小説「海と陸の彼方へ」

 

第一章ブエノス・アイレスの輝き

 

第29話中国の暴力団三合会2派の争い(中編その4)

 

前書き

マリア・E:ところでイザベルはどうやってコカインの一次ペースト100トンをブエノス・アイレスまで運ぶの?ルドラ:トラックと鉄道を併用して両国の国境を越える主要な町まで運ぶんだ。ボリビア側にはヴィラモント(Villazón)があり、アルゼンチン側にはラ・キアカ(La Quiaca)がある。ラ・キアカ(La Quiaca)からはブエノス・アイレス市警の警官がトラックに乗って待ち受けている。ルドラビルまではそのトラックが鉄道を利用しながら運ぶのさ。結構時間がかかると思う。マリア・E:あんたが乗って来た飛行機は何人乗りなの?ルドラ:ボーイング247と言って10人乗りだよ。マリア・E:ボーイング247だと積載可能重量は7,621 kgなのね。空で4,055 kgだから人を10名乗せても3トン積めるわね。マリア・E:一台いくらで購入したの。ルドラ:一台50万ドルで、10台購入した。でも俺が使っているのは一台だけなんだ。他の人間に9台与えてある。マリア・E:もう20台買いなさい。パイロットと整備工場も必要ね。飛行場も要るわ。山を一つ買いなさい。ユンガスとチャパレに売り物の山があるわ。どちらも100万米ドよ。私が全て手配してあげるから総額で1,500万米ドル出しなさい。

 

本文

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登場人物「1935年1月1日時点」
ルドラ・バッシャール24歳。5千万米ドルの普通預金「アドリアナと交換したもの」。金塊127トン「運用利息月利3,810万米ドル、日歩127万米ドル」。ブエノス・アイレス司法府裁判検事。ルドラ映画産業㈱会長兼オーナー「資本金6千万アルゼンチン・ペソ」。ルドラ金融㈱会長兼CEO
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カルメン・バッシャール36歳。ルドラの妻。エミリオ・ロドリゲス「死亡」の元妻。
イザベル・ロドリゲス20歳。カルメンの娘。
フェルナンド・ロドリゲス20歳。カルメンの息子
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エレナ・モラレス30歳。ルドラの愛人。ルドラ検事付き書記官。次期市長室長。リカルド・モラレスの妻。
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部下
タリオ「勇敢な戦士」21歳。ルドラ缶詰工業㈱専務。ルシエンヌの兄。シワトルの夫。カリブ族の男。獰猛。格闘技の達人。
シワトル「花の女神」28歳。タリオの妻。元タバスコ領主の妻。聡明で美しく、性格は穏やかで優しい。
ルシエンヌ「明るい」19歳。ブエノス・アイレス司法府検察官「刑事事件の捜査や起訴を担当」。
モンバナ「高い山」男2歳。ルドラとルシエンヌの間の子。
カノア「風」40歳。ルシエンヌの父親。
アマタ「永遠の」38歳。ルシエンヌの母親。
アドリアナ・グラノジェルス25歳。ルドラ金融㈱COO。元ルドラの愛人。カジェタノの元妻。農園主「時価5千万米ドル」
ヘロニモ・デ・アギラール30歳。ルドラ警備COO。スペイン人。元コルテスの部下。ジャマイカ島アギラール砂糖キビ農園経営。中級黒人男性奴隷500名。
イシュトゥル 「Ixchel」19歳。アギラールの妻。
パカル 「Pakal」男4歳。アギラールの息子。
ゴンサーロ・ゲレーロ28歳。スペイン人。ジャマイカ島ゲレーロ砂糖キビ農園経営。中級黒人男性奴隷500名。
イディア・ンジンガ17歳。ゲレーロの妻。酒好き。陽気なアマゾネス。時々姿をくらます。
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その他の人々
マリア・エバ・ドゥアルテ16歳。悪魔のように可愛い女。高みに連れて行ってくれる男を求めて突進する。手段は選ばない。エバ金融㈱会長兼CEO「資本金2千万米ドル」。
エルヴィラ・ドゥアルテ13歳。マリアの妹。
カタリナ・イルデフォンソ20歳。ルドラ金融㈱営業部長。
中田ボニファシオ38歳。日系人4世の男性。カフェ、レストラン&バーの経営者。
高梨アデルミラ32歳。日系人4世の女性。麻雀店、ビリヤード場の経営者。
レティオ・チュチョ33歳。メスチーソ。エステル・ラジオのプロデューサー。賭博好き。
カタリナ・リベラ・サンドバル34歳。アルベルト・ペレイラ・レボルコ「財閥の当主、政治家」の妻。社交界の華。芸術家支援、慈善活動を行っている。
カルロス・フルベック・オルトゥサル35歳。政治家であり外交官。若い妾を囲っており、妻のロサを顧みない。
ロサ・オルトゥサル30歳。カルロスの妻。アルゼンチンの貴族出身で社交界の名士。
エルナンデス夫妻「夫:フアン・エルナンデス46歳、妻:マリア・エルナンデス44歳」。ブエノス・アイレスの牧牛・牧羊業界の大物。エルナンデス牧場主。
マルティン・ペレス34歳。旧ルイス・ガルシア牧場経営者。元エルナンデス牧場の牧童頭。
パウラ・ペレス26歳。元マルティン・ペレスの妻。フアン・エルナンデスの愛人。
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ルドラ邸スタッフ
執事頭:ジョン・スミス、年齢:45歳
侍女頭:エマ・ジョンソン、年齢:32歳
侍女:ソフィア・ウィリアムズ、年齢:27歳
侍女:オリビア・ブラウン、年齢:29歳
侍女:ルシア・ロドリゲス、年齢:25歳
侍女:アナ・ペレス、年齢:20歳
侍女:ベアトリス・サンチェス、年齢:18歳
庭師:ジェームズ・ジョーンズ、年齢:44歳
ボディガード兼運転手:マイケル・ミラー、年齢:51歳
ボディガード兼運転手:エドゥアルド・ガルシア、年齢:34歳
料理人:ウィリアム・デイビス、年齢:38歳
料理人:マリア・ゴンザレス、年齢:30歳
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大型ガレオン船1隻「2,000名乗り、改良野戦大砲500台搭載」小型ガレオン船10隻「100人乗り、改良野戦大砲30台搭載」、キャラック船50隻「500名乗り、改良野戦大砲50台搭載」、砲丸5万発、後込め式小銃10万丁、弾丸500万発。馬5,000頭。荷馬車500台。
傭兵部隊「シラジの女奴隷軍500名、元ベニン王国黒人女奴隷軍500名」
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中米及び西インド諸島
筑摩書房「大航海時代」ボイス・ペンローズ著。荒尾克己訳。巻末地図。

南米
筑摩書房「大航海時代」ボイス・ペンローズ著・荒尾克己訳、巻末の図。

アメリカ三大文明
中公新書「古代アステカ王国」増田義郎著。P2。

1935年2月10日、日曜日の午後8時。ラ・パス:エルナンデス邸
エルナンデス夫妻とルドラは差し向かいで商談を開始した。子供たちも同席を願ったがカルロスに「大事な商用があるからお前たちは自室に戻りなさい」と言われしぶしぶ自室に戻った。

カルロス:ルドラさん。私達にどんなご用件ですか?

ルドラ:イザベラさんからお聞き及びだと思いますが、私はボリビアでコカインの一次ペーストを買い付けたいと考えています。取引額の1割を差し上げますのでボリビア領内での商用トラックの通行を認めて頂きたいのです。

マリア・E:今日すでに取引をされたと聞いています。イザベラからは800万米ドルの取引と聞きました。

ルドラは80万米ドルの小切手を切り、カルロスに渡した。カルロスは銀行に電話し、確実に決済されることを確認した。

カルロス:確かに受領いたしました。領収証はお出ししませんがよろしいですね。

ルドラ:もちろんです。ところでカルロスさん。他にコカインの一次ペーストを大量に売ってくれるコカの葉生産者をご存知ないですか?イザベルさんのところではもう在庫がなくなってしまったのです。

マリア・E:あら貴方知らなかったの。コカ葉は苗床から移植後2~3年で、収穫可能なの。イザベラさんのところでも苗床はあるのだから年に3回は収穫できるわ。4ヶ月に一回は収穫できるのよ。

マリア・E:ボリビアのユンガス地帯では、コカ葉は年に3回「3月、6月、10月末もしくは11月初め」収穫されるの。コカ葉の最多収穫時期は、3月「雨期の終わり」だわ。

マリア・E:南半球に位置する南米では、3月以降から秋が始まるの。またコカ葉の収穫は、大量の労働力を必要とするからそれも覚えておいてね。

ルドラ:それは初めて知りました。また2,3年かかるのかと思っていたのです。今一次ペーストを100トン買いましたから粉末コカイン20トン相当になります。

マリア・E:貴方のところでコカインを精製できるの?

ルドラはカルラが精製した純度99%のコカイン粉末を出して確かめて貰いました。ふたりはこんな素晴らしい純度のコカインを味わったのは生まれて初めてだと言いました。

マリア・Eなどは夕食の支度をルドラに手伝って貰ったときに散々ルドラから熱烈な抱擁とキスの攻撃を受け、柔らかくはね退けはしたもののルドラの度重なるお尻や両乳房への愛撫で全身が火のように燃え盛っていたものだから上質のコカインを吸って激しい性欲が身体の内奥から湧き上がってきました。マリア・Eは必死に耐えています。

ルドラ:そうですね。私の持ちビルの地下で精製する予定です。でもイザベルさんのところ以外にも供給先を作っておきたいのです。

カルロス:そうですね。妻のマリアが業者を良く知って居ますよ。確かに取引があって初めて私も潤うのですから。マリアを通じて紹介させましょう。おい。マリア、ルドラさんをホテルまで送って行って差し上げなさい。往復2時間位で行けるだろう。

壁時計の時刻は午後8時を指している。マリア・Eは早速ルドラを車に乗せてホテルまで出発した。

☆マリア・Eとの情事
マリア・Eは車で5分ほど走った郊外の森の中で車を停めた。すっかりその気になっていたマリア・Eはするすると全裸になり、ルドラに「早く服をすべて脱いで裸になりなさい」と命令するやルドラが慌ててズボンとパンツを脱いだ瞬間ルドラの一物を掴むとぐいと我が秘部に押し込んだ。

マリア・Eが狭い車内をものともせず自ら両乳をもみながら騎乗位で上下左右動き回っている間にルドラはやっと上半身の上着とシャツを脱ぐことが出来た。

暴れまくったマリア・Eが数十回逝ってからやっとルドラの胸の中に大人しく収まってくれた。こうしてくれるとルドラもマリア・Eの腰を掴めるし、腰が掴めると両手を用いてマリア・Eを上下に動かすことが出来る。別に力を入れなくても小柄なマリア・Eを自由に動かすことが出来るので主導権を取ることが出来た。

そうなってからはマリア・Eは大声を出して喘ぎ悶え始めた。何十回も逝ってしまい苦しくなったマリア・Eはルドラに止めてくれ、逝きすぎて苦しいと泣きを入れた。この展開でルドラが許すはずがない。ルドラはマリア・Eが失神してぐったりするまで淡々と抽挿した。マリア・Eが失神してぐったりしたのでルドラは動きを止めた。マリア・Eは現金にも目を開けた。

☆マリア・Eとの会話
全てが終わった「ルドラは埒を開けていない」あと、マリア・Eはルドラに話しかけた。

マリア・E:あなた。まだ逝ってないんでしょう?何時もそうなの?

ルドラ:いや、普通に逝きますけどね。マリア・Eさん以外とではね。

マリア・E:ええ!どうしてなの?そんなこと言ったひとは初めてよ。皆あっという間に逝くわよ。

ルドラは挿入したままの一物に力を入れた。マリア・Eはひとたまりもなくまた逝ってしまい、ルドラの胸をどんどんと叩いて「やめて!一度抜いてよ。これ以上逝ったら死んでしまうわ」と叫んだがルドラは止めずまた抽挿を始めた。

マリア・Eは身体の奥底から湧き上がってくる強い性の衝動に負け、ルドラの抽挿に応えて小振りの可愛いお尻を振り始めた。そのままさらなる男と女の戦いに突入し、ルドラは大勝利を上げ、マリア・Eはルドラの女になった。

マリア・Eは車を動かそうともせずにルドラの胸の中でぐっすりと眠り込んだ。家族が心配するといけないと思い、マリア・Eを起こした。

マリア・E:家族は別に心配などしていないわ。子供たちはもう寝ているし、カルロスはクーデターの準備で会議に出ると言っていたから今日は帰ってこないの。私は貴方と一緒にホテルに行くわ。明日の朝帰ることにするから、貴方が替わって運転して頂戴。

やむを得ずルドラがフルスピードで運転し、ホテルまで戻ったときには深夜の12時になっていた。往復1時間しか掛かっていなかったから、向こうを午後8時に出たことを考えるとマリア・Eを相手にしていた時間は2時間半くらいになっただろう。

☆ホテルのスイートルーム
二人でシャワーを使い、湯船の中で性懲りもせずまたぞろ抱き合ったふたりは興奮しすぎて中々根付かれず、お酒を飲みながら話をすることになった。

マリア・E:ところでイザベルはどうやってコカインの一次ペースト100トンをブエノス・アイレスまで運ぶの?

ルドラ:トラックと鉄道を併用して両国の国境を越える主要な町まで運ぶんだ。ボリビア側にはヴィラモント(Villazón)があり、アルゼンチン側にはラ・キアカ(La Quiaca)がある。

ルドラ:ラ・キアカ(La Quiaca)からはブエノス・アイレス市警の警官がトラックに乗って待ち受けている。ルドラビルまではそのトラックが鉄道を利用しながら運ぶのさ。結構時間がかかると思う。

マリア・E:あんたが乗って来た飛行機は何人乗りなの?

ルドラ:ボーイング247と言って10人乗りだよ。

マリア・E:ボーイング247だと積載可能重量は7,621 kgなのね。空で4,055 kgだから人を10名乗せても3トン積めるわね。

マリア・E:一台いくらで購入したの。

ルドラ:一台50万ドルで、10台購入した。でも俺が使っているのは一台だけなんだ。他の人間に9台与えてある。

マリア・E:もう20台買いなさい。パイロットと整備工場も必要ね。飛行場も要るわ。山を一つ買いなさい。ユンガスとチャパレに売り物の山があるわ。どちらも100万米ドルよ。私が全て手配してあげるから総額で1,500万米ドル出しなさい。

ルドラは普通預金口座から1,500万米ドル出すことにして、小切手を切りマリア・Eに渡した。

マリア・E:残高はいくらあるの?

ルドラ:5千万米ドルあったが、イザベルに800万米ドル支払い、カルロスさんにその1割80万ドル支払った。今1,500万米ドル支払ったから、残高は2,620万米ドルの筈だ。

マリア・E:他には無いの?

ルドラ:俺が経営している企業からの配当金が3,500万米ドルあるし、金塊127トンの運用利益が日歩にして127万米ドル入ってくる。細かい出費はここから出している。

マリア・E:ブエノス・アイレスの自宅には飛行場はあるの?

ルドラ:ルドラ邸には飛行場が一滑走路ある。

マリア・E:取り敢えず何とかなりそうね。トラックと鉄道の併用は止めなさい。飛行機を使うようにしなさい。それからね。コカインの精製工場は今度購入する2つの山の中に作りなさい。足がつきにくいし、摘発されても放棄すれば良いわ。貴方の持ちビルの地下にあったのでは摘発されたときに言い逃れ出来なくなるわ。

ルドラ:コカインの精製工場をユンガスとチャパレで作り、今回のイザベルから購入したコカインの一次ペーストは新しく作るユンガスの精製工場に運ぶのですね。リカルドとカルラを呼ばないといけませんね。

マリア・E:そうよ。飛行機で運ぶのは精製コカイン20トンよ。

ルドラ:それなら20機の飛行機で楽々運べますね。一機につき1トン積めば良いのですから。

マリア・E:ところで、リカルドとカルラだっけ。その精製技術者ふたりから技術を教えてもらう技術者の候補はいるの?

ルドラ:技術者はイザベラに3名紹介して貰うことになっていてホテルの朝食に招待しているのです。

マリア・E:それは良いことだけど人数が足りないわね。チャパレにも3人必要だわ。ちょっと待ってね。手配してみるわ。

マリア・Eは慌ただしく何件か電話し話をつけてくれた。ルドラもカルラに電話して詳しい内容を話し、ラ・パスへの3ヶ月の出張を命じた。

ルドラはテキパキと指示を出し、ルドラのために献身的に努力してくれるマリア・Eに心から感謝した。ルドラは豊満な身体を持つ女性が好みでイザベラやカルメンなどもその範疇に属している。マリア・Eのような小柄な女性の魅力に負けそうになったのは初めてである。

ふたりはそのままベッドの中に潜り込み、マリア・Eはルドラの大きな懐の中にすっぽりくるまれながらすやすやと寝息を立ててぐっすりと眠りについた。ルドラもいつの間にか寝入ってしまい、マリア・Eが目覚めた時はもう6時だった。

☆2月11日月曜日朝6時:高級ホテル「Hotel Oro Elegante」スイートルーム
マリア・Eの中にはまだルドラが入り込んでおり、中々抜くことが出来なかった。少しずつめり込んでいる一物からマリア・Eが逃れようとすると中が擦れてマリア・Eは力を入れようとするたび逝ってしまう。ため息を付きながら完全に逃れたときマリア・Eは大逝きして軽く悲鳴を上げた。

マリア・Eは身支度を終えてルドラを起こしてからホテルの朝食会場へと向かった。

朝7時、高級ホテル「Hotel Oro Elegante」の朝食会場はすでに活気に溢れていました。豪華なシャンデリアが天井から垂れ下がり、その光が高級なテーブルウェアを照らしています。ルドラはエントランスを抜け、イザベラ・ガルシアと3家族の技術者夫婦が座る大きな丸テーブルに目を向けました。

イザベラはすでに座っており、彼女の隣にはマリオとエレナ・ロメロ夫妻、ペドロとカルメン・モラレス夫妻、そしてアルベルトとソフィア・ゴンザレス夫妻が座っていました。彼らは楽しげに会話を交わしており、テーブルの上には各種の朝食メニューが並んでいました。

朝食の献立
パンとクロワッサン: バターとジャムを添えて
フルーツプラッター: メロン、パイナップル、ブルーベリーなど
シリアルとヨーグルト: グラノーラやアーモンドをトッピング
オムレツとベーコン: チーズとハーブを散りばめて
コーヒーと紅茶: ミルク、砂糖、ハニーのオプション付き
フレッシュジュース: オレンジ、リンゴ、グレープフルーツから選べる

ルドラはイザベラと技術者夫婦たちに挨拶を交わし、座席につきました。コカインの精製についての話が始まり、各家族がそれぞれの専門性を活かして意見を出し合いました。この朝食会はただの食事以上のものとなり、ビジネスだけでなく人々の心も繋げる重要な場となりました。特に、子供たちと会えるのは土日だけという話になると、家族それぞれがどれだけ仕事に熱心であるかがよくわかりました。

この朝食会は、ルドラにとっても非常に有意義な時間となり、彼のコカインビジネスが成功するための大きな一歩となりました。

☆マリア・Eの奮闘
朝食会場の一角で、マリア・Eはデ・アルマグロ一族とクスコヤナ一族の代表者、そして3家族の技術者夫婦と一緒に座っていました。テーブルはエレガントな白いテーブルクロスで覆われ、上品な磁器と銀のカトラリーが並べられています。会場内はシャンデリアの柔らかな光と窓から差し込む朝日で明るく照らされています。

マリア・Eは、各家族に向かって微笑みながら話を始めました。「今日はお忙しい中、お越しいただきありがとうございます。このプロジェクトはルドラと私たち全員にとって非常に重要です」

技術者家族たちは、それぞれの専門分野について熱心に話し合いました。モラレス一家はコカの葉の栽培技術について、ゴンザレス一家は農業機械の改良について、ロドリゲス一家は持続可能な農業について語り合いました。

朝食の献立
スペイン風オムレツ: ハムとチーズ、ハーブをトッピング
フレッシュフルーツ: パパイヤ、マンゴー、バナナ
エンパナダ: 肉と野菜の詰め物
コーヒーと紅茶: 地元産のコーヒー豆と各種の紅茶
ジュース: パッションフルーツ、グアバ、リンゴ

イザベラ・デ・アルマグロさんとアマラ・クスコヤナさんは、それぞれの一族がどのようにこのプロジェクトに貢献できるかについて話し合っていました。特に、コカの葉とサトウキビ及びバナナの品種改良についての話題で盛り上がりました。

マリア・Eは、技術者夫婦たちに年俸の話を持ちかけ、全員が納得のいく形で合意に至りました。その後、ルドラが途中で合流すること、そして農園主との契約についても話が進みました。ルドラは彼らが持つコカインの一次ペーストをそれぞれ50トンずつ購入することに合意し、400万米ドルずつ2枚の小切手を手渡しました。

これで普通預金の残高は2,620ー800=1,840万米ドルとなりました。小口の出費は金塊の運用利息日歩127万米ドルから支払います。ついでにルドラは不動産屋と車のディーラーに電話し、ユンガスのコカイン精製所の近くに居抜きの別荘とアメ車を一台買いました。総額30万ドルです。これは小口現金から買いました。

品物はチャパレの精製工場に直ちに運ぶことになりました。現在コカインの一次ペーストは200トン確保されています。精製すると約5分の1になりますから、今工場建設が進められているユンガスとチャパレでは、3月からは一月あたり20 トンずつ合計40トンのコカインが精製されるでしょう。もちろんこれは最大での話です。技術者の養成と労働者の手配が出来て初めて最大の出力となるのです。実際のところは先ず10分の1の合計4トンでしょうね。

この朝食会は、ただの食事以上のものであり、ビジネスだけでなく、人々の心も繋げる重要な場となりました。それぞれの家族と一族が持つ専門性と情熱が、このプロジェクトを成功に導く大きな力となることは明らかでした。

ルドラとマリア・Eの会食が別々に行われ、話がうまく纏まって解散したまでは良かったが、残されたのはルドラとイザベラ、マリア・Eの3人でした。イザベラとマリア・Eはお互いルドラと関係を持っていることを本能で察した。こうなるとルドラではどうにも対処が出来ません。

イザベラ:マリア・Eさん。あんたはどういうつもりか知らないけどね。私はルドラと一緒にブエノス・アイレスまで行くのよ。もちろん亭主と別れてね。住むところもルドラさんが決めてくれたわ。とっとと国軍司令官のカルロスの元に帰りなさい。どうせ離婚する気は無いんでしょう?

イザベラの挑発がマリア・Eの負けじ魂に火を付けた。

マリア・E:確かにね。カルロスがボリビアの大統領になるまでは離婚しないわ。でもそうなったら私は彼と離婚してルドラをカルメンから奪ってやるわ。あんたなんか最初から目じゃないのよ。私は4月からブエノス・アイレス司法府の裁判検事になるわ。ルドラの後任よ。ルドラ。これは認めてくれるわよね。どうなの?

ルドラは今マリア・Eに言われるまで自分の後任のことは頭になかったが、マリア・Eなら最適任だと思い、力強く頷いた。イザベラは頭にきてマリア・Eに掴みかかり、マリア・Eのほっぺたを張ろうとしたが、敏捷なマリア・Eはサラリとかわし、アカンベーをしてみせた。

イザベラがマリア・Eに掴みかかろうとしたとき、思わぬ女性が現れ、ふたりの喧嘩を止めた。悪魔のように美しい女マリア・Dの登場である。ルドラはマリア・Dの手をひっつかみイザベラとマリア・Eの前から逃げ出した。

今回はここまでにいたしましょう。次回をお楽しみに。

 

後書き

マリア・E:ブエノス・アイレスの自宅には飛行場はあるの?ルドラ:ルドラ邸には飛行場が一滑走路ある。マリア・E:取り敢えず何とかなりそうね。トラックと鉄道の併用は止めなさい。飛行機を使うようにしなさい。それからね。コカインの精製工場は今度購入する2つの山の中に作りなさい。足がつきにくいし、摘発されても放棄すれば良いわ。貴方の持ちビルの地下にあったのでは摘発されたときに言い逃れ出来なくなるわ。ルドラ:コカインの精製工場をユンガスとチャパレで作り、今回のイザベルから購入したコカインの一次ペーストは新しく作るユンガスの精製工場に運ぶのですね。リカルドとカルラを呼ばないといけませんね。マリア・E:そうよ。飛行機で運ぶのは精製コカイン20トンよ。ルドラ:それなら20機の飛行機で楽々運べますね。一機につき1トン積めば良いのですから。