大石事務所の本棚

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自分の読んだ本の感想

を書いた書評ブログです。

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 第1部 2025年はどうなっているのか?

  第1章 世界最先端11社の思惑と3つのメガトレンド

  第2章 業種の壁崩壊とコングロマリット化の再来

  第3章 ハードでもソフトでもなく“体験”が軸になる

  第4章 データを制するものが未来を制す

 第2部 2025年を生き抜く処方箋

  第1章 5年後に破壊される企業、台頭する企業

  第2章 5年後、あなたの仕事はこう変わる

 

 この本の冒頭は、2025年に浦安の高層マンションで暮らす、とある男性の生活の様子から始まります。

頭にデバイスを装着してホロレンズで映し出された画面を見ながら、世界中にいる同僚とミーティング。たまに会社に出社する際は電車ではなく、自動運転のタクシーで、など近未来の様子を描いたSF小説

のような世界が描かれています。

 

 そんな2025年に覇権を握っている、強大な影響力を持っている企業はどこか?を考察している一冊

です。

 

 著者の予想では、いま現在、既に大きな影響力を持っている『GAFA(グ-グル・アマゾン・フェイス

ブック・アップル)』には死角がないようで、2025年にも覇権を握っているとしています。新たな分野で

台頭してきたベンチャー企業を早めに買収して、その規模と影響力はむしろ増している感じさえあり

ます。

 

 ではなぜ『GAFA』に死角がないのか?

 それか彼らが、『データ(情報)』を収集し、活用してるからに他なりません。つまり、

 

 『データ(情報)を制するものが全てを制する』

 

 時代がやって来る、ということです。

 

 『GAFA』以外にも、これから新たな分野で台頭しそうな企業として、

 

 ・グリフ

 ・アドビ

 ・クラウドストライク

 ・ウォルマート

 

 などの名前を挙げています。

 

 個々人としては、『2025年に必要な5つのスキル』として、

 

 ・英語

 ・ファイナンス

 ・データサイエンス

 ・プログラミング

 ・ビジネスモデルが読める

 

 という5つのスキルを挙げています。

 

 2025年といえば、今から4年後。そんなに先ではありません。

 本当にそんな近未来的な生活になっているのかと思う反面、大きな変化の訪れに対応していかなければならないようです。

 

 流石にコロナは収まっていて欲しい...。

 

 評価 : ★★★★☆

 

 

 

 第1章 体のすべてをコントロールする「腸の2つの流れ」を知ろう

 第2章 本当に恐ろしい「7大健康リスク」とは?

 第3章 やってはいけない!あの食事法の「落とし穴」を徹底解説!

 第4章 「理想の腸」になるためにまずは「7つの超基本」を実践しよう!

 

 非常にシンプルなタイトルです。

 

 健康に関する本は個人的に好きなジャンルで、腸の健康についての本も既に何冊か読んで

います。が、著者が外国の方なのが理由なのか、この本は発想や内容がかなりユニークです!

 

 食べ物によって食道、胃、腸を通って、肛門から排泄されるまでのスピード違うというのです。

 そのスピードによって、

 

 ・ファスト(消化の速い食品) → ほぼ全ての果物、はちみつ、ヨーグルト、トマト、唐辛子など

 ・スロー(消化の遅い食品) → 野菜全般、穀物(米・パン等)、肉類、ナッツ類、海藻類など

 ・ニュートラル(どちらでもない食品)→ 油、にんにく、たまねぎ、ワイン、ビール、コーヒーなど

 

 の3つに分類し、その食べ合わせや食べる順番で腸の健康を保つというものです。著者の名前を取って

 

 『アダムスキー式腸活法』

 

 と名付けています。

 その説によると、

 

  「その『ファスト』と『スロー』をやみくもに組み合わせたら何が起こるでしょうか。消化管の

中で、化学反応―いわゆる『腐敗』が起こります。これによって腸の流れが遅くなり、しだいに

汚れがたまって詰まってしまいます。」 ( P.20 )

 

 『ファスト』と『スロー』では、体内を異動するスピードが違うので、一緒に食べてはいけないという

のです。その結果、頭痛、不眠、肌荒れ、腰痛などの体の不調が起こる、としています。

 

 「『消化の速い食事』は『消化の遅い食事』のあと最低4~5時間空けて、『消化の遅い食事』は『消化の速い食事』のあと最低1時間半空けてとる」 ( P.201 )

 

 これが大原則だそうです。

 

 最初にも書いた通り、消化されるスピードで食べ物を分類し、食べ合わせで腸の健康を説くという

考え方は斬新でした。但し、この説に従うと、

 

 ・トマトソースをかけたパスタ

 

 は食べてはいけない組み合わせとなり、パスタ好きな自分としては、この健康法を実践するのは

難しいかも...と暫し途方に暮れてしまいました。

 

 評価 : ★★★★☆

 

 

 第1章 ネット時代の「正義」-他人をつるし上げる悦び

 第2章 日本社会の特殊性と「正義」の関係

 第3章 なぜ、人は人を許せなくなってしまうのか

 第4章 「正義中毒」から自分を解放する

 

 テレビ番組のコメンテーターとしてよくお見掛けする脳科学者、中野信子さんの著書です。

 

 なぜ人は、他人を許せないのか?

 なぜ他人を批判してしまうのか?

 

 について、脳科学者の見地から考察している一冊です。

 

 「人の脳は、裏切り者や、社会のルールから外れた人といった、わかりやすい攻撃対象を

見つけ、罰することに快感を覚えるようにできています。他人に『正義の制裁』を加えると、脳の

快楽中枢が刺激され、快楽物質であるドーパミンが放出されます。この快楽にはまってしまうと

簡単には抜け出せなくなってしまい、罰する対象を常に探し求め、決して他人を許せないように

なるのです。」 ( P.5 )

 

 という、人間の脳にその原因があると説いています。

 

 他人を批判することにより、快楽物質が放出されるので、人は他人への批判を止められないのです。

 しかし、批判中毒がまん延する社会は、結局多様性もなく、生きずらい世の中になってしまいます。

 その為、この本では、著者なりの『批判中毒』から脱出する方法を幾つか説いています。

 

 「相手は対・人でなくてもかまいません。『このテレビ番組は馬鹿ばかしい』『〇〇党は許せない』『〇〇教は好きになれない』(中略)などといった怒りの感情が湧いたときは、その感情を増幅

させてしまう前にひと呼吸置いて『自分は今、中毒症状が強くなっているな』と判断するように

します。」 ( P.164 )

 

  「正義中毒から解放される最終的な方法は、あらゆる対立軸から抜け出し、何事も並列で処理することではないかと思います。(中略)そのポイントを言葉にするとすれば、ああでもなく、こう

でもなくという感覚を受け止め、できるだけ多くの人との間で共有し、互いを包みこんでいくこと

ではないかと思います。」 ( P.212 )

 

 この本の本題からは少々外れるトピックなもしれませんが、意外な『学び』となったのが、

 

 ・江戸時代中期から明治時代まで、日本の人口が3,000万人で頭打ちになっている。

 ・江戸時代に日本にやってきた外国人の見聞録に、耕作できるところは全て人の手が入っている、

非効率的な段々畑もたくさんあるという記述から、 

 

「鎖国によって交易(特に食料の輸入)を行っていなかった江戸時代、国土をギリギリまで食糧

生産のために使っても、最大維持できる人口が3000万人超のレベルであり、ひとたび自然災害が起きてそのバランスが崩れると、あっという間に100万人単位の生命が失われるような限界

寸前の状況だっただろうということです。お米の一粒すら貴重な国土では、集団で食料生産を

維持していくより他なく、裏を返せば一人で生きていくことはできないということでもあります。

こうした状況では、良し悪しにかかわらず協働して困難を乗り切る集団主義的戦略が最適で

あって、集団の考え方に背くことが社会全体の深刻なピンチを招きかねないという思考を、誰もが無意識に採用していたということなのでしょう。」 ( P.58 )

 

 という考察をしており、日本人が議論を好まない、空気を読むことに長けている理由を理解ができ、

妙に納得しました。この江戸時代の背景を理由とする説に触れたのは初めてで、これだけでもこの本を読んだ甲斐があったというものです!!

 

 この本全体の感想としては、中野さんは著作を量産されている様で、そのせいなのか、この本の中では、同じ内容を別の章で繰り返し、問題提起をしても解決策が示されず、別の箇所に解決策が書かれていたりしています...。

 

 構成に時間をかける余裕がないのか、敢えてかけていないのかわかりませんが、まとまりがなく、散漫な感じがしました。編集者がもっと気を遣って構成をきっちとすればいいのに...。

 

 評価 : ★★★★☆

 

 

 第1章 さあ、3000円投資生活を始めよう

 第2章 3000円投資生活なら「貯金感覚」でコツコツ増える

 第3章 1万人の家計を見てきてわかった「投資の分かれ道」

 第4章 絶対にやってはいけない、投資とお金の使い方

 

 『3,000円で投資?』『たった3,000円を投資して何が変わるの?』という疑問が湧き、この本を手にしてみました。

 

 この本を読むと、著者が1万人を超える人達の家計に関する相談に乗りながら得た、投資初心者向けの指南術が伝授されています。

 

 「この本でおすすめする投資方法は、きわめてシンプルです。『証券口座を開き、月々3000円

で投資をスタートし、バランス型の投資信託を買う』だけ。それ以外に、特にやることはありま

せん。基本的には長い時間、ほったらかしにしておいて大丈夫です」 ( P.17 )

 

 「収入を100とした場合、『消費』を70%、『浪費』を5%、『投資』を25%も枠内に収めていただき、『投資』については、さらに、

 ・貯金 15%

  ・金融商品への投資や自分への投資 10%」 ( P.98 )

 

 というのが、この本によると黄金比率のようです。

 

 これがこの本の結論と言えます。

 

 この手法で、投資の基本を身に着け、種銭を作り新たな投資を行うのも良し、投資で得たお金を頭金

にローンを組んで家を買うも良し、幾つもの次のステージを提示しています。

 

 かく言う著者も、

 

 「恥ずかしながら、私のも揺らいだ時期がありました。ただ、『大暴落がきても世界経済の成長が永遠ににマイナスのままということはないんだから、最終的にはプラスになる』『結果、平均化

されて、利回りは3~4%で落ち着くだろう』といった考えに基づいて投資を行い、実際そうなって

います。」 ( P.85 )

 

 という経験を得ての結論のようです。 

 

 読んでいて『なるほど!』と、ほくそ笑んでしまったのが、

 

 「なお私は、プロの投資家として活躍している人や、一代で資産を築き上げた人を何百人も

知っているのですが、彼らには共通点があります。

 それは、どれほどお金を持っていようと、『たとえささやかでも、トクをするのが大好きである』

という点です。」 ( P.116 )

 

 という一節でした。

 

 結局、投資を難しく考えず、ある意味ゲーム感覚で学び、実践する人達が投資に向いているということなのでしょうか。

 

  『投資はギャンブル』、『汗水垂らして働いて稼ぐお金こそが至高』という日本人には、参考になる一冊でした。こういった事は学校で教えるべき事だと思うのですが...。

 

 評価 : ★★★★☆

 

 

 

 

 第1部 2020年のさだまさし

 第2部 風に立つライオンとさだまさし

 

 歌手の『さだ まさし』さんによる著作です。

 

 そして、『緊急事態宣言』とは、新型コロナウイルスの世界的パンデミックのため、昨年4月に政府から発出された宣言のことです。

 

 新型コロナウイルスの蔓延により、日本だけではなく、世界中の人々の生活が一変しました。

 多くの観客を集めてコンサートを行ってきた、ミュージシャンのさださんの環境も当然ながら大きく

変わりました。

 

 その時、さださんは何を考え、どう行動してきたのかを納めた一冊です。

 

 市井の人達の多くはもちろん、芸能人の人達も、

 

 『困った』

 『不自由な生活で嫌だ』

 『大人しくステイホームしていよう』

 

 という選択をした中で、さださんが選んだ選択肢は、

 

 『困難に立ち向かっている医療関係者、福祉関係者の人達の為に立ち上がろう』

 

 というものでした。

 

  『困っている人たちの為に、何かしたい』という気持ちは多くの人が持っていると思いますが、それを

実際の行動として起こすことの間には大きな壁があると思います。

 その壁を乗り越えて、行動を起こしたさださんに、素直に感動しました!

 

 しかも、さださんは今回の新型コロナウイルスの大流行を受けて行動を起こしたのではなく、その遥か前から、自身で『風に立つライオン基金』という財団法人を立ち上げ、アフリカやアジアの国々に手を

差し伸べていたということをこの本を読んで知り、更に感激しました。

 

 国境なき医師団の方が、

 

 「国境なき医師団は、活動の90%が寄付で成り立っています。もちろん、日本国内でもたくさんの方から寄付をいただいております。お伝えしたいのは、『私が寄付したものが、誰に、どこに、

どういう形で届いているのか』という情報が届きにくいということ。

 『よくわからない使われ方をしている。だから寄付しない』という人が多いんですよ。風に立つ

ライオン基金によって、『私の寄付したお金がこういう風に使われている。こんなに喜んでくれたんだ』と伝わるようになれば、日本の寄付文化に対する考え方が変わっていくと思います。さださんの活動が新しい寄付文化につながっていくことを、心から期待しています。」 ( P.248 )

 

 と、述べていて、確かに怪しげな団体、寄付金の使用情報開示が充分ではない団体には寄付はしたくありません。清廉潔白な?イメージのある、さださんの基金なら信用して、寄付をしようという気になるのはわかる気もします。

 

  「コロナウイルスは、人の繋がりを断ち切りました。本来は『大好きだから側にいよう』を我慢

して、『大好きだからこそ、会わないでおこう』。そんな奇妙な心がけが正解だと考えられました。

  だが、会えなくても、人は繋がることが出来ます。実はこの、見えない人同士の繋がりこそが、コロナウイルスに立ち向かうひとつの手段なのです。」 ( P.156 )

 

 コロナウイルス感染拡大前とは大きく変わった、withコロナ、アフターコロナの人との関わり、関係性を説く、この一節が印象的でした。

 

 評価 : ★★★★☆

 

 最後に、さだまさしさんが立ち上げた「風に立つライオン基金」のURLを貼っておきます。

 

 公益財団法人 風に立つライオン基金 | 我々は、小さな『志』の集合体です。 (lion.or.jp)