前回からのつづきです。
拓馬先生の特別授業の後、学校では、同僚教師がさまざまに声をかけてくれました。
「生徒たち、普段はあんな良い表情しないのに!!」
「末原さんのオーラがそもそも素晴らしいのもあるけど・・・」
なにか大切なことをその同僚は言いかけたのだけど、緊急の用事の生徒があらわれて、話は中断。
でも、そのあと何を言いたかったのか、私はわかるような気がしました。
拓馬先生が言った、「演劇とは、相手を立てること」。
この言葉、今回撮った動画のどこを取っても・・・
拓馬先生の全身から、「お前に興味があるよ」「お前は、人に見られる価値がある」っていう、圧倒的な『肯定』が溢れてるのです。
私はこれまで、優れた指導者は、高い能力だとか人格的魅力だとか唯一無二の雰囲気とか、いわゆるカリスマ性によって影響力を持つものだって、なんとなく思ってたのですが。
それが大きく覆されたのが、拓馬先生の「姿勢」でした。
そういうトップダウン的な支配力、とはまったく方向が違うのですよね。
もちろん、誰が見てもどこから見ても、稀有の才能に溢れ魅力的なのはそのとおりなのですけど。
ま、とにかくご覧くださいませ。
特別授業2時間目、プラス、一週間後の彼らの姿です!
末原拓馬特別授業「演劇ワークショップ」④〜でっちあげの物語を創造する〜
(まずこの、でっちあげ、っていうのがすごく好きです!!!)
3分40秒あたりから、別の同僚教師が、この授業の感想を語ってくれてます。(ちょっと耳を澄ませて聴いてくださいね)
同僚教師が伝えてくれているとおり、演劇クラスの生徒だけじゃなく、見学に来た生徒までやる気になって、エンジンがかかってる。
知らず知らずやる気に火が点いて、みんなとても楽しそうなのですよね。
生徒たちの姿が教えてくれるのは、「想像」したり「創造」したりすることが、どれほど人を生き生きと活動させるか、ということ。
私がこのところ、論集に提出したり学会で発表したりしてる共同研究のテーマがまさに、子供の「創作」や「即興」の実践についてのことなのですけどね。
「創作」や「即興」は、芸術論的には「芸術の原初の姿」であり。
教育論的には、想像と構成を調和させ、思考と行動の反能力と反射性が諸感覚機能を高め、ふだんは秘めてる性格の質までもが表現に溶け込んで、つまりはそれが、生きる喜びをより深くする、などなどと言われています。
拓馬先生の授業の冒頭、「これ、2時間地獄だぜ」ってつぶやいた生徒の話をしました。
他人が作った『正解』が大前提になってる今までの学校教育では、自分はこうだって思うことを「すぐに出す」とか、「自由に」っていうのを求められるのは、『間違いを指摘されそう』で、、、ということは『自分を否定されそう』で、怖いのですよね。
だからそもそも、「自分はこうだ」って思うことも、自分の能力すらも、封印してしまってます。
「創作」や「即興」が教育において大切だって言われているのに、現場ではなかなか実践例がない。(出来る人がいない、方法がわからない)
そして、「これが大切だ」「でも実践例がない」ってことだけが、いろんな論文で繰り返し書かれているわけです。
この、本来の生きる喜びにつながる「これが大切だ」をこんなにも楽しく具現化してくれる、拓馬先生がいる。
2時間で、「地獄だぜ」から「最高っす!!!!」に変わった生徒がいる。
たとえば学者が何人も寄って論じる「創作の壁」を、「でっちあげで創る」っていう言葉ひとつで、魔法のように超えさせてしまう。
これをみんながやったら、教育界は抜群に良くなりますよ。
私自身、めちゃめちゃ変わりました。
生徒の前に立って、生徒から見えてくるものが、ほんとうに大きく変わりました。
今までだって、生徒が持っている宝物を感じられることは、とても幸せなことだったのだけど。
私が拓馬先生から学んだのは、「Yes,and......」という世界。
「あ〜それいいね〜、でもね、こうするともっと良くなるよ」っていう「Yes,but......」、ではなくて。
「あ〜それいいね〜、だからさ、それをもっと見せてよ!!」っていう世界。
これをしようと思ったら、生徒への見方がまるで変わるのです。
ほんとうに踏み込んで見てないと、本気で相手に興味を持って、ちゃんと見えてないと、「Yes,and......」の先は言えないですからね。
今までの自分は、生徒を肯定してるようで、「肯定のフリ、してただけじゃない!」って言いたくなるくらい。
見えてくるものが違うのです。
今思うと、今までは「Yes,but......」か、「Yes.」で止まってた世界でした。
これ、世界の色が、変わって見えるくらいの変化です。
素晴らしい出来事を終えて、「ああ、良かったね」で幕は閉じて、いつもの日常に帰ることもあるでしょう。
でもとてつもなく素晴らしいと、「これを引き継ぎたい」って猛烈に思うわけです。
自分の、出来る・出来ないを超えて。
あ。私のやる気に火が点いたってことですね。
「演劇とは、相手を立てること」
生徒に本気で興味を持つ。
目の前に立っている相手の本質って、ほんとうに素晴らしいです、とても。
シリーズおわり。
授業翌日の末原拓馬独り芝居「夢語」より
(写真:木寺一路)
<公演情報他>
◉末原拓馬主宰オンラインサロン
末原拓馬さんが創作の場として開設したオンラインコミュニティ。
末原さんの生まれたての物語に触れたり、ときにイベントを企画し、誰もがもれなく創造性を持っていることを尊び、破格に楽しく遊ぶ場所です。
高校での特別授業も福岡公演も、このオンラインサロンを創設した末原拓馬さんの先見と、会員同士の連携で実現しました。
◉末原拓馬主宰「劇団おぼんろ」本公演
「ビョードロ〜月色の森で抱きよせて〜」
2019年2月14日(木)〜17日(日)
14日(木) 19:00
15日(金) 14:00 / 19:00
16日(土)13:00 / 18:00
17日(日)12:00 / 16:30
◉ルネス独り舞台シリーズ2 [末原康志×末原拓馬]
2018年11月22日(木)
開場18:30
開演19:00
ルネスホール(岡山市北区内山下1-6-20)
チケット予約·問合せ:NPO法人企画on岡山
E-mail:ikaku.on@gmail.com
Tel:080-2941-0675(浦西)
◉『えんとつ町のプペル』
2018年12月5日〜9日
原作:西野亮廣(キングコング)
脚本・音楽:末原拓馬(おぼんろ)
演出:わかばやしめぐみ(おぼんろ)
調布せんがわ劇場






