそられるの。

☆エドゥアルドとリリアナの家族
仕事が終わった後、エドゥアルドはリリアナと彼女の子供たちを自宅に招きました。彼は彼女たちに夕食をごちそうすることに決めました。彼はリリアナの夫が出張で留守にしていることを知っていましたので、彼女と子供たちを喜ばせるためにこの計画を立てました。

献立
前菜: シーザーサラダ - 新鮮なロメインレタスとパルメザンチーズを使ったクラシックなサラダ。
メイン: ローストチキン - ジューシーなローストチキンは、子供たちにも大人気。
サイドディッシュ: マッシュポテトとスチームブロッコリー - 子供たちに栄養を与えるための健康的な選択。
デザート: チョコレートフォンデュ - 子供たちがフルーツをディップして楽しめる楽しいデザート。

リリアナと子供たちがエドゥアルドの自宅に到着すると、彼らは温かく迎えられました。エドゥアルドはキッチンで料理の最後の準備をしていました。彼は子供たちに微笑みかけ、彼らにテーブルをセットする手伝いをしてもらいました。

夕食時、リリアナと子供たちはテーブルに座りました。子供たちは目を輝かせて料理を見つめました。ローストチキンの香ばしい香りが部屋を満たし、子供たちは興奮してそれぞれの料理を試しました。

子供たちは特にチョコレートフォンデュに夢中になりました。彼らはフルーツをディップして楽しみ、甘いチョコレートで笑顔を作りました。リリアナはエドゥアルドに感謝の意を示し、彼女の子供たちが喜んでいるのを見て心から幸せに感じました。

エドゥアルドはリリアナと子供たちに夕食を提供することで、彼らが困難な時期を少しでも快適に過ごせるよう助けたいと心から願っていました。彼は彼女たちが笑顔で家に帰ることを願っていました。この夕食は彼らの間に新しい友情と連帯感を生み出しました。そして、それは彼らが互いに支え合う新しいコミュニティの始まりとなりました。

☆夕食後の会話
リリアナはエドゥアルドと一緒にワインを飲みながら色々質問して来ました。

リリアナ:エドゥアルドさん。貴方はここのアパートのオーナーなの?不動産店の人と一緒に来た人とは違うみたいだけど。

エドゥアルド:うん。違うよ。持ち主はルドラさんという人なんだ。僕は雇われ管理人みたいな感じかな。ここの入居者は100家族だろう。家賃は一戸100ドル/月だから、月に1万ドルの家賃収入だけど僕は彼に毎月7,000ドル支払う契約になっているんだ。

リリアナ:すると全員が家賃を支払ってくれたら、貴方は3,000ドルの収入になるのね。それだけでも結構ここいらでは良い収入よ。私の亭主は建設屋だけど給料は500ドル/月しか貰っていないわ。

エドゥアルド:そうかい。でも僕はそれだけでは満足できないのさ。最低でも月額10万ドルは稼ぎたいんだ。だからコカインの密売を始めたんだ。

リリアナ:何処かの組織に入っているの?

エドゥアルド:コステロ・ファミリーの一員さ。

リリアナ: ニューヨークのマフィア組織ね。確かボスの名は。

エドゥアルド:ヴィンセント・"ヴィニー"・コステロ52歳だ。僕はカポレジーム「下位幹部」のアンジェロ・"エンジェル"・マルティネス47歳の下に位置するソールジャー「正規構成員」さ。

リリアナ:ふーん。何だか怖いようだわね。実入りは良いの?

エドゥアルド:そうだな。ソールジャーに昇進したから給料は3,000ドルより上がるだろうな。昇給についてはまだ言われていない。後は月に一度のコカインの空輸賃が1万ドル、コカインの密売料が2万ドル/月くらいだろう。

リリアナ:大雑把に計算すると4万ドル/月くらいだね。悪くないよね。それを聞くと何だか興奮してくるわ。

エドゥアルド:少なすぎるよ。それに貴女だって頑張れば50✕20=1,000ドル/月くらいは稼げるよ。

リリアナ:私も貴方と同じ仕事をしたいわ。貴方と一緒に働きたいのよ。

エドゥアルド:亭主がいなければ良いけど彼が怒るだろう?

リリアナ:昼間の仕事を始めたって言うわ。子どもたちはおばあちゃんちに預けるし。

エドゥアルド:貴女がそこまで言うなら一度考えてみるよ。だけど一つだけ条件がある。僕は貴女だけでなく他の4人も誘ってみるつもりなんだ。それでも良いのかい?当然全員と肉体関係を持つことになるけどね。

リリアナ:私も亭主持ちだし、そんなことで文句は言わないわ。でも私の前で他の女の話はしないでね。もう一つだけ聞くわ。貴方、女性の影がしないけど独身なの?

エドゥアルド:うん。訳があってね。妻に去られてしまったんだ。だから独身と言ってもおかしくはないな。でも妻はいなくても好きな人は居るよ。

リリアナ:それは誰なの?ひょっとして私のこと?

エドゥアルド:残念ながら違うよ。アンジェロ・"エンジェル"・マルティネス47歳の奥さんのビアンカさん34歳だよ。

リリアナ:禁断の恋だわね。気をつけないとふたりともアンジェロさんに消されるわよ。

エドゥアルド:そうかもな。でも簡単にはやられないぜ。

リリアナ:貴方も正直な人ね。でもそこが貴方の良いところよ。人を裏切らない感じがするわ。

そこまで話して、リリアナは子どもたちを寝かせに行き帰ってきた。エドゥアルドの家は4LDKもあり、子どもたち二人の寝室もちゃんと用意されていた。お客さん用の寝室を使うだけのことだが。

エドゥアルドは子どもたちもここに泊まらせれば良いとのんきなことを言ったが、子どもたちの口からエドゥアルドさんの家に泊まったと聞けば亭主は疑うだろう。余計な疑いを持たれないためにリリアナは苦労して子どもたちを2階の自宅まで寝かせに行った。用心するに越したことはない。

帰ってきたリリアナはエドゥアルドと一緒にバスタブに浸かり、ゆっくりと二人きりの時間を楽しむことにした。

今回はここまでにいたしましょう。次回をお楽しみに。

 

後書き

午後6時:リリアナを除き、夕食の準備のため自分の部屋に戻った。エドゥアルド:あれ。リリアナさん。午後6時までしか仕事できなかったんじゃやないの?もう良いから自分の家にお帰り。リリアナ:実は亭主が出張でダラスまで行っていて来週一杯まで帰ってこないんです。だからその間だけでもエドゥアルドさんと夕食を一緒にしようと思ったのです。エドゥアルド:リリアナさん。嬉しいことを言ってくれるね。それじゃあ、子どもたちもここへ連れておいでよ。僕が料理を作ってあげるから。その後は子どもたちとここで一緒にくつろげば良いからね。リリアナ:エドゥアルドさんは私を今晩抱くつもりなのね。エドゥアルド:僕はもちろんそのつもりさ。君が嫌じゃなければね。リリアナ:私は嫌じゃないわよ。エドゥアルドさんは精悍な顔つきをしているし、危険な匂いがしてそそられるの。