小説「海と陸の彼方へ」
第五章大渡河に掛かる橋
第23話南充の石油王「旧清朝王族」一家との接触②
前書き
ルイスは、劉芸芸の話にじっくりと耳を傾け、彼女の慈善活動に対する情熱と地域社会への深い愛情を感じ取った。このイベントの目的は、地元の若者に高等教育の機会を提供すること。その思いが、会場の隅々にまで溢れていた。それから、ルイスは前に出て、アメリカからの移民であり、教育支援に深い関心を持っていると自己紹介を行った。彼は、四川省の子供たちへの支援として寄付を申し出ると、会場に集まった人々から一層の注目を集めた。劉芸芸は、ルイスの寛大な姿勢に感動し、彼をイベントの特別ゲストとして心から歓迎した。この瞬間、ルイスはただの見物客から、この慈善イベントの中心人物の一人へと変わった。彼の提案は、集まった群衆に新たな希望とエネルギーをもたらし、教育という大切な目的のために力を合わせることの重要性を改めて思い起こさせたのであった。
本文
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登場人物「1935年1月1日時点」
アンヘル・ディアンジェロ16歳：ハーバーテックソリューションズ（HTS）の会長兼CEO。ル・クリスタル・ホテル所有「200万ドルで居抜き購入」。アンヘル航空㈱会長兼CEO「資本金10億ドル」。ヴィヴィ警備会社「資本金1千万ドル」オーナー。軍事産業への共同投資60億ドル「配当金：1,929万ドル/ 週」。現預金50億ドル「シャドウ・ネクサスから略奪」と債権「総額不明」所有。
マリア・エバ・ドゥアルテ16歳。アンヘルの妻。AMレジャー総合開発㈱「資本金1億ドル」社長兼COO。悪魔のように可愛い女。
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アンヘルの家族
イタリア系の不法移民で、彼らの家族名は「ディアンジェロ」です。以下はディアンジェロ家の家族構成です：
・父親ヘクター・ハミルトン（28歳）「10歳の若返り」：アンヘルから10億ドルの資金を貰い、テキサスで石油と天然ガスを発掘した。
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ヘクターの資金7億4,060万ドル。前々回の最後で石油精製会社の資本金を5千万ドルとして計上した。別途にエドゥワルドから50億ドルの資金を預かる。
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兄ルイス・ディアンジェロ（18歳）：表向きはニューヨーク市警警部兼総合建設会社NYHCの社員。 実はマフィアのアンダーボス。マフィアのボス：エドゥアルドの最愛の妻セリーナ・マッキンノン（27歳）を奪ったことで、アメリカを追われ、中国に逃れる。弟アンヘルの計画「中国共産党最高指導者毛沢東暗殺」に成功し、国民党政府主席蒋介石から、巴蜀・雲南の軍政長官に任命される。ルイスをアメリカら放逐したボスのエドゥアルドも自らの第一夫人クラウディア・コステロ（42歳）「前ボス：コステロの元妻」の不興を買い、香港に逃亡中。
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ルイスの資金
190億両の為替。銀錠20億両。一般会計10億両と特別会計10億両に分けてある。一般会計の方は506万5千両支出した。特別会計10億両のうちこれまでに26,779,200両支出した。前回の支出も加えてある。
第22話の特別会計支出 注：馬鞍山も娘娘山も寧蕪火山盆地にあり、寧蕪「南京-蕪湖」盆地は、中国東部、中~下流揚子江渓谷の最も重要な火山盆地の一つである。それは四つの火山ユニット、すなわち、龍王山、大王山、姑山、娘娘山の各層から成る。
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ルイスの部下
1.周恩来、37歳、江蘇省出身:
・穏やかで知的な性格をしており、どんな状況でも冷静さを失わない。
・話し方には礼儀があり、分析的で思慮深い。
・組織的な思考を持ち、リーダーシップを取れる。
・他者に対しては理解深く、共感を示すことができる。
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ルイスの3人の妻「ムスリム教徒」
ナディア・アミール・アル・サン（42歳）。ルイスの第一夫人「政治担当」。元宋慶齢。上海出身。
・自立心が強く、決断力がある女性。
・社会的な問題に対して意識が高く、積極的に意見を表明する。
・優雅で洗練された振る舞いを持ち、周囲に対しても敬意を払う。
サリマ・ファイサル・アル・ハウ（25歳）。ルイスの第二夫人「会計担当」。元賀子珍。江西省出身。
・勇敢で情熱的な性格。自分の信念に強く固執する。
・感情が豊かで、時に感情的になりやすい。
・直感に頼ることが多く、行動的で果敢な面がある。
王光美（14歳）。ルイスの第三夫人「軍隊担当」。山東省出身。
・年の割には成熟しており、好奇心が強い。
・柔軟な思考を持ち、新しい環境にも早く適応する。
・人懐っこく、周りの人々との交流を楽しむが、時には頑固な一面も。
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マフィアの組織図「パブリックドメイン」
紅軍の長征
中国全土
山川出版社「地域の世界史９……市場の世界史」P171
朝日出版社「西南シルクロード紀行」宍戸茂著。P10
朝日出版社「西南シルクロード紀行」宍戸茂著。P11
朝日出版社「西南シルクロード紀行」宍戸茂著。P49
6月16日日曜日午後8時、重慶ルイス邸「旧陳浩然邸」
ルイスと第一夫人の王怜雪（18歳）は正房R1 の居寝室のソファーに座っていた。この正房R1 は北側の棟の一番東にあり、3間続きの大きな部屋の真ん中の部屋である。客間・寝室「オマル付き」・書斎・物置・ソファー・テーブル・机・飾り棚・タンス・衣装棚と何でも揃っている大きな部屋である。
ルイスは衣装棚にアメリカから持ってきた衣装を収納しようとしたが、10数点しか入らず、残りは倉庫「物置」に保管した。王怜雪が"衣装箱を整理して、もう少し入るようにします"と言い、中を開けた。
彼女は「白いレースのディテールがあるシフォンブラウス、黒のショートパンツ、黒いハイヒール」と「ダークブルーのスポーツショーツとホワイトのスポーツブラ」及び「ピンク色のスポーツブラと合わせたピンク色のレギンス」が気に入ったようです。
王怜雪：旦那様。この3点を頂いて良いかしら？
ルイス：この中の物は皆お前にやるから、遠慮なく使え。それとこのスニーカーも普段の作業時に使いなさい。
ルイスはその中から「ピンク色のスポーツブラと合わせたピンク色のレギンス」を彼女に着せてやりました。ストレッチ用の衣装なので動きやすく、蒸し暑い重慶の街でも過ごしやすいと考えたのです。レギンスと言っても身体にフィットした素材のショーツですから、脱着も非常に簡単です。
彼女は恥ずかしがって中々着ようとしませんでしたが、ルイスは自ら彼女の衣服を脱がし、着せてやりました。やはり一度着ると着心地が大変良いようです。
ルイスは彼女に"一緒に湯船に浸かろう"と促しましたが、恥ずかしがってどうしても一緒には入りません。ルイスはさっさと衣服を脱ぎ、真っ裸になり湯船に浸かります。
おずおずと王怜雪が風呂場に入ってきました。ブラとショーツを脱いで、大きなタオルで身体を覆っています。ルイスの身体をシャボンで洗おうとしてくれる気なのです。
ルイスは彼女のするがままに任せ、今度は彼女を抱きかかえて湯船に浸からせました。シャボンを付けたままの身体で彼女を抱きすくめ、全身をこすりつけながら愛撫します。ヌルヌル滑るシャボンを潤滑剤として、ルイスのたくましい身体を擦り付けられた王怜雪はすっかりのぼせ上がってしまいました。
彼女は高まり続ける官能の嵐に身を任せ、ルイスの逞しいものを自然に受け入れました。詳しいことは省きますが、彼女にとっては未だかって味わったことのない快感と絶頂の嵐の経験でした。ルイスも久しぶりの若い女性との交接で大満足を味わいました。
☆王怜雪との会話
すっかり満足した王怜雪はルイスに甘えるように話し掛けた。
王怜雪：お殿様。馬鞍山と娘娘山の鉄鉱山をお買いになったと聞きましたが、鉱夫や工具はお買い求めになりましたか？
ルイス：いや。まだ手配をしていないのだ。お前、何か宛でもあるのか？
王怜雪：私の実家が鞍山の鉄鉱山を持っております。見積もりを出しましょうか？
ルイス：そうだな。お前も実家が鉄鉱山主なら詳しいだろう。見積もってくれぬか。
王怜雪は見積もり表をルイスに提出した。
鉄鉱山：工具見積もり
鉄鉱山：鉱夫等人員見積もり
合計：564,050両
これまでの特別会計支出26,779,200両と合わせると、27,343,250両である。
ルイス：何だ。ずいぶん安いな。シャベルなど0.1両で買えるのか？他で買った時は50両もしたぞ。
王怜雪：失礼ながら殿様は鷹揚ですから業者に騙されていらっしゃるのです。銀錠一両を日本円で2万円としますと、シャベルは0.1両＝2,000円で御座います。50両＝100万円が如何にぼったくっているかお分かりでしょう。
ルイス：そう言われてみると確かにそなたの言う通りだな。シャベル一本は当今の物価を考えると0.1両＝2,000円が妥当なようだ。
ルイス：そなたを第一夫人にした俺の目は曇っていなかったようだな。
王怜雪：私を財政の総責任者になさいませ。上手くやりくりしてみせます。
ルイス：良し。そなたを名実ともにこの屋敷の女主人としよう。またそなたの実家のお父さんをぜひ俺に紹介してくれ。
王怜雪：了解いたしました。
舞台は翌日の"慈善イベント「四川省若手教育支援の集い」"に移る。
1935年6月17日、月曜日の朝、四川省南充の川中油田近くには活気が満ちていた。青空の下、緑豊かな河川敷に、劉芸芸（38歳）主催の「四川省若手教育支援の集い」が開催されていた。
この特別な日、ルイスは自ら操縦する小型飛行機で嘉陵江沿岸に降り立ち、河川敷から会場へと歩いていった。彼の姿は、自信に満ちた雰囲気を漂わせながら、会場へと向かっていた。
会場には地元の有力者や遠方からの慈善家たちが集まり、支援を必要とする若者や好奇心旺盛な野次馬たちが集っていた。劉芸芸の周りでは、彼女の情熱的な説明に耳を傾ける人々が群がっていた。
ルイスは劉芸芸の話に注意深く耳を傾け、地元の若者に高等教育の機会を提供するというこのイベントの目的に感銘を受けた。そこで彼は前に出て、アメリカからの移民として教育支援に対する深い関心を示し、6項目の教育支援のために合計6万両「12億円」の寄付を申し出た。これにより、他の金満家たちも同様の行動に移り、会場は一層の熱気に包まれた。
劉芸芸は、ルイスの寛大な姿勢に驚き、彼に個人的な興味を持ち始めた。彼女は、このアメリカ人移民の若く精悍な大男と詳しく話をすることを望んだ。
ルイスは壇上で、長江流域におけるイギリスの支配とアヘンの問題について熱く語り、阿片中毒者救済のための病院建設への貢献を宣言した。彼の演説は聴衆に感動を呼び、熱烈な拍手が沸き起こった。
その後、劉芸芸はルイスをランチに招待した。彼女の兄である石油王、劉鵬飛（40歳）の邸宅にて、豪華な家具に囲まれた食堂で、二人は四川省特有の美味しい料理を囲みながら、深い話を交わした。ランチを通じて、劉芸芸はルイスの深い思慮と中国への共感に感銘を受け、二人の間に互いの理解と尊敬の芽生えが感じられた。
ランチが終わる頃、二人は将来に向けた具体的な計画について話し合い、新たな一歩を踏み出す準備が整った。劉芸芸は、ルイスの提案した教育支援と阿片中毒者救済の病院建設というプロジェクトに、彼女自身も協力を惜しまないことを伝えた。
ルイスは劉芸芸に女性の権利向上についての重要な提案を行った。彼は、女性が教育を受け、職業訓練を通じて経済的自立を目指す機会の拡大を強調し、また中国の伝統的な価値観に挑戦する形で、自由恋愛に基づく結婚制度の確立と、女性の離婚申し立ての自由を訴えた。
この提案を受け、劉芸芸（38歳）とルイスの間で以下のような会話が交わされた。
ルイス：私たちは、女性が社会の全ての面で平等な機会を持つことを確実にする必要があります。教育はその第一歩です。女性が高等教育や職業訓練を受けることで、彼女たちの将来に無限の可能性が開かれるのです。
劉芸芸：その考えには賛成です。しかし、私たちの社会には伝統的な価値観が根強くあります。女性の権利をどのようにして前進させることができると思いますか？
ルイス：まずは、女性が自分の意思で結婚し、必要であれば離婚する権利を持つべきです。これは、女性が自身の人生において重要な決断を下す権利を持つことを意味します。
劉芸芸：それは確かに革新的な考えです。しかし、社会全体の意識を変えるには時間がかかります。
ルイス：確かにそうですが、変化はどこかで始めなければなりません。私たちはこの地域で模範を示し、女性が教育と自立を通じて自分たちの道を切り開くことを助けることができます。
この会話を通じて、ルイスと劉芸芸は、女性の権利向上のための具体的な行動計画について深く考え、その実現のために共に取り組むことを決意した。彼らの対話は、女性の社会的地位の向上と、それに伴う文化的な変化を促進するための第一歩となった。
ルイスは昼食後、劉芸芸（38歳）の居室に招かれお茶とお菓子の接待を受けた。ルイスは劉芸芸一家の人達にたまたま持ち合わせていた衣装とかのセットを贈ることにした。
劉芸芸（38歳）には「グレーのタイトなトップス、フィット感のある青いデニムのジーンズ、白いハイヒールの靴及び 高級化粧品セット と香水」、王大偉（ 40歳）「夫」には「高品質のバーボンウィスキーとアメリカ製の高級ペン 」、王建国（17歳）「息子」には「カメラ」、王小美（15歳）「娘」には「ジャズレコードと蓄音機」を贈りました。
劉芸芸は無邪気に喜び、飛び上がってルイスに軽くキスをしました。西欧人ならいざしらずアジア人にとってこう言った行為は特別な好意を意味します。
ルイスは彼女を強く抱きしめて彼女の口の中に分厚く大きい舌をまっすぐに差し入れます。劉芸芸は内心驚きましたが、自ら仕掛けたことなので、仕方なくルイスの舌を受け入れ彼女の芳しい口の中を愛撫することを受け入れてしまいます。
5分後、やっとルイスの腕から逃れた彼女は気恥ずかしさを隠すように矢継ぎ早の質問をルイスに浴びせかけます。
劉芸芸：ルイスさん。貴方は並のアメリカ人移民とは思えないわ。先ず私の疑問に答えて頂戴。どうして貴方はそんなにお金を持っているの？
ルイスは彼女に本当のことを答えた。勿論、今の身分「巴蜀と雲南の軍政長官」は隠している。
劉芸芸：貴方は本当にマフィアの大幹部だったの？
ルイス：そうです。ニューヨーク・マフィアのアンダーボスでした。マフィア同士の抗争の結果、奪った資金約200億両」が原資です。
劉芸芸：貴方はキリスト教徒なの？
ルイス：そうです。イタリアの不法移民の息子ですからね。勿論結婚はしていません。注……これは明らかな嘘である。ルイスはイスラム教徒となり、3名の妻を持った。
劉芸芸：そうなのか。私は親に強制されて結婚したの。でもそれは私だけでなく全員がそうよ。
ルイス：ご主人を愛していますか？
劉芸芸：難しい質問ね。主人が側室ひとりと妾ふたりを囲うまでは主人のことを愛してはいないまでも嫌ってはいなかったわ。
ルイス：側室と妾を持つことは自由なのですか？
劉芸芸：それも難しい質問ね。そんな行為を亭主に自由にさせる妻はいないでしょうよ。でも男の人が側室を持ったり、妾を囲ったりすることに周りは寛容なのよ。それを拒否することは難しいわ。
ルイスはそれ以上聞かずにお暇することにした。その頃にはルイスと劉芸芸は自由にキスすることが出来るような間柄になっていた。ルイス以上に劉芸芸が欲するようになっていたのである。
ルイス：劉芸芸さん。私は午前中お会いした広場の近くでブティックを開きました。まだ改装も出来ていませんが、ルイスの名前入りの看板だけは作りました。店舗付きの住宅ですから私はいつでもそこにおります。
今回はここまでにいたしましょう。次回をお楽しみに。
