古都のブログ小説 京の鐘997

 

 

 

「既に、当社の役員や、各部局のメンバーが京に来て、

 関係各所各を回り、こちらの企画意図と狙いを説明し、

 理解と協力を求めているはずなんだ」

 秋山の唐突な説明に、志乃を除いた多くは唖然として、

 口が利けず、互いに顔を見合わせて、

 重い溜息漏らし合っていた。

 

 

 

「せんせ、そこまで決まっているのですか、なら、いいも

 悪いもないではありませんか。やらねばならんものなら、

 私は全力を挙げてこの番組の成功の為、

 出来ることは何でもやります」

 珍しく山田康則が、ひと膝乗り出し、秋山を大いに満足

 させた。

 

 

 

 長内聡も無言だが大きく肯いて見せた。

 穂香が心配そうに口を開いた。

 

 

 

「うちでも、こないな大きな番組に、顔出して、ええのん

 ですか」

「大丈夫よ。うちがしっかり頼んで、おいたから・・」

 志乃が疲れを見せず、軽く引き受けていた。

 

 

 

 秋山も小さく笑いながら肯いた。

「ここにいる全員が出演するのは始めから決めていた

 ことだよ」

「うちも・・」

 穂香が不安な顔で口を入れた。

 

 

 

「それは志乃君が強く言い添えたから仕方なく・・」

 口元が緩んでいた。

 

 

 

「ほな、うち志乃姫様のお陰で、無事皆さんと一緒できて、

 うれしおす」

 急に、しおらしく、京言葉に変えて、歓喜の思いを

 漏らしていた。

 

 

 

 他の者たちが揃って唇を噛んで、笑いを堪えていた。

 

 

 

「それと、内容が概ね決まっているのだが、その中に、

 皆で小芝居を演じてもらう予定なのだ」

 =えーっ・・=

 天を突くような悲鳴に似た声が飛び跳ねた。

 

 

 

「なんですのん」 

 穂香がこわごわ口を差した。

 

 

 

「穂香は台詞はほとんどない。君に台詞をいわせると、

 悲劇がお笑い番組になるから、簡単な単語だけにする

 つもりだ」

「ほな安心しました・・うち、顔を出すだけで済む役は

 得意なんです」

 妙に汐らしく、しなをつける穂香に、全員が声を揃えて

 爆笑した。

 

 

 

 穂香は嬉々として、はしゃいで見せた。

 

 

 

「役割は志乃君が将軍家の姫様・・他の子達はその腰元・・

 康成は警護隊長、聡は副隊長・・他の四人は警護隊士と

 なる。その中の一人は、皆を泣かせる悲劇の隊員となる」

 

 

 

「そんな小難しい役まであるのですか」

 康成は咳込んで尋ねる。

 

 

 

「台詞は全く無い・・死体役だからだな」

 一瞬にして一同、固まった。

 

 

       古都の徒然 仏教って・・

 

 

  お盆も過ぎた今頃、こんなことを言うのも、変ですが

 人が亡くなるとは、どうゆうことかと・・

 尋ねられると、

 言葉に詰まりますが、うんと昔、誰からも、自分のことを

 忘れられたら、その時が死を意味するものだとか・・

 

 

 それだと、ナポレオンも徳川家斉も織田信長も、みんな、

 まだ、生きているのかも知れません。

 だとしたら、

 ちと、怖い話になりますね・・(笑)

 

 

 そんなに死んでから、500年も忘れられない人って

 どうなんでしよう・・

 

 

 なので歴史上、知られている人はもしかして、

 永遠に忘れられないから、何時までも

 この世に

 うろ・うろしているとしたら、気味が悪いかも(-_-)

 

 

 そんなことなら、いっそ、お墓なんか作らず、

 亡き人の名前も消した方が

 良くないかな・・

 

 

 何故、私がこんなことを考えたかと

 言うと、

 今の私は子孫がいないので、私がこの世を去ると、

 菩提寺の住職以外、いつか、忘れられていき、そして

 成仏するのかなーっと(#^^#)

 しかも、随分と早く・・

 

 

 仏教では永代供養と言うものがあって、誰かが亡くなると

 戒名をもらい、その寺に遺骨の一部を預け、

 子孫が亡くなっても、供養は永遠にされ続けると言われる

 ものなのですが・・

 

 

 私の両親や先祖はこうして,弔らわれると言われるもの 

 なのですが・・。

 これには多少の供養料がいります・・・

 

 

 こうした仏教の在り方は、旨く出来ていますね。

 

 

 未だに、

 お盆があって、夏になると、お墓参りに出かけるとか

 先祖が帰って来るので、これを楽しませようと

 村人が輪になって舞踊る…盆踊りがあり、

 お盆が過ぎると、

 あの世に帰る先祖の道を照らす大文字があるのは

 京の習わしとして、今も続いています。

 

 

 こうしてみると、仏教って、よくよく考えられたもの

 なのですね。

 

 

 もしかして、永遠に続くかも知れませんね・・

 

 

 あの生命保険って・・こうした仏教行事のためにある

 のかも知れません。

 むっ・・

 

 合掌・・