高市経済安保担当大臣は7月18日のBS TV8チャンネル「プライムニュース」で、米国の例を引いて、「選挙でカネがかかるのは民主主義を守るための必要経費である」趣旨の発言をしていた。
高市氏が例示したアメリカは、2大政党が確立しており、各政党の政策・施策ははっきりしており、寄付はその政策・施策の実現に向けてのものであるのに対して、日本の寄付は、派閥と手を結んで企業・団体の利権を手に入れようとするもので、事情は大きく異なる。
我が国が参考にすべきは寧ろ英国をはじめ多くのEU諸国ではないだろうか。英国の上院議員は議会出席に伴う足代等必要経費は受取っても歳費はゼロである。一国の指導層として、奉仕は伝統的な理念、矜持である。下院議員の歳費も日本の約半分であり、一流大学を出たエリートたちは国会議員になるよりも収入の高い民間企業に吸収されている。
他方、茂木自民党幹事長も「企業・団体にも政治に参画する権利がる」と言って、暗に、政治にはカネがかかるもので、自民党派閥による裏金問題を擁護している。
しかし、考えてみてください。先に行われた東京都知事選で石丸候補はYou Tube等SNSを駆使して、政治にそっぽを向いていた無党派層を引き付け、カネのかからない選挙戦を展開、最終的に第2位の得票を獲得している。我が国は、OECD諸国の中で1人当たりGDPは一番低い部類の国に甘んじている。世界的な基準でいえば先進国というよりも中進国である。中進国、日本に相応しい、血税の使い方をして孫・子に借金を先送りすることはやめましょう。選挙にカネがからないSNSの利用や歳費を引き下げて奉仕精神のある者に政治を任せてはいかがでしょう。今の選挙制度はカネがかかるシステムになっているというのなら、立法府に一員として選挙制度を改変して選挙にカネのかからない国にする努力をしてもらいたいものである。「カネがかかるのは民主主義を守るためである」と聞いたのは、筆者の聞き間違えだったことを願う。
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