美味しいプリン
めったに嫌いな人がいない、このスイーツは
美味しさの科学を知っていたら
誰でも失敗無く作れる代表選手です。
しかも
材料費がとても安い!!
プリンと言ってもいろいろあるけれど
今回語るのは、卵と牛乳で作る
カスタードプディング
です。
さて。
プリンの基本配合は(重量比)
牛乳2:卵1:砂糖0.5
この、黄金比率を守れば
まず、味の間違いはありません。
熱のかけ方も重要です。
上のプリン配合液を
80度に加熱
どんな道具で何分間・・・なんて言うことではなくて
液の全体・・・容器にいれたら、芯まで加熱されればいいのです。
黄金比の液と、温度を守れば
誰だっておいしいプリンが作れるのです。
(バニラエッセンスとか、追加の要素はご自由にどうぞ)
では、どのように条件を守ったらいいのでしょうか?
プリン液は、重さをはかる道具があればだれでも間違いませんね?
だけど、道具が十分でないときは
卵1個がだいたい50gです。
砂糖は卵と同じくらいの体積で、だいたい20~30gです。
牛乳は・・・目分量でわかりますよね??
まぁ、多少の配合の変化は気にしなくていいです。
気にしたい人は、当然のこととして
はかりを用意しましょうね (^_-)-☆
さて。
問題は温度です!
こだわる人は温度計を用意しましょう。
プロだったら、温度が一定にできる道具も売っています。
でも~~一般の人はねぇ。。。
私の一押しは
真空保温調理器で湯煎
これが一番簡単で安全で省エネで美味しくできる方法です。
<簡単な作り方の解説>
① 鍋(私はボウルでやります)の中で、卵をときほぐします。
② 砂糖を入れて、卵のムラをなくすようによく混ぜます。
(砂糖が砂のような役割をして、解きほぐしにくい卵白が細かくなります)
③ 牛乳を入れて、かき混ぜながら火にかけます。
④ 液がとろみがつかない程度に温まったら、型に入れます。
⑤ 鍋に湯を沸かします。
⑥ 火を止めて、保温器に入れた鍋に、プリン液入りの器を入れます。
(水没注意!!)
⑦ 5~10分後、一度プリン器を取り出して、なべの湯を再沸騰させます。
⑧ 保温器に入れた鍋に、プリン液入りの器を入れます。
⑨ 器の大きさによって出来上がりの時間は違うので適当なころに取り出します。
バニラやそのほかの香りをつけたい人は④の最後にしましょうね。
③が面倒くさい人は加熱しなくてもいいけれど、③をやった方がおいしいプリンになります。
では、この簡単な作り方に隠れている科学(化学)はなんでしょうか。
卵に含まれるたんぱく質は
卵白が60度~65度
卵黄が80度
この温度で固まるたんぱく質が一番たくさん含まれています。
実際には、40種類とか、そういう沢山の違うたんぱく質が入っているんですけれどね。
卵黄が固まってくれないと困るので、80度と言っています。
問題は、100度を越えると
一度固まったタンパク質の中に水蒸気の穴ができてしまうこと。
これが、問題。
気泡ができ過ぎたら舌触りが悪くなるけれど
少しくらいは大丈夫。
十分美味しいです。
だから、沸騰後に火を止めた鍋にプリン器を入れれば
絶対に100度は超えないのです。
一度沸かしなおすのは芯までプリン液が暖まらないからです。
もっとも、器の大きさや、型に入れる前の液が何度になっているか?で
だいぶ違ってくるので
自己責任で微調整してください。
こういう微調整をすることが
職人の技
って言われる部分ですね。
ところで、黄金比率のプリン液についてですが
ここにも科学があります。
たんぱく質に限らないけれど
物には、分子同士の結合をしている
束縛水(結合水)
と
結合はしていない
自由水
主に、この2種類があります。
たんぱく質が固まるときに
束縛水が少ないと
固まりません。
自由水が多すぎると
固まりません。
砂糖は水分と結合するので
束縛水を減らします。
牛乳が多いと自由水が増えます。
黄金比率のプリン液のうち
牛乳と卵が同じで砂糖が多いと
プリンが柔らかくなります。
卵と砂糖が同じで牛乳が多いと
プリンが柔らかくなります。
しかも、色が白っぽく。。。
柔らかかったり、硬めだったり
甘かったり、あっさりだったり
味と食感は、これら科学の知識があれば
試行錯誤なんて無駄な時間を使わなくても
ある程度の目標に達することができるのです。
それ以上の味の探求は
もちろん
試行錯誤の努力をしてくださいね。
おまけ
なんで、③の工程をした方がおいしくできるかというと
牛乳=水分
と
卵=タンパク質
この二つをよく混ぜたつもりでも
プリンが固まるまでの間に
比重の違いで
若干・・・分離するのです。
だから
たんぱく質が熱凝固するちょっと手前までプリン液を暖めておくと
分離するまでの時間が経過しないうちに凝固温度に達するのです。
とくに
かぼちゃプリン
や
ゴマプリン
等を作るときは
わずかな手間がとても大きな違いを生み出します。