小説「海と陸の彼方へ」

 

第一章ブエノス・アイレスの輝き

 

第28話……中国の暴力団三合会2派の争い(中編その3)

 

前書き

1935年2月10日、日曜日の午後1時。ルドラはボリビアの首都ラ・パスにある高級レストラン「El Refugio de Oro」で、美しいイザベラ・ガルシアと会食を今し方終えたところです。ふたりは冷たいコーヒーを飲みながら互いに顔を見つめ合いながら和やかに仕事の話し合いに入りました。殆ど電話で話した通りですので、話し合いというよりも小切手と品物の受け渡しの手配だけです。先ずルドラがイザベラに800万米ドルの小切手を手渡しました。イザベラはその場で銀行に電話して決済可能かどうか確認しました。決済可能という返事を受け取り、イザベラは満足し、品物の受け渡しの説明をルドラにしました。大型トラック30台でアルゼンチンのルドラ邸に運びます。ボリビア政府との密約は交わしてあります。アルゼンチンの国境からはゴンサーロ次期ブエノス・アイレス市警本部長の部下「警官」たちがトラックを運転します。

 

本文

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登場人物「1935年1月1日時点」
ルドラ・バッシャール24歳。5千万米ドルの普通預金「アドリアナと交換したもの」。金塊127トン「運用利息月利3,810万米ドル、日歩127万米ドル」。ブエノス・アイレス司法府裁判検事。ルドラ映画産業㈱会長兼オーナー「資本金6千万アルゼンチン・ペソ」。ルドラ金融㈱会長兼CEO
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カルメン・バッシャール36歳。ルドラの妻。エミリオ・ロドリゲス「死亡」の元妻。
イザベル・ロドリゲス20歳。カルメンの娘。
フェルナンド・ロドリゲス20歳。カルメンの息子
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エレナ・モラレス30歳。ルドラの愛人。ルドラ検事付き書記官。次期市長室長。リカルド・モラレスの妻。
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部下
タリオ「勇敢な戦士」21歳。ルドラ缶詰工業㈱専務。ルシエンヌの兄。シワトルの夫。カリブ族の男。獰猛。格闘技の達人。
シワトル「花の女神」28歳。タリオの妻。元タバスコ領主の妻。聡明で美しく、性格は穏やかで優しい。
ルシエンヌ「明るい」19歳。ブエノス・アイレス司法府検察官「刑事事件の捜査や起訴を担当」。
モンバナ「高い山」男2歳。ルドラとルシエンヌの間の子。
カノア「風」40歳。ルシエンヌの父親。
アマタ「永遠の」38歳。ルシエンヌの母親。
アドリアナ・グラノジェルス25歳。ルドラ金融㈱COO。元ルドラの愛人。カジェタノの元妻。農園主「時価5千万米ドル」
ヘロニモ・デ・アギラール30歳。ルドラ警備COO。スペイン人。元コルテスの部下。ジャマイカ島アギラール砂糖キビ農園経営。中級黒人男性奴隷500名。
イシュトゥル 「Ixchel」19歳。アギラールの妻。
パカル 「Pakal」男4歳。アギラールの息子。
ゴンサーロ・ゲレーロ28歳。スペイン人。ジャマイカ島ゲレーロ砂糖キビ農園経営。中級黒人男性奴隷500名。
イディア・ンジンガ17歳。ゲレーロの妻。酒好き。陽気なアマゾネス。時々姿をくらます。
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その他の人々
マリア・エバ・ドゥアルテ16歳。悪魔のように可愛い女。高みに連れて行ってくれる男を求めて突進する。手段は選ばない。エバ金融㈱会長兼CEO「資本金2千万米ドル」。
エルヴィラ・ドゥアルテ13歳。マリアの妹。
カタリナ・イルデフォンソ20歳。ルドラ金融㈱営業部長。
中田ボニファシオ38歳。日系人4世の男性。カフェ、レストラン&バーの経営者。
高梨アデルミラ32歳。日系人4世の女性。麻雀店、ビリヤード場の経営者。
レティオ・チュチョ33歳。メスチーソ。エステル・ラジオのプロデューサー。賭博好き。
カタリナ・リベラ・サンドバル34歳。アルベルト・ペレイラ・レボルコ「財閥の当主、政治家」の妻。社交界の華。芸術家支援、慈善活動を行っている。
カルロス・フルベック・オルトゥサル35歳。政治家であり外交官。若い妾を囲っており、妻のロサを顧みない。
ロサ・オルトゥサル30歳。カルロスの妻。アルゼンチンの貴族出身で社交界の名士。
エルナンデス夫妻「夫:フアン・エルナンデス46歳、妻:マリア・エルナンデス44歳」。ブエノス・アイレスの牧牛・牧羊業界の大物。エルナンデス牧場主。
マルティン・ペレス34歳。旧ルイス・ガルシア牧場経営者。元エルナンデス牧場の牧童頭。
パウラ・ペレス26歳。元マルティン・ペレスの妻。フアン・エルナンデスの愛人。
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ルドラ邸スタッフ
執事頭:ジョン・スミス、年齢:45歳
侍女頭:エマ・ジョンソン、年齢:32歳
侍女:ソフィア・ウィリアムズ、年齢:27歳
侍女:オリビア・ブラウン、年齢:29歳
侍女:ルシア・ロドリゲス、年齢:25歳
侍女:アナ・ペレス、年齢:20歳
侍女:ベアトリス・サンチェス、年齢:18歳
庭師:ジェームズ・ジョーンズ、年齢:44歳
ボディガード兼運転手:マイケル・ミラー、年齢:51歳
ボディガード兼運転手:エドゥアルド・ガルシア、年齢:34歳
料理人:ウィリアム・デイビス、年齢:38歳
料理人:マリア・ゴンザレス、年齢:30歳
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大型ガレオン船1隻「2,000名乗り、改良野戦大砲500台搭載」小型ガレオン船10隻「100人乗り、改良野戦大砲30台搭載」、キャラック船50隻「500名乗り、改良野戦大砲50台搭載」、砲丸5万発、後込め式小銃10万丁、弾丸500万発。馬5,000頭。荷馬車500台。
傭兵部隊「シラジの女奴隷軍500名、元ベニン王国黒人女奴隷軍500名」
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中米及び西インド諸島
筑摩書房「大航海時代」ボイス・ペンローズ著。荒尾克己訳。巻末地図。

南米
筑摩書房「大航海時代」ボイス・ペンローズ著・荒尾克己訳、巻末の図。

アメリカ三大文明
中公新書「古代アステカ王国」増田義郎著。P2。

1935年2月10日、日曜日の午後1時。ルドラはボリビアの首都ラ・パスにある高級レストラン「El Refugio de Oro」で、美しいイザベラ・ガルシアと会食を今し方終えたところです。ふたりは冷たいコーヒーを飲みながら互いに顔を見つめ合いながら和やかに仕事の話し合いに入りました。

殆ど電話で話した通りですので、話し合いというよりも小切手と品物の受け渡しの手配だけです。先ずルドラがイザベラに800万米ドルの小切手を手渡しました。イザベラはその場で銀行に電話して決済可能かどうか確認しました。決済可能という返事を受け取り、イザベラは満足し、品物の受け渡しの説明をルドラにしました。

大型トラック30台でアルゼンチンのルドラ邸に運びます。ボリビア政府との密約は交わしてあります。アルゼンチンの国境からはゴンサーロ次期ブエノス・アイレス市警本部長の部下「警官」たちがトラックを運転します。

ルドラは立ち上がり、イザベラの手を取りました。支払いを済ませ、ふたりはそのままレストランを出てエレベーターに向かいます。これからの情事の期待でイザベラの胸は大きく膨らんでいます。ドアが開き、エレベーターにはふたりしかいないことを確認したルドラはイザベラを強く抱きしめ唇を奪います。ルドラがイザベラのお尻を掴み愛撫するとイザベラはたったそれだけで軽く逝ってしまい身体を大きく震わせました。

ドアが開き、イザベラはめくれ上がったパンティを引き上げます。数十秒の間にルドラの右手はイザベラの下腹部に差し込まれ狼藉の限りを尽くしていたのです。ルドラの指は濡れそぼち、イザベラは立って歩けないほど感じていました。

☆スイートルームでの情事
イザベラは純粋の白人「純血スペイン系」種ですが、娘の頃から農作業を好み、ユンガスのコカの葉農園やコーヒー農園で働いていました。18歳になって初めて都会のラ・パスに家族と一緒に移り住んだのです。ですから清楚で上品な見掛けとは真逆な素晴らしい肉体を持っていました。

イザベラは部屋に入るやいなやすっぱりと全裸になり、その素晴らしい肉体美を誇らしげにルドラに晒しました。ルドラは彼女のボリューム感溢れる身体に度肝を抜かれました。イザベラはそのままベッドに仰向けになり、全裸になったルドラを上に乗せました。ルドラにとっては初めての経験です。193cm、86キロの巨体を乗せるなどよほどのボリュームがなければ無理な話です。

イザベラはルドラを余裕で乗せながら両足を大きく拡げ、両足首をルドラの方に掛けてルドラを受け入れました。イザベラの秘部はエレベーターの中での愛撫ですっかり濡れそぼっていました。

ルドラも相手に気遣うこと無く自由に抽挿し、心からの満足を得ました。たったの30分ほどの時間で埒を開けることが出来ました。イザベラも何度も絶頂し満足してくれたようです。

イザベラが小用を足すため、立ち上がりました。その瞬間部屋中に得も言われぬ性臭が漂い、ルドラは激しく催してしまいました。イザベラもそれに気付き、「おしっこしたらもう一度お相手をしてあげるから大人しく待っていなさいね」と言い、トイレに行きました。

彼女の秘部からの性臭だったようですが、カタリナの秘部からの性臭と良く似ています。カタリナのそれより100倍は香ばしいですけど。ルドラはイザベラを手放す気がなくなりました。もちろんカルメンに感じる愛情とは別なものでなくてはならないような性質のものではありません。

☆再開
イザベラはベッドの中に後ろから潜り込み、右手でルドラを掴んでイザベラの中にいざないました。ルドラも左手を乳房に回し、右手は秘部を弄ります。もちろんピストンは怠りません。イザベラのうなじを舐め、耳を唇で愛撫します。イザベルはひっきりなしに快楽を訴え、ルドラのリズミカルな抽挿に合わせて大きなお尻をルドラにどんどんとぶつけます。イザベラが大声を張り上げて大絶頂するのに対して時間は掛かりませんでした。今度は逝かなかったルドラは挿入したままでイザベラの身体中を隈無く愛撫し、愛の言葉をささやきます。

イザベラ:ルドラちゃん。少し休憩して頂戴。私逝きすぎてしまったわ。

ルドラは言うことを聞きません。挿入したままでイザベラの身体中を唇と舌で舐め回します。イザベラはひっきりなしに訪れてくる快感に耐えかねてグーンと言うなり失神してしまいました。ルドラはそのままの姿勢で5分ほど待ちました。

イザベラ:ルドラちゃん。もう動かないでね。少しお話をしましょう。

ルドラ:良いですよ。もう一度会ってくれると約束してくれたらね。

イザベル:もちろんよ。私がボリビアまで出掛けて行くわ。

ルドラ:僕がイザベラさんの家を用意しますからそこに住んで下さい。良いのが見つかるまで5月広場とサン・マルティン広場の間を結ぶ繁華街のど真ん中に地上5階地下2階のビル「ルドラ第2ビル」を使って下さい。ルドラ映画産業㈱の持ちビルですので、そこが気に入ったらイザベラさんにルドラ映画産業㈱のCOOを務めて貰います。

イザベル:あら。素敵だわ。私ね。映画関係をやりたかったのよ。喜んでそのビルに住まわせて頂くわ。

ルドラ:ご主人の方は如何ですか?怒られはしませんか?

イザベル:良いのよ。貴方のくれた800万米ドルのうち100万米ドルをくれてやって離婚するわ。ああ、それからね。貴方に紹介しようと思っていた人がいるのよ。私が電話しておくから是非とも一度会ってらっしゃい。私の懇意にしている弁護士さんでね。マリア・エルナンデスさん38歳と言うのよ。何かとボリビア政府に顔が効くの。特に警察にね。こういう仕事してると警察とは仲良くしておかないといけないでしょう?

それからね。コカインのことについての基礎知識を教えておくわ。知っておいて損はないわよ。この文の最後の方に書いておくわね。

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国軍司令官: カルロス・エルナンデス
年齢: 42歳
職業: ボリビア国軍司令官
特徴: 野心に燃え、政治的にも影響力を持つ。次期大統領の座を狙っている。
妻: マリア・エルナンデス
年齢: 38歳
職業: 弁護士
特徴: 高い知性と社交性を持ち、夫の政治的野心をサポートしている。
長男: ルイス・エルナンデス
年齢: 18歳
職業: 大学生「法学部」
特徴: 父親に似て野心的で、将来は政治家になることを目指している。
長女: ソフィア・エルナンデス
年齢: 16歳
職業: 高校生
特徴: 社会問題に敏感で、将来はNGOや国際機関で働きたいと考えている。
次男: アレハンドロ・エルナンデス
年齢: 14歳
職業: 中学生
特徴: 科学とテクノロジーに興味を持ち、将来はエンジニアになりたいと考えている。
この家族は、カルロス・エルナンデス国軍司令官の野心と力を背景に、各々がそれぞれの分野で成功を追求しています。特にカルロスは次期大統領としての可能性を秘めており、その野心は家族にも影響を与えています。
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ルドラ:了解しました。早速お会いしに行きます。

イザベラ:それとね。貴方に技術者を紹介するからお仕事で使って上げて欲しいの。夕食時には帰ってくるでしょう?

ルドラ:なるべく帰るようにはしますがどういう方々なのですか?

イザベラ:メモをあげるわ。

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技術者夫婦1: マリオとエレナ・ロメロ
マリオ・ロメロ
年齢: 40歳
職業: コカの葉・コーヒー豆の栽培技術者
エレナ・ロメロ
年齢: 38歳
職業: 土壌科学者
子供:
ジュリア・ロメロ(16歳、高校生)
技術者夫婦2: ペドロとカルメン・モラレス
ペドロ・モラレス
年齢: 45歳
職業: コカの葉・コーヒー豆の品種改良専門家
カルメン・モラレス
年齢: 42歳
職業: 農業経済学者
子供:
ミゲル・モラレス(20歳、大学生)
ルシア・モラレス(18歳、大学生)
技術者夫婦3: アルベルトとソフィア・ゴンザレス
アルベルト・ゴンザレス
年齢: 50歳
職業: コカの葉・コーヒー豆の収穫技術者
ソフィア・ゴンザレス
年齢: 48歳
職業: 農業マーケティング専門家
子供:
アンドレア・ゴンザレス(25歳、自身もコカの葉・コーヒー豆のマーケティングに従事)
エリック・ゴンザレス(22歳、大学で農学を学んでいる)
これらの技術者夫婦は、それぞれコカの葉・コーヒー豆の栽培とそのビジネスにおいて重要な役割を果たしています。彼らの専門性と家族構成は、ルドラがコカの葉・コーヒー豆のビジネスを成功させるために非常に有用なリソースとなるでしょう。
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ルドラ:コカの葉・コーヒー豆の技術者なら喜んで採用させていただきます。給料は年俸制10万ドルで如何でしょう。

ルドラは10万米ドルの小切手を6枚切ってイザベラに渡し、明日の朝食をご家族で一緒にしたいと招待しておいた。

イザベラ:私もご一緒しても良いかしら。

ルドラ:もちろんですよ。イザベラさんは何時でも歓迎です。ただ妻のカルメンの前では大人しくして下さいね。

イザベラ:あら。分からないわよ。貴方を奪い合って取っ組み合いをするかもね。

☆エルナンデス一家
ルドラはイザベラと別れタクシーでエルナンデス家に向かった。丁度午後6時になっていた。ベルを鳴らすと小柄だが元気ハツラツとした美しい御婦人がルドラに応対した。150cmほどの身長なのでルドラはかがまなければならなかった。

ルドラを見上げた目がキラキラと輝き、イザベラとは好対照な印象を受けた。イザベラの持つ肉体の躍動感は感じられないが、彼女の内面から溢れ帰るような生命の躍動感や性の輝きを感じ、ルドラは思わず全勃起した。慌てて両手で押さえたが、彼女がにっこり笑いかけてくれたような気がした。ただのマリアでは何なのでマリア・Eと呼ぶことにしよう。

マリア・E:うふふ。ルドラさんですね。お元気だこと。

ルドラ:どうも初対面なのに不躾な真似をいたしました。申し訳ありません。以後気をつけます。私はルドラ裁判検事24歳と申します。4月からはブエノス・アイレス市長となります。お見知り置き下さい。

マリア・E:私は正直な男の人が好みよ。貴方のような大きなひとも好みだわ。さあ、入って頂戴。まだ誰も帰っていないけど夕食を一緒に食べて行ってね。

ボリビアのエルナンデス家での夕食
料理の献立
Llajwa(ラヤワ): トマトと唐辛子のソース
Saice(サイセ): 牛肉と野菜の煮込み料理
Anticuchos(アンティクーチョ): 牛ハートの串焼き
|Chuño・Phuti《チューニョ・フティ》: 乾燥ポテトとチーズの料理
Mocochinchi(モコチンチ): ドライピーチの飲み物
夕食の様子
マリア・Eはキッチンで忙しく動き回っていた。彼女はLlajwaのソースを作り始め、トマトと唐辛子を細かく刻んでいた。その時、ルドラがキッチンに入ってきて、「何か手伝えることはありますか?」と尋ねた。

マリア・Eはにっこりと笑い、「Saiceの野菜を切ってくれる?」と頼んだ。ルドラは包丁を手に取り、人参とじゃがいも、玉ねぎを丁寧に切り始めた。

その間に、マリア・EはAnticuchosの牛ハートを串に刺していた。ルドラはその横でChuño Phutiの乾燥ポテトを水で戻し、チーズを刻んでいた。

夕食の準備がほぼ整った頃、家のドアが開き、カルロスと子供たちが帰宅した。ルイスは「何かいい匂いがする!」と言い、ソフィアとアレハンドロもキッチンに駆け寄った。

テーブルに料理が並び、家族全員が席についた。カルロスが「今日は特別なゲストがいるので、みんなで楽しい夕食にしよう」と言い、ルドラに向かって「ようこそ、我が家へ」と挨拶した。

マリア・EがLlajwaをテーブルに運び、ルドラがSaiceの鍋を持ってきた。皆が料理に手をつけ、会話と笑顔が弾んだ。特に子供たちは、ルドラがどのようにしてマリア・Eを手伝ったのかに興味津々で、その話で盛り上がった。

Mocochinchiで乾杯をし、美味しいボリビアの家庭料理と共に、エルナンデス家は新しい友情と未来の可能性に感謝したのでした。

今回はここまでにいたしましょう。次回をお楽しみに。

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★コカイン
 コカイン原料のコカノキは主にコロンビアやボリビアなど、南米の人里離れた山岳地帯の畑で密かに栽培され、現地農民が手作業で葉をむしって袋詰めする。

 コカの葉は密林の中に隠された作業場に集められ、細かく破砕され、溶媒となる石油類に浸して撹拌し、麻薬成分を溶出させる。これに希硫酸を混ぜた後、アルカリで中和し、上澄みを捨て、沈殿物を集めて乾燥させ、コカ・ペーストが製造される。

 コカペーストは、原産地で製造される粗製抽出物であり、石油や硫酸などの溶媒に汚染された非合法のコカペーストはしばしば毒性を持つ。現地農民から買い取られたコカ・ペーストを酸で処理し、過マンガン酸カリウムで不純物を取り除き、濾過してコカイン濃度を高め、精製したものがコカインである。

 クラックは、アメリカ合衆国でよく使用される形態で白い塊になっており、これはコカイン塩酸塩を重曹と混ぜたもので、気化しやすく吸入で使われる。
★作業場
①コカの葉を足で潰して細かく砕く
②灯油に浸し、成分を溶かす
③希硫酸を加えてアルカリで中和させたら、上澄みを捨て沈殿物を抽出する……一次ペースト「純度40%」
ここまでが一次ペーストの作成過程である。

★精製所
④一次ペーストを細かく刻み、ガソリンを混ぜ、過マンガン酸カリウム「酸化剤」……注①で不純物を取り除く
⑤撹拌して、濾過し固体だけを取り出して乾かす
⑥アンモニアを入れて中和しペーストにする「混ざり物のないペーストが出来る」
⑦ケーキを作るようにトレーの中に入れる
⑧ケーキを焼くようにオーブンに入れ、乾かしていく
⑨圧縮機にかける「1キロ単位に圧縮する」
 コカイン製造過程で必要な大量の硫酸、石油、アルコール、アンモニア、過マンガン酸カリウム、アセトン……注②などは化学薬品工業の会社から薬局チェーン店を通して購入した。
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注①……過マンガン酸カリウム
化学式 KMnO4 の無機化合物で、カリウムイオン (K+) と過マンガン酸イオン (MnO4−) より構成される過マンガン酸塩の一種。Mn の酸化数は+7、O の酸化数は−2、K は+1である。
式量は 158.04 g/mol で、水、アセトン、メタノールに可溶である。固体では深紫色の柱状斜方晶系結晶である。においはなく、強力な酸化剤である。
注②……アセトン
有機溶媒として広く用いられる有機化合物で、もっとも単純な構造のケトンである。IUPAC命名法では プロパン-2-オン (propan-2-one) 。両親媒性の無色の液体で、水、アルコール類、クロロホルム、エーテル類、ほとんどの油脂をよく溶かす。蒸気圧が20 ℃において24.7 kPaと高いことから、常温で高い揮発性を有し、強い引火性がある。ジメチルケトンとも表記される。
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後書き

国軍司令官: カルロス・エルナンデス
年齢: 42歳
職業: ボリビア国軍司令官
特徴: 野心に燃え、政治的にも影響力を持つ。次期大統領の座を狙っている。
妻: マリア・エルナンデス
年齢: 38歳
職業: 弁護士
特徴: 高い知性と社交性を持ち、夫の政治的野心をサポートしている。
この夫婦は、カルロス・エルナンデス国軍司令官の野心と力を背景に、各々がそれぞれの分野で成功を追求しています。特にカルロスは次期大統領としての可能性を秘めており、その野心は家族にも影響を与えています。