③ 商品の販促戦略の再構築
イートインでの商品、つまり現在のメニュー表に載っている商品をそのままテイクアウト商品、又はデリバリー商品にすることはできないと同じように、販売の仕方も同じではありません。特に販促戦略についてはそれぞれの事業ジャンルごとに再構築する必要があります。
販促戦略の再構築に対して前提として知っておきたいことは、「人は理由があって動く」という大原則です。飲食という行動においても人は原則通り、何かしらの理由があってお店を利用するわけです。ここで注意をしなくてはならないのは、人は生きるために飲食店を利用する、又はお腹を満たしたいために飲食店を利用する、と単純に考えないことです。
人が飲食店を利用する理由はもっと複雑です。親しい相手と親睦を深める、大切な人と楽しい一時を共有する、怒らせた相手のご機嫌を直してもらう、家族のお祝い事などなど、人はいろいろな理由で飲食店を利用しているわけです。
今までのイートインでは、自店の方針をこれらの理由の中からある理由を選択し、「〇〇というシーンで利用できるお店」というアピールをしてきたはずです。でも、それは、商品だけでなく店内の雰囲気やスタッフの接客技術を組み合わせて実現できたことだったはずです。
しかし、テイクアウトやデリバリー、さらに通販という販売形態では、これまでの店舗力でお客様の理由を満たすことはできません。そのため、それぞれの販売ジャンルにおいて「お客様の購入理由」を明確にしておく必要があります。
イートイン以外のジャンルにおいては、店舗力は使えないことから商品力で購買理由をアピールしなくてはなりません。これはなかなか難しいことなのですが、「商品のストーリーを伝える」という方法があります。
販売する商品、主に料理だと思いますが、その料理を開発するには、仕入れ先の方の力を借りたり、素材をベストな状態に整えたり、オリジナルな調理方法を試みたりという、あなた独自のストーリーがあると思います。そのストーリーを商品と共に紹介するというのはどうでしょうか。
今までイートインでは、お客様はすでに何かしらの理由を持って来店をしていました。お店側はその理由をいち早く掴み、それを満たしてあげることに努力をすることが販促戦略でした。しかも、一度来店したお客様は、めったなことがない限り、何かしらの商品を購入していただけます。
しかし、イートイン以外のジャンルでは、リアルの来店なしで商品メニューから自分たちの購入理由にかなった商品を選択します。しかも、来店をしていませんので、そこでは購入をやめて、他店の商品を調べることはすぐさまできるのです。
ここに今までの販促戦略を再構築しなくてはならない大きな理由があるのです。