税務の講
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Charitable Contribution 寄付金控除

アメリカの個人確定申告にも日本と同様に「寄付金控除」が認められている。
寄付金控除を行うと税額が下がる。というわけでいくつかの条件・注意点がある。

A-1つめは寄付先の条件。

寄付金として控除させてもらう為には寄付金の払い先が「適格」とみなされる団体でなければならない。
この「適格」の条件が日本とアメリカでは大きく違うらしい。


自分の行った寄付が税務上「適格」な寄付とみなされるためには一般的に以下の団体に該当しなければならない。

アメリカ国内、又はアメリカの法律の基に組織された以下の団体・組織
 ①Religious
 ②Charitable
 ③Educational
 ④Scientific
 ⑤Literary
 
個人への寄付、労働組合等への寄付は不適格となっている。


ちなみに「適格」団体の一覧 はIRSで作成されている。
基本的にはアメリカ国外団体・組織への寄付は控除対象外


B-2つめは寄付の総額の決定。


基本的には寄付金総額は寄付したPropertyのFair Market Value(時価)、或いは購入価格となる。
例えば

   a-Cashの時価はCashの額、これは簡単。
   b-Propertyの寄付の場合は、寄付をした日の時価を決定する。

但し、一概に上記の通りとはならない。

ちょっとややこしいけれど簡単にまとめると以下の様になる。
   ①FMVが購入価格より高ければ寄付金総額は購入価格となる。
   ②FMVが購入価格より低ければ寄付金総額はFMVとなる。
     つまりFMVと購入価格の低いほうが寄付金の額になるのである。

   ③上記に関わらず、寄付したPropertyを1年以上保有しており、「もし仮に売却したとしたら長期のCapital Gainを生じる」ものであれば寄付金総額はFMVで評価してもOKである。


*但し、この場合にも寄付されたPropertyが寄付団体の活動と関係のないものであれば寄付金総額は購入価格になる。


C-3つめは一体いくら控除できるのか


個人申告であれば、まず"Itemize Deduction"を申告することが前提となる。
控除可能額はAGI(Adjusted Gross Income)の50%が上限、但しこれも寄付先の団体により30%・20%と若干異なってくる。
 *AGIとはAdjusted Gross Incomeの略語で個人の所得にしか使われない。


また寄付したPropertyが上記③であり、且つ寄付先が50%控除OKの団体であれば、
   ①寄付金の額をFMVとしAGIの30%を制限とする
   又は
   ②寄付金の額を購入価格としAGIの50%を制限とする
のいづれかを選択できる。


例えば)
        AGI=$10,000
           PropertyのFMVが$60,000
           PropertyのCostが$10,000
の場合

寄付の額をFMVで申告した場合には$3,000
寄付の額をCostで申告した場合には$5,000
の控除がとれる。


寄付金を全額控除できなかった場合には5年間の繰越控除ができる。


以下、追加で法人税申告の場合では上記がどのように変わってくるのかを。
   ①繰越5年は個人と一緒。
   ②AGIが「修正」Taxable Incomeに変わり、そのTaxable Incomeの10%が上限となる。

   ③発生主義会計を採用している場合、期末日以降2.5カ月以内に支払われたものであれば年度内支払とできる。

日米租税条約は黙っていても適用されません

新日米租税条約によりアメリカから受取る配当、利息、Royalty(使用料)に関する税率(源泉税率)が少し軽減された。

この前書いたように、ある一定の条件を満たした場合、アメリカ子会社からの配当金はTax Freeとなる。

しかし、条約上規定されたからといって、条約施行日以降の受取配当金からの源泉税膣が無条件に軽減されると思ってはいけない。

恩恵を受けるには、それなりの手続きが必要である。


恩恵を受けるには「自らの申請」によることが本当に多い、知らないと損をする。

支払人はアメリカ、受取人は日本

・・・の前提で書くと、具体的には以下の手順をふむ。

*基本的には一定の「配当」、「利息」、「Royalty」全てこの手続きでOK


①受取人は支払者に「FORM W-8 BEN」 を提出 (FORM W-8 BENは日本の税務署の様式で言うと「租税条約に関する届出書」に当てはまると思う)


これは

「私はあなたから配当、利息、Royaltyを受取る際に、日米租税条約による税の軽減措置を受けられます。従って今後の支払いには適当に対応をお願いします」

との申請書。


提出する際、提出者が会社であればEmployer Identification Number、個人であればTax IDが必要になるので前もって取得する必要がある。

取得にはSS-4 (個人ならW-7 )を用いて行う。

提出されたFORM W-8 BENはIRSに提出することなく、アメリカの支払者が保管する。

日本なら税務署に提出するはず。W-8 BENは一旦提出すれば3年間有効だったと記憶している。


②支払人はFORM W-8 BENの提出で

「受取人が租税条約上、税金の軽減を受けられる」

ことを認識し実際の支払時には租税条約に則った税率を適用するのである。


・・・ここまでで第一段階は終了。

後は支払人がIRSへ支払額の報告をし、源泉所得税を預ったならそれを納付して終了である。


しかし年間に受取った額が$500,000を超えた場合、受取人にIRSへの申告義務が生じる。

この申請は具体的には ①FORM 1120-F (Foreign Corporation向けの法人税申告書)に

FORM 8833 (「租税条約に則っとった申告をします」との開示書)を添付するのである。

法人税申告書とはいうもののアメリカで事業を行っていないのであれば記入するのは会社名、住所、EIN等簡単な情報だけなのでとても簡単である。


質問等あれば連絡ください。 な

新日米租税条約で配当は免税はホント??

新日米租税条約が適用されることになった2004年7月1日前後、巷では「配当は免税」という声がよく聞かれた。


そして私も「配当は支払国では免税なのか?」(配当支払時の源泉控除はしなくてよくなるのか?)という問題に直面した。


ちょっと古い話ではあるが、思い出したので書くことに。


多くのWebsite上で情報を集める事はできたけれど、実際のところ詳細については原文を読まないとわからない。
条文というのは例外規定が多い、これも原文を読まないとナカナカCheckできない。


ということで私が読んだ上で知ったことをできる限り簡潔に

「配当の支払者がアメリカ、受取者が日本」

との前提で解読しようと思う。



原則配当は

   A)受取られた日本で課税され、また
   B)支払われたアメリカにおいても課税される。
         (通常、アメリカの会社は配当支払時に源泉控除という形で、前もって配当から一定の税率で税金を差引き日本の受取人に支払う)



しかしながら新租税条約上、以下の場合については源泉所得控除税率はこれまでに比べ低くなるのである。

  A)5%-日本の受取人が「会社」であり、アメリカの配当支払会社の10%以上の議決権付株主である場合は最高で5%の源泉控除でよい。
  B)10%-その他の場合は10%の源泉控除でよい。


これはTax上どういう事かというと、配当を受取った日本の会社・個人はそれぞれアメリカのIRSに「配当総額の5%、10%の予定納税をした」という状況である。


では、よく耳にした「配当は非課税」というのは一体何を根拠としているのか?
もうちょっと条約を読み進めていくと・・・


③「上の規定に関わらず、以下の場合にはアメリカで免税になる。」
と書かれている。
「以下の状況」とは以下の通りである。

日本の受取人が
      A)-1 「会社」であり、
      A)-2 配当の権利を得た月から遡って12カ月間、アメリカの配当支払会社の議決権付株式の50%以上を保有し
      B)-1 上場企業である事。
         又は
      B)-2 その会社を支配する会社が上場企業である事。

となっている。


一概に「配当は免税」とは言えないが以前と比べ確かに源泉控除税率は低くなっている。上記②-A/Bがそれに当てはまる。


次回は「実際に租税条約の規定に則った税務の優遇措置」を受ける為に必要な手続きについて・・・

日本居住者によるアメリカ不動産売却に伴う所得の申告とFORM8288-A

アメリカに不動産をもつ日本人が多い。


投資目的や、単に昔住んでいた家をそのままにして帰国した場合など様々である。


さて、日本の居住者、或いは日本の会社がアメリカで所有する不動産を売却し何らかの利益が出た場合、その後とるべき手続きは一体どのようなものであろうか。


ここで大切なのは自分が日本の居住者で日本で納税していたとしても、アメリカにある不動産売却に係る利益=Capital GainはアメリカでもTaxが発生するということである。


簡単に不動産売却に関するTax Returnを順を追って書いてみると・・・


通常、外国人にアメリカにある不動産を購入した側には

「購入額(売った人から言うと、売却額)の10%」

のTax Withholding(源泉控除)が義務付けられている。


例えば昔、$500,000で購入した不動産を$600,000で売却したとすれば手許に残るのは$540,000。


この時の$60,000は「売却日本人の予定納税/前払税金」として購入者が売却日本人に支払う総額から10%を差引きIRSに納付するのである。


購入者は同時にForm8288-Aなる源泉徴収票を作成しIRSの内容確認のあと売却日本人に渡される。


一方、売却日本人の純粋なCapital Gainは$100,000。
$600,000-$500,000=$100,000


この$100,000のGainに対する所得税が
     ①予定納付/前払いした$60,000より多ければ追加納税、
     ②少なければ税金還付請求を行う事になる。

売却したのが個人であればForm1040NRに源泉控除証明書であるForm8288-Aを添付し申告する。


通常、8288-Aを作成するのはEscrowと呼ばれる不動産売買仲介会社である。


しかしながらこういったケースに慣れていないEscrowだと8288-Aの作成を行わない場合もある。


となると上記②の場合、還付されるであろう税金が還付されずに払いすぎのまま時効を迎えてしまうかもしれない。


日本居住の個人・会社がアメリカにある不動産を売却する際には
①Form8288-Aの受領
②不動産売却に係るIncomeのTax Return申告
③アメリカで納付した税金を、日本の確定申告上で「外国税額控除」する

をお忘れなく★

SEC 179 Deduction

アメリカでも税金に関する優遇措置がたくさんある。


今日はProperty取得に関する優遇措置、Sec 179 Deductionについて。


名前からもわかる様に、この優遇措置はInternal Revenue Code179条で規定されている。


簡単に説明すると・・・ 通常、固定資産を購入した場合には 

  ①Property/Fixed Assetとして資産に計上し、 

  ②耐久期間に応じて減価償却。

という方法を取る。


つまり支払った総額は、購入した年度にTax Amountを下げる「Deduction」として認識できないのである。


その代わり、その資産の耐久期間に渡って「減価償却」という形でDeductionできる。


例えば $50,000の資産を1/1に購入

耐久期間5年 とすると

12/31のDepreciation Exoenseは$10,000


この「一旦資産計上、その後耐久期間に渡ってDeductionしていく」という処理に関する優遇措置がSec179 Deductionである。

ごくごく簡単な説明が以下の通り。      

     ↓

年内に購入し、実際に使用を始めた資産を年間最大で$105,000 (2006年は$108,000)まで資産計上&減価償却という処理をせず、一気にDeductionできるのである。


例)$50,000の資産を購入(上記参照)

Sec179を選択しない場合)$10,000をDeductionとして申告(耐久年数5年のPropertyをSLで償却とした場合)

Sec179を選択した場合)$50,000をDeductionとして申告

Tax Rateを30%とした場合、$1,200の違いがある。

という具合である。

一つだけ注意点★

年間の資産購入総額が$420,000を超えた場合。

超えた額と同額がSec179 Deductionから減らされる。

2006年は$430,000以上。


単純に計算すると年間の購入資産総額が$525,000以上であればSec179 Deductionは全く使えないということ。

資産に関する特例はこの他にもあるのでまた書こうと思う。

NPO in California

米国での法人(非営利法人を含む)は、連邦法に基づくものではなく、各州ごとに別個の州法で規定されています。
カリフォルニア州の非営利法人の種類を大別しますと 、
① Nonprofit Public Benefit Corporation (非営利公益法人) 
② Nonprofit Mutual Benefit Corporation (非営利共益法人)
③ Nonprofit Religious Corporation (非営利宗教法人)
となります。 

①は、一定の公益のために設立される団体、 
②は、会員相互の親睦など公益または宗教以外の適法な目的のために設立される団体、
③は、宗教を目的として、設立される団体です。


カリフォルニアでの非営利法人の具体的設立手続きは、一定の要件を持つ定款( Article Of Incorporation )をはじめとする他の書類を、州の法務局に提出することによって、当局からの認証を受け、法人の登録が行われます。

ただし、非営利法人法上の法人登録により、税法上の優遇資格(免税措置、公益寄付金に対する所得控除など)が自動的に適用されることにはなりません。 

税法上の優遇資格を取得するには、資格審査を受け承認を得ることが必要になります。

連邦法人税に関する免税申請は、フォーム 1023 と 1024 、
州法人税の免税申請は、フォーム 3500 を提出して行われます。


さらに、免税資格を得た非営利団体に対する寄付金であれば、全て寄付者に対して所得控除が認められるわけではなく、内国歳入法 501(c)(3)* に、列挙された団体に、ほぼ限定されます。


非営利団体で、その団体が行う収益事業が、課税対象となるかどうかは、免税団体として当局に登録及び承認された本来の事業と実質的に関連するか否かにより判断されます。

主たる住居の売却益は$250,000まで控除可能

米国税法の規定では、主たる住居の売却・交換益から$250,000控除できます。

「儲かっても$250,000までは課税所得に算入しなくていい」と考えた方が分かり易いかもしれません。


夫婦合算申告の場合は$500,000。


IRSの定義上、HOMEというのは以下を指しています。

  • House,

  • Houseboat,

  • Mobile home,

  • Cooperative apartment, or

  • Condominium


  • 要件としては、

    ①所有し、住んでいる主たる家の売却であること。

    夫婦合算であれば所有者は共同でなくてもどちらか一方の配偶者のみで構いません。


    ②当該住居を売却日から遡って 5 年の期間内において 2 年以上使用していること。

    この場合、資産の保有者でない他方の配偶者を含めた双方の配偶者が、当該住居を売却日から遡って 5 年の期間内において 2 年以上使用していることが必要です。


    新法の成立により、 2004 年 10 月 22 日以降に売却された主たる住居で、購入当時他の住居等との買換えにより取得され、住居購入から起算して 5 年以内に売却された場合は、控除の適用外となります。

    アメリカの遺産税が廃止??

    香港、アルゼンチン、ニュージーランド、オーストラリア、カナダ、インド、メキシコ、スイス、スウエーデン、ロシアでは相続税がないらしい。

    アメリカでは2001年6月7日に2010年を最後に廃止との法案が可決された。


    2000年大統領選挙戦でのBushの公約-大型減税案が実現した形だ。

    しかしながらこの案の可決はSunset法としての可決。らしい。

    Sunset法の理念は

    「行政機関、事務事業、条例や規則を一定期間をもって自動的に廃止させる」

    というもの。らしい。


    つまり

    「継続すべき、或いは再設置すべきとの決定がない限り自動的に廃止する」

    という考え方である。らしい。


    日本で言うところの「時限立法」か・・・


    すなわち、何もなければ2011年には遺産税は復活する。


    ではこのSunset法として可決されたEstate Tax廃止案を簡単に。


    下は課税遺産に対する最高税率表。   

    2010年に遺産税率は0%になる。   

    すなわち遺産税は有名無実、いくら遺産を残しても遺産税は$0になるのである。   

    ・・・しかしこの案は上記の様にSunset法である。   

    ブッシュ政権によって提出された遺産税廃止の恒久化案が議決されない限り、 遺産税の完全廃止は2010年に限られることになる。  

                             The maximum                                                                      

       In calendar year:           rate is  :  

         2003                 49 percent

         2004                 48 percent               

         2005                 47 percent

         2006                 46 percent                            

         2007, 2008, and 2009 45 percent                            

         2010  0 percent                            

         2011 55 percent オバケ

    IRC § 2001. Imposition and rate of taxより


    次の図はEstate Tax Credit/遺産税額控除の表

    ご覧の通りTax Creditは段階的に増加している。       


    注)*Credit(税額控除)Deduction(控除)は全く違う。

    Deductionは「課税額」を減額する。      

    Creditは「税額」の減額。Creditが多くなればなるほど税額はDirectに減る。これは大きい。              



       Decedents      Unified Transfer   The applicable

      dying during:      Tax Credit     exclusion amount        

       (死亡年)        税額控除   税額控除に相当する遺産額      

    2002 and 2003 ....................$345,800...........................$1,000,000      

    2004 and 2005 .....................$555,800..........................$1,500,000      

    2006, 2007, and 2008 ....... $780,800.........................$2,000,000      2009 .................................... $1,455,800..........................$3,500,000

    IRC § 2010. Unified credit against estate taxより


    上図の見方)

    例えば、2009年に死亡した人の遺産税額から$1,455,800が税額控除されるのである。

    違う言い方をすれば課税遺産総額のうち$3,500,000は非課税となる。


    ちなみにこの法案、ビル・ゲイツパパから反対の声があがっているという。


    連邦遺産税を守れ――「すべての子供が平等なスタート台に立つのは不可能だが、そのために努力すべきで、遺産税はこの理想に近づくのに役立つ」(ワシントン=共同)

    日本の相続税/アメリカの遺産税

    今日はEstateについて。

    日本の相続税とアメリカのEstate Tax(遺産税)

    よくこの二つが同じ性質のものとして説明されている。

    しかし違う。


    日本で相続の際に発生する遺産相続税は

    「取得した財産の価額を基に課税される税金です。」

    と、国税庁①相続税のあらましには書いていた。


    一方アメリカの内国歳入局、泣く子も黙ると言われるIRSのWebsiteでは
    「The Estate Tax is a tax on your right to transfer property at your death.」

    となっている。「資産の所有権を移転する権利」に対して課せられる税金




    そんな権利は放棄したいが無理である。


    ちなみに
    つまり死亡時に故人が所有していた財産の移転に伴う税金の納税者は


    日本->①相続人
    アメリカ->②非相続人、財産を渡す人


    ここで↓のような税金を逃れる状況を思い浮かべる人も居る。



    財産を渡す人②が日本にいる、そして財産をもらう人①がアメリカにいる場合、税金がかからないのでは??

    そう、その通り。2000年3月31日まではその通り。

    しかし2000年4月1日以降、税制改正により従来の合法的な税金回避手段は使えなくなった。結局はどこかで課税されるのだ。

    逆の場合もある。



    財産を渡す人②がアメリカにいる、そして財産をもらう人①が日本にいる場合

    どちらの国でも課税されるの??

    これもまた然り。でも心配無用。

    こういうときの場合に租税条約が結ばれているのである。

    租税条約-我が国が締結した所得に対する租税に関する二重課税の回避 又は脱税の防止のための条約をいう。

    国税庁、通達(用語の意義)より


    さて、納税者が決まったところで次は課税資産総額の算出が待っている。


    資産の価格を決める際に基本となるのはFair Market Value・時価である。取得金額ではない。

    発売当事のCasioの電子計算機は車一台分の価格だったらしい。
    40数年前の購入価格が今もその価値であるとは普通は考えない。極端な例で考えると分かり易い。


    FMV・時価の決定日はアメリカでは以下から選べる。

    勿論、税額が低くなる方を選ぶことになる。

     ①「死亡時」
     ②「代替評価日」


    このFair Market Value・時価という言葉をよく耳にする人も多いだろう。

    IRSによると以下のように定義づけられている。
    "The fair market value is the price at which the property would change hands between a willing buyer and a willing seller,
    neither being under any compulsion to buy or to sell and both having reasonable knowledge of relevant facts.
    The fair market value of a particular item of property includible in the decedent's gross estate is not to be determined by a forced sale price.
    Nor is the fair market value of an item of property to be determined by the sale price of the item in a market other than that in which such item is most commonly sold to the public, taking into account the location of the item wherever appropriate."

    簡単に言うと、買いたい人と売りたい人との間で売買が成立する価格。

    もっと簡単に言うのであれば、何か物を手にする為にあなたが渡す価値。
    何かを売るときに相手から受け取る価値。


    この価値にちょっとした調整を加えたものが遺産総額になる。


    しかしながらFMV・時価の決定がEstate Tax Returnで一番難しいところである。


    今日は現金と株式等有価証券の時価について・・・

    ●現金の時価は?

    そのままである。
    100円を200円で買う人はいない。
    100円は100円。これは大丈夫。


    ●株式等有価証券は?

    ここでは株式を例に挙げて簡潔に。

    日々マーケットで売買されているものに関しては売却価格が公表されているだけに非常にわかりやすい。
    上場企業株でなくとも売却額の分かる場合には同様の方法で評価する。


    評価日の売却価格の中間=FMV・時価になる。

    しかし、ここにはいくつかの考慮点がある。
    ①評価日に売却の無かった場合
    ②評価日に一回しか売却が無かった場合
    ③ここ最近、全く売却のなかった場合

    上記の場合にはきちんと「こうしましょう」との指針が示されているので心強い。


    難しいのはclosely-held companyと呼ばれる企業の株式評価。

    読んで字のごとく会社の株式がCloselyにHoldされているのである。


    売却価格も分からない。

    最近売却があったかすら分からない。

    この様な場合のFMV・時価算出にもIRSはいくつかの指針を示している。


    その一つに「対象となる株式発行会社自体のFMV・時価を算出、それを株式数で割る」というのがある。


    書くと一行だが、実際は複雑な計算と、多くの考慮点・経験測・不可欠な情報収集等等等等等

    こうして導き出した会社のFMV・時価も「これが答え」というのは無い。
    IRSに根拠を求められたら納得してもらえるようにプロの説明が必要であろう。


    ちなみに会社のValuationをSimulateしてくれるWebsiteがある。

    http://www.kigyouhyouka.com/


    自分の会社の価値は?

    一体いくらでうちの会社を売却できるのか??

    ちょっと気になる経営者の方、一度お試し下さい。


    続く・・

    PEってなーーに?

    私はアメリカの日系会計事務所で働いている。


    「アメリカで日系の・・・」なので必然的に日本とアメリカ、どちらとも縁のあるお客様が多くおられる。


    今日は「日本籍の法人が行うアメリカ国内の営業活動の課税状況」についてちょっとだけ。


    法人が営業活動を行い利益を得た場合、まず何らかの税金が発生する。その中でもMainとなるのはCorporate Tax(法人所得税)。


    営業活動が一国内で行われている時は特に心配する事はない。というか普通はしない。


    心配なのは国を超えて営業活動を行い、利益を得たのに現地税務署に無申告であった場合。
    「黙っててもわからへん」・・ということはない。


    例えば

    日本企業Bアメリカ企業Aから$1,000,000の売上を得た。アメリカ企業Aはそれを税務申告上、Deduction(損金)処理する。
    勿論アメリカ企業Aの税額は減る。IRSの取り分も減る。


    IRSアメリカ企業Aの$1,000,000のDeduction(損金)に目をつけ内容を調査したとする。
    といった感じで日本企業Bの存在が明らかになる事もあるかもしれない。

    IRSとしては日本企業Bの売上についての何らかのTaxを是非納付して貰いたいと思うかもしれない。


    アメリカで営業活動を行った。
    アメリカから何らかの収益を得た。
    そんな時はこの言葉を思い出して下さい。

    「PEなくして課税なし」

    裏を返せば

    「PEがあれば税金あり」


    PEとはPermanent Establishmentのこと。


    日本語では「恒久的施設」と訳されている。

    日本企業がアメリカで行う活動が「PEがある」とみなされればその収入はアメリカで申告しなくてはならない。
    企業がアメリカに「PEがある」とみなされる場合は以下のケース。

     

    ①物的施設-所得源泉地国に施設を有することによるPE

    ②建設現場-所得源泉地国に建設現場を有することによるPE

    ③代理人-所得源泉地国に代理人を有することによるPE


    上の①②③を更に詳しく見ていくと

    ①法人が海外に有する施設が収益を生むことを目的に維持された以下 である場合にPEとみなされる=課税される
          a)経営 a place of management
          b)支店 a branch
          c)事務所 an office
          d)工場 a factory
          e)作業場 a workshop
          * 但し、上記にあてはまっても、その事務所が行っている行為 が収益を生まない行為である場合はPE(恒久的            施設)には該当しない。
         例)施設を所有しているがPEに該当しない=収益を生まないケー            ス
          ・商品の保管・展示・引渡し
          ・商品の購入
         ・情報の収集
         ・準備的または補助飴な性格の活動
         ・上記行為の組合せで、かつその行為が補助的であったり準            備的である場合

    ②建設現場を有することによるPE
      建設工事現場が恒久施設(PE)となる場合
    海外に有する建設現場・据付工事現場で工期が12カ月を超える場合
    *建設物の種類・据付物の種類は不問


    ③代理人としてのPE
    代理人を恒久的施設とみなす場合
          1.自己に代わって行動する個人・法人を所得源泉国に有し
          2.代理人が法人を代理して法人の名前で契約をする権限を有            し
          3.その権限を反復して行使する場合
         例)日本法人がアメリカの個人と販売代理店契約を締結。

    アメリカの個人は販売条件の決定権を有し販売に応じてコミ            ッションを得ている。


          *代理人がPEとならない場合
                 1.代理行為を業務としている商社や仲介業者等、

    不特定多数の顧客を対象に代理人

                  行為を行い手数料を得ることを本来の業務とする

    仲立人・問屋その他
                 2.代理人の行為が「PEに該当しないケース」

    (収益を生まないケース)である場合
                 3.在庫保管代理人
                 4.注文取得代理人
                 ●日本に親会社を持つアメリカ子会社が代理権を             反 復継続して行使する場合は

                   (収益を生む場合)代理人としてのPEとなる。
                 ●上記のような行為(収益を生む行為)がアメリカ子             会 社でなされていなければ資本関係を理由に

    日本親会社のPEとなることはない。


    ちょっと長くなったけれど、基本は「PE」があるかないか


    今回は日本とアメリカの場合を例にあげたけれど、このPEの考え方は州税の考え方にも当てはまる。

    前に書いたようにアメリカでは連邦だけではなく、州にも税金を払わなければならない。


    州税を計算する時にはApportionmentという方法を使う。

    Apportionmentについては以前のBlogを見てください。


    では★